1989 NZワーホリ日記 11月
11月1日(晴れ)・2日(曇り).3日(曇り時々晴れ)
また3日もためてしまい、このくらいたまると書くのも面倒となり、なかばDuty的である。Dutyといえば、赤ん坊のおもらしのこともDutyと言うようだ。辞書を引いてみても出ていないから俗語的な使われ方だと思うが、また一つ勉強。
11/1、さてRexさんの所へと覚悟を決めて(昨日の午後怠けたもんで、覚悟の一つでも決めないことには仕事できん)行ってみると「すまんが明日からにしてくれ」とのこと。Wendy夫妻はChchに行ってしまっている(赤ん坊とベビーシッターはいる)ので、この家でこのあとすべき仕事の内容についてもわからない。というわけで、覚悟もむなしくこの日は一日オフとなった。何だか申し訳ないので、せめて芝刈りでもやっておいてあげようとも思ったが(何せ宿代タダだものね)、相変わらずCutterの調子がおかしく、すぐに止まってしまう。仕方がないので、機械では届かないエリア、隅っことかを中心に手作業でちょっとだけやった。
11/2.3 はRexさんの家庭菜園(とはいっても相当に広い)で畑仕事。畑仕事やってお金がもらえるなんて、おふくろが聞いたらさぞうらやましがるだろう(1999注:うちの母は畑いじりが趣味です)。しかし、慣れぬ仕事ゆえ腰が痛くて痛くて…。趣味のレベルならばともかく、一日中そればかりやっているので参った。
Work : 11/1 - 0
11/2 ------ 9:10-17:45
11/3 ------ 9:30-17:30
ここ2日ほど、例の五井氏の本と法得先生の本を立て続けに読む。五井氏のは自叙伝的なのだが、若き日の五井昌久という人がどうして神に身を捧げる気になったのか、それまで一般的な生活を営んできた人がそれだけの決意を持つには何らかの大きなきっかけが不可欠だと思うのだが(「なんとなく」…がこうじて、とは余りにも考えにくい)、それについて書かれていないこと、また、自身について完璧でなかった頃の過去についてほとんど触れられていないのがとても残念。もっとも、「感謝していつもにこにこ働きましょう」のことばは身にしみる。
日本にいたら「働けて当然、給料がなんぼでボーナスが…」などと考え及び、「待遇もまあまあだな、仕方ない、では働いてやるか」というような錯覚に陥っていたに違いなく、でも、ここNZでは、仕事をさせてもらえるというだけでありがたい気になってくる。いいかえれば、ここNZでは、働いていなければ自己の存在価値すら見いだせないのだ。有り難いことだ。もちろん、そうは言いながらも「仕事がきつい、腰が痛い」などと文句言っている自分なのだが。
夕メシには、久々に米を炊いてお茶漬けとし、野菜炒めとともに食べた。メシの量が多かったせいで久々に満腹。あーっ、食ったと思う半面、少々食い過ぎか、とも思う。だって、こんなに食べなくとも十分働けるのだから。でもうまかった。
明日はどこの仕事なのだろう。Rexさんの畑仕事は一通りかたがついた気もするが(植え付けがあれば別)。
1999注 : この日は何と模範的な労働者魂を持っていたのですね。オドロキとともに現在の自分に自戒(爆)。
11月4・5日 晴れ
また2日分だ。自分に声を掛けてくれたWendyさんがいない以上はっきりしたことは言えないが、ここ数日の畑仕事はもしかしたら無報酬(Work Exchange)じゃないかという気がしてきた。Rexさんに、遠回しに聞いてみたら「Payの話はきいとらん」というし、向こうからお金の話をしてきたこともないし、これが事実だとすればちょっと(だいぶ)悲しい。ここ数日の計算では車のRegistration & WOF代くらいにはなったのになあ。やはり明日、ちゃんと聞いてみよう。
1999注: 実際にはWendyさんがちゃんと払ってくれました。しかし、11/3にあんな殊勝なこと書いてた割には、いきなり翌日金の話だもんなあ。まだまだ人間できてなかったことがよくわかる(笑)。いや、今も同じなのかも(悲)。
Rexさんの紹介で、Akaroaの近郊にあるTakamatuaの鹿&羊牧場で1weekほど仕事を、ということになった。もとよりやってみたかった仕事、しかもPay Workだという。やったやったやった!でも、その農場が住み込みOKとは限らないので、その場合は今みたいに働いた分だけ貯金がたまるということにはならない。どうなることやら。
5日は日曜日。午前中にRexさんの所の仕事を終わらせてPigeon Bayに行く。みんないた。働いていた。David(久々に会った)もいた。例の大木はすでに切り倒されており、塀もできあがっていた(Ronの行動力というか実行力に敬服!)。午後は石運び作業。実は仕事をする気はなかったのだけれど(失礼!)一緒になって働いた。毎日汗だくになって働いていたのだけれど、やはりひとりぼっちでやる仕事とみんなで一緒になって一つのことをやる仕事というのは違うんだな、と思う。良いことばかりじゃもちろんないけれど、「仕事」について考えさせられた。
Work (もらえないとも限らないので一応)
11/4 9:30-16:30
11/5 10:00-12:30
(この後これまでの労働時間一覧の計算表があるが割愛)
11月6日 晴れ
上記の表を作ったことからもわかるように、これまでの労働時間に見合った給料は、きちんとWendyさんから支払われたのである(Rexさんちでの仕事も含めて)。疑ってごめんなさい。
今日はRexさんの所で敷地の境界線沿いにずっと除草剤をスプレーして回ったが、地面がカラカラであることと、長丈の草であることを考えると、その効力は疑問である。
11月7日 晴れ
天気について触れることがなかったが、考えてみるとここ10日くらい雨らしい雨が降っていない(夜に少々降っただけである)おかげで腕はすでに日焼けで真っ黒。日本アルプスに1週間こもったくらいに焼けてきたのだが、むけてこないのは徐々に焼いたせいか?
今日からRexさんの知り合いの農場で働くことになっており、11:00にPick Upが来ることになっていたのだが、いつまで待っても(テラスでうたた寝しつつ)呼びに来る気配がないのでみずから訪ねて行ってみると、連絡が行くから待っててくれ、とのこと。結局この日はWendy家の庭の草むしり+ゴミ捨て。ゴミ捨てといっても大量にあり、調子の良くないわが車に牽引トレーラーをつけて、DumpのあるDuvauchelleまで2往復。ただでさえ根性ないこの車に牽引させて大丈夫かな、と思ったが、ま、無難に終わった。
このところ昼間大汗をかくせいか、ビールがうまい。日本でのそれとはまた少しうまさが違う。強いていえば北アルプスの稜線を一日歩き終わったあとに小屋で高い金払って飲む缶ビールに似ており、捨てがたい味だ。要は、きちんと体を張って動いたときにだけ味わえるうまさなのだろう。
11月8日 晴れ時々曇り
10:00にRexさんの所に行くように、との置き手紙があったので(Wendyさんは朝早く出かけた)、正直に10:00に丘の上のRexさんの所に行ってみると、「あ、うちじゃなくてTakamatuaのRexだよ」といわれて驚いた。前に一度行ったことがあるので迷うことはない。着くやいなやここでも庭の手入れだ。草刈りを芝刈り機とCutterとを併用して行う。だが、いや全くアツイアツイ。
こちらのRex(同名なのでややこしい)さんはChchに日帰りで行ってくる、帰りは19:00までには、ということであったが、さっき(20:00)TELがあり、あと20分位で着くとのことだ。
Wendyさん突如として昼にここTakamatuaのRexさん宅にあらわれ、「実はこっち(Wendy家)でも、まだやって欲しい仕事があるの」とのこと。そうか、12:00ころ戻るという書き置きはそういうことだったのか。(たぶん彼女は「今日は打ち合わせだけしてこいつは戻ってくるのだろう」と思っていたようなのだ)。今夜はここTakamatua泊まり、明朝戻る、ということにする。
10:30〜17:00 Work
11月9日 曇り時々晴れ
天気予報ではいよいよ雨だぞ、といっていたので、しかも昨夜半ころより随分と雲も多く風も強くなってきたので、いよいよと思ってはいたが、結局今日も一滴も降らなかったのである。
さて、今日はAkaroaへ舞い戻って…と思いきや、来てみるとあにはからんや彼女はChchに行ったのか、一家外出中で誰もいない(鍵はかかっていなかったんだけれど)。「???」と思いつつ、Rexさんには「今日は向こうで仕事があるから…」と言って出てきた手前、帰るのも変だし、と思いつつ、、彼女が前に言っていた、裏の小さな畑の草取りをする。それでも帰ってこないので街をぶらつくことにした。
夕方になって戻ってみると、Davidと一緒に帰ってきていたのはいいのだけれど、「あれから(むこうの仕事終わってから)帰ってくると思ってたけれど、来なかったから…」とのご託宣。語学力の不足をひしひしと感じた。すみません迷惑かけて。
夕方あたりに別の場所の草取りをやって本日はThe End。仕事中にRexさん(Takamatua)から連絡があったそうで、明朝Takamatuaに行くこととなった。このところややこしい行き来だ。
Work 10:00〜12:00 17:30〜18:30(Akaroa)
11月10日 晴れ Akaroa→Takamatua
ふと気づくと、2代目のこの日記帳も、もう残り僅かになっている。薄いとはいえ、このノートを使い始めてからもう2ヶ月近くになっているのである。日本を出てからもう半年になろうとするのだなあ…、などと感傷的になった一日、ではまるでなかった。
朝Akaroaを出てTakamatuaのRex宅へ。11:00ころまではひなたぼっこで過ごし、それからSpraying、スプレーというから、AkaroaのRexさんところと似たような仕事かなと思ったら、規模が桁違い。牧場内の邪魔なアザミや木(棘のある低木)にトラクターの後ろにつけたタンクから強力除草剤をスプレー、という大規模なものであった。
昼食後、トンガ人の男の子にファームバイク(四輪バギー)の乗り方を教えてもらい、少年とともに楽しむ。
午後の仕事の終わったのが17:45頃。なんとこれから泳ごう!というのである。これまたPrivate Beechのような(実際一般の人は入ってこられない)浜に出て、さて泳ごう!というのが18:00。今日は自分も朝から水着短パンをはいてはいたが、それは泳ぐためにというのではなかった。ただ暑いのに短パンがなかったから代用としてはいていただけだ。さすがに水は冷たくて、つかるのがやっと。Rex&トンガ少年ははしゃいで泳いでいる。げげっこいつら肌感覚違う!と切に実感した。でももう少し暑くなったら気持ちいいだろうな。Akaroaの貸しカヌーで湾内をのんびりまわるのもいいななどと思った。そんなわけで、なかなか変化のある一日なのでありました。
Work 11:45〜13:45
15:00〜17:30
11月11日 晴れ
何だか日に日に仕事時間が短くなっていく。今日などはたった2.5時間しか働いてない。土曜日だししょうがないのかな。そのかわり16:00頃からAkaroa湾をボートでクルージング+水上スキー見物などをしたりした。(自分もさせられるのかと思って少々恐れる。まだ「水ぬるまぬ」11月なのである。少なくとも自分にとっては。)
Work 11:20〜13:50
11月12日 晴れ
相変わらずの晴れである。今日で13日雨が降っていない。まあ、屋外の仕事には好都合なのだけれど。West Coastのほうはやはり悪天らしい。向こうで仕事探そうとしなくて良かった。
今日は日曜であったのだが、Ronのところとは違い、このRexさんは土日にはあまり仕事をしない主義らしい(ライオンズクラブの準会員らしい)。でも自分はそんなこと言ってもおれんので、進んで仕事をかって出る。今日は庭の芝生の手入れ。しかし庭といっても幅30m、奥行き50〜60mくらいの大規模なものなので、芝刈り機を使ってもそうそう終わるものではない(ここの芝刈り機は手押し式であるだけになおさらだ)。
Rexさんが「今日もボートに乗らないか?」と誘ってくれた。どうやらこの週末はライオンズクラブの定例レクリエーション親睦会らしかったのだが、断った。それは、まず自分はRexさんとまだそんな長いつきあいではなく(いや、数日のつきあいといったほうが正しい)、そしてさらに自分は雇われの身であり(要は稼ぎたいのであり)、さらに大切なことには「水上スキーを今日こそはやれ」を恐れたのだ。
1999注 最後に本音を言ったとはいええらそうなこと書いてるな、と思う。このときこの集まりに深入りしていれば、ライオンズクラブ=地域社会の代表者=いろんなツテがさらにできたし地域にさらに密着できた、と思うのだが。ま、あの時は年内=旅にいい時期に「ワーキングホリデー」の「ホリデー」に出るための資金を作るのに懸命だったしね。仕方ないんだけれど、今になってちょっと後悔。
夜になり、ライオンズクラブ関係の一群がAkaroaのある家(昨日ボートに一緒に乗った人の家だ)に集結して宴会となる。それについてはごちそうになりに行く(夕メシ作るの面倒だったしね)。ビール・ワインをふんだんに飲みつつ(さすがパーティ!)いろいろな話をする。驚いたことに、自分以外は当然地元の人なのに、全員の食卓に箸がセットされていた。ホストを始め何人かの方は日本のことも多少知っていて、「Honshu(本州)」とか「Iratshaumase(いらっしゃいませ:発音のままローマ字表記すると「t」が入る)」という単語が出てくるのにも驚いた。もちろん今日の宴会に自分が参加することはあらかじめ予定されていたわけではないから、もともと知っていたことになる。しかし、知識と経験とはやはり別物のようで、箸の使い方には慣れていないらしく苦しんでいた。にわか講師として使い方を指導する。でもねぇ…。
このパーティの家の娘さんJaneは、誰かに似ていると思ったら斉藤由貴似なんだね。少し太めではあるけれど(もちろん東洋系の血が入っているというわけではない。あくまで現地の白人だ。)。
話の流れで、どうも自分は水上スキーをやらざるを得ないようだ。あきらめるか。水は冷たいし、たくさん塩水飲みそうだけれど。
羊の尻尾切りは水曜日にやる、ということが決まった。今日は酔っているので字が書けない。
Work:10:30〜15:30
11月13日 しぶとく晴れ
今日は黙々とSprayingに励んだ。昼メシも食わずに。先日さんざん手こずった例のイタリア製のトラクターの運転、しかも急斜面の凸凹道を、さらにトラクターの後ろに100リットル単位の除草剤入りのタンクを積んで…の移動も何とか(「運転」というほどのレベルはまだない。「何とか動かせる」というのが正しい。タンクのせいで重心がやたら高い状態でバンクした斜面を運転するのは大変な高等技術だ。重心を低くしようとして荷台を下げると凸凹部分に引っかかるので動けない)できるようになった。しかし、やはり急斜面で横倒しにならないかと思うとやはり緊張する。
今日はなかなか充実した一日。カメラ持っていけば良かった!
Work 10:30〜17:00
11月14日 本日も晴れ
14:00過ぎになって風が強くなってきたので(何せ岬の牧場なのだ)、Sprayingも中止(液が飛散してしまうので)。なお、同じ牧場内でAkaroaのRexさんたちが鹿の出荷に来た。ここは本当に大きな牧場だが、数千匹の羊と百頭単位の鹿は個人経営というよりも共同で運営している感じである。そして直接の管理者がここのRexさんというところか。
今日の仕事はこの風のためスプレー2往復。自宅→軽四駆:ジムニーのオープンカーで牧場内を走り、トラクター置き場兼倉庫で除草材をタンクに入れ、水で希釈して)←2往復(鹿牧場を通り抜け)→スプレーする現場、という感じである。ジムニーでChchのFM(何とかはいる)をガンガンにかけながら牧場内を疾走するのは何ともいえず快適!
仕事後はRex(Takamatua)さんとともにAkaroaに食料の買い出しに行く。Instant Kiwiは相変わらず当たらない。一枚は上段の3コマのうち2つに$1000が出て、あと下段3つのうち1つでも$1000なら大当たり!というところだったのだが、大期待は15秒後に大失望に変わった。明日はいよいよ尻尾切りだ。
Work 9:00〜14:15
今日は日本の家に電話を入れた。そういえばラムの尻尾切りを「Tailing」というのですね。
11月15日 晴れ
大きな誤解をしていたのである。
羊の尻尾切りとは、尻尾を特大ペンチか何かで、気合い一発エイとばかりにぶった切ってしまうのかと思っていたら違うのですね。小さな輪ゴムを尻尾の付け根にはめて血の流れを止め、切るというよりそのうち落ちるだろう、という悠長なやり方であったわけです。考えてみたらあれだけの尻尾がおいそれと簡単に切れるはずはないか。抵抗だってすごいだろう。押さえてはいられないんじゃないか。なるほど、このやり方は賢明です
期待してた(!?)やり方じゃないけれど、生後2週間〜3ヶ月の子羊をいやというほど扱えたし、着ていたTシャツは油(羊毛の)と血(耳に目印をペンチで止めるときに出る)でえらく汚くなったし、写真も撮ったし、まあいいか。やはり面白い一日でした。観光用じゃないシェアリング(羊の毛刈り)も見られたし。
ここ(T.B.)とあそこ(Takamatua)で飼育している羊は、合わせて6000頭にもなるそうだ。
Rexさん今夜は外出。独夜。
Work 9:00〜14:15
11月16日 曇り時々晴れ
予報では土日は雨だというがどうなることであろう。夕方帰ってきたRexさんの話では、今朝方のChchは雨だったというが、ここTakamatuaは雲こそあれ、雨は一滴も降らず。珍しいこともあるもんだ(いつもは逆なのに)。
今日はそれほどクソ暑いということもなく、軽快に作業(今日は芝刈り)がすすんだ…といえば聞こえはいいが、相変わらずCutterの調子が悪い。2度もスパークプラグを掃除したのに、である。
Work 9:00〜17:30
11月17日 曇り
Rexさん突如として足指の手術を行うことに。そのため予定していたスプレーの仕事はなし。
Rexさんいわく、オゾンホールの影響で、去年は200人くらいが皮膚ガンで死んでいるといい、そのせいか医者に行ったら早速皮膚の検査をした云々。自分もすでに腕の皮がむけるくらいになっているのだから危ないかな。まあ、かといってどうすることもできないから(屋外作業だし)、「黄色人種は日焼けに強い」ということにしておこう。
このノートもそろそろ終わりに近いな。うん。
明日は何とか天気がもつという予報。Rexさんはドルフィンを見に行くとのこと。水上スキーは寒いけれど、そういうのならいいね(←ホントは水上スキーが恐いのだ)。
Work 1.5h
11月18日 曇り時々晴れ、のち曇り
土日はやはり起きるのが遅くていいが、仕事がないので空しい。ただの無駄飯食いだ。The Pressにはなかなかよい求人が載らない(身近なのがない)ので、マイナーな新聞(Akaroa Mail , News Plus)等を見ていると、ChchからAkaroaに来る道沿いにはストロベリー.ブルーベリー等のピッキングの仕事がそこそこあるらしい。ここでの仕事の終わる時期によってはそこでも働くことにしよう。
明日はTake、お前も水上スキーだぞ、と宣告されてしまいオノノいている。天気予報は雨だが、何だか雨天決行で風邪を引かされそうな予感大。今日の夕食はバーベキューであった。シーフードはアワビ(潜って採ってきたらしい)。明日はCrayfishだ!と意気込むBrianであった。
Work 0
11月19日 曇りのち雨
恐れていた水上スキーは天候不良のため行われず。ほっとした。今日も仕事はなし。Rexさんは週休二日制を完全に守っている。自分ものんびりと過ごした。暇にまかせて今後の綿密な予定(前に立てたのは結構いい加減だったので)を立ててみた。それによると、何と出発してからいろんな所回ってMt.Cookまで80日かかる!ということがわかり、ア然とするがどうしようもない。Rexさんの仕事は今週いっぱい。AkaroaのWendyさんところに多少残っている仕事もそれほど沢山はないだろう。
ということで、とりあえず日本から登山関係の用具が届き次第動き始めたほうがよいようだ。いつになるかはわからんけれど、その到着がさらに遅れた場合はChch付近を離れるわけにもいかないから、時々新聞に載っているピッキングでもすべきか、と思う。
まったく、船便はいつ着くのであろう…。
11月20日 雨
月曜なのだが、きちんと雨が降っているため仕事はなし。結局丸一日ぼけっと過ごしてしまう。AkaroaにFish'n Chipsを買いに行ったくらいだ。仕事がしたい!
11月21日 晴れ時々曇り
というわけで、今日から再びスプレーの日々が始まった。
しかし、今日はとんでもない一日だった!数日前に操作法を教わり、とりあえず何回か動かしているうちに操作法がほぼわかってきたブルドーザーが今日の愛車であった。Rexさんは斜面の上の方でスプレーしているとき、自分はがけのすぐ近くの灌木をなぎ倒し、少しでも牧場の敷地を増やす作業中だった。もちろんそこまでにブル道などあるはずもなく、自分で作っていくのである。
ある位置まできて、さ、この辺は一通り終わったな、前進できないし斜面をいためるからバックで下がろうとしたとき、それは突如起こった。ブルの後部が突然「ズルッ」と下がった。キャタビラが土をかんでいたにもかかわらず、路肩が崩れ、すべったのだ。傾斜角は最悪のパターンになった。脱出しようにも、バックで坂を上っていかなければならんのに、後部がずり落ちてしまったのだからそのまま上がるわけにもいかない。山側のキャタピラからかちゃかちゃいう音が聞こえる。おそらくほとんど重心がかかっていないのだ。断崖絶壁まであと2〜3mのやばい場所での作業だ。どうしていいかわからなくなった。
大声でRexさんを呼ぶが、こっちのブルも上方のトラクターもエンジンをかけているので、こっちの声は聞こえない。こっちのエンジンを止めようかと思ったが、自分が降りたらただでさえ微妙なバランスが崩れかねないのと、エンジン再始動の時にかなり地面に衝撃がかかるので、そのはずみにさらにやばい状況(最悪の場合転落)にもなりかねず、止める度胸はなかった。そうっと半クラッチでじわじわ動かせればいいのだが、乗用車と違い、クラッチのミートポイントは大変に狭く、半クラなんてのはまずできそうにない(少なくとも今の自分には)。
どうすればいいかと迷ったが、自分がここから降りられない以上、自分でやるしかない!という、いやあな決断をするしかなかった。すなわち、クラッチを切って、ききの悪いブレーキを真剣に踏みながらそうっと前進。しつつハンドルを海側へ切る(さらに海に近くなった)、そして傾斜角を元に戻して今度はそうっとバック…したのだが、ずっとパニクっていたため、その間の細かな記憶はないのである。覚えているのは、ブレーキをそうっと緩めた瞬間にブルが予想以上に前進して、もうその時は全身から冷や汗が出た、ということだけだ。冷や汗とは本当に出るもんなんだ、と、今さらながらに思う。
とりあえず安全地帯まで無事脱出して、エンジンを止め、タバコを吸う。何本も吸った。はるか上、Rexさんの所に駆け寄り、事の次第を報告。すると、Rexさんいわく、「You didn't have to …」。ナニ!そんなところまでやらんでも良かったのに、だって!この仕事の前に「できるだけ崖ギリギリの所までやってくれ」って言ってたじゃないの!
もう精神的にあまりに疲れたので仕事はこのあと中止させてもらう。家に戻ってビールを飲む。なぜか不思議に笑ってしまう自分がいる。
夕メシは先週に引き続きAkaroaのMikeさんのところでごちそうに。鹿肉のローストが出てきた。珍しいのでおかわりをする。
11月22日 晴れ
純粋に「よく働いた」一日でありました。天気はよいのだけれど少々風が冷たく、トラクター乗車中はトレーナーを羽織りつつ、それでも散布中は袖無しTシャツに短パンである。除草剤を撒いた場所とまだの場所がわかるように、溶剤にはピンクの色を付けてあるのだが、それが風に乗って服にまで飛んでくるのでうかつにいい服は着てられないのだ。靴ばかりはどうしようもなく、白だったスニーカーは今はド派手ピンク化している。
昨日のようなハプニングはなく、まあ平穏無事といったところか。
ここでの仕事で目標としていた$300はどうやら達成できた。あとは残りの木金の二日間でどれだけ上乗せできるかといったところ。$50上乗せできれば万々歳だ。
※ 今度Chchに行ったときに買う物その他
* テント、鍋、釣り竿、燃料ボトル
* 地図を仕入れる
* Reg.WOF
* Kさんにごあいさつ
11月23日 曇りのち雨
ふと気づくと、今日は日本では勤労感謝の日。「ふと気づくと」というパターンはこれまでにも何回かあったが、やはり日本のことを思い出してしまうのは当たり前のことなのか。やはり自分は外国で一生を送る人間ではないと思う。出発前、とある病院で「長くいるもんじゃない」と言われたことを思い出すが、長居とはどのくらいの期間以上を指すのか。今のような生活状態での一年ならば、自分にとっては問題ではないと思うのだがどうだろう。
ところで今日は寒かった。午前中は一人で散布。午後、4タンク目に入ったところで、先日傷つけたホースがいよいよ穴を開け、STOPとなった。写真を撮ろうと持っていったカメラも天候不良のため無駄であった。もっともフィルムは2〜3枚しか残っていなかったけれど。
どうやら紙も尽きた。明日からは新ノートだ。
Work 8:30〜16:15
11月24日 曇り時々雨、Chchは曇り時々晴れ
いよいよ日記帳も三代目である。本日は天候不良によりスプレー散布に適さず、とのことなので、きたるべき夏にむけての買い出し並びにRegとWOF(ちなみにウォフと読む)のためChchへ。
最初にKさんにごあいさつ。彼女は12/5まで働き、その後1WeekほどChchに残って、そのあとMt.Cook方面に行くそうだ。前にMさんが「クリスマスはMt.Cookで迎えたい」って言ってたものな。彼女らとのつきあいも、Taurangaで知り合って以来早いものでもう6ヶ月。頑張って下さいな。
CPOにRegに行ったが、車両登録用のコンピューターがダウンしてしまったので午後にもう一度来てくれ、とのこと。結局午後になっても復旧しておらず、手作業で登録を済ませた。$102.80にはおそれいったが、WOF$9+タイヤ$55とあわせ、$166.50!
タイヤFixの間に釣り竿も買ってしまった。テントはいいのがない。ツエルトみたいのがないだろうか。やはり$100はみないといけないのだろうか。預金もあわせて$1700くらいしかないのに!
燃料ボトルは中古があったのだが、パッキンが古くて漏れてきそうなのでパス。鍋については、不心得ながらPigeon Bay YHの備品を借用しようか(ここ数ヶ月使ってないのも多いし)と考えていたのだが、結局セコハンショップで家庭用のホーロー鍋と飯炊き用の鍋を手に入れて一件落着。あとはテントだな。
太平洋上にいるはずの山用品、船便は8-10週かかるということを聞いてびっくり。10/6発送だと言ってたから、最悪だと12月半ばとは…8週で届くことを祈る。Workは当然0。
11月25.26日 どちらも雨。Drizzleといったところか。
Rexさんいわく、仕事はあと2〜3日、今週末には終わるよ、とのことだったので、これで水上スキーに乗らされる可能性は消えたわけだ。この2日間は土日なので仕事なし。
金曜日(11/24)にあれほど心配した山用品小包は、土曜日にTracyから到着したとの連絡がありあっけなく一件落着。ヘッドランプが入っていなかったのは残念だが仕方ない。しかし、この荷物到着によって、何となくではあるけれど予定は立ちつつある。遅くとも12/5ころにはAkaroaを出発できるのではないか。こうなったら一件落着は早いほうがいい。問題はやはりテントだなあ。
今やっているTV映画では、何だか後藤久美子のような少女(もちろん白人だが)が出てきた。今日からTV3開局。
1999注:この日までNZ南島は2ch構成だったのだ。そういえばPigeon Bayにいた頃、Tracyに「日本のTVは何チャンネルあるの?」と聞かれ、「1,3,4,6,8,10,12…、えっと、7chだね」って答えたらぶったまげられたっけ。「一度に見られるのは一つよ!」って。うーむ、あれって真理だったな。
11月27日 Drizzle
Rexさんはあと2日やれば終わるといってたが、今日も天候不良。強い雨ではないが、雨の日にスプレーしても溶剤が流れてしまうので駄目なのだ。これで土日をはさんで4日連続で仕事ナシかと思いきや、おそらく温情であろう、裏庭の草むしり(例のハスクバーナ+hand)を与えて下さった。別に手を抜いてたわけではないが、それにしても午後までたっぷりかかってしまった。今日はその後Duvauchelleのゴミ捨て場にPhilip(だっけ、例のロングカーラー頭の彼って?)と共に向かったのであった。
ところでRexさんは少々出過ぎた腹を引っ込めるべく減量に勤めているのであるが、本日はピーナツサラダのみだという。自分はいまだ出国時の体重のまま(58-59kg)なのだから減量につとめる必要は毛頭ないのだが、何だか痛ましいRexさんである。
この家で飼っている犬ども(エマ、フリッツ、それからBrianの飼い犬であるジギー)はエサをいつでもほしがるが、そう簡単にはやらんのだ。特に室内への立ち入りを許されているエマは、誰かがキッチンへ行くとめざとくねだりに来る(今も走っていった)。こいつはまた、夜から朝にかけて自分の部屋に入り込んでくる。ここ数日はRexさんの部屋で寝ているようだが、彼が起きると同時にこっちの部屋に入ってくる(扉は立て付けの関係で常に少し開いている)のでちょうどよい目覚まし代わりになり、便利である。しかし、こいつはその一方で、貴重なするめを半分平らげた張本人(いや、犬)でもあるのだが。
源氏物語(中巻)は昨日のうちに読み終えてしまう。やはり話の途中だけ読むのは中途半端な感じだ。
ふとおもったのだが、今回旅行に出たとき、PictonからWellingtonに往復してオーストラリアのビザを取ってこようか。即日発行であるならよいのだけれど、航空券が必要なのだろうか?
昨日の後藤久美子は、なぜか今日はすでに20才くらいに一気に成長していた。
11月28日 曇り時々晴れ
朝方、妙にメーメーと羊どもがうるさいので、また柵の壊れたところからから脱走して庭の草食ってるなと思ったら、今日は30頭あまりが大脱走していた。さすがに30頭ともなると大変である。特に、こっちが寝てる部屋(窓開けてる)の2m横でいきなり「メーッ !!」っと鳴かれたのではかなわんのである。心臓に悪い。幸いやつらはMikeさんが集団全員を別の場所に移動させたので、明日からは静かな朝だ。
RexさんとBrianはChchへ行った。仕事も特にないので車に掃除機をかけたり(床は積年の土もすごかった)、例のごとくAkaroaに遊びに行ったりして、最後に裏庭あたりにハスクバーナをかけているうちに二人も帰還となったわけである。
あと2日!のはずなのになかなか終わらない。
11月29日 曇り
天候は着実によくなりつつある。今朝などは風はまだ少々強かったものの雨が降る雰囲気ではないので、「今日はやるかな?」と期待したがやっぱりやらない。昨夜Rexさんとオーストラリアのビザの話をしていたら、急に取りに行く気になった。そんなわけでChchに行ったわけだが、Chch中のアウトドアショップ(リサイクルショップも含めて)を見ても「これは!」といった感じの手頃なものがない。中古で$90のものもないわけではないがフライがない!これではFioldlandやStewartで泣くし、普段のキャンプでも…と思うと手が出せない。結局、McWingで$168(大枚!)を払って2人用ドームテントを買う。大きな出費だ!
そのあとトーマスクックでビザ発給代$25を払ったりして、結局今日も$200使う。Chchへはそうそう出てくるものではないということが痛いほどわかった。金使いすぎる。
Work 当然0
11月30日 晴れ時々曇り
久々に仕事というか、ここでの本業に戻れた。ところで今日、ハウスキーピングの仕事をしないか?というお話がBrian及びRexさんから持ち込まれた。クリスマス前まで、というので、「ちょっと長すぎる。一週間なら…」と言ったのだけれど、もう一ヶ月早い話なら喜んで飛びついたのに…
何というか、この周辺の便利屋的な存在になりつつあるような気がする。今(夜)は、「さっきの仕事、まあやってもいいな」というような気になっているんだから、数ヶ月前を考えたらゼータクなもんだ。
Rexさんは、自分が持っている電子手帳を見てから「俺も欲しい!」という気がムラムラわいてきたらしく、今度行く(12月からヨーロッパへ3ヶ月の旅行、その前に立ち寄るらしい)香港ではいくらぐらいで買えるだろうか、などと質問してきたり、新聞広告でのそれをチェックしてみたりと興味津々である。あんまり使い勝手のよいものではない、と思うのは自分だけだろうか。
土曜日にLions Clubの集まり云々というので、明日その準備をするらしい。Rexさんは明日Chchに行くらしいので、明日は一人での作業だ。
Work 10:00〜15:00、16:00〜18:30