さぁていよいよセピック川に‥出発できないもどかしさ!
− これがパプアってもんでしょう −

いやぁ、宿に到着してチェックインまではまだ良かった(えらく時間はかかったけれど)。しかし案内された部屋は狭く、しかも推定数十匹の蚊の巣窟でありました。持参のキンチョー蚊取線香がここぞとばかりにあちこちでもうもうと煙を立てますが、しばらくは煙いばかりで蚊との戦いが続きます。んでもってあげくの果てには停電。しかも、同じ建物なのに隣の部屋は電気がついているではないのさ!

修理を頼み、食堂で飯を食べたあとに戻ってみてもやっぱり全然直ってない。まぁこれがこのクラスのホテルの現実なんでしょう。結局部屋の変更希望をかなり強く要求した(何度も)結果、ようやくセキュリティ関連の係員経由で部屋を変えてもらえました(22:15)。でも、「変更希望」といえば聞こえはいいですが、電気もつかずファンも回らずの部屋を替えてもらうのは宿泊者として当然の権利なんですけれどね。空き部屋はあるわけだし。

さて、最初の部屋との並びにあるNO.35ルームは、なぜか蚊もまったくいないし部屋も広い。エアコンのみならず天井ファンまでついている。最初の部屋は嫌がらせなのか?と思われるほどの違いだったのです。しかしこんなに遅くなる前に部屋のチェンジをしてくれれば良かったのに。というわけで、レセプションのあのお姉ちゃんは使えない(全員じゃなくて特定の一人)と心に刻んだのでありました。ここも帰りにもう一泊するから、数日後も同じような(イヤな)思いはしたくないからなぁ。

さらに引き続き、このホテルのセキュリティの甘さを露呈するような出来事が。もう寝たいのに(笑)。以下、その時の日記から抜粋。
Takema日記

部屋を変わったあと、地元女性が部屋をノックし「オーストラリア人の旦那と喧嘩して、行くところがない。しかしこの町の夜の治安は悪いので屋外で夜明かしするのは恐すぎる。部屋のフロア(床)でいいから一晩泊めてくれ」といってきた。特徴は次の通り。

* 住所・名前は別ページに書いたとおり(省略)
* 身なりはこざっぱりとしている。生活に困っている雰囲気ではない(眉毛も描いている)。
* ここから離れた場所にあるゲストハウスでウェイトレスとして働いている。
* 夫は酒癖が悪く、家庭内暴力もしばしば(その割には傷などは見受けられない)。今日も町に一緒に出てきたのだが、酔った夫が「俺の前から消え失せろ!」という感じになったので逃げてきた。しかし家まで帰ることは出来ないし(夜道は危険)、お金もない(6K持っていたが飲んで使ってしまった)。
* 荷物の中には化粧品のみ、財布もない。IDはといえば、パスポートが家にあるというが今は持っていないとのこと。
* 友だちがいるにはいるが来てくれない(ここが怪しい?)
おしんこどん日記

22:30頃、ノックの音が‥。女の人が立っていた。Takemaが相手をしていたが、やがて部屋の中に入ってきた。ドメスティックバイオレンスだとか、セキュリティに出て行けと言われたとか、なぜか象のぬいぐるみの入ったポーチとサングラス、裸足にサングラスを持ちビルム(カバン)を一つ持っている。TakemaがIDカードを持っているかどうか尋ねるが、家に置いてあるという。まぁそれはそうかもしれないが‥
 
彼女の話 
 
白人オーストラリア人の夫が暴力をふるうので逃げてきた。ホテルの宿泊客は誰もドアを開けてくれなかったが、私たちが開けたので助けて(泊めて)ほしい。友だちはいないという。丘の上のゲストハウスで働いている。お金はバーで6K使ってしまいもう手持ちはない。持っているものを調べさせてもらったら、ビルムの中は雑誌(古い)と化粧道具の入ったビニール&空のビニール袋、象のぬいぐるみを入れたミニポーチ、口紅。床に寝ると言うが、信用するには足らないので帰ってもらう。子供二人、7才と5才。 
結局やっぱりおひきとり願うことに。気がつけばすっかり23:00を過ぎていました。でも彼女の言い分の真偽はともかく、現地の事情に疎い我々としては結局こうせざるを得なかったような気がします。今から考えるとこの判断は客観的にみて正解だったのでしょう。うかつな親切心が墓穴を掘ることになるのは個人旅行において強く肝に銘じるべきことなのですから。ただ、PNGでは組織だった知能犯罪の話は聞いたことがありませんでしたから、彼女は本当に困っていたのかもしれません。そして彼女が我々の部屋を出たあとにどうしたのか、それは知るすべもありません。唯一はっきりしているのは、我々の寝る時間がまたも減ったということくらいです。もちろんこの日はあまり疲れてもいませんでしたから問題はなかったのですが。

というわけで、なかなか落ち着けなかったこの夜もそろそろおしまい。おやすみなさい!

明けて翌朝。せっかくビーチサイドのホテルにいるのですから朝の浜辺散歩も悪くありません。ということで6:30に起床!



静かな朝です。まだビーチには誰もいませんね。



こういうところにいると、すぐこういうポーズをとりたがるのが我々の「お約束」。

それにしても今日はいい天気です。この日は何時にピックアップの車が来るのかわかっていなかったのですが、とりあえず8:00頃朝食を食べにレストランに行ったところ、今日泊まる予定のアンゴラムホテル配下の女性とおぼしき女性登場(あとでわかったことですが、そうやら「配下」ではなく「実質的な支配人」の方のようでした)。

「出発は10:00です。ロビーで待っていて下さい。」とのことなので、しばらくはビーチ沿いのテーブルにてゆったりのんびり。もちろん朝からビールなのは当然です。「はぁ、こういう時間、貴重だなぁ‥」としばし悦楽ムードのリゾートライフをたっぷり味わいました。しかし、このまま順調にいってはくれないのがPNGなのは、そろそろ皆さんもおわかりのことでしょうね(大苦笑)。



オーストリア人ご夫婦は一足先にPMVバスでアンブンティ方面に出発していきました。



青い海、白い砂、そしてビール。MDにスピーカーまでつなげて音楽まで流してましたっけ。
はぁ極楽極楽。しかしこのあと、またもや「忍耐の時間」が待っていたのであります(笑)。

さて、時間になったのでチェックアウトを済ませ、レセプション前のソファーに座って先ほどの彼女を待ちます。しかし、時間になっても全然現れません。ようやく顔を見せたのは10:30を回った頃でした。ま、こういうのはよくあることですから気にかけても仕方ありません。しかし、この後の彼女のことばで「さらなる待機」を余儀なくされた時にはちょっと力が抜けました。
「実は、今日Mt.Hagenからの飛行機でこちらに到着するお客さんも一緒に乗せてアンゴラムに向かう予定なのですが、飛行機がDelayしているようなのでもう少し待ってくださいね」
ひとつ前のページをお読みになった方ならここで思い出して下さるでしょうか。我々が前日わざわざ丸一日をかけ、思い切り遠回りをしてMt.Hagenからここまで辿りついたことを。そう、天候さえよければMt.Hagenからここまで、直行便でほんの1時間もあれば到着できるでしょう。しかし有視界飛行の小型機の運行は途中の山脈の天候に大きく左右されるということを書いてきたはずです。そして、これからここWewakに来ようという人達はその小型機によるフライトについて「大丈夫、何とか飛ぶでしょ」と楽観的に計画を立てたのかもしれません。そして今それが仇となり、かの地で足止めを食っているようなのです。

自分の読み&立案したスケジュールは、間違っていなかったぁ!(心の中で快哉を叫びましたな)。PNG旅行は「急がば回れ」を念頭におかなければ、それこそうまく回っていかないということをあらためて実感です。

ただし、結局うちらも彼らの遅延につきあわされてしまったのは事実なんですが(笑)。こうなったら欠航を望んだりして?(悪心)。



ホテルのエントランス前で、車の到着を首を長〜くして待っていたのでありました。

結局、ホテル出発は11:40。1時間40分の遅れです。ちなみに困ったちゃん系のアクシデントは重なるもので、アンゴラムからの迎えの車が到着していなかったようです。やむを得ずこちらの女性は、ここウェワクで車をチャーター。彼女としても踏んだり蹴ったりだったようですね。さらに空港近くにて再びしばしの停車(パンなどの買い出しということもあったらしい)。結局本当の意味でのウェワク出発は12:00になっていました。ここからアンゴラムまでは約3h、到着後に昼食の予定だといいます。おしんこどんはこの時の日記に「おなかすいてきたぞ----------!!」との心の叫びを綴っております(笑)。

結局Mt.Hagenからの飛行機到着はなし(=やっぱり欠航)でありました。というわけで時間的には振り回されましたが、まぁ何とかアンゴラムに向けて出発です。ダート3時間、どんな道なんだろう?

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