うはぁ、いきなりナミビアの本領発揮!

 

(ウィンドゥーク Windhoek 〜 Namib Naukluft Lodge 約300km弱)



道幅だけはやたらに広いC14号線。しかし道はやっぱりダート。風向きが悪いと視界ゼロになる。
概してナミビアのダートはスピードを出せます。でもダートだけに、突然の穴や深砂利に
ご注意を。今回も「大回転」した形跡のVWを発見したわけで。

さて、Daan Viljoen Game Parkの朝は涼しさというかうすら寒さとともに明けたわけですな。まずは朝食。シリアルとヨーグルト、パン(ちなみにハムの充実度高し。さすがドイツ系の国)、卵は必ず焼き方を聞いてくるのがうれしい。キャンプだったら自問自答せずに自分で調整するんだけど(笑)。んでもって腹ごしらえを終えたところでレストランを出ると、目の前にバブーン出没(バブーンってなんだかわからない人、前のページにリンクがあるよ)。車から20mくらいの所で群れが毛繕いなどしてるわけで、しっかり見とれたりしたわけです。でも、いくら冬とはいえ、日差しさえ出ればこっちのものというか、「いやぁ頼むから勘弁してっ!」系暑さ(日差しが強い)になってしまうので、早々に出発しなければいけない。何たって、今日の道のりは長いのだ。300km弱、でも、ほとんどがダートらしいのだ。どれだけかかるのか?

Independence Ave.(首都のメインストリート)からせいぜい100mくらいしか離れていないGSで給油。まだ大して減っていないはずだが、ここからたぶん200km以上はガソリンスタンドがないと思われる。入れとかなきゃ。

ちなみに、この国のGSはすべて(といっていいほど)フルサーブ、すなわち何から何までスタンドの人がやってくれる(見事に日本的です)。窓拭きから何から、給油中にピカピカにしてくれるので、特に砂漠地帯を走ってきた後は嬉しい。こういうときセルフだとさびしくなるものね。ついでにいえば、細かなお釣りは返ってこないことも多い。とはいってもセント単位の20¢とかだと、日本円にして「3円」くらいだったりするので、まぁそれくらいはいいじゃないのということにしておこう。ちなみにもっと合理的なのがスーパーで、レシートを見ると末尾のセントを勝手に切り上げたり切り下げたりしている。VAT(日本でいう消費税)の計算簡略化というか、1¢単位のお釣りを払っても仕方ないと思うのかなぁ。そういえばどこかの国では「細かいお釣りの代わりにあめ玉」というのがあるということだぞ。あめ玉は貨幣経済の中に取り込まれているということですな。

話がそれました。ガソリンを入れたTakema一行、いよいよ南西のナミブ砂漠方面に向けて走り出します。おおっ、車もいなくて気持ちいいぞ。C14号という支線に入ったけれど、あれ、ちゃんと舗装されてるじゃないか、さてはここ1年くらいで舗装範囲がぐーっと延びたのか?…と思っていられたのはせいぜい3-4分でした。突然道がダートに変わり、そして一軒の人家もなくなって。トリップメーターを見ると、何とさっきのスタンドから6000mちょいでした。これがナミビアでした(笑)。ここから先、見えるのは地平線ばかり。対向車めったになし(このあたり15分に一台くらい)、車を停めればそこは見事に静かなサバンナなのでありました。私有地だから野生動物がいないのは残念だけどしょうがないな。

 

左の画像 : こうやって見ると大したことないように見えますが、実際は30分走っても全く同じ景色(悲)。
で、右。こっちの農場の経営者は、だいたい全てといいほど自前の井戸を持っているわけですね。
(右の写真は、風力を動力にして地下水を汲み上げる井戸です。)
そしてその水を頼りにしてその農場で働く人々。そりゃ貧富の差が激しいわけだ。
「持てる者と持たざる者」の格差は日本の比ではないそうです。だって極端な話、
「持てる者」はダイヤモンド鉱山を持ち、「持たざる者」は狩猟採集民ですから。

さて、とにかくカローラ1600ccは元気に身体を揺さぶりながら走るのであります。ダートとはいっても見事にフラット化された道ゆえ、80-90kmは何とか出せる。と思っていたら、途中で運転を代わったおしんこどんは100km越えたりしていたぞ。まだまだ道に慣れぬTakema、結構恐かったのだ。まぁその時だけだったんだけれど(数日後、もっとスピードを出して走っている自分を発見したものですから(恐))。


200kmほど走ったところで、めずらしく「ドライブイン」発見。こんな何もないところで商売が成り立つのかと思いきや、それこそ他に何もないからか、結構お客さんが集まってくる。というよりは、通る車はほとんどみんな立ち寄るからだな。そこでしばし休憩していたら(おしんこどんはコーヒー、Takemaはコーラを注文)、しばらくしてウィンドゥーク方面からバイクが続々登場。

 

7-8台の大型バイク軍団が一気に到着。サポートカーも一緒だ。1台を除いてすべてBMW1150GS、ほとんどタンデムで乗りつけてきた。まぁ確かにオン車で走るわけにいかないだろうから車種選択は賢明なのではあるけれど、ダートの長距離タンデムっていうのはキツイだろうなぁ。よく見るとナンバーがナミビアのものではない。話している言葉も英語ではないから、どこから来たのだろうと思って話しかけてみると、イタリアから自分たちのバイクを南アフリカに送り、こっちで仲間どうしのツーリングということらしい。ナミビアはだいたい10日くらいの予定だそうで、うらやましい限り。そうそう、一行のなかには「ごめんね、英語話せないの」という奥さんもいて、まるで自分が英語が流ちょうに話しているような錯覚にも陥った。実際はとんでもないレベルなんだけど。

そんなこんなで、何とか今宵の宿「Namib Naukluft Lodge」に到着。ロッジの周りには見事に何もない。いや、「ない」というのはふさわしくないかもしれない。そこにはとにかくだだっ広く果てしなく続く大地(オリックスなんかが草をはんでいたりする)と、浸食に取り残されたごつごつの岩山がそそりたち、いわばナミビアの自然にどっぷりはまりまくった環境の中にぽんと置かれた、「ナミビアらしい」宿なのだ。しかも、ここは「究極のリゾート」とでもいうべきあんな設備が。さ、この続きは次のページで。