その2 故郷経由、海を渡っておしんこどん実家へ。



数十年ぶりにこちらのお寺にもお詣りしました。

(2022年12月27-29日 その2)

大井川沿いからは再び新東名に乗って西進開始、浜松いなさJCT経由で東名豊川ICにて下道へ。ここからは渥美半島内のとある場所を目指します。



とある神社までやってきました。確かここです間違いなく。おしんこどんはもちろんここに来るのは初めてですが、Takemaはたしか50年くらい前と40年くらい前の2回、ここに来ています。まずはお詣り。

この神社の左側には池があったといいますが、どんどん埋まったのか埋められたのか、現在では林のようになっていましたが、そこに続く掘り割りが残されていて、確かに池があったのだろうなと思われます(右上画像マウスオーバーで別画像に変わります)。



続いては神社の裏手へ。神社よりやや高台になっていて、そこには一面にキャベツ畑が広がっていました。何の変哲もない畑地ですが、まさにこの場所こそが目的地だったのです。というのも‥



Takema母は高校時代までを渥美半島で過ごし、その後祖父や祖母、兄弟たちと千葉に移り住んだということです。自分が小学生の頃、ここに連れられてきたことがあり、「神社の裏手に米軍の爆弾が起きて大穴があいた」だの「(祖父は)養鶏をやっていて、当時は卵は貴重品だったから高く売れ、生活は特に貧しくもなかった」等々の話を聞いた記憶があります。

また自分の大学生時代、とあるサークルのフィールドワークで愛知県内に滞在した際、そのあとレンタカーを借りて伊良湖岬を目指した際(運転は自分じゃなかったですが)、この場所に立ち寄ってもいます。だから今回も古い記憶を引っ張り出してたどり着けたというわけです(なおこういう場合、「神社」という不動の存在は実にありがたいわけです)。

だから場所については間違いないわけですが‥地形がすっかり変わっています。確かここに建っていた旧宅(小学生の訪問時には確かに見た)旧宅の裏手には灌木の生えた小さな丘があったはず。しかし今や丘はなく小高い平地があるばかり‥。



というわけで、この場所から母に電話を入れました。実は最初は母もこの帰省に同行し、地元に住む幼なじみの方と語らう場を設けようという算段で計画を立てていたのです。ただ出発直前になって母が少々体調を崩し、長時間の移動等はちょっときついだろうということで自宅に留まることとなったのです。

神社の裏手100mくらいの場所にいることを告げると「そうだね、そのあたりだね」とのお墨付きをもらいました。旧宅の痕跡はおろか地形自体が大きく変わってしまったことを話すと「へぇぇ」と驚いた様子でした(そりゃ当然です)。なお後日、母と叔父にこの時撮影した一連の画像を見せたところ、懐かしそうにいろいろと話していたので場所として間違いはないでしょう。。

このあと近隣のお宅でちょっとお話を伺ったりしましたが(祖母方の「本家」は今も近くにあるとか)、これ以上書いてもお読みの皆さんには全く面白くもないので旅行記を続けましょう。

すでに日没となりすっかり暗くなった道を伊良湖岬方面へと進みます。そして今宵の宿「伊良湖オーシャンリゾート」に到着です(暗いので到着時の画像はありません)。客室数147、最大宿泊人数500人弱というまさに超大規模リゾート施設です。普段なら決して選ばない種類のお宿ですが、母が同行する前提で予約したので‥まぁたまにはいいでしょう。

夕食前にお風呂‥





伊良湖温泉。調べたところによると「泉質:ナトリウム・カルシウム-塩化物泉、成分総計:7.094g/kg、源泉温度:25.6度」と、ここまではまぁそこそこのスペックなのですが、問題は動力揚湯による湯量で、「14.5L/分」とまぁ何とも少ないこと。この湯を近隣のいくつもの施設で分け分けして利用‥というわけでお湯については期待する方が無理でしょう(そもそも期待していなかったというか、温泉があることも知らなかったので)。あ、壺湯の人口炭酸泉が悪くなかったのでよしとしましょう(そもそもハズレはないとも思いますが)。



夕ごはんはともかくなぜか喫煙所画像を並べてゴメンナサイ。

夕ごはんはビュッフェ形式で、品数は実に多くできたてを提供しようという心意気はわかりますが、いかんせんオーバーキャパのお客さん数でかなり渋滞していたことは否めません。導線に問題がある気がしました。ラインが1本しかないからなぁ、メインディッシュエリアだけでもアイランド方式にして2本のラインを確保できれば状況はだいぶ変わると思うのですが‥





朝イチで湯に浸かり(夜間の清掃でお湯は入れ替えられたと信じて)、さて日の出を見に外に出てみますか(部屋は夕日側だったので)。屋上スポットもあるようですが‥








というわけで早めに朝ごはん。夕食時よりは流れも良くて問題なし。あ、前泊に引き続きまたとろろかけご飯にしていますね(笑)。

ところで売店には「渥美半島たはらブランド」と銘打たれたコーナーに「寒天ゼリー」というのがあったので、「これはこの地出身の母にとっても懐かしいはず!」と考えてお土産にすることに。しかし帰宅後母に渡したところ、別に懐かしそうな表情も見せなかったのは、子どもの頃食べ慣れてなかったから?(お菓子は高級品だったでしょうし)。しかしわが家のお正月おせちの一角には寒天ゼリーが間違いなく載っていたのですが!



さて早めの朝食にしたのには理由がありまして、この日はまず上画像の通り「伊勢湾フェリーで鳥羽に渡る」というミッションがあるわけですが、「年末年始の繁忙期には乗用車の事前予約ができず早い者勝ち」となっています。ということは出航時間少し前に到着してもその便には乗れない可能性が高いことを意味するわけです。

この日のダイヤでは伊良湖発は「8:10、9:30、10:30‥」となっていましたが、8:10発は朝ごはんの関係で無理っぽいとなれば‥



でも周辺宿に泊まっている方々もみんな考えることは同じでしょうからねということで、伊良湖港に到着したのは8:40ころでした。ほらぁ、もう先に10台くらい待ってるって!

もっとも普通車だけなら40台くらいは乗船可能ということですから(大型車が乗るとぐんと減る)、こりゃ間違いなく大丈夫ですねというわけで乗船手続き完了。案の定、9時近くなると車がどんどんやってきまして‥あれ、建物の反対側に駐まり始めたぞ‥ははぁ!(ヤッタネ感=性格悪)。



やがて鳥羽からの便が到着しましたがかなりガラガラでした。というわけでいざ乗船、満車御礼で出港です。



この日の伊勢湾は穏やかで快適な船旅。もし悪天で欠航だったりしたら、伊良湖岬からぐるりと豊橋、名古屋、四日市を経由して回らねばならず。その場合の予想所要時分はグーグルマップによると「3時間43分、245km」となるわけで、それを1時間足らずでパスしてしまうわけこの船は実にありがたいです。

というわけで問題なく鳥羽港到着。この界隈はあまり巡ったことがないためどうしようかなということで、まずは「馬鹿とナントカ」のお仲間ゆえ「高いところに上ろう」というわけで、伊勢志摩有料道路経由で展望台のある朝熊山に行ってみることに。



風が強くて寒かったですが、まぁ来たりし鳥羽方面を眺められたのでヨロシイかと。ちなみに足湯もあったようでしたが有料でした。温泉でもないのにねぇ。

で、ここから反対側に下るとまさに伊勢神宮エリアとなるわけで、「年末だから空いてるかな」と思っていたのですがさにあらず、なぜだか車でごった返しています。こりゃゆっくり参拝はできそうにないなということであえなく通過することに(幸いわれわれの進行方向への車の流れは順調でした)。年末なのに何で?

伊勢西ICから伊勢道に上がり、勢和多岐ICで下道に出るわけですが、IC直前の切り通しの上に「コケコッコー」「鳥焼肉」と大書された建物があるのを見逃しませんでした。ちょうどお昼前だし、この先しばらくは食堂もなさそうだしというわけでそちらに行ってみることに。



養鶏場に併設の施設ということで、防疫対策として各施設のかなり手前に独立した消毒スペースが設けられており、係の方がタイヤ周りなどに消毒液を噴射してくれます。こちらで飼育されている鶏は約5万羽いうことですから、万が一にも鳥インフルなどを発生させてはならないわけですからね。



「山の駅よって亭」は卵その他の直売店です。こちらで飼育されている鶏はすべて「平飼い」(立体の籠に入れず自由に歩き回らせる飼い方)で、また食事後に鶏舎を遠望する場所にも行きましたが、鶏舎は外部からの鶏や小動物等の侵入を防止するため「完全に密閉」されているようでした(右上画像マウスオーバーで鶏舎画像に変わります)。

さていざ鶏焼肉!といきたいところですが、ちょうどわれわれの前のグループで「満漢全席」ならぬ「全席満席」となったようで、タイミング的には残念でした。15分くらい待ったかなというタイミングで最初のお客さんが退店し、ようやくわれわれの順番に。



まずはメニューを確認。ふむふむ、メインの平飼い鶏肉(やわらかめ・かため)が1人前税込み500円とはなかなかにリーズナブルだし、その他のメニューも500円前後かそれ以下のお値段設定です。ただ1つ、「熊野地どり 990円」だけが頭二つくらい飛び出ていましたが(笑)。とり皮にも心惹かれましたが、皮ばっかりというのも飽きるだろうと思ってパスしました。



注文はタッチパネル方式でスムーズ。焼き物ほかが出て来る前に食べ方焼き方のお勉強。なるほど味噌味なんですねと思うやいなや(程なく)、注文の品々が出てきましたよ!








続いて平幕じゃなかった平飼いとり肉(やわらかめ)も登場。おしんこどんは追加でたまごかけごはん(卵3個付き)と味噌汁を注文し、完全に「定食モード」路線に走ったようです(笑)。ま、自分もちょっともらいましたが。そして‥




うん、人気があるのも納得の美味しさでした。熊野地どりを除けば安くてお腹いっぱいになるし、われながらいいお店を見つけたもんだと自己満足。なお、このあとツーリングマップルを見ていたらこのお店、ちゃんと掲載されていましたけれどね(苦笑)。



食後の腹ごなしとばかりにアスレチックにいそしむおしんこどん。

さてお昼ごはんも食べたし、奈良県中部に向けて進みましょうということでR368を西に進みます。地図を見ていて、こちらから仁柿峠までは古い感じの線形だなとは思っていたのですが‥





そういえば峠の手前にはこんな「大物」もいましたっけ(笑)。

画像はありませんが、特に仁柿峠の東側はすれ違い場所も少なく、場所によっては延々とバックを強いられるかもしれません。バイクでは通りたくない道だなぁ(ここのところバイクツーリングなど全然出かけてないくせに=自己ツッコミ)。

で、峠に上がってしまえば今度は緩やかに下っていく道で、道路状況も格段によくなりました。非対称系の峠なのね。んでもってさらに西に向かい、いよいよ奈良県(御杖村)に入りましたよ。

このあとは取りたてて特徴のない里山の道となり、おしんこどんは睡魔大王とのバトルにいそしんでいたようです。もうすぐ宇陀市だなというところで‥




無人の有料施設ですが、\100だということで急遽水汲みです。こんなこともあろうかと、車には2Lの空ペットボトルが6本1箱*2ほど積んであるのですから!



というわけで、とりあえずこれだけ満タンにしました。

ちゃんと水質検査も受けているとのことで、このあとおいしくいただきました。



このあとは‥おしんこどん実家に戻る前に最後のひとっ風呂ということで。弘法の石清水からはたった1.2kmほどのところにある美榛(みはる)温泉です。炭酸水素塩泉で、まぁ場所柄湯温が低く加温循環なのは仕方がないでしょう。「たまご肌美人の湯」というのがキャッチコピーらしく、確かにツル感がありました。

塩素臭は許容範囲でしたが、年末の午後ということもあり一般大浴場はなかなかの混雑で湯も多少なまっている感じではありました。まぁ身体も洗ったし、これで今夜はお風呂なしでいいや。

温泉から車を走らせること7.5km、いよいよ本日最後の立ち寄りポイントにやってきました。



長谷寺です。ずっと昔、修学旅行でやってきているはずですがお寺の記憶は皆無でしたし、そもそもTakema家宗派の総本山ですからお詣りしておくに越したことはありません。そもそもこのルート取りをすることってまずないわけですからね。

到着は15:15頃で、拝観時間は16:30まで(12月)ということからか、有料駐車場も自主的に料金値下げタイム中(ラッキー)。しばらく参道を歩いていきますが、さすがにこの時間ゆえお客さんの姿はちらりほらり。そうそう、こういう感じが嬉しいのです。



仁王門をくぐり、登廊をじわじわと登っていきます。



そして本堂へ。仏さまのお姿は畏れ多いので撮っていません(撮禁かも)。



正面舞台から見る長谷寺本堂。「大悲閣」と大書された額が印象的ですが、これは何が悲しくて系のものではまったくなく「悲」は「観音様の慈を意味しているのだそうです。つまりは「大きな慈悲を司る建物」、勝手に解釈したので違うかもしれませんがそれはそれでいいじゃありませんか(笑)。



このあとは五重塔に行ってみました。遠目に「新しそうだな」とは思いましたが、昭和29年の建造ということですから建物としてはもう70年ほど。ただ近代の初期西洋系建築物であれば「このあと30年もすれば100年オーバーで近代産業遺産になり得そうな施設もあるのでしょうが、宗教的な建築物となると「70年はまだまだお子さま」扱いされてしまうのが不思議ではあります(笑)。ただ昭和20年代であれば宮大工もたくさんおられたでしょうし、しっかりした造りになっているんでしょうね、数百年の時の流れにも耐えうるような。

そうそう、時々書いていることですが、20世紀最後のあたりにカンボジアを訪問した際(この時です)、シェムリアップ(アンコールワットからほど近い場所)に到着してあちこちを見て回った際、アンコールトム付近では日本及びフランスの遺跡補修チームがそれぞれの場所で作業にあたっていました。

先に日本チームの作業を見たところ、砲撃か何かで建物基礎の地下部に穴が開いた部分には、もともとあったのと同じようなレンガを積んでいました。一方でフランスチームは同じような地下部に容赦なくコンクリートを投入。どうせこのあと埋め戻すわけだしという欧州式の合理主義だったのでしょうが、私はあれ以来フランスを信用しなくなったし行く気もなくなりました(苦笑)。ま、いまだにフランスに限らずヨーロッパ大陸に上陸したことはないのですが(イギリスとアイスランドは大陸じゃないので)。

五重塔のあとは真っ直ぐ下り、参道沿いのまだ営業していたお店で草餅を買い、いざいよいよ実家への最終ロードとなりました。

明けて翌日は年末の大掃除&整備なのですが、おしんこどん母だけでは手の回らないところも多く(交換部品を買いに行かねばならないとか)、そのついでに2人でランチも食べたりしてきました。



おしんこどん母、すみませんねぇわれわれだけで。

というわけで1/1、元旦。奈良は千葉より西に位置することもあり(盆地なので東の山に遮られることもあり)日の出が遅いのです。ゆえに寝坊してもしっかり見えましたよ、2023の初日の出が!





というわけで2022/2023年末年始の奈良帰省お出かけ編はこれにて終了です。大したネタはありませんでしたが、これもまた「自分用の旅の記録」なのでお許し下さい。

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