タートンから、川をボートで下ってチェンライへ


かれこれ1990年から始まって3回目のタイ。いずれもバンコクは早足でふっとばし、常にチェンマイ及びその以北を目指す旅をしてきたのだが、今回はチェンライあたりでバイクを借りてゴールデントライアングルといわれたエリアを走ってみることにした。バイク借りたのも2回目だけど、今回は高校の時の先輩であるIさんと二人、つまりは野郎二人の情けない旅でした。(注:これもちょっと古い情報ですみません。1996年冬のネタです)

バンコクからチェンマイまでは省略。ごく当たり前の交通機関でしたので。で、タートンまではいわゆるローカルバスで移動。チェンマイからは4時間かかったので、さすがに乗り飽きた。尻の痛さとシートピッチの狭さに耐えつつなんとか辿り着いたタートンは、コック川に面した小さな田舎町といった風情でなかなか居心地の良いところだ。宿は中級ホテルからゲストハウスまでいくつかあり、今回は奮発して一泊B200の「Thaton Garden Riverside」に泊まることに。しかし驚いた。確かにお値段はそこそこお高いが、独立したシャレー形式の建物はまだ新しくてきれい。庭もきれいだし、川に面したところにはちゃんと椅子とテーブルも備え付けられている。ホントにこの値段でいいの?と思ってしまう。バンコクあたりのいわゆる「中級ホテル」とやらに爪の垢でも煎じて飲ませたいような感じだ。コストパフォーマンスは最高で、気分は完全にリゾートである。ここはお買い得だった!ちなみにこの宿の食堂、夕飯に食ったトムヤムプラー(珍しく透明なすまし汁風)は劇的にホットで、I先輩はその辛さゆえしばらく失語症にかかってしまった。

その後はぶらぶら町を散歩して過ごす。何といってもチェンライへのボートは一日一本。我々がこの町に着いたときはもう出てしまった後だったのだから、何といっても明日の正午までは暇なのだ。橋のたもとのGHのおばちゃんは、我々が着いたときに「うち泊まんなよ」と誘ってくれたが、水シャワー(いくらタイとはいえ、この時期このあたりで水しか使えないのは切ないものがある、との意見でIさんと衆議一決していた)の問題もあってやめたのだった。でもとっても親切だったので(おすすめの宿を紹介してくれたりした)、そこでとにかく遅い昼飯+ビールを飲むことに。1990に来た頃はどこ行ってもビア・シン(シンハ)ばっかりだったのに、それから6年ほどの間に、こんな田舎町でも(失礼!)ビア・クロスターが飲めるようになるとは驚きだ(別にビア・シンが嫌いなわけじゃないので念のため)。そのあとは丘のWat Thaton に登り、それなりの展望を満喫(?)する。あ、でもきれいですよ。他に大して見るものがないっていえばそれまでだけれど、おすすめです。

翌日はのんびりと目覚め(ただし夜中に猫の喧嘩でうるさかったが)、川沿いのテーブルでコーヒーを飲みながら優雅にひなたぼっこに興じる。数日前まで日本であたふたしていたのが嘘のような至福の時間。朝飯はまたもや昨日のおばちゃんのところで食べるが、こちらはメインストリート沿いゆえ、アカ族の民芸品売りおばさんが時々近寄ってくるのがちょっとうっとおしいなあと思っていたら、先輩はなにやら腕に巻くお守りらしきものを一個購入。そうなると、こいつは商売になると見られたのか先輩の方に集団で大挙して押し寄せてきた。心の中で「さてIさん、どうするのかな」せせら笑うTakemaであった。
時計も11:00をまわった頃、船着き場へ。さて、どんな船で行くのかと思いきやタイあたりでは頻繁に見られる細長ボート。でもお客は30人ちょいくらいいるわけで、3隻出たとはいえ、荷物とともにすし詰め状態。ということはそれだけ重いわけで、走行中はかなりのところまで水に沈みながら進む。ま、経験的に大丈夫なんだろうけれど、こうやって写真だけ見ると何だかおっとろしいね。

ちなみに船はタートンからちょっと行ったところのポリスチェックポイントで簡単な休憩?を取るとき以外はとにかく一気にチェンライまで行ってしまいます。出発前にビールなんか飲んだりするとひどい目にあいますのでご注意を。あ、そりゃ自分か。

川沿いの風景は集落と畑と森とが交互に、感じはなかなかいいです。ただ、風を切って走る関係上、結構涼しいです。最初はTシャツ一枚で乗り込みましたがすぐめげた。チェックポイントの休憩で薄手のトレーナー着込んでちょうどいいって感じでした。
時々現れる浅瀬では、船のゆれなどもあって波がイレギュラーで襲ってくることがあるので要注意。とはいっても服がちょっと濡れる程度だし、乗車人員によっては全く問題なしってこともあるのでしょうが。

でもまあ、なかなか出来ない体験ですので、チェンマイとチェンライの往復のどちらかはこれで行くのもオツじゃないかと思います。料金も確か当時B180くらいじゃなかったかと思います(あのあとバブルがはじけたから今はもっと高いかも。でもその分バーツが安くなったから結局おんなじか)。利用者は白人が大半で、東洋系の旅行者は自分たちだけだった。やはり日程に余裕がなきゃなかなか来られないしなあ。

で、チェンライの船着き場からはてくてくと歩いて市内へ。時にはゲストハウスの呼び込みもいるようなので、歩くのがいやなら宿の場所を確認した上で送ってもらうのも一つの手ではあります。

さて、この日は宿探しで失敗し、てくてくと歩いているうちに夕方になっちゃいました。仕方なく、あまり気乗りはしなかったものの、その頃の「地球の歩き方」にものっていたMae Kok Villa へ。そこでバイクレンタルも頼んだのですが、宿・バイクともに失敗。宿はどうも愛想がなく、しかも高い(一人B100)。で、シャワーは水のみ。バイクに至っては、「ホンダドリームじゃない、オフロード用のやつを」と念を押し、「OK」のはずだったのに、現れたのは結局2台のドリーム。しかもそのうち一台は、プレートはついてないわ、エンジンはかからないわの劣悪コンディション。おまけに「プレート付いてないとつかまるから気をつけて走れ」だと!ふざけんな!結局一台だけ借り、そのバイクに二人乗りしてましな宿&ましなレンタバイクをさがしに行くことにした。

まずは以前に泊まったこともあり、レンタバイクも扱っていた「Lek House」へ。前回の時は何だかやたら寒い思い出ばかりだったので、あえて船着き場で呼び込みされたときも「ああ、Lek Houseか。パスしよ。」と無視してしまったゲストハウスなのですが、行ってみてびっくり。宿そのものは変わってませんでしたが、レンタバイクが充実してる。以下にそのリストを。

ドリーム・MTX125・DT125・DT200・バハ250・CRM250・KLX。ついでにスズキジムニー1日B800なんてのまであった。

これなら文句ない。おまけによくよく聞いてみたら、ここ、B80でルームホットシャワー付きだと!さらに、以前練馬の焼肉屋で3年間働いていたというおっちゃんが宿の従業員やってる(もしかしたら経営者か?)というおまけまでついた。ああ、失敗した!最初からここにするんだった!

ということで、翌日の朝ここにバイクを借りに来る約束をして、明日以降の件は一件落着。安らかな気持ちになってメンラーイ王の広場周辺の食堂で、今宵も辛々うまうまの夕食に舌鼓をうつことの出来た我々なのでありました。

さて、明日はいよいよバイク。ドイメーサロン経由でメーサイへ!
まさかコケることになるとは・・

 借りた、走った、コケた!(いざバイクで走り出そう!) 

 象の村までオフバイクで行こう(タイ旅行スタートページ)!