− そんなに早いとしんどいって!(テキスト多し) −

カンボット村から戻ってきて宿に戻ったのは16:00前。夕食までにはまだ時間があり、部屋入口のテラスでのんびりして過ごそうかとも思ったのですが、いかんせん部屋の中は相変わらず蒸し風呂状態(結局電気はアンゴラム滞在中一度も通じることがなかったのでした)。し、しかぁし!今日はなぜだかシャワー(水)が出る!昨日から雨が降ったわけでもないのになぜなんだというひそかな疑問を持ちながらも、「出るものは拒まず」です。

しかしこういうものは「いつまでも出ると思うなシャワーとボーナス」のことわざ通り(聞いたことないけど)いつ止まってもおかしくないのですから、ありがたく使わせてもらいました。Takemaもおしんこどんもベタベタの身体を洗うことが叶ったわけでよしよし。

Takemaはシャワーのあとテラスに椅子を出してゆっくりすることにしました。あれま、隣の部屋にはフランス人のカップルが。昨日カンボット村に行って、うちらよりもはるかに高価なストーリーボードを買ってきたということです。見せてもらったら、質感も重量もうちらの完全敗北。だって、うちらの買った値段の10倍だもの(苦笑)。

しかしやはりフランス人というべきなのか、英語はお得意でないご様子です。ま、Takemaも決して流暢とは言えませんが(決して!)、フランス人は「フランス語は神の言葉」というプライドさえ外せばうちらより話せるはずだと思っていたのですけれどねぇ。何だか一瞬勝った気分になりました(爆)。しかし職業を聞くと科学者だとか。やっぱり負けたな(涙)。それにしても、正直言って自分よりもつたない英語で(ちなみに女性の方がまだ少しは話せる。男性の方はほとんどできない)アジア、しかも非フランス語圏を旅するという姿勢にはものすごく共感。だって、日本人は海外でいつもそうだもの。そうでなくっちゃねぇ。

ついでに、滅多に日本人が来ることはないというこの宿の従業員さん(ちなみにこの日の宿泊客はうちら夫婦とフランス人カップルだけ)に日本語の臨時講座を開いたりして夕食までの時間を待ったりと過ごした我々なのでありました。

「Welcome to Angoram Hotel = アンゴラムホテルへ、ようこそ」
‥でも「ようこそ、アンゴラムホテルへ」でも通じるよ、とか「Dinner is ready = 夕ご飯ができました」「ご飯はFood、だから多分「Morning Gohan」、「Evening Gohan」も日本人には通じるよ」、という感じでした。
閑話休題。さて彼らとゆっくり話しているうちに夕ご飯の時間となりました。母屋に行くには懐中電灯がないと何も見えません。今日は夕方からどんより曇り空でしたし、停電で一切の灯りがありませんから。そして、母屋の食事テーブルの上にはロウソクの光があるだけです。夕ご飯を食べ、しばしぬるいファンタの残りを飲んでいる間も全ての光はロウソクのみ。交わされる会話の言語は英語、フランス語、日本語、そして時折ピジン語。誰かが身体を動かすと大きな影が天井に揺らめき、外には一切の音もなし‥何だか不思議な世界です。明日はフランス人カップルも我々もここを離れてそれぞれの目的地に向かうわけで、何だかもっとじっくりと滞在していたいような気もしてきました。

しかし早い19:30頃、出先から戻ってきた宿のおばさん(ジョセフィンさん=経営者?)からは、その幻想性を打ち破るにふさわしい?衝撃的なおことばが発せられたのでありました!それは‥

え、ええっ!なぜ突如としてそのようなことに???だってうちらは明日ウェワク泊まり。午前3時に出発したら、行きと同じ所要時間で計算すると午前6時に着いちゃうわけですから、あまりにも意味無し芳一です。当然もっとのんびり起きて、午前中はアンゴラム村をのんびりお散歩という感じでゆったり過ごそうと思っていたのに、いったいどうしてなんでしょう?

話を聞いてみると驚き桃の木うげげのげ、夜は墓場でグーグーグー系のハプニングがあったそうなのでありました。

ウェワク〜アンゴラムを送迎するための宿の車は1台のみ(こりゃ現地の事情を考えれば当然です)。しかし今日、何とその車が現地警察の車と衝突、欠損度大。エンジンはかかるがギアが入らないという状況に陥ってしまったそうなのです。

しかし、まだ大きな疑問は残ります。それは「だからといって何で午前3時に出発なんだぁ!」という問題です。聞いてみると、どこかの車をチャーターするのではなくPMV's Bus(公共交通バス)を使うとのこと。しかし、アンゴラム〜ウェワクを結ぶPMVは出発が朝に集中しているとはいえ、そんな暗い時間(=始発便)にわざわざ乗る必要はないだろうと思わざるを得ません。車をチャーターすればいいじゃないの!と思う部分もありました。

しかし冷静に考えてみると、ここはアンゴラム村。これまでの記憶を思い起こすに、この村で動いている車を見た記憶はあまりありません。つまり、車道は通じていても、ここには借りられる車そのものがほとんどないのです。

そして出発時間についての事情。実はこのフランス人おふたり様は、明日の朝9:00前にウェワク空港を飛び立つフライトを予約していたんです。ウェワクまでは責任を持って送迎しなければならない、しかしウェワクに時間をずらして2組を送迎する人員は足らない、となると出発の早い時間の組を優先して考えざるを得ない、というのが前出ジョセフィンさんの出した結論だったようなのです。

そうなればまぁやむを得ません。アンゴラム村お散歩計画は諦めなければなりませんが、そのかわりウェワクのビーチでのんびり泳ぐというリゾート気分を味わう時間が取れそうです。というわけであっさり了解することといたしました。3時出発ということで、起床は2時ということに決定。うっはぁ、夏の北アルプスでテント泊縦走をする大学ワンゲル部みたい(知る人ぞ知る世界ですな)(笑)。



部屋に戻ってみると、テラスには大きなカエルくんが鎮座しておりました。
こんな所に出てくるとは‥雨が近い?その読みは見事に正解でした。

部屋に戻り、おしんこどん共々荷物のパッキングです。食事前、部屋のテラスでフランス人のお二人が「明日9:00までにウェワクの空港に行かなければならないんです」と言うのを聞いて「ここからウェワクまで3hかかるし、この人たちは明日早起きで大変だなぁ」と人ごとのように考えていたのですが、まさか自分たちまでも早出になってしまうとは思いもよらなかったことです。散らかし放題の荷物をバックパックに詰め込んでとりあえず一件落着。

しかし、よせばいいのに大雨が降り出しました。夜のスコールとでもいうべき相当の雨です。しかも全然小やみになる気配がありません。明日の出発が予定通りいくことを祈りつつ就寝。時間は何と20:45、早いなぁ。ちなみに日記によると、前日は20:30に寝ていたようです。現地の時の流れにすっかり身体が慣れたということでしょうか。いや、電気がなくビールもぬるいからというのが真相でしょう(笑)。

さて翌朝、AM2に予定通り起床します。雨はやんでいるし、一応朝食を食べてから出発だしということで最後の準備をしていると、2:20にまた降り出しました。かなりのどしゃ降り系です。暗闇の向こうから誰かがやってきて(暗くて誰だかわからなかった)「このまま部屋で待機していて下さい、ただ、雨が強いとPMVバスは出ないことがあるから‥」と、意味深な発言をして去っていきました。というわけで再びちょい寝モードに。

バスが出るはずだった午前3時ちょい前、隣室のフランス人女性が「私たちは朝食を食べに母屋に行くけれどお二人も行きませんか?」と誘ってくれたのでちょい寝モード終了。雨の音を聞きながらトーストを食べ、再び部屋に戻って「仮眠」。とはいっても何とそれから2時間、ゆっくり寝ちゃいました。フランス人カップルにとってはフライト時間の件もあり、気が気じゃなかったでしょうけれど、うちらにとっては幸せなひとときでした。雨が降ったので気温も下がっていたし、前日の寝不足解消にはうってつけでしたな。

5:15、白河夜船状態(シブい表現ですな)のところに「出発しますよ!」の一声で飛び起きました。全ての準備は整っているのですぐに荷物を背負って移動開始です。まだ小雨は降り続いていますが、これはまぁしょうがないですね。バスは何と宿の前まで乗り入れてきていました。ただし、バスといってもごついトラックの荷台であるのが現実です。



うちらが乗ったやつじゃないけれど、まさにこんな感じです。ウエワクのバスターミナルにて。

でも、ジョセフィンさんの折衝の結果でしょう。この宿の前がバスの始発地点、よってうちら4人+ジョセフィンさんは運転席すぐ後ろの「一番揺れない場所」をゲットすることができたのでした。そして雨が降る真っ暗闇の5:40に出発です。

外は真っ暗、しかも雨降りということでホロを全部(車両後部を含めて)下ろした状態で走っているので、車内は見事に真っ暗です。トラックのエンジン音だけを聞きながら暗闇&振動に身を任せます。そんな中、時々止まってお客を乗せていくうちに夜が明けてきました。幸いなことに天気もどんどん回復しつつあるようで、雨も上がってきたようです。



雨が上がったので荷台のサイドを開きます。いつの間にか車内はだいぶ混んできました。

ところでこの始発便に乗り込んできた皆さん、今日のウェワクでの用事はどんなものなんでしょうかね。マーケットに物を売りに行く人達が多いんじゃないかと思っていたのですが、それ系の大荷物を持ち込んでいる人はあまりおらず、何だかごく普通の人&親子連れが多かったのが何だか不思議でした。



すっかり明るくなりました。フランス人カップルも時間に間に合いそうで
嬉しそうです(トラックバスが揺れるのでのでピンぼけですが)。

毎度おなじみ動画編

「しんどくはなかったPMV's バス」

これは絶対に道路状況がいいからだろうなぁ。舗装道路じゃないけれど。これがクンディアワ〜ケグスグル(Mt.Wilhelmへの往復路)だったらこうはいくまい。

Wmv形式、696KB、15秒
峠を越えてどんどん山道を下って行くうちに、どんどん気温が上がってきたのがわかります。太陽も出てきたし。そしてバスは何と、往路チャーターのワンボックスとほぼ同じ時間(3時間)でしっかりウェワクに到着したのでありました。途中の停車時間は往路よりも長かったはずですから、トラックのくせに相当飛ばしたんじゃないかと思われます。ジェセフィンさんの要求でしょうかね。しかしウェワクの空港前にて降りていったフランス人カップル、果たして予定通りゴロカ行き飛行機(セスナ系)は飛んでくれたのでしょうかね?山岳部はまだ悪天だったようですが‥。

さて、ウェワク市内の何ヶ所かでお客さんを降ろし、数日前にもいろいろあったウィンジャマーホテルに着いたのは午前9:00。部屋さえ空いていれば何時にでもチェックインできるというシステムはいいですなぁ。しかしレセプションにいたのは、あの行かず後家系無愛想お姉ちゃんでした。またも非ビーチサイドの部屋の鍵(30号室)を渡してきましたが、幸い、チェックアウトの時に「数日後に来る時はビーチサイドの部屋をよろしくね」とひとこと添えておいた別のお姉様がとりなしてくれ、無事「ドアを開けるとそこは浜辺だもんね」系の部屋をゲットすることができました。

しかし、これまた水が出ない‥(苦笑)。もっとも、30分くらいしたら突如としてタンクに水がたまり出す音がしたので一安心。今日は3日ぶりにシャワーを浴びられるぞぉ!


さて、しばし休憩後はウェワク市内をちらりほらりと見物に出かけます。もっとも市内からは遠い場所にあるホテルなので、またもや車をチャーター。とはいってもバスじゃなく?

[戻る]  [次へ]