−さらばEnga Show in Wabag。Mt.Hagenにて3連泊決定!−


さてさて、というわけで無事にMt.Hagenに到着です。ふむふむ今日は何の問題もなくここまで来たぞ、順調順調!と思っていたら、神様はまたも我々に困ったちゃん系の試練を用意していて下さったのでした。

ガイドであるスティーブさんの所属する会社(Paradise Tour)はここMt.Hagenにあるということで、我々もオフィスに立ち寄ることになりました。思えばこの時、スティーブさんが妙に「オフィスに顔を出してくれませんかねぇ、まぁ、絶対というわけではないんだけれど‥」というような、妙に一歩下がったような感じの物言いをしていたんですが、彼もまだこのときはこのあと待ち受ける展開のことは知らなかったはずで、今となっては何だか不思議なところです。

さて、小さなオフィスの中には彼の上司にあたる人がおりました。そして彼の口からは次のような思いがけない言葉が。
「実はあなた方が明日訪れる予定になっていたWabagなのですが、実は昨日その町で騒乱が起こり、治安上の問題から明日と明後日のEnga Showは中止されました(ここで新聞の切抜きを見せられる)。というわけであなた方の明日以降の予定なのですが、Wabagに行っても特別な催しはありませんし、このままここMt.Hagenに3連泊するというのはいかがでしょうか?」
冒頭記事の抜粋↓

Criminal activities have sabotaged the staging of the much-publicised Enga Show. The show --scheduled for this weekend --has been put off after the murder of prominent businessman Kevin Yange from Wabag on Monday. The show will new be staged on October 2-5, Enga Governor Peter Ipatas said yesterday. The deferral has left the Privincial Goverment K80,000 out of pocket, Mr Ipatas said.
(以下略)
やられたぁ!今回の旅のメインイベントの一つであったお祭り見学がこの瞬間「ボツ」になってしまいました!

さて、一般に「シンシン」と呼ばれている現地のお祭りでは、各部族ごとに異なった伝統的な衣装やメイクを施した人々による歌や踊りが披露されるのですが、その中でも規模が大きく有名なのはここMt.HagenとGorokaのお祭りです。しかし、お祭りの時期と我々の日程が合わず断念しました(我々の滞在の一週間後にMt.Hagenのお祭りが。残念!)。

それならば、多少規模が小さくても(=よりローカル色が強まるというメリットもあるし)、どこかでうちらの日程に合うお祭りは開催されていないものかと探していたら、Mt.Hagenから車で西に4-5時間のところに位置するWabagにて「Wabag Enga Show」がある、という情報をつかんだわけですね。日本でこの情報を見つけたときは(PNGに関する情報そのものが少なかったこともあって)もう天にも上る思い、「よっしゃあ!」と叫びたい気分でした。今回の旅の計画(訪問地や順番など)を立てるにあたっても、最優先されたのがこの「Enga Show」で、その他の予定はこのショーをよける形で組んだものだったのです。

しかしまぁ、中止になったものは仕方がありません。旅行社の人に苦情を申し立てるわけにもいきませんし、Mt.Hagen3連泊、空いたスケジュール部分には周辺の村訪問(一応ミニシンシンのようなものも行われるらしい)を入れることにして一件落着とせざるを得なくなっちゃいました。はあぁ。
後日談的な話ですが、この3連泊はかえって良かった面もありました。実は「限られた日程の中にいかに沢山のイベントを盛り込むか」に心血を注いで立てられた今回の旅行日程では、14泊15日の全日程中に連泊が一つもなかったのです。毎日あたふたわっせわっせというのでは結構疲れてしまう面もあったでしょうが、この3連泊により、精神的にも肉体的にも(山から下りてきたばっかりだしね)ワンクッションを置くことが出来たのではないかと思うわけです。

ついでに全く関係ない話を一つ。「シンシン=お祭り」と書きましたが、もともとのシンシンとは、例えば集落の中でお祝い事があったときに、皆が集まって食べたり歌ったり踊ったりを楽しむ、いわば村単位で村人自身が楽しむお祭りであったようです。現在のMt.HagenやGoroka、そしてWabagもそうですが、異なる部族が大集合するという、いわば「拡大シンシン」とでもいうべき祭りが行われるようになったのは比較的最近のことであり、そういう意味で、伝統的なシンシンとはだいぶ趣が違っているのかもしれません。



昼食をとったハイランダーホテル。プールとバックパックのミスマッチがご愛嬌?

昼食は町中のハイランダーでとりましたが、これから3泊する予定の「Haus Poroman Lodge」は郊外にあるため、宿の送迎4駆に乗り換えていくことになります。なぜ4駆なのか、一瞬不安がよぎります。そしてその予感はズドンと的中。家並みが途切れた先の山道はやはり相当に荒れており、場所によってはクンディアワ〜ケグスグルの道なんか比較にならない!というくらいの悪路だったのです。おまけに「ここは遅かれ早かれ浸食で道路がなくなるだろうな」というようなところもあってスリルも満点ときています(苦笑)。

しかし、ハウスポロマンロッジに着いてみると、こりゃあいい!という感じのロッジだったので思わずニッコリ。雰囲気の点ではハイランダーよりもはるかに上です。田舎ゆえ治安もよく、強盗ラスカルの心配がいらないというのも強みです。ハイランダーじゃおちおち外出もできないもんね。



全ての部屋は独立したコテージになってます。見た感じよりも清潔です。



庭の植え込みにはパイナップルやらバナナなどがたわわに実ってます。

さてさて、しばし部屋でまったりした後は、せっかく安全だというんだからこのあたりを散歩しようかということになりました。宿を出て、ゆるやかな上り坂を歩いていたら、突然少年が現れ、われわれに話しかけてきたんです。

「Hello, my name is Richard. What's your name?」

見れば、年の頃は9歳か10歳くらい、今や日本では見ることもなくなった青っ洟(あおっぱな)をたらした少年が流暢な英語で話しかけてきたのですから、最初はちょっと驚きました。そして彼は続けて「よぉっし、僕がこの村を案内してあげよう!」というではありませんか!もともと、うちら二人だけでは断りもなく村の中に入っていくことは出来そうもありませんでしたから、彼の「臨時ガイド」はもちろん大歓迎です。

というわけで、続いては「リチャード君の村(名前忘れた)ミニ探検」とまいりましょ。あ〜あ、こうして枝葉末節ページがどんどん増えていくのね(笑)。

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