ナミブの自然のど真ん中にて究極のゼータク?



 

宿はこんな感じで建っている。ごく普通のロッジに見えなくもないが、実は部屋の正面がすごい。
各部屋のテラスのすぐ前から続く大平原は、そのまま地平線に吸い込まれていく。
もちろん、塀とかフェンスなんて無粋なものはなく、ずーっと向こうまで歩いていける。

さて、宿に着き、部屋に案内された。室内は広くきれいで、ホテルそのものだ(ま、宿代が違うからB&Bと比較しちゃいけない)。ただしTVはない。ま、ここまで来てTVなんかなくても構わないが、それよりも部屋に冷蔵庫がなかった(この国のちょっとリッチな宿はみんなそうなのですが)。せっかく手持ちの缶ビールがたくさんあるのに。でも、よく考えたら缶よりもジョッキで飲む生ビールの方がウマいに決まっている。しかも500mlの生ジョッキが100円少々で飲めるのだから、オーダーしたほうがいいわけだ。テラスに出てみるそして部屋の前には広大な平原。そこにところどころ低い岩山がいくつか見えている。とにかく広くて嬉しくてたまらず、思わずテラスの椅子を持ち出して無意味に記念写真。ぬはぁっ、気持ちいいっ!

ここから数十km先には広大なナミブ砂漠が広がっている。ここはまだ少しは土壌に水分があるのだろう、丈の低い草がそれなりに生えている。ただし今は乾期ゆえ雨は全く降らず、草もほとんどは枯れていた。でも、部屋のシャワーとかは水もじゃんじゃん出るし、水道なんてものが引かれているはずもないこんな場所で、この水はどこから供給されているのだろうという疑問が生じる。

そして、あまりにもミスマッチ的にたまげた設備があった。半砂漠のこんな場所に、なんとプールだ。

 

単に貯められた水ではなく、どんどん新しい水も供給され、何ともきれいな水だ。水に手をつけてみる。

「つ、冷たいぞっ!こ、これはぁ!」

そうなのだ。実は井戸水を汲み上げ、それをそのままプールに注ぎ込んでいたのだ。日本でもそうだけれど、井戸水って「夏冷たく冬暖かい」、年間を通して温度が一定(15-6℃くらいだったっけ)でしたよね。そんな水にどうやって入れっていうのさ!体感的には、小学校のプール開きの時期よりもまだ冷たい水だった気がする。言ってみれば夏の渓流の冷たさ、「あ、足が切れるぅ!痛い〜!」的な感覚といった感じだろうか。しかし、なんとおしんこどんはこの後水着に着替え、しっかり水に浸かったのであった。えらい!(ただし、彼女とて決して「泳いだ」とは言えず、あくまで「はーい、肩まで入りましょうね」の入浴レベルであったことはあえて付け加えておこう。Takemaはって?だって海パン持ってこなかったんだもーん)。

後で聞いた話では、この宿で消費する水は、2本の井戸の、それぞれ地下160m付近からポンプアップしているのだそうな。地下160m!なんだかそれだけの手間と費用をかけて汲み上げた水を、惜しげもなくプール(ごとき)にじゃんじゃん使っちゃっていいのだろうかという貧乏根性的な気分にさせられた。それでもシャワーは浴びてるんだからあまりえらそうなことはいえないけどね。

お次はすぐ裏の岩山に上がってみることに。

 

たかだか50mあるかないかの高さだが、まわりに障害物がないから景色はめっぽういい。
頂上にて缶ビールを空けたあと、おしんこどんはしばし物思いにふけり、Takemaは…寝た。いやいや!

さて、ここまできたら是非とも見たいのが「地平線に沈む夕陽」ってぇものですよね。実はこの時期、太陽はちょうど小さい岩山の裏に隠れてしまうので、「真の地平線夕陽」というのはここからでは拝めないのです。そこでというか、この宿では「夕陽ツアー」なるものをやっています。宿からPrivate Roadをしばし走り、一番いい場所からサンセットを見てもらっちゃおうというありがたい催しです。もちろん宿泊客は無料なのが嬉しいことですなあ。というわけで、お次は落陽シリーズということで。