最後に Banks Peninsula !

( Kaikoura 〜Christchuech 〜Pigeon Bay 〜Akaroa 〜Christchurch )


Kaikoura から南下すれば3時間もかからずに Christchurch に着いてしまうのだが、バイクを返すのは明後日の朝。今日は Christchurch を一旦通過して、Banks Peninsula まで。10年前のWHで居候させてもらった家に顔を出しに行こうと考えたのだ。(その頃のてんまつについてはここから行けます。)AkaroaからChchまでは1.5時間くらいだから、朝一番で帰れば9:00のレンタバイク返却時間には十分に間に合う。となれば11:55発の帰りの飛行機にも・・ということだ。もっとも、「行くからよろしく」なんて連絡は一切していないから、果たして会えるかどうか・・

さて、Kaikoura といえばアワビとクレイフィッシュ(伊勢エビ)。でも昨日は日曜日だったこともあって買えなかったんだよなあ。残念。残念といえば、日曜日はパブもやっていなかったので、残り少ない手持ちのワインでごまかしてたのだが、何だか欲求不満が残った。いやいやそんなことを書こうとしてたんじゃない。Kaikoura といえばホエールウオッチングです。でも今回はパス。半島一周の Fur Seals(オットセイ。アザラシじゃないよなあ)) 見物もさすがにまたやろうとは思わない(1周3時間くらいかかるんだったよなあ)。ということで車道終点の駐車場までバイクを走らせる。そこから15分も歩けば1匹位いるだろうと思ったが、あにはからんや2分歩いたところに3匹寝ていたので、とりあえず写真を撮って「満足した」ことにする。やっぱりこういう時は望遠レンズが便利です(ここ6年ほど旅行中は Tamron 28〜200mmのレンズをつけっぱなしで使ってます。ちょっと暗いけれど、Takema程度の技術レベルならなんの問題もなく使えます。一眼カメラ使っている人にはお勧めです。2000注:実はこの後ベトナムで盗まれました(^_^;))。コンパクトカメラでこの位置まで近づこうとすれば威嚇されること請け合いだし、近づくべきでもないし。

さて、お手軽ウオッチングを済ませたあとは一気に Christchurch へ。たかだか1週間前に来たばかりなのに、「ああ、戻ってきたなあ」とホッとする。もっとも、元中央駅の向かいにある「Pack'n Save」で最後の買い出し&おみやげ品調達(Oxtail のスープの素、とか)を済ませたあと、一気に75号線を Akaroa に向けて出発。
さて、10年前に幾度となくFirewoodを満載した小型トラックで通った道を、今は850ccのバイクでひた走る。この直線、あのカーブ、あの頃と何も変わっていないことを実感し、ノスタルジックな気持ちになりつつ走る。Hilltop のパブの駐車場にしばしバイクを止めてAkaroa方面を遠望する。あの頃と同じように。違ったのはバイク運転中ゆえ店内に入らなかったことぐらいだ。そこから Summit Road 経由で Pigeon Bay へ。数キロ林道をさかのぼったところにあるはずの Ron さんの家は・・あった!あのころよく運転したトラクターはたまたま修理中らしく前輪が外されていたが、まさにこのトラクターだ。家は・・。あの頃Ronさんが「いずれこんなふうにこの家を全面的に改装するんだ」と語ってくれたとおりに随分と綺麗になっていた。でも・・??誰も人の気配がない。家の中には犬がいてこっちにほえているところを見ると、外出中のようだ。しばし(30分くらい)待つが帰ってくる気配はない。何てこった!ここまで来たのに!仕方なくネームカードと書き置きを残し、後ろ髪を引かれるような気持ちでこの家をあとにする。それにしても残念。連絡しておけば良かった!また行くからね。

しかし、Ron さんの家をあとに再び走り出しつつこうも思った。「会えなくて良かったのかもしれない・・」
再会することによって確かにお互い懐かしく話すこともあるだろう。いろいろな人たちの近況も聞けたかもしれない。
でも、自分をこの場所に駆り立てたエネルギーはノスタルジーにすぎない。
お互いの、この10年の溝を埋めることなど出来るはずはない。
あの頃の記憶を改めて掘り返し新しい思い出にすること、それは果たしてするべきことなのだろうか。
思い出とは記憶の中にずっとしまい込んでおき、時々引っぱり出しては眺めて楽しむ方がいい場合もあるんではなかろうか、などなど。

どうなんだろう。自分はもう一度彼の家を再訪すべきなのだろうか。

そんなふうに思ってしまったものだから、これから行く Akaroa の知り合いの家を訪ねる気持ちはなくなってしまっていた。Akaroa のメインストリートにたった一軒だけあるバックパッカーズホステル「Chez la Mer」に泊まる。この夜は隣のパブのボトルストアでボトルにDBを詰めてもらい(いわゆる「量り売り」ですね)、NZ最後の夜をなんだかんだで楽しんだ。唯一のFish'n Chips 屋では、あの頃まだ中学生だったと思われる見覚えある顔の少年が、「あれから10年たちました」なんて感じですっかり大人の顔をして、閉店の準備に立ち働いていた。

翌日もいい天気。朝日が山々を赤く染め始めた7:00に出発。遠回りになるが Duvauchelle から Summit Road に上がり、Ronの家を遠望しながら走る。あれから約10年。自分はどう変わったのか変わっていないのか。これからどうなっていくのか。そしてみんなはどうなのか。何だかいろいろなことを考えているうちに涙が出そうになった(本当)。

Tuam St.のバイク屋には9:00ちょい前に到着。
「How about this touring ?」「Excellent !!」そう、久々に最高の旅でした。やっぱりNZのバイクツーリングはすばらしい。オーストラリアのような広大さはないにしても、変化に富んだルート・景観がここにはあります。そこを車でなくオートバイで風を切って走る快感は日本ではなかなか味わえません。カタコトの英語さえ喋れれば誰でもできるといっても過言ではありません(もちろん Accident 起こしたときは話は別です)。「北海道ツーリングも少し飽きたなあ」という方には最高の場所ではないでしょうか。このつまらぬHPを見て「よっしゃ、自分も行って見るぞ!」と思われる方が一人でも現れることを期待しています。

行ってらっしゃい !!


おまけ:飛行機に乗る、その前に。
日本に帰るその日までバイクに乗る場合、やはり飛行機に乗る前にさっぱりしておきたいものです。Christchurch 空港には無料のシャワールームがあります。Arrival 側に少し行ったところにトイレがありますが、そのトイレの一番奥に個室シャワーが2部屋あります。お見のがしなく。なお、ドライヤーはありませんが、Takemaの時はトイレがもともとがら空きだったので、ハンドドライヤーのマシンをフル活用して乾かしました。

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