−パプアニューギニア− 来たぞラバウルへ

− その8 闇夜の向こうから魅惑の歌声と踊りがちらほらと − 



何だ何だ、面白そうなことになってるぞぉ。

さて夕食後はようやくゆったりモードです。前のページで書いた通りの「無尽蔵にお湯が出るシャワー」を満喫し、ビールを飲みながらの食事をして(食事というよりは結構おつまみ系だったかも)部屋に戻りました。おしんこどんは疲れが出てきたのかベッドに横になりました。Takemaは部屋の外の椅子に腰掛けながらワイン(今日無理をして買ってきたやつ)をちびりちびりです。気分はほのぼの、いい感じだなぁと思っていた頃、この日最後の大きなビッグイベントが幕を開けようとしていたのでありました。

どうやら宿からかなり奥まった方に小さな集落があるようなのですが、そちらの方から歌声やら太鼓の音が聞こえてきます。音のする方を見てみると、真っ暗な中、はるか先の木の間越しに何やら人の動く気配。こりゃ何かやってるなぁと思います。しかしおしんこどんはすっかりおやすみモードでお休み@睡眠中。どうしようかなぁと思いながらもそうっと声をかけてみました。(小さな声で)「あのさぁ、どうやらすぐ近い村で何だかやってるみたいなんだけれど‥」するとすかさずおしんこどん、たった今まで寝ていたとは思えない声でこう叫びましたとさ。

何なんだその急激なパワーオン、どこから出てきたその元気!という感じでしたが、まぁ良きかな。しかし「近くて遠い」のが地元の集落、ヨソ者がおいそれと立ち入れるものじゃないですよね。そこで思いあたったのが今日のガイド&ドライバーさん。何といっても同じ敷地内居住だものね。

彼らの住居棟に行って村への案内&取り次ぎを頼むと「もちろん!」という感じで引き受けてくれました。やっぱりチップをあげておいて良かったかもしれない‥(笑)。

というわけで彼らの案内のもと、近くの集落へいそいそと向かいます。来てみると、思った通り踊ってます踊ってます。観客は村人のみ、ローカル色満載です。ところでどういう催しなのかと聞いてみると、実はこれは踊りの練習の最終段階で、明日開かれる教会主催のお祭りの舞台で披露するのだとか。なるほどそれでわかった、歌の途中と思われるところで突然太鼓の音が止まり、舞い手と観客との間でああだこうだというようなやりとりをしていたものなぁ。しかし明日かぁ、見たかったなぁ(残念)。

それにしてもこういう場を見学できるなんて滅多にないチャンスなのに(しかも宿にも歌声が聞こえてくるにもかかわらず)、他の宿泊客(うちらをのぞいては全員白人は誰一人として興味を示していなかったなぁ(食堂のテラスでビール飲んでわいわいやっているグループはいても)。もしかしたらこういうところが白人と我々の何か根本的に違う部分なのかもしれないですな。当の白人側では意識していないかもしれないけれど、やはり現地の人は白人に対して「精神的な壁=隔たり」のようなものを感じているのじゃないかなぁ。このことに限らず。もしそうだとしたら‥日本人でよかった♪。
いよいよ最後の動画です

「暗闇にうごめく謎の集団?」

上の写真などではフラッシュをたいていますが、この広場の灯りといえばたった一つ、小さな蛍光灯があるだけでした。というわけでデジカメの動画モードによる撮影ではほとんど真っ暗ですが、暗いからこそ何だか独特の雰囲気が出ているような気もします。

是非スピーカーをオンにした上でご覧下さい。音声なしだと全然面白くありません。


Wmv形式、703KB、46秒
さてTakemaは撮影のために広場の周りをうろうろしていたのですが、おしんこどんは即席の観客席にて観覧しておりました。しかしどうやらこの独特のリズムにはまってしまったようで(お祭り大好き)、座りながらも踊り手の手の動きを真似していたのだとか。そうしているうちに、「あなたも前に出て踊ったらどう!」と誘われ、ついに念願のデビュー!



【この日のおしんこどん日記より】

‥宿の猫にベーコンをやったりして、そのあと近所の村にお祭りを見に行った。見ながら小さく真似をしていたら、隣に座っていた女の人が、踊り手の男の人たちが持っている草の束(クロトンの葉)を私に渡してくれた。座ったままそれを耳の横あたりで振っていたら、「前に行って踊れば?」と言ってくれて、女の人が私と手をつないで前に出てくれた。私が男性に混じって踊ったらみんなに大受けだった。

踊りはかなり激しいもので、スローなリズムの時はともかく、「ダンダンダンダン‥」というように早いリズムに変わると、立ち姿勢からしゃがんだ姿勢に変わり、首を振りながらウサギ跳びで後ろに下がり、再び前に出て立つという動作を何度も繰り返した。大汗をかきながら楽しんだ。

確かに、おしんこどんが踊っている時の「観客席」は笑いのるつぼ状態で、その中の一人のおじさんなどは、「それ、お腹がよじれてません?」とこちらが心配になるくらいの大爆笑状態でした。村の人にとっても、いきなり現れた外国人が自分たちに混じって一緒に(しかもとことん楽しそうに)踊るというようなことは滅多になかったと思われますし、これまた国際親善に役立った?のかもしれませんね。

その一方でとても残念だったのは、PNG旅行も終盤戦にさしかかっていたこの夜、もはやデジカメの記憶メディアの残り容量がほんの僅かしかなかったこと(ちなみにこの旅行では約800MB分のメディアを持参していたのですけれど)。よって、肝心の「踊るおしんこどん」動画を撮ることはできなかったのでありました。返す返す残念でたまりませんが(いい記念になったはずなのになぁ)、まぁこればっかりは仕方がなかったですね。まぁ何よりも、このページ内の全てのおしんこどん写真が「笑顔」であることを見てもらえば、彼女とTakemaが「いかにこの夜のひとときを楽しんだか」ということをわかってもらえるのではないかと思います。

パートナーとなってくれた女の人は、ずっとおしんこどんの手を握ってくれていました。ありがとう!

そんなこんなでラバウルの夜は更けていきます。さ、明日はもうこの島を離れなくては!(大悲)。また来るぞぉ!

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