NZ南島のトランピング(その3) Arthur's Pass N.P.

(NZワーホリその9)
** このルート踏破には根性が必要。けっして前項Nelson Lakesのようにはいきませんので念のため **

Arthur's Pass town(車) → Klondyke Corner → (via Waimakariri Riverbed, 6h) → Carrington Hut →(3h) Waimak Falls Hut → Waimakariri Col → Otira(ここまで10h)(ヒッチで) → Arthur's Pass town (3 days)

このルートは本当に人が少ないです。天気も悪かったし、大体ルート自体が不明瞭この上なし。なかなかしんどかったぁ。ワイマカリリ川にかかる国道の橋からいきなり歩き出す、メイン峠(Waimakariri Col)越えルートを選んだのですが、腰までの深い渡渉(川渡り)が数度、ルートファインディングに悩むこと数度、フル装備での峠の岩場下りあり。降りてきてからは通る車も少ない道(時間)でのヒッチハイク必須。行かれるのなら町から直接行ける別のルートの方がいいかも。逆にひねくれ者というか技術と根性のある篤志家にはお勧めコースといえるかも知れません。

 
何といってもカンタベリー平野を作った Waimakariri 川の水源を目指すルート。とにかく渡渉になれていない人は絶対行くべきではありません。重いザックを担いでの単独渡渉(腰あたりまで)は神経・肉体ともにへとへとになります。1回や2回ではありませんし。

Carrington Hut は結構大きな、居心地のいい小屋だった記憶があるのですが、もうその日は疲れ切っていましたので写真はなし。右上でへたり込んでいる写真は翌日、渡渉連続地帯がやっと終わり、両岸が迫ってきた中流域あたりでの写真です(Carrington Hut の上部)。しかしこのあと、滝脇の滑る草付き登りが待っていました・・・


この渓谷沿いの草付を超えないと今日の宿にはたどり着けない‥。
でも、この草付が雨でまた滑るし引っこ抜けるしで大変。


そして辿り着いた2日目の宿(Waimak Falls Hut)は何とも小さな小屋でした。もちろん泊まりは自分だけ。小屋に入ってからも、時折どしゃ降りの雨がおそってくるので何だか落ち着けぬままでした。そして何よりも不安だったのは、 この小屋から上にはほとんどトレースらしきものがない ことでした。奥に見える雪渓方面に行くことは確かなのですが、明日もガスがとれなかったら非常に迷いそうでいやです。まぁ地図とにらめっこしながら行くしかありません。

この夜は非常に寒く、小屋の中をすきま風が駆け抜けていきます。ただ、手持ちのガソリンの余裕があまりなさそうだったので、とにかく耐えました。寝袋がダウンだっ たのでよかった。


翌日。雨は何とかやんでますが、ガスはついたままです。小屋からかなり上部に上がったところで、いよいよルートがわからなくなりました。本流沿いに行きたいのはやまやまですが、今にも崩れそうなガレの堆積で行けそうにありません。かといって、手近な所に高巻きルートもない。大回りすると本流に戻れなくなる・・・左の写真は、ザックをおいてルート偵察に行ったはいいものの、手がかりなく戻ってくるTakemaをとったヤラセ写真です(セルフタイマー)。ここで30分位止まってたなあ。

結局、本流を強行突破することに。こわかったあ。ちなみに当時のTakemaの山歴は12年。とはいってもやはり尾根歩きが主でしたし、日本の山には何かしら目印がついていることがほとんどなので、「いけそうなところを探す」という、こんな真剣なルートファインディングは久々でした。


運良くガスもとれ、やっとの思いでコルに到着。やれやれ・・とおもうもつかの間、峠の反対側はスパッと切れ落ちているではありませんか。これまた大変なことになってます。しかも当然ルートらしきものは見つからず。ただ、岩の割れ目に古い缶が落ちてましたから、ルート的に間違ってはいないようです。意を決して、岩の割れ目を下ることにします。写真の背景にある景色と同じような感じの所です。しかし、しばらくへづり降りていくと、だいぶ歩きいいルンゼ状の所に出ました。どうやら正しいルートだったようです。ラッキー!


一段下まで降りてしまえばほっとします。


かなり下ってきて、これでもうコルも見納めだなというところで一休み。
中央奥がコル。うっひゃ、あんな壁を下って来たのね。もっとも
見た感じよりも手がかり足がかりはあったっけ。

 しかしそのあと、何度ものルートファインディング&高巻き、そして長い長〜い下りが待っていようとは・・ へとへとになって辿り着いた国道では、自分の車まで戻るためのヒッチすらする気力がしばらく起きませんでした。ちなみに Waimak Falls Hut からコル経由で国道(Westland 側)までは10時間。複数での行動ではもっとかかるかも知れません。
すっかりしおたれた Arthur's Pass。このあとはフランツジョセフなどの氷河見物なんかで体力・気力を復活させ、Routeburn〜Caple Track のハシゴをします。はーっ、しかしこの山越えはくたびれたーっ。続けてご覧下さい

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