- その4 またも秋田県側へと反時計回りでぐるり -



真人公園の池に花筏が。桜花が最後に彩る風情です。



(2025年5月2日-6日 その4)

さてわれわれの朝ごはんはニューヨークならぬ「おとうが淹れるコーヒー」から始まります(この「ニューヨークならぬ」の意味がわからない人はスルーしてね。ダバダ~♪)。しかもその準備過程では誰も手伝わず、おとうが「コーヒー、入ったよ」と声を掛けてくれると、上画像のようにカップが集結するという、完全に「おとう本願」のスタイルが身に付いてしまっています。まぁ実質的に手伝うこともないのではありますが(笑)。

朝食は各自前夜の残りものをそれぞれ成敗しつつ朝用の食べ物を口にした上で、「さて行きますか朝湯へ」。



休憩スペースもありますが、ちょっと落ち着けないかな感が。

男湯内風呂には先客さんがおられたのですが、内風呂には目もくれず露天へ直行するTakemaでありました‥が、内鍵が掛かってる?いや内鍵なんだから開ければいいのさということで外へ出てみると、露天風呂のほぼ全面に保温シートが被せられておりました。

朝湯は露天風呂なしという掲示や事前情報もなかったので、とりあえず保温シートを一部どけて湯に浸かります。うん適温♪なおこの時期ゆえ浴槽内からは加温湯の投入がありました(寒い時期はそうしているという情報があったので問題なし)。そうこうしているうちにお仲間以外の皆さんも入ってきたので、ええいとばかりに勝手に全部のシートを外して一箇所にまとめたのもTakemaです。問題ありませんでしたよね今にして思えば(おずおず)。



今回宿泊したコテージは「かわせみ」という6人用のコテージで、このコテージ村では2棟しかない大型のものです(予約して下さった温泉師匠に感謝)。エントランス部には喫煙指定スペースもありTakemaも安心です(苦笑)。

さてこの日は連泊の中日ですが、われわれ夫婦は滅多に他の方々と共同行動を取らないという特性を持っておりまして(笑)、おとうは温泉師匠の車に同乗してどこぞへ、番頭さんはどうだったかな、確かバイクには乗らなかったと思うのでやはり同乗だったかな?



そんなわけで、真湯のゲートが開くのを待って須川峠へと上がっていきます(この時期は夜間通行止め)。ゲート開放時間から10分ほど待って出発したのは当然「大名行列の一員となりたくはなかった」からです(笑)。

で、途中でこれまたストップしました。水汲み第二弾「須川岳秘水 ぶなの恵み」ポイントにて給水です!



こちらは前日の栗駒神水に比べてかなり整備されており、駐車区画も設けられた舗装駐車場もあることからそこそこの車が立ち寄るのですが、この日は先を急ぐ人が多いのか(急いでも峠付近以外には何もないのですが)通過車が多かった気がします。おかげでゆっくり12Lを汲めたわけですが。

車に積んできたペットボトルはこれにて全て満タンに。このあと3つめの給水ポイントに立ち寄るつもりですが、そこではそれこそ「現地での飲水」に留めるしかないですね。

真湯温泉から須川に上がるR342はここ岩手側の道がやや細いのですが、それこそ震災前(岩手宮城内陸地震、2008年6月)に比べればそこそこ走りやすくなりました。はるか昔にバイクでこの道を上ったときは須川峠まで上がった時にある意味の達成感を感じましたからね。「はふー、終わったぁ」という(笑)。

ただ、「走りやすくなった」というのには理由がありまして、実は前述の地震によりこのR342は各所で崩落し分断されてしまいました(分断箇所に放置された車はどうなったのだろう?)。それを修復し再び通行できるようにする過程でかなり道路にも手が入れられたのです。それでも狭くて急なのは前日の湯浜峠道路(R398)とは全然違いますけれどね。なおこのR342も秋田側は自分が知る限り昔から完全二車線の快走路です。ただこれは岩手県が整備の手を抜いてきたのではなく単純に斜度の問題だと思います。岩手側は急峻なんですよ。



はい、また雪が増えてきたぁ。



さて須川峠へ。このエリアには2つの温泉宿(須川高原温泉・栗駒山荘)があり、このGWに合わせて営業を開始するはずだった‥のですが、このうち須川高原山荘は雪害で複数箇所の修繕が必要になったため、2025のGW期間は宿泊・日帰り営業とも休止状態でした。本来ならこちらの中浴場にて「あつ湯で喝!」といきたかったのですが残念。

またそうなると栗駒山荘の方に日帰り客が殺到するはずで、実際駐車場はすでにほぼ満車状態でしたから、このあとはお風呂も芋の子状態になること必定。というわけで今回はこちらもパスしてそのまま秋田側へと下っていくことに。



「うん、秋田側の方が雪が多いな。」



下り始めてしばしで、栗駒山周辺3つめの湧水汲み場「栗駒仙人水」に到着です。こちらには水汲み用の駐車スペースがなく、また上り線には登坂車線と走行車線があることから、交通状況によっては水汲み自体が結構危なっかしい感じの場所でもあります(自分たちの訪問時はガラガラでしたが。車、1-2台が通ったかなという感じ)。

ただ、積んでいた水汲み用ペットボトルは全24Lがすでに満タン。よってここでは味見だけにとどめた次第です。さてさらに下ります。



下るにつれて雪もなくなり、やがて工事中の成瀬ダムが見えてきました。上流側からだと橋の上がベストですが橋上は基本駐停車禁止のはずなので、最徐行で撮った画像がこれ。でも、下流側にはちゃんと見学所があるのを知っていましたのでさらに下っていき、見学地への分岐を左折したところで‥





でもまぁそれほどひどい降り方ではなかったので展望台へ。







(これは昨年2024年GWに撮影したものです。まっ平らですよね)



その後雨脚はさらに強くなり本降りに。そんな中でもカッパを着用したライダーの方々が果敢に峠を目指して上っていきますが‥車外温度計は12度を示していますから、雪残る上部ではもっと寒いでしょうね。大変だぁ(元ツーリングライダーのTakemaによる人ごと発言)。



集落エリアに入ってもまだ桜が見頃です。寒いんだな。

もっとも東成瀬の役場近くまで下ってくると如実に春の気配が色濃くなってくると同時に雨が止みました。とはいえ特に立ち寄るべき場所もなくてどんどん進み横手市(旧増田町)に入りました。それじゃということで、昨年ラーメン(まさかの十文字系)を食べた真人公園へ。桜がまだ残っていないかなぁとの淡い期待からですがどんなものか‥。




(右上画像はほぼ唯一残っていたトイレ前の桜花)



ですが、おしんこどんが池のほうに歩いていくのでついて行ってみると、何と、池の約半分が花筏で埋め尽くされておりました。散ったばかりなのかまだ花の色が何とか保たれておりいい感じです(日が射していればもっと‥)。池にはボートが出ており当然ながら花筏の上を進んでいくので、花筏にはボートが通ったあとのライン系模様ができます。ちょうどカフェラテの「ラテアート」みたいな感じです(うまい喩えだな=自画自賛)。



このあとは、一部の人にはとみに有名&利用頻度が高かったであろう「雄平フルーツライン」(広域農道)経由で北上して横手市の中心部へ。

ちなみにこの「雄平ライン」と、横手市中心部近くから北に延びる「みずほの里ロード」を繋いで使うと、角館から湯沢市稲川(稲庭うどんで有名な佐藤養助の総本店がある地域)までは約60kmあるのですが、所要時間は(グーグルマップでも)ほぼ1時間なのです。それではということですよ(察して)。実に便利な広域農道です(ただし雄平くんは1.5車線で狭い)。

話を戻して横手市内中心部へ。目的地としていたお店には予想通り入店制限が掛かっていましたが並び客は数名程度。しかし「とある別の理由」(後述)により、先にお昼ごはんを食べに行くことにしました。「近くに洋食系のお店とかないかなぁ市街地だし」と思って検索してみると、何と徒歩圏内にイタリア料理(パスタ)のお店があるようでした。営業時間は11:30~ということでしたがこの時すでに11:25くらい。それではということで移動(もちろん車で移動しましたよ、施設の駐車場に駐めっぱなしにはできないので)。うん、この日は前述の「先んずればすなわちお昼ごはんを制す」行動でしたね。



すぐさま到着。外観は地味ですが店内は落ち着いた雰囲気です。でももしかしたら居抜き店舗利用のお店だったのかも(使っていないカウンター席がありましたのでそう思った次第)。もちろん最初のお客となり、ベーコンペペロンチーノとフォルマッジオポモドーロ(チーズとトマトのパスタ)を注文しました。





サラダ付きで税込み850円と900円とお値段もよしよし具もたっぷり。食後のコーヒーは別料金ですが全然問題なしでした。ご主人によるワンオペだったので混んでいるときには待ち時間も長くなりそうですが、なかなかのんびりできました。

で、食事後はいざ先ほどのお店へ。横手でしょ、中心部でしょ、入店制限(行列)でしょ、今ランチを食べたわけだから横手焼きそばじゃないよ、と‥ここまでヒントを書いてくればもうおわかりですよね、そのお店とは‥





実は今回同宿しているうちのお一人であるライダーC氏は横手出身でありまして、それこそフレンドールのパンも横手焼きそばのお店も「日常使い」をしてきたそうです。いわく「どちらも『ごくごく普通』のお店だったんですけれどね」とのことでした。有名になるってすごいことなんですね。御殿が建っちゃうんじゃないか?

話を戻してフレンドール、フレンドールといえば「クリームたっぷりのメロンパン」でブレイクしたわけですが、温泉師匠によると「個人的にはマカダミアナッツが好み」だということで、今回はそれを‥ときたところで右上画像を目にし、「そうかマカダミアナッツは12時以降か。ならば‥」というわけで先にお昼ごはん行動と相成ったわけです。

入店待ちの行列はご覧のとおりで10人少々。ただし飲食店ではありませんから列は比較的サクサク進みまして、無事マカダミアナッツパンと定番のメロンパンをGET。メロンパンは個数制限(1人5個まで)がかけられており、なおかつ列の前方に並んでいる際に店員さんが出てきて「もしかしたら列の最後のほうの方まで(メロンパンが)行き渡らないかも‥」とおっしゃっていましたが、「われわれはメロンパンは2人で2個しか買いませんので、8個ぶんは後ろの人に回るから大丈夫では?」と思っておりました。その代わりマカダミアのほうは駒の湯ご夫妻へのお土産としても購入したのでそこそこの数でしたが(それでも温泉師匠の分も含めて5個だけ)、見ていた限り‥





おかげでもともとの販売個数もそれほど多くなかったにもかかわらず5個を買えました。ただ上画像を見ればわかる通りナッツの量がちょっとメタセコイア系であるような‥いやいや言うまい言うまい(もう言った)。



さて少し上で「広域農道は便利」と書いたにもかかわらず、その舌の根も乾かぬうちに(「言った」わけじゃないからこの表現は不適当ですがスルーよろしく哀愁)有料の高速道路(湯沢ICまで)に乗っかります。だって明らかに農道より(次の目的地までは)早いんだもん。

というわけで右上画像の場所に車を駐めました。ええ、詳しい方ならこの絵だけでもうおわかりですね。橋を渡り、石段を登ると‥









ぬる目の源泉(39.9度@調査時)が浴槽に注がれ、そして音もなく湯縁からオーバーフローしています。聞こえるのはすぐ下を流れる沢音ばかりで、それこそ「時が止まっている」感を強く感じつつの入浴は最高です。湯の注ぎ方も実に独特で、




(まったく意味不明ですが思いは伝わるかと。)



ぬる目のお湯ということもありここでは長湯が大吉、しかも他のお客さんがいなければ「トド(寝)だってママもOKさ♪」という感じです。おしんこどんは浴後に「ここは今度泊まりに来たいね」と話していましたがさもありなんです。いや以前からその思いは自分にもあるのですが、「ついついもっと遠く(の湯)を見て(考えて)しまう」のですよね。

なお右上画像は女湯ですが、広さは男湯より少し横幅が短いのかなどうなのかな?



先に上がって(それでもそこそこ長風呂)橋を渡り、駐車場でケムリ行動をしていたらおしんこどんが顔を出したのでパチリ。自分はたぶん4回目の訪問だと思うのですが、基本的にいつも(たまたま)貸し切りで利用できています。しかもこの日はGW後半の中日にもかかわらずというわけでラッキー以外の何物でもありません。あ、自分が駐車場に戻ったときに次のお客さん(われわれと同年齢っぽいご夫婦)が到着しました。「今ならお風呂は男女とも貸し切りモードですよ」とお伝えするとご夫婦の目が輝いたことを今も覚えています。もしかしてコアな温泉ファンだった?(笑)。



このあとは下道経由、またも前日と同じルート(県道51号)経由で岩手の真湯温泉コテージへと進みます。桁倉沼(旧木地山キャンプ場)のあたりは一番標高が高いので、それこそ春もみじとまではいえないまでも黄色や薄オレンジの葉も見受けられました。

で、小安峡温泉までやってきました。このあとは前日に引き続き湯浜峠を越えるのです(芸がないな-@あの県道が通れない以上仕方がない)。

ただこの時点で自分は小安峡か湯浜かのどちらかの湯に浸かる気満々でありました。しかし時間を考えると湯浜は往復に時間がかかる‥というわけで小安峡に決め、例の混浴共同浴場方面へ。しかし、



混浴ゆえ先客さんもおしんこどんも何かと気を遣うはずということで、今回は1990年代半ばの訪問以来ひっさびさに温泉街エリアの共同浴場に入ることにしました。

四半世紀ものあいだこちらの共同浴場にご無沙汰していたのは、例の「元湯」がイイという理由もさることながら、温泉街のほうは長らく循環湯だったというところが大きな理由でした。ところでこの共同浴場に限らず、小安峡の湯宿って循環湯が多いようなのです。源泉温度はとても高いのですが実際の湯量は(大噴湯に取られて)多くないのかな?



話を戻して小安峡温泉街の共同浴場ですが、いつだったかの建て替えを機にかけ流しの湯使いに変わったということを聞いていました(2010年かな?)。それならばということで今回の訪問となったわけです。確かに建物は新しく、すぐ奥には源泉井もあって蒸気が吹き出ていました。この状況から考えて共同湯源泉は造成泉かな?(造成泉=蒸気に山水を通して湯にする@これもれっきとした温泉であり各地にあります。関東でメジャーなところでは箱根仙石原温泉とかもそうです)。

混浴の元湯に比べれば高めの料金500円を支払い(というか元湯が安すぎる@200円)いざお風呂へ。なおGWだからなのか、店番をする女性がおられました。普段は無人の料金箱システムのようです。ちょうど先客さんが着衣をし終えたところでしめしめ。





でも、かけ湯をした時に「あれ、それほど熱くない」と感じました。いや湯温高めではありますが、小安峡の湯としては何だか無難な感じです。実は恥ずかしながら小安峡温泉の湯宿には泊まったことも日帰り利用したこともないのですが(とことん山には泊まりましたが)、たぶん宿湯もこんな感じなのかな?と勝手に想像してしまうほど無難な湯温(デジ温度計で43.1度表示)でした。



ただしとても気になったのがこの湯樋でありまして、どう見ても後付けですし、先人のサイトを検索してみると予想通りかつては存在していなかった様子です。



湯口は向かって右側手前にありますが、湯樋の取り付け部はどうにもの無理矢理感(笑)。投入口を分けて浴槽内の湯温ムラを少しでも解消しようという意図から後付けされた構造物だと思われますが、実際のところ湯樋経由で投入されていた湯量はほんの僅かでした(上の上画像を見てもらえばわかると思います)。なお湯樋の途中には流量調整用のゲート板が見えています。

どういうことなんでしょうかね?実はメイン湯口から一番遠い(対角線上の)場所でもそれほど湯温に差を感じることはありませんでした(先客さん入浴による多少の湯の攪拌はあったにしても)。ふと考えたのが、こちらの共同浴場の利用は(特に平日は)地元在住者の比率が相当高いだろう&メイン湯口のすぐ脇が洗い場ということで、


(理由についてご存じの方、是非ご教授下さい)。

お湯のインパクトは元湯(山神の湯)のほうがやや強い感じでしたが、強い主張なくあっさりと浸かれる、よい一湯でした。



共同浴場のすぐ近くに源泉井がありましたが湯漏れはなく湯気が舞い上がっていました(右上画像のあたりからも湯気が上がっていましたが全然写っていませんね)。

さてここからは前日と同じく湯浜峠を越えて真湯温泉へと戻ります。



前日は通過した湯浜峠ですがこの日は休憩。栗駒山もしっかり見えています。この栗駒山界隈には駒の湯温泉を含めてもう何十回も来ていますが、もと山屋であるにもかかわらずこのお山にはいまだに登ったことがないんです。いいかげん元気なうちに登っておきたいなぁ(脊柱管狭窄由来の痛みを何とかしなきゃですが)。



ところで峠の駐車場には立派なベンチ付き
喫煙所が。ただし屋根なしの謎施設です。


山を下ってくると季節が早送りされるのは前日と同様です。この日はショートカットルートで戻ったので‥




(この時期でないと稼働していない可能性大)。

というわけで真湯コテージに戻り、前夜と同じメンバーでそれぞれ本日の報告会という名の飲み会。ところで樽生ビールですが、何だかどうやっても泡ばかりになってしまっていたのはなぜなぜなーぜ?とはいえ全部飲み干して樽も空になりましたが、翌朝の撤収時に理由がわかりました。実は炭酸ガス(ボンベ)を完全に使い切り、ガスが空っぽになっていたのでありました。

でもここで気づけたことで、この約20日後に行われた「TakemaオフFINALキャンプ」(その時の様子はこちら)では嬬恋村某所にて予約し入手したフル充填ボンベにより問題なく供給できました。よかったヨカッタ。

さて翌日はお約束の駒の湯お手伝いへと向かいます。

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