見よこの軽快な足さばき!
しかも
足の形の通りに砂が巻き上げられてるのが笑える。
実際はものすごくおそるおそるやってみたんだけれど。でも手にはビール。やっぱりね。

さて、いよいよ「恐怖の下り」だ。腰の状態は… 前かがみにはなれない。そしてちょいとでも腰をひねる形で力を入れると‥い、痛い!こんな状態で砂丘を下ることができるのか?ここで考えた。登ってきた道は稜線上をだらだらと登るルートだった。当然傾斜は緩くてすんだ。だが、その緩さゆえ、腰を使って(ひねって)降りなければならない。では、腰を伸ばしたまま一気にサイドの急斜面を下り、あとは平地を巻いていくってのはどうだろう?どちらのほうがまだましだろうか?

答えはすぐに出た。登ってきた緩斜面のルート、ちょっと下るだけで痛いのだ。ならば前かがみにならないで済む急斜面のほうがいいに決まっている。普通の山道なら不可能なことだが、ここは砂丘、腰を曲げずに直立したまま足を前に出すだけで下ることができる。いざとなれば尻セード(登山用語:斜度にまかせて着座したまま下る)でいけるはずだ。そして予想は見事に当たった。腰を伸ばしたまま下ればほとんど痛みを感じないのだ。せいぜいチクリ系の痛みしか感じずにすむことに自分なりにたまげた。そうなると、今現在の身体の限界点を試してみたくなる(やめとけって)。こけてもいいつもりで足を上げてみた。イケる!いけるじゃないのさTakema君!というわけで、こんなふうに無理しながらもなんだかんだと嬉しかったのが上の写真の瞬間ですね。

 

ここに来る前は「砂丘」には草や木などの植物など一切ないものと思っていた。しかし、見渡してみるとそこかしこに「必死に生き抜く」植物たちがいた。左の写真、どう見ても水分などありもしないような斜面のどまんなか。しかし、流れる砂や乾燥をものともせずしっかり根を張る草。しかも優雅に黄色い花まで咲かせている。おそらく相当な深さまで根をのばしているのだろう。そして前ページで触れたゴミムシダマシのような昆虫だってこの砂丘がホームグラウンド。環境への順応力とはおそろしいものだ(というよりは、ここで生きられる能力を持った生き物だけが残っているのだろうが)。

そして右の写真。ナミブ砂漠の砂が「赤茶色」であることは皆さんもすでにおわかりの通り。しかし、その下には色の違った砂礫の土壌が広がっていて、その色の違いは一目瞭然であると同時に、その境目もものすごくはっきり。「砂が移動する」とはこういうことなのでしょうか。大西洋の海辺にうちあがった砂が風に乗り、長い年月をかけてここまで流れてきた、その過程を見る思いです。そして、今もこの砂々はゆっくりと移動しているのでしょう。また、手前の影をご覧になればわかるとおり、砂丘のすぐそばには枝を張る樹木もあります。それは「地下水位は以外と浅い」ということなのかもしれません。しかし「浅い」の概念レベルが日本と違うであろうことは間違いなく、一体これらの木はどこまで深く根を伸ばしているのやら。

さて、Takemaは何とか斜面を下り(それでも時々「アイタタッ」と叫びながらでしたが)、おしんこどんは調子に乗って斜面をごろごろと横に回転しながら降りていく途中に足を痛め(やるかもしれんと思ってた(笑))、ともに傷つきながらとりあえずは駐車場へ。さーてこの後はいよいよ最大の見どころといわれるSossusvlei(ソーサスフレイ)へ移動。‥と思いきや思いがけぬ難関発見。なんと、この時のTakema、腰が痛くて車に乗れないのだ。われらがレンタカーであるトヨタカローラは言わずと知れたセダンタイプ。車高もRVのようには高くない。ということは乗り込むときに‥そう、腰をかがめ、ひねって乗り込まねばならないのでありますね。

ドアを開ける。これはできる。開いた状態の不安定なドアにつかまり、もう一方の手でハンドルを持ちながら徐々に腰をおとし&ひねっていく。ある程度までひねると「い、痛い!」となる。しかしこの途中段階でネをあげていてはどうしようもない。なぜならこの後には乗車手順中最大の荒行ともいえる「腰ひねりスライド移動」が待っていたのだ。さらには、足を格納するのがこんなにもキツイ作業であるとはおもわんかった。

しかし不幸中の幸いというべきか、一度乗り込んでしまえば運転姿勢状態で腰が痛くなるということはなかった。あーよかった。というわけでよしどうなるかわからんけれど!更なるナミブ砂漠の奥へ腰痛Takemaが向かいます!