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- その5 小阿仁村の秘湯訪問に続き北秋田市の秘湯宿泊 -



あまりこの角度から撮られた画像を見ていなかったのでついパチリ。

(2023年7月28日-8月16日 東北編その5)

てなわけで道の駅五城目からはさらに内陸方面へと進んでいきます。ここからしばらくはやや温泉不毛地帯となるのですが、どうやら上小阿仁村の行き止まり県道の途中に「温泉」があるようなので立ち寄ってみることに。



道中、まだ国道285号の区間でさえ約2週間前の豪雨の傷がそのままで片側交互通行中でありました。県道215号に入ると、道の脇には「とりあえず脇に寄せて通行を可能にした」時のまま放置されているとおぼしき木枝などもありましたし、右上画像マウスオーバーで表示される橋などは間違いなく車道面以上の高さにまで増水したのでしょう。本当に大変な状況であったのだろうと思います。





地域のコミセンとして位置づけられており、施設としてもかなり大きく駐車場も数十台が駐められるほどですが、「地域」‥ええっと、周辺には一軒の民家もない山奥にポツンと系の施設だったりします。源泉は冷鉱泉で分析表もありませんが(成分量が少ない)、それでも定休の水曜日以外は10-19時にオープンしており地域の人々の憩いの場となっているようです(何らかの送迎バスはあるようですが未確認)。



一軒だけの施設とは思えないほど内部は立派です。冬期も営業しているようですごいなぁ。というわけでお風呂ですが、源泉温度が低く木質ペレットによる加温循環ということでお湯そのものはどうだかなぁ?



お湯は湯口から大量に供給されていますが、オーバーフローの量から考えるとチョロチョロかなという感じでした。「僅かに硫黄臭も」という情報もありましたが訪問時には感知せず。そのかわり塩素臭も感知せずでお風呂としてはまぁよろしいかと。ややツル感があったと思います(アルカリ冷鉱泉)。しかし湯上がり後はなかなか汗が引かず、外気温の高さを差し引いてもやはりただの源泉ではありません。



湯上がりに外に出てみると、ここから奥の県道は通行止めでした。道の様子からは重機が入って最低限の整備が行われたことがわかりますが、やはり豪雨によりかなりのダメージを受けたようです。この奥にはかつて屋布(やしき)集落があり、学校もあったそうなのですが、やはり厳しい生活環境だったのか昭和50年に集団離村となったようです。行ってみたかったのですが通行止めでは仕方がない。



その道路脇には、実に美しい地層の露頭がありました。非火山系のようです。




というわけで小阿仁村の中心部あたりにある道の駅かみこあに「秋田杉の館」までやってきました。自販機で飲み物を買っただけだったのですが、あとになって気になったのが右上画像の移動販売車‥ではなく、奥に駐まっている「自動運転車 こあにカー」でありました。

ちょっと調べてみると村内主要エリアを走る日本初の定期運行自動運転車だとか?もっとも定期便は午前中の1本だけで、あとはオンデマンドらしいのですが、これは事前に調べて予約し、乗ってみたかったなぁと。なお「運行監視」のためのドライバーは乗車するようです。



続いては秋田内陸線の阿仁前田温泉駅にやってきました。こちらではお風呂に入りませんでしたが、やはりここもかつて豪雨災害に見舞われたのですね。米代川の支流である阿仁川、内陸だからといって油断はならないというわけです。というか、2m10cmの浸水って半端じゃないです。わが地元でそれが起きようものならば‥。いや、起きかねないのです。川を挟んでお隣に位置する東京都江戸川区ではこんな水害ハザードマップを公開しているほどなのですから‥(18MBの大きめPDFファイルなのでダウンロードには注意)。

災害はいつやってくるかわかりません。皆さま準備は怠りなきように。なおわが家では飲み水は200L以上、トイレットペーパーも数十巻きを常備しています。仮設トイレテントもあり、直近隣に4F以上の建物はありませんから4Fの屋上にトイレを設置すれば当面は何とかなるかなと思っています。

話がそれましたんで旅行記に戻しましょう。この日の泊まりは杣(そま)温泉です。以前立ち寄り入浴をしたことはありましたが(この時)泊まりは初めてで、場所柄まさに「杣(木を切り出すエリア、転じて山奥の意)」の雰囲気でしたからねぇ。というわけで進んでいくと‥





上画像はお宿の近くで撮ったものですが、実際はかなり手前からワイパーをハイパー回転にしなければならないような状況でした。しかし、鹿師ですね‥



これにはびっくりしました。だってその直前までは「こりゃ駐車場に到着しても、しばらくは車内で待機かな」と考えていたのが、到着後は傘も差さずにお宿へと向かえたわけですからね。こういうのはおしんこどんのパワーだと勝手に信じているTakemaですが、これは何とも有り難かった。なお、このあと再び(しばらく)雨が降り、後から到着のお客さんはしっかり傘差しを余儀なくされていましたよん(いつもの性格悪)。







直前までどしゃ降りだったこともあり、お宿玄関脇に設置された温度計はトキメキの「22.0度」を示していました。ええっとこの日は7/31、まだ16:00くらいでしたしとっても涼しい!(=部屋にエアコンはないのでありがたい)。



というわけでお部屋に通されました。すでに布団は敷かれた状態でよしよし。早め到着だったので駐車場にはわれわれの車だけ(手前の軽1ボックスは当然お宿のもの)。ではでは、堂々とお風呂をいただきにまいりましょう!





泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉で、成分総計は1.292g/kgと特に濃い泉質でもないのですが、それがゆえのさっぱり感がありますね。掲示によると加水なし(源泉53.6度)とのことでしたが、湯口の温度計測(体感)から加水はしていると思われます(別にいいんですけれど)。



いずれにせよMTMM(無色透明無味無臭)の湯をタンノーしました。比較的「冷え湯」(湯上がりのポカポカ感は案外あっさり解消するタイプ)なのかなと思いますが、夏ですからそれはそれで助かります。ではでは、その勢いで露天風呂に足を延ばします。



内風呂からはショートカットで露天風呂に行かれますが、離れているので一度服を着なければならないところがちょっと面倒です。ん?「温泉水は飲めます」との掲示が。確かに内風呂の湯口にもコップが置かれていましたし、やはり加水はないのかな?





なお、浴槽の中央からの湯投入ということもあり入る場所によってはかなりぬるくなっており、言い換えれば「自分の好み湯温の場所を見つけてのぬる湯タンノー」も可能です。ただし夏の時期ゆえ、日中は「アイツら」がお空を定期巡回しておりますが(苦笑)。夜はよかったですよ。



やっほほーい♪でも源泉、そんなに熱くないのでやっぱり加水濃厚です。

いや自分は加水に関してはあまりとやかく派ではないので別にいいんですけれどね。と思いつつあらためて公式サイトを見てみると「源泉は53.7度と熱く、注ぎ込む湯の量を減らして温度調整をしております」とありました。源泉地から距離があるとして引き湯過程で湯温を下げているってことなのかな?というわけで部屋に戻ります。



場所柄かつては湯治宿として栄えたことでしょうが、現在こちらのお宿では2食付きでの予約のみを受けており、自炊素泊まりはできないようです。でもこの流し周辺を見ていると、往年の自炊湯治客で賑やかだった頃が想像されます(ただし昔から2食付きのみだったのだとしたらまったく以て無駄な想像ですので、その場合はゴメンナサイです)。

ちなみに「杣温泉」の名の由来ですが、てっきり場所が「杣」だからと思っていたのです。でも玄関付近の掲示物を見ているうちにわかりました。経営者ご夫妻の名字が「杣さん」であることを!(ちょっとびっくり)。



部屋に戻って広縁でプシュっていたら、またもやどしゃ降りの雨が降ってきました。ここまで「到着直前に雨が止み、露天風呂を含む入浴をのんびり楽しんだ直後に再び豪雨」というあまりにもラッキーホーな流れできています。なお残念ながらこのタイミングで到着したソロ男性もおられたようで‥。



さてまだ早い時間ですが夕ごはん。公式サイトによると夕食はA~Hのコースに別れておりそれぞれ微妙に料金が異なります。でも電話予約時には特に問われずに「11,150円=Aコース」を提示された記憶があります。左上画像を見るに確かに「キリタンポ鍋+鯉こく」のセットのようです。鯉の洗いは基本セットに含まれていたのかな?山のお料理を美味しくいただきました。

食事が終わってもまだ暗くはなっていなかったのでお宿の前を軽くお散歩。



そろそろ終わりに近づいたユリを眺め、川向こうには「夫婦杉」があったのでそれも下から見上げ(右上画像マウスオーバーで別画像に変わります)、お散歩はあっさり終了です(これだけかよ=自己ツッコミ)。

しばらく部屋でくつろぎ、お腹がこなれた頃夜の露天風呂にも浸かり、さてあとは寝るだけ?いやいやいや!







明けて翌朝。玄関外の温度計は20度を少し切るくらいで爽快です。この日から8月でしたが、ご存じの通り2023の夏は記録的な猛暑でしたので、そんななか朝とはいえこの気温はまっことありがたやの海苔という感じでしたよ。やや熱めの内湯でシャッキリ♪

ちなみにこの時の宿泊者はわれわれを含めて3組5人(男3女2)だったのですが、結局最後までお風呂で他の人とかち合うことはなかったなぁ。



朝ごはんはシンプルに(われわれには有り難い)。ただご飯が前夜からの保温ご飯だったのかちょっとパサパサだったのですが、まぁここまで来て細かなことは言いっこなしということで(言ってますが)。

最後の最後に露天風呂に浸かって滞在終了。あ、そうだそうだということで車から例の箱を取り出し、





さてこの日は「2箇所ほど観光」したうえで北上するのですが、その2箇所とは?間違っても角館とかの著名観光地ではありませんが(笑)。というわけで続きは次のページにて。

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