うはぁすごい数のアザラシ、そして‥臭い(1)。





こればっかりは実際に見てみないと様子が分からない。
少なくともこの写真を見て想像するよりも、もっともっとすごい。

さて、Swakopmundに3泊したあと、いよいよ北へと向かう。まずは海岸線沿いを北上、その先にはアザラシ(Fur Seal)の大コロニー、Cape Crossがあるのだ。

Swakopmundの市内を抜けるとすぐに道はダートに変わる。ここからCape Crossまでは地図に示された距離で110kmと少し。またもや気を遣うダートが始まりだなぁ‥と思っていたら、違った。いや、違ったといってもダートであることには変わりがない。違うのは、そのダートの路面状況だ。とてもダートとは思えないフラットさはもちろん、しかもローラーで踏み固められて表面の浮き砂や石は皆無に等しい。それでも最初はだいたい100km/hのスピードで走っていたのだが、後から来る車(2WD車)がぐんぐん追い抜いていく。安定性は舗装道路そのもの。よし、行くか、いっちょ行ってみるか。アクセル踏み込み。

結構なスピードで走り出した。平均約140km/h、時には‥いや、書くのはやめとこ。道路は限りなく舗装に近いとはいえ、それでもダートなので油断はできないのだが、結局何の不安もないまま(Henties Bayの市街地でちょっと迷ったことを除けば)一気に目指すコロニーにたどり着いた。結局、ナミビアのダートで一番走りやすかったダートがこの区間だった。

到着後、まずは管理事務所で入域手続きと料金を支払う。管理事務所から目指すコロニーまでは2kmほどあるということでさらに車を走らせると、先のほうに駐車場が見えてきた。でも、駐車場がちょっとした丘の上にあるのでアザラシの姿は見えない。

「もしかしたら今日はほとんどいないのかもしれない」と思いながら車のエンジンを止めた。あたりがしんとした。

耳をすますと、何やら鳴き声が聞こえてきた。しかも、あっちからもこっちからも。車のドアを開けた。すると、鳴き声とともに「動物の臭い」が一気に押し寄せてきた。

「いるぞいるっ!それもたくさん!」

別にこう叫んだわけではないが、心の中でそう思った。早く行こうと気がせいたが、フィルムの予備などを揃えたうえでゆっくりと、高くなっている低い塀の方へ急いだ。そして、見た。


とにかく、180°の視界の中に、いるわいるわ、一面アザラシだらけ。このコロニーには80,000〜250,000頭が生息しているのだというが、確かにものすごい数だ。陸でひなたぼっこをするもの無数、完全に寝ころげているもの無数、海にいるもの無数、とにかく全部で何万頭いるのか、まるで見当がつかない。

 

色が黒いものは立った今海から上がってきたばかり。茶色の色が薄ければ薄いほど「しばらく海に入っていない」ことを示すバロメーターとなる。中には、上陸時に岩にたたきつけられたのか、傷を負って上がってくるやつもいる。大丈夫かな。

 

そして、海はといえばご覧の通りの活況。真夏の海水浴場だってなかなかこうはいくまい。とにかく、こんな光景が自分の視界全体に広がっているのだ。その迫力たるやすごいもので、せいぜい10数頭のコロニーしか見たことのなかったTakemaにとっては「目が点」モードそのものだった。


このページでは、まず全体像を見てもらいました。というわけで、お次は個々のアザラシをアップでとらえます。なお、このコロニーと人間が立ち入れる場所は、低い石壁で仕切られてはいますが、アザラシと人間との距離は近いところで1.5〜2mほど。ところどころ石壁が崩れたところからはアザラシがこちら側に何十頭も侵入してきており、「隔離されている」という感じは見る側の人間、見られる側のアザラシにもあまりないように思われます。ついでにここのアザラシは人間が危害を加えてこないことを知っていますから、かなり近づいてものんびりしたものです。ではでは、お次のページもご期待あれ。