その2 湯倉の湯をタンノー後、じわじわと帰宅



旧喰丸小学校(昭和村)。落ち葉の上に雪が積もるのももうすぐ。

(2022年12月1.2日 その2)

さてそんなわけでネギ片手にやってきたのは(違)こちらのお宿でありました。



そう、湯倉温泉共同浴場のすぐ手前にある一軒宿「鶴亀荘」です(右上画像は宿から見た共同浴場)。以前は入浴のみもOKだったようですが、現在は「のみ不可」の宿になっているということと(なお源泉は共同浴場と同一のようです)、どうやらかなり食事に力を入れているということで「では泊まってみよう」ということにしたわけです(たつみ荘の女将さんも同様のことをおっしゃっていました)。

上記画像の通り到着はもう日暮れ時でした(女将さんとのお話タイムが長きにわたったので=それが事前に予想されたので先に大塩共同湯に入っておいたというTakemaの深謀遠慮大正解!)。とはいえ時間的にはまだ17時前なのでしばしまったりです。



あーあ、またこんなにクーポン券が。そして宿泊料も割引されているわけで、前にも書きましたがもうそろそろやめましょう。自分たちは割引がなくてもお出かけお泊まりはしますから。

なおもちろんこのあとお風呂に入りましたが、湯気もわもわ&暗めでろくな絵が撮れなかったのであとでねということで、いきなり夕食方面へと進みます。



この日の献立です。量より質だなと納得。







お味噌汁が赤だしだったのはちょっと意外でしたが、この日の食事メニューには合っている気がしました。トータルで味ちょっと濃い目かなというのは「ここ、東北だし」というコトで却下ね(笑)。このあとは‥











しっかり濁り湯なのはこの只見川界隈の湯ならではですね。お宿の湯だけに湯温はしっかり調整されていて42度半くらいでしょうか。なおおしんこどんが撮影した女性内湯は狭いということですが(右上画像マウスオーバー)、見た限りは面積的にそれほど狭くもないのでは?(確かに幅は狭いようで3人以上だと体育座り系なのかな?)。続いてはちょっと無理矢理感のある(笑)露天風呂に、右側の窓から外に移動します。



かなり狭いですが、まぁ確かに露天風呂です(笑)。「露天風呂に入りたい」というリクエストにお応えしたのかなという感じですが、気分転換にはいいですね。濁り度合いが内風呂より濃く見えますが光の当たり方もあるんじゃないかな、浴槽の大きさを考えればこちらの方が湯が新鮮なはずなので。

このあと寝る前にも当然のひとっ風呂でおやすみなさーい。



明けて翌朝、再びの露天風呂からおはようございます。やはりこの日もお天気は曇天というか時々霧雨小雨模様でありました。共同浴場の前に車が駐まっていないのを確認した上であちらにも行ってみることに。なお鶴亀荘に泊まるとあちらが無料なのかどうかについては確認しませんでしたので、当然湯銭箱にお金を入れましたよ。



で、いざ入口扉を開けると「あれれ、男性用の履き物が一足あるぞ」。どうやら歩いてこられた地元の方がいたようです。ゆえに湯画像はありませんが、何度か来ているのでまぁいいかなと。

それにしても、大塩といい湯倉といい震災後にピカピカになりましたが(それはそれでいいのですが)、川口温泉(玉縄の湯)は廃止されましたし、また民間経営だった滝沢温泉や橋立温泉、そして民宿文伍の湯などは軒並みなくなりました。今回ロストした民宿松の湯さんなどは別に本業があるようですが、今後この辺りの湯はどうなっていくのかと心配になります。



熱めの共同浴場ゆえお宿までの数十mはいいクールダウンウォーク。前夜も川沿いから100m上あたりまで雪が降ったみたいですね。

ところで現在は右上画像の湯倉橋は通行止めになっており、湯倉温泉までは奥の国道橋を渡った先から回り込むルート取りになっています。それ自体はいいのですが、湯倉橋には何か支障が生じたのでしょうか?確かに1.5車線路ではありますがそれほどの傷みがあるようにも思えませんし、そもそも湯倉集落の生活者数を考えると‥あ。



人口減少時代云々と声高に叫ばれていますが、その影響は国土全体で均等に進んでいくわけではまったくなくて、各道府県の県庁所在地都市がなかなか人口流出を留められないだけでなく、広域エリアたる都市圏であるたとえば中京圏ですら人口流出を止められていないのだとか。

若年人口、特に大学進学で首都圏に出る流れを食い止めんがため、福島県も公立会津大学を設置していますしなかなかの評価があるようです(同様な大学設置は秋田の国際教養大学でもあります。これまた高評価)。でもいかんせん、単科大学であり総合大学ではないんですよね。

単科で外部から人を呼び寄せることができても、学問とかいうものが総合連係的な体系をなしている以上、単科学部の発展には限界があるというか伸び悩みがあります。このままでいかれるわけもない日本の高等教育ですが、財務省が現在のまま予算を絞っているうちはどんどん衰退していくのかなと思います。あと経済界重鎮が一時期声高に「選択と集中」とやらを主張していた気がしますが、あの人らは勲章をもらって引退したのでしょうか?(まぁそれはそれで時代を生きた人なので否定はしませんが、失敗ではありましたよね)。

湯倉橋からまたも話がブラックホール方面に吹っ飛んでいってしまったので話を戻します。



朝ごはんは実に適量。







冷たい雨のそぼ降る鶴亀荘から出発です。この日は特にどこに立ち寄る予定もなく淡々と帰るだけですが、まぁどこかの湯には浸かることでしょう。

会津川口駅前を右折してR400に入ります。八町&玉梨温泉を‥通過して向かった先は‥



駐車場奥にはまさかのダイハツミゼットが保管中(右上画像マウスオーバー)。

はい、玉梨とうふ茶屋にやってきました。当然「おからドーナツ」を購入するためです(実は豆腐自体は買ったことがないのはここだけのヒミツ)。10個購入した上で‥再び会津川口へ戻り、只見川沿いに東進していきます。

中川温泉‥通過、早戸温泉‥通過(竹のやさんがあったら寄ったかも)、そしてさらに宮下温泉も‥通過です。いや、どこもいいお湯なのは間違いないんですが、この日のTakemaの湯欲は別のところにありました。それは‥西山温泉。

というわけでショートカット県道経由でやってきた西山温泉でしたが‥結果として、



となると、ここまで通過してきたキラ星のごとき湯々が惜しまれること限りなしですが、まぁしゃーないですね前を向きましょう。ということでそのまま県道32号を南に向かいます。



しかし、標高を上げていく路線ですからどんどん雪線との汀が迫ってきますよ。



道路脇の草も白くなり始めましたが‥今回の雪はここまででセーフ。

走行路面は完全に出ていて、気温もそう低くはなく地温もまだ高いでしょうから凍結もザラメ雪もなしでした。まぁ、新品スタッドレスを履かせておいた自分としては嬉し悲しですけれどね。結局このお出かけで「明らかに白い雪の路面」だったのは、トンネル入口(上から雪が落ちてきやすい地形だったのか)のほんの10mばかりでありました(苦笑)。

さて県道32号-R401と繋いでR400との三叉路に出て右折です。だってこのままだとホントに「真っ直ぐ帰る」ことになっちゃいますからね。



ということで旧喰丸小学校にやってきました。内部は有人の資料館になっており管理も行き届いていますが、今回の寄り道はこの資料館ではなく‥





翌日は仕事とはいえまだまだ時間はあるし、ここでコーヒータイムというのもいいかなと思ったからなのですが、せっかくなのでお蕎麦も食べていくことといたしました。



コーヒーとけんちん蕎麦。



おしんこどんが注文した蕎麦ガレットはちょっと思っていたのと違ったようでしたが。

ガレットはソルト系を頼めばよかったのに。自分も次回はシンプルなせいろ蕎麦をいただいてみたいと思います。いずれにせよまったりした時間を過ごせました。2F客席は終始われわれだけでしたし。

さてしかし、気がついてみれば温泉入浴という懸案はまだクリアできていません。となれば‥





以前の建物の頃は鄙び感もありましたが、全面建て替えにより失礼な言い方をすれば「鄙にも稀な」立派なホテルとなっています。前回訪問時にも「ここ、泊まるのもいいよなぁ」と思いましたから(そんなに高くもないですし)。ちなみに旧館訪問時のページはこちらです。

で、ここはお湯もいいのです。いや、特筆すべき成分とかがあるわけではない「ナトリウムー塩化物泉」なのですが、きっちり熱めでしゃっきりした記憶があります。なお温泉自体は鉱山開発のボーリング中に発見されたようで宿の営業開始は1972年とかなり新しめです。しかし国道沿いのジモ泉施設も含め、この雪深い昭和村においては「とてつもない僥倖」だったことでしょう。



先客さんなしのお風呂へ。かけ湯の上でまずは内風呂へ。うーん身体が冷えていたこともありじんわりじわじわと身体が温まっていくのがわかります(左上画像マウスオーバーで湯足画像に変わります)。お湯が緑っぽく見えますが、これは浴槽内の石の色が写り込んでいるらしく実際は透明湯です。湯花もありません。

さてすっかり下準備が出来たところで、このお隣の「あつ湯」チャレンジです。ご丁寧にも「高温注意」たる掲示がありますが、なぁーにいまの自分ならたぶん‥う゛!



という顛末でありました。いやーまさかの激あつ湯でありましたので、再チャレンジする気にもなりませんでした(あっさり諦められるレベルでしたので未練なし)。



そのまま露天風呂へ。あー、冷えた空気が心地良きかな。

終始貸し切り状態で湯をタンノーしました。うん、のんびりできたし結果オーライだったということにしましょう。ところで駐車場には例の「温泉空冷設備」があるのですが‥



冬期間ということだからか湯は通されていませんでした。このこともあって源泉が熱々だったのかも。でもその割に普通浴槽の湯はやや熱めとはいえ適温だったしなぁ(そもそも旧施設の時代から湯温は熱め設定だった記憶があります)。

ここからは南会津の田島に抜けるのですが、途中には標高1000mの舟鼻峠があります。案の定雪が増えてきましたが、路面にまで雪が積もるほどではありません。



何とか「雪見ドライブ」という感じで切り抜けられました。



田島からのR121は雪が舞っていました。でも山王峠を越えてしまえば一気に関東の気象エリアに入りますから心配はいりません。



塩原界隈まで戻ると青空が。



そして東北道を南下していくと紅葉した木々が出てきて、季節が一気に巻き戻される感じです(わかっていましたが)。というわけで12月初頭の奥会津駆け足おでかけ、これにておしまいです。新品のスタッドレスタイヤにとっては「しっかり皮を剥かされた」感じでしょうね(苦笑)。

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