ケープタウンは大都会だった!



「昨日までは天気がよかった」というケープタウン。
テーブルマウンテンには「クロスがかかった(雲がかかった)」状態でちと残念。
「いやぁ都会だなあ」と、空港から市内に向かうシャトルバスに乗りながらそう思った。車がたくさん、家もたくさん。ハイウェイのすぐ脇には大きなガス火力発電所まである(最初はその形状から「こんな場所に原発が?と思ったが、聞いてみると火力発電の冷却装置だそうな。あー驚いた)。中心部は車や人でごった返している。「便利そうだけれどなんだかごみごみしていて、このあたりには泊まりたくないなあ」と思っていたが、幸い予約していた宿はウォーターフロントに近い町のはずれのほうだったので良かったというべきか。

その「ウォーターフロント(地名)」は昔の港湾施設が再開発によって生まれ変わった商業施設で、全体が巨大なモールとして多くのお客さんでごったがえしていた。南アフリカ共和国というと何かと治安が問題視されるし、確かにヨハネスブルグのダウンタウンあたりはかなりひどいようだが(だからヨハネスに宿泊するのは計画段階でやめた)、ここケープタウンはその点かなりマシらしい。特にこのウォーターフロントではほとんど何の心配も要らないくらいにゆっくりできる。まぁ巨大な「作りもの」であることは否めないけれど。

海沿いにはいくつもの「ケープ湾内周遊遊覧船」の乗り場があった。そのほとんどが「遊覧船ツアー」なのだが、その中に「サンセットヨットクルーズ+シャンパン飲み放題」というツアーを見つけた。ほほぅヨットか、しかも飲み放題か。海から見る夕日もきれいそうだなあ、などと心が揺れ、結局は申し込むことに。


しかし、これがちと大失敗。考えてみれば、さっきから結構寒かったのだ。ナミビアよりもぐっと南にあるケープタウンだから、冬場のこの時期は日が落ちる頃になるとぐぐっと寒くなってくるということを考えに入れていなかった。おまけに海上に出るわけだから吹きっさらし。遊覧船なら船内にこもるという方法もあるが、こいつはヨットだから基本的に甲板上にいなければ意味がない。さらには出航時刻頃になって、時折通り雨まで降り出す始末。毛布が支給され、さらにポンチョ(雨具)まで配られる。おーい、これじゃ「クルーズ」じゃなくて「耐久レース」ではないのさ!

 

そう、「耐久レース」という表現は残念ながらまさに的を得た表現であった。出航後、しばらくは湾内を補助エンジンの力で移動していく。波も穏やかで、「まぁこれなら何とか」という気になってくる(写真左)。しかし、防波堤の外へ出たあたりから‥おおっ!波がすごいぞ、うねってるぞ!船は大きく左右に振られ、何かにつかまっていなければ座っているのも楽じゃない(そりゃそうだ、ヨットなんだから)、おまけに時には波しぶきバチャア、そして予想通りほぼ常に強風(写真右がそうだけれど、本当にひどく船が傾く時は写真を撮る余裕もないわけで、この写真はまだまだ序の口)。

手がかじかむほどの冷たさの中、よせばいいのに「飲み放題シャンパン」の配給が始まった。飲んでみるとまぁまぁの味のような気がするのだが、正直言って、「優雅にシャンパングラスをかたむけ‥」どころの騒ぎではない。持っているシャンパンをこぼさぬ事にすら気を遣わなければならぬ状態で、ゆっくり味わうわけにもいかない。結局最初の1杯を飲んだだけでやめにしたTakemaなのであった(しかしおしんこどんは何杯かおかわりしていたな)。

ようやく難行苦行のクルージングも終わり、ヨットは港へと戻りつつあった。漁港付近に停泊している船をよく見ると‥あれま、何隻も日本の漁船が停まっている。鹿児島県の船だ。いわゆる「マグロはえなわ漁船」というやつだろう。日本からはるばる、この荒れた海までやってきてマグロを捕る、うーん、海の男だなあ。大変な仕事だと思う。

そのあとはモール内にあった寿司レストランで、かなりアバウトな味の握り寿司などを食べ(ちなみに南アでは、中華料理でさえ妙に甘ったるくコクのない味に仕上がって出てくることが多い。ちゃんとした寿司を食べたかったら日本人の経営するような店に行かなければ駄目ってことですな)、

さぁ今日も終わった。明日はいよいよ喜望峰方面へ。