その4 標高が高いからと思ったら下界も雪だった



でも、「だからこそ」の風情を味わえましたよ。諏訪神社下社秋宮にて。

(2022年3月21日-23日 その4)

明けて翌朝。左下画像は朝方5:30頃に撮影したものですがしっかり曇っており、雪も少々舞っていました。右下画像はその15分後くらいに撮りました。多少の視界はあるものの、これじゃじぇんじぇん屋外では楽しめなさそうです。ちなみに朝風呂はやっていませんが、なぜか旅先では早起きしてしまうTakemaです(苦笑)。





そんな中でも出かけていく登山者さん。ガンバレー(完全他人事)。



で、せっかくなので自分も外に出てみました。あーあ、しっかり雪が降っています(降雪量は大したことなさそう)。ただ冬期間封鎖されている片側の入口は雪に覆われていましたっけ(別にこの日にこれだけ降ったわけではなく前から)。



エントランスを入ったところには、冬山装備を着脱するためのスペースが設けられていました。ここで(風雪を気にせず)スパッツとかオーバーパンツを外したり脱いだりできるというのは有り難いなぁ。30年以上前はどうだったのかについては全然覚えていませんが(確か下山時はこんな天気でしたが)。

右上画像は頂上を目指すのではなく「雪訓(雪上訓練)」を行い始めたパーティです。雪訓、かつていやというほどやった(やらされた)なぁ。ピッケルストップは言うに及ばず(「でもいざ滑落したらこんなもんで止められると思うなよ」と言われ続けました)あえて表層雪崩に流されて身体を泳がす(上方に出る)とか(これ、今考えればとんでもない事故を起こしてもおかしくなかったと思います)、また雪洞掘りとか(楽しかった)ラッセル訓練とか(きつかった)、まぁいろいろやりましたっけ。



で、今となっては「見るだけ」なんですけれどね(苦笑)。



で、朝ごはんはご覧のとおりシンプル‥なんですが、長めのウインナーの真下にもう1本、同サイズのウィンナーが隠れておりまして‥何だかきつかったぞ(1本でいいです)。食後のコーヒーをいただいたあと、部屋で少し寛いだ上でチェックアウト。下りの始発便が8:55発ということもありますが、そもそもホテルのチェックアウトが9:00なので、居場所がなくなっちゃうんです。



始発の下り便はガラガラでした。宿泊客(&もしかしたら山から下りてきた登山者=この日は皆無)以外に利用者はいませんし、その宿泊客も半数くらいはこの日登山 or 雪訓に赴いたようでしたので。

それにしても、このページをタイプするにあたりネット情報を確認していたところ、ある方がここホテル千畳敷に宿泊して翌朝木曽駒往復(初冬)なさったようなのですが、その前日に「明日は登山なので夕食時にはアルコール断ちとしました」というコメントを見つけてびっくりしました。いや、そりゃそうするに越したことはありませんが、自分にはそんな発想がついぞありませんでした(山で飲むお酒っていいものですし)。

いや間違えましたありました。2001年のマレーシアはボルネオ島のキナバル山(4095m)、自分は1990年にも登っていたので「楽勝!」というつもりで途中の小屋で「痛飲」の結果、翌日の頂上アタックと下山はヘロヘロでしたこの時です)。

ゆえに(学習して)、2003年にパプアニューギニアの最高峰であるウィルヘルム山(4509m)に登った際は、標高2750mのロッジ(ここまで車で上がれる)に宿泊した段階から「断酒」していたみたいでした(この時です)。ただ、さらに昔富士山(3776m)に登った時には深夜お鉢巡りの一角で寝袋にくるまりつつガンガン酒を飲んでいた記憶も(40年近く前のことなのでお許しください)。



さてお宿は一気に遠ざかり、ほんの数分後にはしらび平駅が見えてきました。



そして再びバスへと乗り込む‥前に一服(灰皿が設置されていたので)。で、いざ乗り込もうと思ったら、ふと気になる記載が(右上画像マウスオーバーで拡大画像に変わります)。



これは不思議に思ったのであとで調べてみると、世界各地域によって使われ方に差違はあれど、要は「ケーブルによって移動をさせている(搬器自体には動力設備を有しない)」移動機器の総称が「Cable Car」なのだとか。

日本では例のあの急傾斜を移動する鉄道車両のみを指す言葉ですが、広義ではロープウェイもゴンドラも全部含まれるようなのですね。確かにみんなケーブルでの運行だし(もちろん『Ropeway』も和製英語ではなく普通に通用しているようですが)。ふーん、勉強になったぞ(その知識を今後いつ使えるのかはともかくとして)。



さてここからは、昨日は全面にわたってアスファルトが出ていた区間をバスで下っていきますが、ご覧のとおり完全に雪だらけです。道路の斜度もかなりキツイのですが、バスは結構なスピードで下っていきます。さすが通年運行のバスでもあり、ドライバーさんも慣れているはずですし(チェーンは装着していませんでした。タイヤ種類は未確認)。

なお調べてみたところ、この区間運行のバスは山岳路線運行用ということでギア比は特注ということのようです。ということは下りのエンジンブレーキもさぞかし‥いや、でも唸るエンジンブレーキ音は全然記憶にないなぁ。



菅の台駐車場まで戻ってくると、ガラガラになった駐車場(平日です)。車には雪が積もっていました(この日は都内郊外でも雪が降っていたとか)。となると、早速おしんこどんが雪ちゃん(雪だるま)の製作にいそしみ始めるわけです(笑)。

でも車のボンネット部分に置いておくわけにも行きませんからあとでどこかに移設するのかなと思って撮影していたところ、「除雪、手伝うよ」との言葉、よって車内から除雪用のバーを引っ張り出して渡すと‥





なおこのあとおしんこどんは「疲れた」ということで車内へ、あとはTakemaが屋根上等を含めて作業しましたとさ。



ま、こんな感じで大体いいでしょうということで出発しました。3月下旬ですがまだタイヤを履き替えていなくて大正解。というかこのスタッドレスタイヤ寿命の最終年度だと思うので、GWの東北北上までこのタイヤでいきますよ(八幡平のあたりとかはGWでも凍結があり得ます)。

さてこの日の宿泊地は「下諏訪温泉」なたのです。駒ヶ根から下諏訪まではむっちゃ近くて、今グーグルマップで確認してみたところ高速を使えば40分で着いてしまうという超至近距離でありました。しかしさすがにそれはというわけで、この日は滅多に行かない木曽エリアをぐるりと回って行くことに。馬籠とか妻籠とか南木曽とかを散策してみるのもいいじゃないのさというような算段だったわけです。



いや、3連休明けだったのでいろんな施設も休業日だったみたいですけれどね。というわけであっさりと名古屋と長野を結ぶR19に出てしまったわけです。



とりあえず文字通り「みちくさ」です。あ、この界隈は大関御嶽海の故郷か!

さてR19に出ましたんでそろそろお昼ごはんの算段を付けておきたいところです。おしんこどんに聞くと「今日は蕎麦はいらない」ということだったのでそれ以外のお店を探しましたが、道沿いに出てくるのは蕎麦屋ばっかりでした(不思議とラーメン屋が全然なかったのはなぜなんだろう、並走する高速道路もない天下のR19=商売敵が出にくいはずなのに)。

ちなみに「蕎麦屋ばっかりだよ」とおしんこどんに声を掛けると「別に自分の意向を聞かなくてもいいのに」ということでしたんで、これからはそのペースでいきましょう(ただし実際自分も「蕎麦はなぁ」と思っていたことは事実でした。前日のお昼はもちろんのこと、千畳敷の夕食にも蕎麦が提供されていましたんで)。

しかし「蕎麦以外」となると全然ないのですよお店が!(五平餅とかで妥協したくはなかった)。もういいか、なぜかやたらにある道の駅とかでコロッケとかアメリカンドッグとかでお茶を濁せば‥と思い始めていたところで‥





お店の名前は「フルハウス」。そこそこ懐かしさを感じる店内、そしてマスター夫妻もそこそこの御年齢だったと思いますが丁寧な接客でした。先客さんは地元の方ばかりのようでしたが(駐車車両の車種を見ればおわかりかと)、このあと何組も新規のお客さんが入店しており、それなりの繁盛店であると認識しました(連休明けの平日午後です)。

そういえば「フルハウス」って、小説家の柳美里さんが東日本大震災後福島県南相馬市小高区に移住したあと、そこでオープンさせたカフェ併設の本屋さんと同じネーミングだなぁ、もちろん全く関係はありませんが。



おしんこどんはパンのセットとコーヒー、Takemaはアイスコーヒーとナポリタンを注文しました。ナポリタン、なかなか懐かしい味でしたね(それはそれでなかなか)。このあとは再びR19を塩尻方面に向けて車を走らせます。



ええっと、積もるほどではないですがずぅっと雪が降ってますよ。

R19沿いには旧中山道の宿場が続いているのですが、このお天気ゆえ宿場町を散策したいとも思いませんでした(だから妻籠も馬籠も通過)。でも1つくらいは?と思って奈良井宿はどうかとも思ったのですが、旧街道沿いは一般車進入禁止ということで「まぁここもいいか」という感じでした(たまたま立ち寄った奈良井権兵衛駐車場は有料でしたし、そこまでして歩きたい気持ちはなかったのです)。

ただ、その先に進んだところで「木曽の大橋&P」なる看板を発見しました。こちらは対岸ゆえかPも無料のようですしそのままピットイン。先客車両は1台のみ,そこそこすぐに出発したようでした。

下調べはゼロの状態でしたが、ここはなかなかでした。だって、





こちらの「木曽大橋」はアーチ部分が木曽ヒノキで造られているらしく、そのアーチ部分の全長は33m。似たような木造アーチ橋としては山口県の錦帯橋を思いおこしますが、一つ一つのアーチからするとこちらの方が長いようです。

ただこの橋を地元の職人だけで造り上げたとすればとてつもなくすごいことなのですが、たぶんそこまでの技術伝承はなかったのかなと。たとえば山口の錦帯橋に携わる方々を招いたのかもしれないなぁ。そして日本国内の文化や技術の伝承は今後そういう流れになることが必定という状況にあり、実に残念です。



しっかし、いい風情ですねぇ(時代劇撮影にも使えそう)。



ま、こんなアラ還夫婦の振る舞いはともかくとしても(苦笑)。



おしんこどん、ここでも「雪ちゃん(雪だるま)」を製作!手や鼻まで造ってます。



と、「Takema with 雪ちゃん」撮影というタイミングで駐車場に除雪車が進んできました。そう、R19のようなメインロードではそもそも塩カルもバンバン事前に撒いているはずですし除雪車もぐわぐわ動かしているはずです。

でもカル撒きも除雪もなされない駐車場などにおいては、「まさにこれから一気に除雪するからねぇ」というわけで、右上画像をよく見れば、唯一駐まっているTakemaの車が今後除雪の障害になることは自明です。ええ、このあと橋を(おっかなびっくりモードで)降りた上で車を移動というか発進させましたよ。



さて塩尻までやってくれば下諏訪はもうすぐです。しっかし、積もる雪ではないとはいえしぶとく降っています。峠道を越えて岡谷へ、そして下諏訪へ。お宿入りする前に諏訪大社 下社 秋宮へ参拝します(まだ早めの時間だったし)。



清めの手水が温泉水なのはこちらのお約束です。そういえばこちらには以前も参拝したことがありましたが、実は下社春宮や上社前・本宮には参詣したことがないのでした。でも雪が舞う中の神楽殿や社殿はいやがうえにも厳かさを増していました。



狛犬も白い帽子をかぶっています。



社殿も、まるで深い山中の趣です。そして‥




(公式に「7年に1度」とあるのは数え年由来)

ご苦労さまというところですね。ちなみにずっと以前タクシーの運転手さんから伺った記憶によると(美濃戸口に向かう途中に山出し前の御柱を目にしたことから御柱の話になりました)、もともとは八ヶ岳山麓の御小屋山の山中から御柱となるモミの木を切り出していたのだが、太い用材が枯渇してしまい、現在は他地域から取り寄せているのだとか。次の柱はどこの産なんだろう?(まさか海外ってことは?)

さて参拝も終えて、いよいよ今宵の宿へと向かいます。


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