− うれしさ半分くやしさ半分の地元シンシン −

さて前ページの通り、ソロさんの村から帰ってきた我々はしばし部屋、いやコテージ(一応「リゾート」みたいでしたからね)にてくつろいでおりました。外はスコールがざざぁっと降りそそぎ、メインダイニングの建物にすらも傘をさして出かける気にもならない感じです(実はこの時点というかおしんこどんが午睡?に入る前、彼女はすでに上の村の微妙な変化=うるさい、には気付いていたそうです)。

しかしその雨音の向こうから、何だか人々の歓声やら歌声やらが聞こえてきたのです。小さなテラスで屋久島焼酎をかたむけていたTakemaも、その声々が「何だか昨日までと違うな」ということはわかっていました。ただ雨が強く降っているので面倒くさがっていただけなのですが、やはりあの声々はRichardの村から聞こえて来るに違いない、何かあるぞと確信しおしんこどんを起こしたのです(雨が小やみになっていたということは大きな要因でしたが)。

「どうやら聞こえてくる声はあの村からみたいなんだけれど‥行ってみる?」

今の今まで寝ていた彼女、

「行くよ!」

さすがにお祭りのにおいがすると早いなぁおしんこどん(笑)。

そんなこんなで、ハウスポロマンからすぐ上にあるRichardくんのあの村の広場へ出かけていきました。そしてそこで行われていたのは、正真正銘の「シンシン」だったのでありました!

シンシンとはパプアニューギニアにおけるお祭りのことです。ただ自分たちも誤解していたのですが、シンシンとは「伝統的コスチュームをまとった人々のダンスショー」というわけでは決してなく、いわば「自分の村でおめでたいことがあった時の内輪的集い」というのが本来の形のようです。マウントハーゲンやゴロカの「シンシンショー」が有名になっているからか、シンシンというとまるでどこでも昔のコスチュームでただ踊るだけというイメージが出来上がってしまっている部分があるのですが、実際、地元の人だけの村のお祭りはもっと普通の「村の寄り合い拡大版」という感じなんでしょうね。

ただ悔しいのは、あのスコールの向こうから聞こえてきた歌声です。あの時この村ではどんな感じで(特に雨の中だし)盛り上がっていたのか、これは見たかったなぁ(かなり後悔あり、おしんこどんすまんm(_ _)m。

しかし後悔なんぞはしても何も変わるわけはないので先に進みます(おいおい話が違うぞ(^/^))。

村の広場まで上がっていくと、先日とは比べものにならないほど多くの人々が集まっていました。それでもそこに行くまでに随分多くの人々@下の村に住む人々とすれ違いましたから、「あ〜、何があったにせよもう終わっちゃったんだろうなぁ」とがっくりくるには十分という感じだったわけです。

しかぁし!まずはシンシンの余韻にひたる?皆さんが寄ってきてくれました。

左の坊やの金髪は遺伝上の奇跡でも何でもなくて混血です。しかし不思議なのは、両親との混血でなくても、いわゆる劣性遺伝でこういう子ができるらしいんですね。しかも金髪直毛の子はは見たことないし、肌の色はみんなPNG人系だし‥。不思議だなぁ。
そして、いわゆる全体としての宴は終わっていたのですが、本来のシンシンのメインイベントはちょうどこれからでした。すなわち、ムームー(蒸し焼き)で焼いた「豚丸ごと一匹!」の切り分け配給のタイミングだったのです!



切り分けられた豚の切り身を物欲しそうに見ていたら、いただけちゃいました♪

しかし、ニューギニアの人々にとって何よりのご馳走なのはやはり背脂の部分。このあと皆さんが見守る中で核心部が慎重に切り分けられておりました。見ていたらここでも「どうだい、この背脂も食べてみるかい?」と勧めて下さいましたが、ここは皆さんの大切な部位ですからねぇ、「もう先ほどいただきましたから♪」と明るく遠慮。

しかし、やっぱり絶対にもらっておくべきだったよなぁ(今になって後悔)



これこそ皆さんのご馳走!う〜ん、ブータン同様ちょっときびしいかな。

日も暮れてきた頃、うちらのデジカメに皆さんが集まってきましたんでちょいと集合写真。とはいっても結構集まってくれていますが、まだこの横では「豚の脂身切り分け頒布大会」が執り行われており、その場を離れたら即刻権利放棄ということになるのか、所謂「いい大人」はなかなかこちらに来られないのでありました(笑)。それにしても、村の人達は私たち旅行者に対してもとてもやさしいのです。この日のおしんこどん日記にこんなコメントがありました。
「肉を切り分けたり食べたりしている人達に対して『アピヌーン』と声をかけると、みんな手が肉の脂でベタベタなので手の甲を出してくれる。手の甲をすりあわせることで握手の代わりというわけだけれど、そんな心遣いまでしてくれるとは、みんななんていい人達なのだろう。」
ところでこの時のシンシン訪問で唯一の心残りは、あのリチャード君に再会できなかったこと。もう自分の家で自分の取り分@豚肉にパクついていたのかなぁ。



さてお宿に帰りましょう。

明日はいよいよ長距離移動、Wewakに向かいます。

[戻る]  [次へ]