(NZワーホリその8)  

NZ南島のトランピング(その2) NELSON LAKES N.P.

ST.ARNAUD →(2h) COLDWATER HUT →(5h) JOHN TAIT HUT (3.5h)→ UPPER TRAVERS HUT →(8h) SABINE HUT → (5h)ANGELUS HUT →(via ROBERT RIDGE,6h) → ST.ARNAUD (6 DAYS)

この頃はNZのトランピングも随分紹介されていて、Abel Tasmanなども結構知られており、いつの間にか予約必須のトラックになってしまったようですが、このN.P.を訪れる人の数はまだまだ圧倒的に少ないようです。Takema が行った頃は(1989-90)、ちょうど年末年始のハイシーズンだったにもかかわらず人は少なかったですから、今でもひそかなな穴場なのかも知れません。場所は南島北部、Abel Tasmanの真南にあたる内陸部です。

ここの全体的な雰囲気は、ちょうど人のいない北アルプスのような感じ。Abel Tasmanのような海沿いトラックじゃ物足りないなぁという方にはおすすめです。道はしっかりとついていますし、一般ルートを歩く限り岩場などもありません(稜線上に多少岩がゴロゴロしてるけれど)。なお、小屋は全て無人ですから寝袋・自炊用具などは全て持参を。(あ、Angelus Hut だけは有人だったかも)。もっと渋く行きたいのならやはりテントがおすすめ。重いけどね。

ルート的には Travers Saddle を越えていく大回りルートと、Coldwater Hut の先からすぐAngelus Hut に上がってしまう小回りルートの二つがありますが(これだと3日で行ける)、できれば是非大回りを。Upper Travers Hut のあたりの雰囲気は最高です。Saddle からの眺めもいいし。ただし、天気が荒れると稜線上ではルートファインディングに苦労するとは思います。マーキング等はほとんどありません。

ここは二日目の宿となったJohn Tait Hut。小屋&テントサイトのすぐ横(写真の左側)には清流が流れ、何だか槍沢を遡っているような気にさせられますよ。そうなると、ここは槍沢ロッジ付近の位置ということになるのでしょうか。なお、この時はロッドを持っていきませんでしたが釣り(トラウト)も出来ます。もっとも釣りが目的の際は入山前に公園事務所で入漁料のお支払いを忘れずに。

この日の宿泊客は、小屋二人、テント(自分)一人でした。標高約800m。とはいっても夜はきっちり冷え込みます。ここに限らず、NZの夏は太陽次第。日差しがないと結構涼しいことをお忘れなく。ついでにいえば、NZはテントの持ち込みに対して非常に神経質な国です。入国カードにも「あんたテント持ってない?」と書かれてます。土壌汚染を心配しているのでしょう。この写真のテントは現地で購入したもの(韓国製)なので問題ありませんでしたが、この数年後、再びNZを訪ねたときは、入国カードの持ち込みテントの欄の脇に「Washed」と書いておいたらすんなり通してくれました。でも、別室でテントのチェックを受けたという人もいましたから、テント持ち込みの際はきちんと洗っておくことが必要です。


NZのトランピングで絶対忘れてはならないのが防虫対策。サンドフライというショウジョウバエくらいの虫(蚊ではなくアブの一種)がほんとにものすごくたくさんいます。街中にはまずほとんどいませんが、山など入ろうものならもう大変。防虫スプレーを持っていくのも一つの手ですが、小さなスプレーだとすぐになくなってしまいます(奴らを甘く見るとホントに悲惨な目に遭いますぞ)。そこで、現地のファーマシー(薬局)でもどこでもいいですから、虫よけのローションを買っておくことをおすすめします。写真の右のやつですが、これ、強力です。なお、経験上、奴らは黒いものを好むようです。となると、日本人は不利。まさか髪の毛にローション塗るわけにも行かないし(takema は一二度やりましたが)、これを機会に茶髪や金髪にするという気にもならないし。なお、その場合も生え際が黒では意味がない。というわけで、野球帽的な、目の詰まった帽子の着用をおすすめ。頭皮をかまれるととにかくかゆい!頭をかさぶただらけにしたくなかったらお忘れなく。なお、写真には蚊取り線香も写ってますが、サンドフライには全くといっていいほど効かなかったはずです(テントの中で苦しさに耐えること数分にしてやっとやつらの動きが鈍くなる程度)。


Upper Travers Hut からTravers峠までは標高差約500m。峠及び少し下ったあたりからの展望は晴れていれば最高です。逆に、天気が悪いと迷いやすいので行動しない方が無難。同じことはSabine Hut からAngelus Hutのルートにも言えます。この山域に限らずNZの山歩きでは、森林限界(大体1300m付近)を抜けるととたんにルートが曖昧になるのでご注意を。日本みたいにペイントがあるわけもありません。

幸い、こいつが行ったときは全行程を通していい天気でしたので悲惨な思いはしないで済みました。Saddleからの眺めは抜群。イメージ的には、ルートバーントラックをちょっと大きくしたような感じです。確かに氷河を抱いた山こそないけれど、深い山並みと谷の大きさはどう見てもこっちが上です。


Angelus Hut は山上湖のほとりにある、とても気持ちのいいところです。日程が取れない人もここはおすすめ。テントはちょうどこの写真を撮っているあたりに適当に張ります。水は確かこの湖からとった記憶がありますが、それが正しい水場だったのかどうかは今となってはわかりません。でも、腹をこわすこともなかったし、何よりも「この水は飲める!」と直感できるようなきれいな水でした。この日は1990年の元旦。なのにご覧のようにがらがら。とはいってもこのルートの全宿泊地の中では一番込んでましたが、それでも小屋泊まりの人をあわせて20人くらいだったかなあ(ちなみにこの前日は一日を通して誰にも会わなかった)。

静かな山塊でいい気分を満喫した Takema は、ここから一路東海岸を南下し、サザンアルプス最大の峠であるARRTHUR'S PASS を目指します。そこでのお楽しみは?苦しみは?

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