うむむ、B級観光地? Lake Otjikoto。



Namutoni 〜(12km) Namutoni Gate 〜(74km) Lake Otjikoto

 

あらためて書くまでもないがナミビアは乾燥した国だ。国土のほとんどの部分が乾燥した土地であり、乾期にはほとんどの川が干上がってしまう(首都Windhoek周辺とて例外ではない)、そんな地域なのだ。従ってこの国で生きていくのに井戸は必須であり、いいかえれば地下水こそがこの国の人々の命を支えているのだと言っても過言ではない。当然一年中水を湛える、自然の湖や池などあるはずがないではないか。そう思ってあちこちをめぐってきた。しかし、自然の「湖」はあったのだ。その存在を旅行中に発見し、ちょっと寄ってみることにした。
(注)ナミビア編の最初のほうにあったDaan Viljoen Game Park内にあった湖はダム湖です。
4日間のEtosha滞在を終えて(もっと居たかったぁ)公園のゲートを出て約70km。目指す湖はB1国道からほんの少し離れているということで、いいかげんここの分岐に違いないと思いこんで右のダートを進む。しかし、数km進んでも全く湖の気配すらない。こりゃおかしいなと思うのだが、かといってマップルのような詳細地図があるわけでもないから、疑心暗鬼のまま来た道を戻る。車のトリップメーターを見ながら、「こんなに走ってるんだから、どう見ても間違ってるよ。仕方ない、『そんな湖はなかった』と思うことにしようよ」とおしんこどんに話して聞かせ(いや、正確には自分にそういい聞かせたというほうが正しい)、半ばあきらめかけた頃、その湖を示す看板が突然あらわれた。

「Lake Otjikoto」。そうだ、この湖を探していたのだ。Globetrotterの地図よ、縮尺はしょうがないけれどもう少し位置をちゃんと書いてくれよな、と思っていたら、実は先ほどの道はもう一つの湖を目指す道だったのだ。あ〜あ、勘違い。

実はナミビアに自然湖は二つある。どちらもこの中北部エリアにあり、国道から近い(いや、すぐ横)のが Lake Otjikoto、国道から25kmくらいダートを走ったところにあるのがもう一つの湖、Lake Guinusだ。どちらの湖も、写真のように陥没したような石灰岩質の岩壁の内側にわき水が溜まっているという形状であり、実際はるか湖底からは多量の地下水があふれ出ているらしい。Otjikotoの場合、深さは最深部で55mくらいあるらしい。湖の直径は150×100m。大きくて深い湖だということがわかる。

この湖のウリは地形上の特徴の他に「Otjikoto Tilapia(ティラピア)」が生息しているということらしい。あの、淡泊でおいしいといわれる(食べたことないけど)淡水魚ですな。でも、崖の上から湖を見下ろす限りそんな魚は見えるはずもない‥と思って湖面を見た。そしたら、隣にいた女の子がパンの切れ端を湖面むかって投げた(おいおい)。そしたら!

うわぁ。でっかい魚の群れが水中から出てくるわ出てくるわ。パンに群がり「食いもんじゃ食いもんじゃあ!」とばかりに水面近くを暴れ回る!これがティラピアかどうかはわからないけれど、なんだか市川植物園の池の鯉そのもの。がっついてるなあ。

さて、ちなみに、我々が行かなかったLake Guinusは、大きさがもっと小さいかわり、深さはOtjikotoの倍くらいあるそうだ。そして‥なによりも、「観光客はほとんど来ない」ということのようだ。

しかし、ここはGuinusではない、Otjikotoだ。国道のすぐ脇にある、ナミビア最大の大きさを誇る自然湖なのだ、しかもわき水による。とくれば、観光客(ナミビア人を含む)が押し寄せないはずはない。日本で言えば、日光の中禅寺湖とか、上高地の大正池と同じくらい人が訪れておかしくない場所なのだ。アクセスも容易だし。

というわけで、ここは観光客でごったがえしまくっていた。「ど、皆さんどこにそんなにいたのさ」と思うくらい。それと、ここは私有地内の湖ということなのだろう、入口ではしっかり入場料を徴収。ついでに併設のおみやげ屋さんも盛業中(値段は当然のように高い)。敷地内には、観光客向けなのか意味なく羊がうろうろ。道の横の、正直言って大したことのなさそうなサボテンにも大層なネームタグがつけられている。さらに中高生の団体は「湖の対岸めざして石投げ遠投合戦をやっていた。あ〜あ、やめろよなと思ってしまうが、これって日本の「メジャー観光地」と同じ光景じゃないのさ。なんなんだぁここは!これまで旅してきたナミビアとはあまりに違う雰囲気にしばし唖然。

さらにおみやげエリアの裏側エリアには、またも奇想天外な「動物園」が。


何だダチョウを飼育してるのね、とだけ早合点してもらっては困る。確かにこれは飼育されているダチョウ(ちなみにあんまり毛並みはよくなかった。どうして野生の動物はあんなにきれいな色をしているんだろう)。しかし、ここにいるのはダチョウだけではなかった。向かいには「『野鳥の楽園バッタもんバージョン』の檻(なんでウズラまで入ってるの?ついでに表にもたくさんいる鳩も)」、さらにその隣にはイボイノシシのゲージまであったぞ。暑さと気力の無さが重なったか、寝転がってピクリとも動かなかったけれど。とどめというか何というか、おしんこどんがトイレに行こうとしたら「ここは有料です」だってさ。有料トイレなんて、ナミビアではここ以外ついぞ見なかったぞ。

なんだかここはマザー牧場かいっ(あ、地域限定ネタですね)」ってぇ印象がむちゃくちゃ強い、商魂たくましき世界を久々に垣間見てしまいましたよ。でも暴利をむさぼってるわけじゃないので、ここはここで「B級として」結構楽しめるかも。いろんな意味でおすすめしちゃいましょう。次も行こうとは思わないけれど(笑)。はぁ、どっとわらい。