8/2〜10 テントに根が生えるということを思い知ったころ。


8/2 雌阿寒岳往復 

朝の天気予報では、まだ旭川あたりの天候は思わしくない。今のうちにそっちのほうに移動しておくのが利口だと思ってはみたのだが、ついつい「じゃ、阿寒のあたりの山でも登りにいくか」と妥協。すべては、この妥協がいけなかったのではなかろうかと今になって後悔するが、もう遅いよね。
登山口の野中(雌阿寒)温泉までいってみて驚いた。登山口にはなにやらものものしい看板(その他一連の登山画像についてはこちら)が。しばらく躊躇するが、しかたない、あとは自己責任だと割り切って登り始める(その甘さが丹沢で流されたキャンパーになっちゃうんだけれどね)。登り始めたのが11:00回ってたからずいぶん遅いんだけれど、行くうちに上からどんどん降りてくる。なんだなんだ、みんな掟破りじゃないかよ。
ずんずんと登っていく。天気は曇り。少々風強し。噴煙が多いのか、阿寒湖の方向がかすんでいる。登るにつれてオンネトーが顔を出してくる。なかなか綺麗だ。北側にはずっと樹海が広がる。この広がり、やはり本州ではなかなか見られないよなあ、としばしぼんやりする。頂上付近は風が強く、早々に15分くらいで下山。登り2時間、下り1時間半(ビール飲み休憩含む)。お手頃なコースタイムで往復できます。気象・噴火情報などに注意してぜひお試しを。

とまあ、ここまでは毎日結構いろんなことやってたんですよね。まだ来たばっかりだったし。しかし翌日以降は途端に生活がダルになります。というわけで、8/3以降17日までは日付なしのごちゃまぜでお送りします。

生活がダルになるまでのいきさつ。

どうやら大雪山系はまだガスの中らしい。何だ道央地方、特に旭岳のあたりは一体いつになったら晴れるんだ?と気が重くなる。と同時に、「何だかもうどうでもいいかなあ」という気にもなってくる。実はお盆(8/12〜16)にここで友人との宴会を予定していて、その相手の荷物や宴会用品(ガスのBBQコンロとか)がもうすでにここ多和平の売店「グリーンヒル多和」に到着しているのだ。「荷物届いてますよ」と言われ、もちろんしばらく預かってもらえる約束はできてはいたのだが、毎日毎日牛乳買いに行ったりして顔を合わせていると「やっぱり申し訳ないよなあ、邪魔だろうし」という気にもなってくるものだ。しかしそのまた一方で「いや、でも、そんなことじゃいけない、初心は貫徹しなければ!明日は出発するぞ!」というスポコン星飛雄馬的意識も決して途絶えていたわけではなかったのだ。

そんなある日、誰とは言わないが、ふとしたことからあるライダーさんと知り合った。名前を某砂川さんとでもしておこう(某だからいいよね!?)。彼はある夜、明日の予定について、熱くこう語るのであった。「明日『モーニング娘』のコンサートが弟子屈であるって知ってる?空いてる席確認したら10列目の端と14列の真ん中なんだよね。当日券もあるはずだから、もっといい席が余ってるに違いない。だから行くよ。」本人曰く、別にモーニング娘のファンではないらしい(あくまで本人の弁です)。しかし、彼はその言葉通りに行っちゃったのだ。しかも、ド快晴の日、午後1時からのコンサートである。天気が良ければ走り回っていたいのが普通のライダー。しかしあの人は違っていた(笑)。しかも当日券は11:00発売開始だというのにわざわざ9:00に会場入りしてしまったというのだ(大笑)。
その夜、コンサートの土産話を聞いて大笑いしながらふとTakemaは思ったのだ。「別に仕事じゃあるまいし、必ずなにかしなきゃいかんという旅じゃなし、今の自分、そんなに登山ばかりに固執して何の意味があろうか」と。
「やめた!」 (おいおい…)
というわけで、この時点で 8/16まで長期滞在=目立たぬようにヌシになる 決断は厳かに下されたのであった(もともと11-16はここにいるつもりだったから、11日までもここにいてしまおうという算段である)。しかも、翌日某砂川さんは果敢にも「多和平から羅臼岳頂上往復」という、えらくハードな行程をこなし、あたりがすっかり暗くなってから帰ってきたのだったが、その日のTakemaといえば、ただ硫黄山温泉行ってただけなのだ。つまり、自分に課したたがを自らの手で外したTakemaは、ただもう怠惰になってしまっただけだったのだ。これをちんさんのいう「まったり病」と言わずして何と言おうか。しかも相当重病のまったりである。Takemaだって一応リーマンキャンパーだ。休みには限りがあるのだ。いろいろなところに行きたい(はずだった)。その純粋な気持ちすらも踏みにじるような行動を自分に取らせた「まったり病」、うーむ恐るべし。