- その7 わらアート、2024〆湯、最後に室生寺訪問 -



最後の訪問地は室生寺。金堂が夕日に映えていました。

(2024年12月24日-27日 その7)

そんなわけで出発。まずは鈴鹿さつき温泉方面へと進みます。が、途中に「わらアート →」と書かれた手作り看板が目に入りました。急ぐわけでもないので立ち寄ってみることに。すると‥





今年(2024)は辰年、来年は巳年ですから干支にちなんだ製作ではないようですが、なるほど確かに「わらアート」です。周囲は田んぼですし地元の稲わらを利用して作られているはず。なぜなら‥





なおちょっと調べてみたら、このわらアートは2020年から作られるようになったようでこのウサギは5作目。これまで、

2020   「ペンギンとだるま」
2021   「かさ地蔵」
2022   「フクロウ」
2023   「パンダ」
2024   「うさぎ」

などの作品が作られてきたのだとか。「ふかいざわ アート」で画像検索すると過去の作品も見られるので、興味のある方はどうぞ。

なおこれらの作品は地元の方々が協力して製作しているのだそうで、深伊沢地区の地域パワーもなかなかのようです。実はわれわれが訪問した際にたまたま地元の男性がお越しになり、





「わらアート→ 看板が気になって見に来ました」と申し上げると嬉しそうでしたから、このわらアート関係者なのでしょう。「少ししゃがんでこの角度から撮ると、後方の携帯電話アンテナが写り込まないんだ」とおっしゃっていました。なるほど確かにページトップのTakema撮影画像ではアンテナが無粋ですね。



内部に入れるとのことで当然入ってみました。しっかりと木組みをした上で作られており、製作には2ヶ月ほどかかるのだとか。4月頃まで見られるとのことですが、その後はやはり解体してしまうのでしょうね。東名阪の鈴鹿ICから3km弱と近いですから、今後年末の帰省時には寄り道してみようかな。



後ろ姿にちょっと哀愁。ま、ニンジン食べなさいって。



で、このあとは鈴鹿さつき温泉へ。JA鈴鹿が運営する温泉施設なのですが、平日(12/27)の午前中というか営業開始直後に訪れたにもかかわらず、浴室内はすでにすごい人、人。洗い場ほぼ満席、内風呂には常時6-7人が浸かっていました。お湯はかけ流しの湯使いですが、こりゃ湯がなまるのも早そうです(苦笑)。

露天風呂が空いたタイミングでささっと移動。ただあまり広くないので3人ほどしか浸かれません。まぁ石けん・シャンプー臭がしない分こちらの方が居心地が良かったです。

ここからはもう少し南下して、清少納言も「枕草子」の中で湯はななくりの湯 有馬の湯 玉造の湯(能因本117段)と言及している榊原温泉を目指します。ここでいう「ななくり(七栗)の湯」がこの榊原温泉だということですが、「ななくり」は「七久里」と書いて長野県の別所温泉をさす説もあり、さらには「玉造」は島根の玉造温泉をさす以外に宮城県玉造郡の鳴子温泉をさすという説まであったりするそうです(さすがに有馬温泉は異説なし)。

ただ能因本(写本)とは別の写本にはそもそも上記記載がなかったりもするのでなかなか微妙なところですが、まぁ細かなことは言いっこなしでしょう。榊原温泉と別所温泉が「本家争い」をしているようなこともありません。





施設前の駐車場はスペースもあまり広くありませんが、そこそこ空いていてすぐに駐められました。受付で料金を支払うと係の方が「初めてですか?入浴後このアンケートに答えてもらうと温泉水を1人1本サービスしますよ」と説明してくれたので、あとで回答したことはいうまでもありません。



上画像は公式サイトからお借りしています(上画像クリックで当該ページが開きます)
先ほどのさつき温泉の例もあり混んでいるかと思いきや、自分が浴室に入ったときは広い浴室に3-4人だけとガラガラで、洗い場に至っては誰も使っていませんでした(びっくり)。というわけでかけ湯のあとまずはこの円形浴槽へ。はふー、いいわぁ。

そのあと全身を洗い清めた上で、31.2度の源泉浴槽へ。上画像の浴槽は加温かけ流しで十分に気持ちがいいのですが、せっかくならというわけでちゃぽり。


(源泉浴槽の画像が公式サイトにもないのでお借りもできず)

前々日の棧温泉の「13.8度」はなかなかにキビシイものがありましたが(笑)、31.2度なら「ママも安心さ♪」的に全然余裕です。というか、このツルツル湯、ただものじゃありませんね。分類上は単純温泉なのですが、そこそこに硫黄臭もありますし、うむ、2024年の〆湯にふさわしい温泉でした。



脱衣場の外には「湧泉地」があり、温泉神社となっています。そしてそのすぐ近くには飲泉設備もあり、お社から汲むようになっているところにこだわりを感じます(そのすぐ脇には普通の冷水機もありましたが)。





さていよいよ奈良県に向かって出発しましたが、この先の山越えでは食事処が期待できないのでどこかで‥と、しばらく進んだ先で車を止めて検索すると、何だかさっきの榊原温泉付近によさげなお店がある?ということで車を戻します。








平日の13時ころだったので、おそらく2巡目くらいのお客さんもほぼ帰ったタイミングだったのでしょう、待つことなく座れました。メニューを見るとハンバーグやビーフシチューにカレーなどもあったようですが、



デザートにプリンまで付いてくるのがすごいですが、なぜかドリンクは別です。まぁコーヒーなら150円で注文できるので追加しました。スープはセルフでいただき、目の前でローストビーフがスライスされていく(機械で)のを見ているうちにお料理到着。唐揚げと油淋鶏とをおしんこどんと分け分けして、うん、美味しくいただきましたぁっ!

関係ないですが、「のっけ丼」というネーミング、どこかで聞いたよなぁと思って検索してみたら青森の魚菜センターが有名ということで、あれれ釧路の和商市場じゃなかったっけと思って確認してみたら、あちらは「勝手丼」だったのでありました。釧路便のフェリーがあった頃はよくお世話になったっけ(遠い目)。

さて食事後は今度こそ奈良県入りすべくR165を西に向かい、





しかし、奈良県に入ったからといっておしんこどん実家に直行するとは言っていません(笑)。最後の訪問地へと向かいましょう。



さて、「女人何たら」と書かれているようですが‥





帰省前に有名なお寺に詣でるのは2年前の長谷寺(2022/12)に続いて2回目です(この時)。こういう機会でないとなかなかお参りしようとしません(信仰心薄)。

有料駐車場に車を駐めて拝観受付へと向かいましたが、すでに時間が15:00を回っていたことから、受付の女性によると「拝観は16:00までなのですが(冬期)、宝物殿は受付時間が終わっています。また奥の院は15:30に閉まりますので、今からだと間に合わないと思われます。五重塔までの見学となりますがよろしいですか?」とのことでした。まぁ、腰も痛いのでそもそも奥の院まで行こうという気もなく、境内の散策&参拝で十分です。



仁王門をくぐって境内へ。両側には赤と青の仁王像(金剛力士像)が安置されています。そこから少し進むと、出ました急な階段!腰痛持ちにこれはキツいか?いえ、大丈夫です。脊柱管狭窄による腰痛の場合、いわゆる「腰(背中)を丸めたおじいさんおばあさんポーズ」で歩くとあまり痛くないのです。町中でその姿勢にて歩くのは憚られますが、この時間の室生寺境内に他の参拝客は1人しかいませんでしたので。

ついでにいえば、腰部分が丸まった姿勢(脊柱が伸びている状態)だと痛くないことから、座った姿勢では痛みゼロですし、ネット情報だと「自転車には(普通に)乗れます」とあります。自転車が大丈夫ならバイクでも‥ハイ大丈夫です。ゆえに、



というわけです。ハイ話がそれましたね、室生寺でのタイムラインに戻りましょう。



階段を上った正面には金堂があり、平安前期建造で国宝に指定されています。こちらの内部に安置されている仏様には後ほどお詣りするとして、まずは上に向かいましょう。



続いては本堂へ。こちらも鎌倉時代の建造で国宝です。このような歴史的な寺社に近場(日帰りで)お詣りできるのはさすが奈良というか、それなのに帰省しても滅多にお詣りしない自分って(苦笑@おしんこどん実家から徒歩圏内にも国宝を有する古刹があるのに数回しか行ったことがない)。



さらに上っていくと五重塔があります。かなり小ぶりですが、建立は800年頃と法隆寺五重塔に次いで古いのだとか。しかしその割には古めかしさどころか随分新しいように見えます。というのも1998年の台風でそばの杉の木が倒れかかって塔を損壊し、幸い心柱を含む構造部は無事だったことから大がかりな修復が行われたのだとか。

なお五重塔の敷地の端には小砂利でハートの形が作られていました。もちろんこれは観光客によるお遊びの造形ではなく、「猪目(いのめ)」という魔除けの護符で、とがった方が上、桃が下になります。もしかしたらこれも五重塔の損壊に関係しているのかもしれません。「今後こういうことがないように」と。

ここから先の道は奥の院に続きますが、前述の理由によりこの日はここまで。ただ、かえって慌ただしく動く必要がなくてよかったかもしれません。さぁ下りましょう。





さすがに「金色に輝いて」とまでは言いませんが、この時間に来たのは正解だったかもしれません。このあと回廊をめぐりつつ金堂内の仏様(国宝や重要文化財ばかり)に手を合わせました。



仁王門のあたりはもう日が陰ってしまいました。と、その近くにシャクナゲがありましたが、一部の株は季節外れの花を咲かせつつありました(右上画像マウスオーバーで拡大画像に変わります)。

ということで室生寺参詣もこれにて終了、長谷寺の近くを通って奈良盆地に下り、いよいよおしんこどん実家へと向かいます。

Takema自宅からおしんこどん実家まで、直行すれば車で7時間半ほどですが(休憩含む)、さすがに新潟経由ということもあり3泊4日をかけての大移動となりました。帰省後はそれこそ何もせずのんびりと怠惰な生活に入ったことは云うまでもありません。というわけでこの旅行記も終了です。


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