おしんこどんもTakemaも、あまりの気持ちよさにしばし船の上で寝てしまう。ああ心地よし。Takemaなどは船の上でも日本酒飲んでたものなぁ。船の後ろではアンカーさんの奥さんと子供が。われわれの船代でこの子が大きくなると思えば嬉しいもんですな。
クアンシーの滝までは船で1.5hくらいかかる。腹も満足、川面を渡る午後の風は心地よく、ついでにTakemaのほうはほろ酔い加減と来ているから、そうなると睡魔が襲ってこないはずがない(もっともTakemaが寝たのは滝からの帰り道だけど)。そんなわけで、運転中のアンカーさんには悪いけれど安らかに寝てしまったわれわれをどうかお許し下さい。

面白いことにルアンパバーンから下流では、時々涼しい気団エリアと熱気団エリアが交互に分布しているエリアがあるようで(この時だけだったのかもしれないけれど)、突然涼しくなって「はぁこりゃ気持ちいいなぁ」と思うときもあれば、「む゛っ、アツイ!」と感じられるときもあってそれなりに面白いんですな。もし機会があればお楽しみ下さいませ。

さて、そんなこんなでのんびりと船の旅を楽しんだあとはいよいよソンテウに乗り換えて滝へと向かいます。アンカーさんが直接運転手さんに折衝してくれたので全く心配なし(もっともこの運転手さんは帰りがけに「あのぉ、お金は‥」と、さりげなく運賃を取ろうとしましたが、「んにゃわけないでしょ」と言い返したらすぐさまあきらめてくれました。この辺もラオスのいいところですな)。



トゥクトゥクみたいなもんだと思っていたら、あれま立派なソンテウじゃないですか!
これまたうちらの貸し切り!アンカーさん、あんたはえらい!嬉しい!

そこから滝までは4-5kmくらいあったでしょうか。歩くにはちと遠い距離です。んでもって到着したはいいものの、滝を見るのに入場料がいるとは知らなかった(こういうのは船の料金とは別です)。しかも大笑いなことに、ここでもってラオスKipが切れた。これじゃ入場料も払えないじゃないのさ!しかし、ふと思って係員に「ここでUS$をKipに両替してくれないか」と聞くとOKとの返事。まぁレートは悪いだろうなぁと思いつつ念のため聞いてみると思いがけない返答が。

「1US$=9500kipです」

たまげた。何とラオス入国後一番いいレート。しかも、両替商が軒を連ねるビエンチャンならともかく、こんな田舎(失礼!)の、しかも入場料を徴収する受付でのレートだから驚き桃の木山椒の木そのもの。思わず大量に両替したくなったけれど、明日はラオスを出国するわれわれなのだからそう沢山の両替は困ることにもなるわけですね(ラオスKipはタイ国内で再両替することは出来ません。たぶん。カンボジアリエルもそうでした)。

まぁレートがいいのは何にせよ悪いことじゃないですから、何だか妙に気をよくして滝に向けて歩き始めます。受付の近くにはいわゆる「茶店」系の店が何軒も建ち並んでいますが、これがまた全然商売っ気がなくて面白い。日本だって、そういう場所のそういうお店では「はぁーい、お兄さん、ちょっと休んで行かれませんかぁ」系の勧誘があるじゃないですか。ここではそれが全然ないわけですよ。かといって○国のように不愛想なわけじゃなくて(行ったことないけど)、「たぶん遠慮してくれているんだろうな」という想像をするに十分でした。



受付ゲートから滝までは数分歩きます。あれま、この綺麗な花はポインセチア?

そしてしばらく歩くと、結構大きな水音が聞こえてきました。どんな滝なのかの予備知識をあまり持ち合わせていなかったわれわれだけに、結構楽しみです。そうしたら、かぁなぁり!大きな滝(群)でした。日光華厳の滝(関西の方は「那智の滝」を連想してください)のような「一本勝負」ではありませんが、正面の崖のあちこちからとうとうと水が流れ落ちてきています。華厳の滝は見ていて1分で飽きるけれど、こういう滝は変化に富んでいて全然見飽きません。いい滝です。

 

滝の規模が大きすぎてファインダーに入り切りません。実際、左の写真の場合も、もっと右や左からも滝が落ちてきています。華厳の滝というよりは白糸の滝というほうが近いですね。高度もかなりあります。左写真の右側では滝が二段になっているのがわかると思いますが、二段目の高さが30m+αくらいあります(この写真で見た感じはせいぜい10mくらいにしか見えないのですけれど)。

ふとみると滝の上流に続く道が。「これは行かずばなるまい」ということで急な坂道を上がっていきます。

さっき下から見えた一段目の滝です。玉すだれのように水が流れ落ちています。ひんやりと冷たい水で気持ちがいいのですが、いかんせん水はねがすごくて、カメラを持ったTakemaはこれ以上先へは進めませんでした。この滝の向こうにメインとなる滝があるのですが、おしんこどんもさすがにそれは断念した様子でした。その先へ突入したフランス人カップルの女性、Tシャツびしょぬれ、しかも下着非着用ということで‥あ、ここからは説明不要かと存じます(笑)。

滝をタンノーしたあとは再び船でメコン川をさかのぼり、ルアンパバーンへと戻ります。船着き場へ着いたのはほぼ日没と同時。暗くなってからの船の運航は不可能ですからぎりぎりの帰着でした。われわれを降ろしたアンカーさんは、自分の住む村のある向こう岸まで帰っていきました(見てないけど)。

 

さ、いよいよ明日はこのメコン川をスピードボートでさかのぼってフェイサイまで、そこからタイに渡る日。これは忍耐が要りそうだと覚悟していた移動日です。果たしてどんなことになったのか?そ、その激しさ苦しさ悩ましさについては‥次ページから始まります。