メコン川を貸し切りボートで上ったり下ったり(2)。

 

ラオラーオ(ラオス焼酎)作りの村はいたって静かなもんでした。

出発が早かったせいか、この村に今日着いた客はうちらが最初らしく船着き場には他の船の姿はありませんでした。これ幸い、のんびりと村を見ることが出来るぞと嬉しくなっちゃいました。

さて船着き場から村の中心部に続く沿道沿いには、なるほどやはりおみやげ屋が軒を連ねているわけで、そして実はどこの店もかわり映えしない品揃えであったりするのはいつもの東南アジアのことなのですけれど、店のほとんどがラオ織物を綺麗に飾っていることもあって、その沿道がものすごく綺麗に見えているわけです。もちろん道は未舗装の赤土で車の出入りもないというわけで、何だか妙に気に入ってしまったTakemaだったのでありました。

さて目指すラオラーオの「工場」は、村内にほぼニワトリさんとともにさりげなく何ヶ所にもありました。ご飯を蒸すドラム缶の脇には、次に蒸されるはずの飯をついばむニワトリの群れ、中には勇気を出して「ただ今蒸してます」系の蒸し器の上までジャンプしてついばもうとするニワトリくんも。ご主人とおぼしき方が時折声を出して追い払ったりしていますし、確かに衛生上はうーむと思わざるを得ない面もありますが、多勢に無勢というか多ニワトリに少人間というか、でもここでは「それだってまぁいいじゃないのさ」といった感じののんびりさがどっぷりと支配しているわけです。

 

確かスコッチウィスキーだったかの場合は「天使の取り分」とかいう発想が
あったような気がしますが、ここでは「ニワトリの取り分」というのもあるんですかねぇ?
ちなみに右写真(ドラム缶式米蒸し器)にマウスオンするとおいしそうなご飯が!

さてお米が蒸し上がれば、そこに加えられるべきは発酵させるための麹菌。しかしこれがまた不可解なというか、何なんだこれ?といった感じのものなんですね。



これが麹菌のもと。白いのが麹のようなのだけれど、その他に何やら木の根のようなものを
一緒に砕いて入れるみたい。少しばかり土も交じっていたようだけれど気にしちゃいけない(^.^)。

これらををミックスしたものを臼に入れ、杵でわっせわっせと根気よく突きます。ちょうどその作業をなさっている人がいたので見学させてもらうと同時に写真を撮らせてもらっていたら、さすがおしんこどん、言葉は通じませんが身振り手振りでやらせてもらうことに成功しました。こういうのを見るとやらずにはおれないタチなんですね(笑)。

 

そうして臼の中身があらかた粉状になったところで、それをさらにふるいに掛けてパウダー状のものを取りだし(下の写真)、たぶんそれをお米に混ぜて発酵させるんでしょうね。もっとも日本酒の蔵元見学じゃありませんから、この先の過程については見ることが出来ませんでしたけれど。

んでもって発酵&蒸留過程は省略して、いよいよ「試飲」です。すぐ脇のおみやげ物やさんで「はい、これはこの米から作ったものね、これはこっちからね」というふうにサンプルを示しながら飲ませてくれるのでごくごく簡単な話です。

ここでわかったのは、ここでは数種類の焼酎を作っているということ。古代米チックな赤米で造った酒は当然のごとく赤い色(ワインのロゼに近いか、もう少し濃いかですね。ちなみにこのお酒は帰国後サラリーマン氏&ぱやさんご夫妻に流れました(笑)。味はかなり甘めです。



よく見るとサンプルのお米の上にそれぞれの完成品ともいえるお酒が
並べられています。さすがに赤米系焼酎には色が付いているのですが‥。

一番ポピュラーなのは上の方の写真にあった普通の白米で造るお酒。それほどクセはなく飲みやすいという風に感じましたが、それは私が普段芋焼酎を愛飲しているというからであって、甲類焼酎を飲みつけている人にはもしかしたらクセを感じるのかもしれません(汗)。

そして、もう一つが日本酒でいう無濾過のお酒とでもいえばいいのか、瓶の底に多少の沈殿物のあるものです。もしかしたら米を蒸さないまま造られた物なのかもしれません。ちなみに試飲カップにつがれたこのお酒のにおいをかいだときは、

「な、何だこのにおい〜!」

という感じでした。今改めておしんこどんに「どんな臭さだっけ?」と聞いてみたら、なんと「耳あか臭い感じ??」と、まぁ至極適切というか、耳あかを集めた臭いってどんな感じだったっけとの疑問符がつくようなたとえをしてくれました(爆)。

でも、臭いからくる「この酒を飲む覚悟」は、飲んでみた瞬間あっさりと消え去ったというのが本音です。だって、味はごく普通だったんだもの。でも、この無濾過酒を飲み過ぎて二日酔いに陥ったら、翌日の息はものすごい臭いなんだろうなぁという気はしますけれど(笑)。

ただ、「地球の歩き方」を読んでみると、赤米焼酎は「バナナを使って赤く着色した」ものではないかというように書いています。でも、サンプル米は確かに赤米だったんだけれどなぁ。バナナ系はバッタもんだというように信じたいのですがいかに。

さて、そんなわけでラオラーオ作りの村を離れ、次はタムティン洞窟へと向かいます。