- その3 滝ノ上温泉を貸し切り利用のシアワセ -



朝湯を独り占めの悦楽ったら!



(2024年8月8日-8月18日 その3)

盛岡ICで高速を下り、雫石方面へと向かっていきます。実はこの後立ち寄りで国見温泉を目指したのですが、そうなると時間的に遅くなるというわけで途中で断念、この日のお宿は素泊まりのみなので買い出し必須、雫石のスーパーで夕朝食を買い出しました。



ぐっと幅の狭くなった渓谷沿いの道を進むと、今宵のお宿に到着です。「滝ノ上温泉 滝観荘(りゅうかんそう)」。自分にとっては二度目の滝ノ上温泉訪問となりました。というかGWに東北に来るのが定番のわれわれなんですが、GWが明けないと道路の通行止めが解除されていなかったりするんですよね(確か過去2回ゲート閉鎖に阻まれた記憶が)。



ロビーには静かに音楽が流れ、お隣の食堂ブースでは沢と山を大きな窓から眺めながら食べる(飲む)ことが可能で、かなりいい環境です。

さてところで、チェックイン時に(宿泊料金は前払い)お宿の方から次のようなご説明をいただきました。





その上で館内の利用案内を説明していただいたわけですが‥







元々食事付きのお宿でしたから、自炊設備も整いすぎです。



業務用冷蔵庫もいくつか利用可能、調味料も氷もたっぷり。

食器もグラスもたーっぷり、グラスはワイングラスも揃っていました(さすがにシャンパングラスはなかったかな@右上画像マウスオーバーでグラス画像に変わります)。なお中央画像のスーパードライミニ缶は「お宿からのサービス品」でありました!



まぁたまたま同宿のお客さんがいなかっただけなのでこれはこれで偶然の賜物なのですが、それにしてもこの夜はのんびりしたなぁ。おっと、夜までには時間がありますんでちょっとお宿からの景色&周辺のお散歩も。



あちらこちらからもうもうたる湯気が。



日帰り入浴もやっていますが、当然夕方まで。夜は泊まり客のパラダイス。

さて、共有エリアの自由利用でたまげたからか、宿泊した部屋の画像は撮っていませんでしたが広縁のある八畳間だったでしょうか。冷蔵庫もTVもなくトイレも共同ですが(ちゃんと洋式最新系@一部)、館内はWiFi電波が飛んでいましたので問題なしです。

そういえば部屋数は多いのですが全部を使っているみたいではないようで、あるサイトでは「5室」と表記されていました。詳しくは聞きませんでしたが維持管理の関係もあるのかも知れません。チェックインをして下さった方は保安要員として泊まりだったようです。

ここ滝ノ上温泉にはかつて4軒の温泉宿(湯治宿兼登山のベースとなっていたと思います)がありまして、2024現在営業をしているのはこの滝観荘と滝峡荘(後述)なのですが、その昔まだ温泉訪問にほぼ興味がなかったときに1度立ち寄ったことがあります。

その施設は沢の右岸側だったと思うのですが滝観荘ではなかったことは確かで(当時の滝観荘は2食付き営業の旅館でした。立派だなぁと思いつつバイクで通過した記憶あり)、確か木造平屋のお宿だったと思うのですが、いろいろ調べてみると右岸側にあったみやま荘(廃業)の外観は見たような気もします。でも浴槽はタイル張りではなかったと思いますし母屋は2階建て。で、旧滝峡荘の外観及び浴槽画像を見てみると、


(左岸に位置していますが直前で橋を渡るだけだし)

さてそんなわけで、いよいよ、いよいよです。









なおこの男風呂の画像左側には駐車場があり、ある意味「見えてしまう」のではありますが(だから最右部に簾の目隠しが見えています)、そんなもの見たければ見ていいよ主義でもありますし(気にしない)、そもそもわれわれしかいないのですから今宵は!

あ、お宿の方からは「お風呂も自由にお使いいただいて結構です」ということでしたので(ただしこの方が入浴する際のみの注意あり)、翌朝は女湯の一番風呂をタンノーしましたよ。



窓側からは源泉が右側に向けて投入、湯尻側の流出量はご覧のとおり。



なお脱衣場側からは沢水の加水が。でも案外上手く混ざっていました。

普通なら(しばらく誰も入っていなければ)「上アチチの下ぬるい」になりそうなものですが、朝の入浴でもそれはあまり感じなかったです(もちろん循環はしていませんしそんな穴もなし)。

源泉は「第二鳥越の湯」の造成泉(単純硫黄温泉)で若干の硫黄臭あり。pHは4.5とそこそこ酸性寄りですがそれほど濃いものではなく肌に馴染む浴感です。ママもこれならOKさ!(またかよ)。





なおこの時(18:00ころ)のロビー付近の温度計は、右上画像の通り24度ほどを示していました。ええーっと、8/8という真夏の酷暑時期です(ちなみにこの日の東京の最高気温は33.9度だったようです)。この時間でこの室内温度はまさに避暑リゾート!あ、念のため申し上げればこの施設に冷房設備は存在しません(たぶん)。





まずはお宿からいただいたスーパードライのミニ缶で乾杯。食べ物はお総菜をそれぞれつまむ形なので気楽で、そのまま芋焼酎へと移行して飲み続けてハイごちそうさま。



ロビーに置かれているオーディオではCDがエンドレスで流されていましたが、実はこれも「お好みのCDを流してくださって構いません」と言われていたので(各種のCDストックあり)、別のCDをかけてみたり(さすがにロック系とかはない)、またまたお風呂に入ったりして(いつものこと)自由な時間を過ごしました。あ、外に出て星空観察などもしましたっけ。



部屋の中はともかく、外の気温は‥涼しくて快適っ!



明けて翌朝、朝のお散歩は「鳥越の滝」見学から始めました。とはいえ、宿から車道を歩いて2-3分の距離ですので散歩というには大げさかも。以前に比べて手前の木々が成長し、なんだか見えにくくなったような気がしますが。

そしてこの滝といえば滝下に湯の噴出があることも有名で、その昔は温泉先達の方々が崖を下って「いざ野湯敢行」に精励なさったようですが、現在は滝壷に下りることは(公式には)禁止されているようです。それはもちろん「道もなく急傾斜の崖下りなので危険」というのが公式見解なのでしょうが、何と拙サイト内の2003年訪問記録ページには、地域の古老?から聞いたエピソードが綴られていましたので紹介します。そんなの、全然覚えてなかったよ!(20年以上前のことですし)。

「あの滝の滝壷付近では、壷の上部の水は蒸気で熱せられて暖かいのだけれど、そのすぐ下は水温がぐんと低くなっているんだよ。数年前にあの滝壺で泳いだ人がいたんだが、滝壷は水の流れが複雑だから結果的に深みの部分に追い込まれてしまい、身体がいきなり冷たい水に包まれたものだから一気に心臓麻痺を起こして亡くなってしまってな。だからその事故の後あの周辺が立ち入り禁止になってしまったんだよ。」(該当ページはこちら

「記憶は消えるし書き換えられ上書きされたりもするが、記録は残る」の好例です。四半世紀もサイト更新を続けていると、過去の自分に驚かされたりするのが面白いやら有り難いやらで、これが今でも細々と更新を続けている理由だったりします。要は「人の為というより自分の為」だったりするのです(大笑)。

それにしても、この時(2003年)には滝ノ上温泉を訪問しているのになぜか日帰り入浴をしていないんです。たぶん「野湯訪問に気合いを入れすぎて普通の入浴をおろそかにしていた」からでしょう。だって、この時は1回の旅行で「見立の湯、仙女の湯、安比温泉、草の湯、新草の湯」と巡っています(笑)。やる気満々だったんだ(まだ30代でしたし)。葛根田温泉でも地熱発電所近くの路端に湧く源泉に目を奪われていたようで、いわゆる宿の湯に心が向いていなかったのでしょう(雨でなければキャンプでしたし)。今ではもう考えられません(寄る年波)。



なお、温泉先達は滝壷そのものに浸かったのではなく、少し下流の湧きだし部を掘り臨時の石積みを構築して浸かったようです。それが右上画像下に見える湯気のあたりなのかな?ただちょっと調べてみると、さらに下流の河原にも湯気が上がっているそうで、そちらにも何かある?ただし地形急峻なのはいうまでもありません。

ところでこのお散歩はまだ7:30くらいだったと思うのですが、まさかこの山奥なのに?と思うほど車がどんどん上がってきます。これはもちろん「濃い系の温泉ファンが待ちきれずにやってきた」ということでは全くなく、この滝ノ上温泉にほぼ隣接する葛根田地熱発電所の作業関係車両です。朝の集合時間が早めなのは現場作業に携わる方々に共通しているようで、お疲れさまです。ま、わたしも朝7:15にはだいたい出勤を完了していますが。





これはスーパーで買ったのではなく、途中の直売所に併設されていたパン販売コーナー(現地で焼いている)で買ったものです。確か「産直ともちゃん」だったと思います。



窓越しに立ち上る噴気を眺めながらの朝食はなかなかのものです。もっとも日が差し込んできたので後列での食事となりました。今は立ち入り禁止なのでしょうがあちらに行った記録もどこかで見たような気が(ボッケ踏み抜いたとか)。ま、20年前ならともかくとして、もうあんまりそういうことは‥ね(なぜか完全否定ではない)。





すっかり滞在をタンノーし、滝ノ上温泉をあとに‥いいや、まだしません!もともとは4つの宿があったこの温泉地ですがうち2軒は廃業し、現在宿泊ができるのはこちらの滝観荘のみですが、もう一軒、



でも、現状日帰り入浴のみの営業である滝峡荘、その営業は10:00からなのですが?

[2024夏(後編)トップへ] [次へ]