−パプアニューギニア− 来たぞラバウルへ

− その6 噴火口から直線2km、ここぞ究極の野湯?「ラバウル温泉」− 



10-20分おきに爆発する噴煙を背に、これからいざ「入浴」に向かいます。

さて、ここラバウルの半分を死の町に陥れた火山群の周りにはいくつもの「温泉」があるようです。そりゃもちろん火山の周りなのだから温泉があっても不思議ではないところなのですが、ここの場合はご覧の通り今もどどーんと噴煙を上げている場所、マグマもすぐそこまで上昇しているのは必定、ということは「すっぽんぽん@入浴中に大爆発!」ということだって万分の一くらいは考えたっておかしくない地域なのであります。でも!ここまで来たら入浴しなきゃ!というわけで、日本の誇る世界の草津温泉タオルを持参したTakema、いよいよ決死の?お風呂行へと出発するのでありました。

下調べ@日本、の段階では、どうやらトウングナン山という火山の東側に温泉があるとかいうことがわかりました。しかしそこにはラバウルに大被害をもたらしたタブルブル山の直下を越えていく林道経由でしか行けないようで、「もはやそんな道は存在しないと思う!」とは宿のオーナーの弁。しかし、「温泉?あるよ、もっと近くに」とおっしゃって下さったのが、われらがドライバー&ガイドさんだったのであります(ちなみにお二人とも宿の専従として敷地内に住んでいる方でした)。よかった、これでまた一つ夢が叶うぞ!(大した夢じゃないですね)。というわけで、ご案内を願うことに致しました。

九七式重爆撃機の見学後、車は来た道をしばらく戻ります。旧ラバウル空港の広場まで戻ったところで‥いきなり旧滑走路方向へと右折!ほぼ正面にタブルブル火山を望みながら、車はどんどんとマチュピット湾の方に進んでいきます。たぶん今から60年前は、この車と同じ向きに旧日本軍機が離着陸を繰り返していたんだろうなぁ。周りは荒涼とした火山灰の広い原(もともと滑走路なんだからあたりまえ)、そこを結構なスピードで走り抜けたどん詰まりで車は停まりました。すぐ先は海というわけで、ここから歩き始めることになります。

砂浜に出ると、何だかすでに砂浜そのものが暖かい感じです。触ってみると‥「うん、やっぱり」。砂浜なのに地熱高し、もう少し乾いていれば砂蒸し風呂もできそうな感じです。そしてさらに砂浜の先の方を見てみると‥

こりゃあなかなかすごそうです。かなり期待できそうです‥と思ったところでふと、お湯じゃなくて不安が湧いちゃいました。それは‥
「こんなにすごい湯気が出ているということは、お湯が湧いているにしても相当熱いんじゃないか?入ることなんかできるのか?」
という、至極当然の疑念でした。そしてそれはすぐに現実問題としてTakemaの目に映ってきたのでした。
ここでも出てくる動画編

「こ、こりゃすごい。でも入浴は絶対無理!」

どんどん湧いてはいるのだけれど、触ることもできない熱さ!近くにいるだけで熱いんだから、ほぼ沸騰温度?

Wmv形式、520KB、13秒

うっほぉ、湧いてます湧いてます。鉄分を多く含む泉質と思われますが、しかしこりゃ熱湯です!(左側画像にマウスオンするとズームされた画像に変わります)。あたりは熱気で「そこにいるだけで熱い」という感じです。こりゃ源泉入浴は無理だなぁ。ちなみにこの写真を撮っている場所自体は砂浜なのですが、このあたりの砂浜そのものがかなり熱せられており、靴の底がかなり熱くなってきているのが感じられるほどです。

しかしなぁ何とかならないかなぁと思い、真っ黒な砂浜を少し浜沿いに進んでみると、何だか肌に感じる温度が下がってきました。砂浜の表面はまだそれなりに熱いのですが、念のため海水に手を入れてみると‥よしっジャスト適温です!。

というわけで、源泉は無理ですが「温海水浴」を堪能することに決めました(ちなみにここで入るのはTakemaだけ)。おしんこどんと2人だけならさっさとスッポンポンになっていざ海へと向かうTakemaですが、今日はうちらと一緒に来たガイド&ドライバーさんの手前、すでに車を降りたところで(車のかげで)海パンを着用済みです。それと、海の中から熱湯が噴き出している可能性があるし、そうじゃなくてもちょっと砂を足で掘ってしまうとアツアツの火傷をしてしまう危険があるため、念のためビーサンを履いたまま海に入ることにしました。

じゃぼじゃぼ、ちゃぽっ、(腰を沈めて)ふぅ‥

短い時間でしたが「入浴」をタンノーいたしました。ちなみに10-20分おきに噴煙を上げている火口(対岸)までは、ここから直線距離でたったの2kmしかありません。しかもこの湾そのものが昔の大噴火口の跡だというのですからこりゃゴーカイそのものです。しかし、入浴時に降灰しなくて良かったぁ(自分はともかく、待ってくれているガイド&ドライバーさんやおしんこどんが逃げ場なく灰まみれになっちゃうのは申しわけないものね)。

さ、そういうわけで車に戻ることに。実はかなり未練がましいTakemaだったのですが(絶対このあたりを探索すればもっといいスポットが見つかると思ったのです)、ただこれだけ元気な熱湯湧出地帯ともなると、うかつに歩いているうちに「ボッケにはまってさぁ大変♪」を地でいくことにもなりかねないので諦めました(ボッケ:火山ガスや水蒸気、熱湯などが噴出している場所、時には地表部分だけ土に覆われている場合もあるので、万が一踏み抜くと致命傷です)。うちらのガイドさんも、「Follow our path, don't walk alone.」などということを言っていたしなぁ。

しかし、早めに車に戻ったのにはもう一つ理由があります。この時間でもそろそろ夕方というタイミングだったのに、実はこの後もう一ヶ所立ち寄る場所があったのですね。それだけでなく、Takemaの何気ない一言がさらに遅れに拍車をかけた?

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