さて、Danum Valleyから一気にSandakanへ移動。さすがメインロードゆえ舗装された片側一車線の国道だが、なぜか所々に大穴あり。さらに道路工事箇所もいくつか。さては雨期ももう終わりだから、来るべき乾期に向けまとめて工事を始めたというところか。それにしても、バイクで走ったら気持ちいいだろうなあ。両サイドはパーム椰子のプランテーション。その夜はSandakan Hotelに泊まるが、高い(RM110/Twin)だけであまりいいとは思えなかったな。やっぱLondon Hotelのほうが庶民的で良かったよ。

翌朝はしっかり時間を勘違いし、Jettyに向かうためのピックアップ時間にようやく市場(朝食のため)から戻ってきたところ。あたふた準備しての出発だ。ちくしょ〜シャワー浴びそびれた。で、Jettyへの道だが3年前と全然違う。おいおいこの前は街からちょいと行ったところの漁港みたいな所から出たじゃないのさ、しかし今回は何だか内陸のパーム椰子農園のど真ん中を突っ切っていく。どうしたんだおいおい、と思いつつも、たまたま実の収穫をしていた所で車を停めてもらう。

 

このパーム椰子、たとえば日本では「天然の椰子の実洗剤っ!」とかで某大手企業がよく宣伝をしている原材料にもなるし、その他化粧品など色々の原料になるらしい。コレステロール値も低く色々な意味でもてはやされるいいことずくめの材料とも言えるらしい。ただ、その結果植生が単一化したり土壌がやせてしまったり、そして何よりも土着の動植物が追い出されてしまっているのではあるが(事実、新しく開墾された地域からはオランウータンが「救出」されたりするらしい)。

なお、広大なプランテーションの所有者は当然マレーシア人ではあるが、そこで働く人々の多くはインドネシア人(カリマンタン側から移動してくるのか)。たぶん上の写真の彼らもそうで、椰子の林の中にはトラクターが入れないため、熟したパームの実の運搬はもっぱら水牛の仕事になるのだという(写真左、一仕事を終えてくつろぐ水牛)。そして道ばたからトラックに積み上げ、製油工場(Sandakanの南近郊にある)へと運ばれるわけである。

 

これ(左)が収穫されたパーム椰子の実のアップ。
プランテーションの道路沿いには搬出を待つ実の山が点在していた。

こんな見物をしながら、まだあまり整備されているとは言い難い道をJettyへ(ここまでの道は整備が始まっていたから、数年後は全く違った快適なものになることでしょう)。さて、Jettyそのものの場所がマングローブ生い茂る入り江の一番奥に変更されておりました(写真右)。おいおい、なんだかディズニーランドの探検ツアーみたいになってきたなぁ。水面には大トカゲがぽっかり顔を出していたりするし。しかしまぁ熱帯雨林の汽水域から出発というのはいかにもいい雰囲気ではある。かつてのように、ウミガメの産卵見学というエコツアーの出発点がビニール袋やらゴミやらがプカプカ浮かぶ薄汚れた港というのではちとイメージが悪いということなのでしょうか。でも、あれはあれで現地の現実をよく表していたんだけれどなぁ。

 

そして3年前と同じようにこのような船でセリンガン島へ向かう。
今回は天気も良く波もなし。快適な約2hのクルージングでした。

さて、途中ランチのために別の島に立ち寄る。あれ、前回も同じパターンだったのに島の名前をまたど忘れしてしまったm(_ _)m。ま、ともかくビーチリゾート系のこの島にてランチ後、海辺を散歩することに。水はとっても綺麗だ。泊まり客もほとんどいないようで何とも心地よい。でもここにはウミガメは決して上陸しない。人が住み、卵を掘り返す犬がいて、さらに人のともす灯りがあるからだ。

 

途中の島はこんな感じ。おしんこどんは昨日ジャングルでヒルに食われたことを
忘れたかのように、しっかりリゾート服に着替えていらっしゃる(笑)。

さて、残念ながらというか当然というか、セリンガン島でのカメの写真は一切ございません(撮影禁止のため。あ、こちらのページにもセリンガン島の記述がありますのでご覧下さい)。今回は夜20:30をまわってもなかなかお目当てのカメさんがお越しにならんかった。「来たっ!」というので行ってみたら卵11個産んで終わったところ。その後は延々の待ち時間となる。他のほとんどのお客さんが諦めて部屋に戻った22:30過ぎ(自分としては、わざわざここまで来たのにさっさと寝てしまうのももったいない話だと思うのだけれど)、2匹目のカメさん(Green Turtle)登場。70数個の卵の産卵に立ち会ったお客はたった5人。ゆっくり耐えた人たちだけがじっくりと産卵に立ち会えたのでした。で、結局この夜は全部で12匹のカメが上陸、産卵。やっぱりすごいなぁ。

 

なお、ここセリンガン島ではシュノーケリングも楽しめます。浜辺からすぐのあたりでは残念ながら死に絶えた珊瑚しか見あたらず、こんな所でシュノーケルつけたって面白くも何ともなさそうに思えるのですが、さにあらず、20mほど沖に出ると、珊瑚を取り巻く色とりどりの魚たちの姿を見ることが出来ます。レンタル料金も格安なので是非お試しを。

実はTakema、シュノーケリングって生まれて初めての経験だったんですね。最初は「なんじゃこれ!息できるじゃん!とまずコーフンし、次に「こ、この足ヒレ(フィンとかいうこざかしい名前は連想できず)つけるとすんごいスピード出るじゃあないのさっ!」とたまげ、さらに「うはぁっ、こ、こんなに魚が、ま、間近に!こんなの「生き物地球紀行」とかの世界でしか見られないもんだと思ってたぞっ!」とのけぞる始末。途中休憩で浜に上がり、息を切らしながら「栄光富士 大吟醸」をプハァっ、ついでに日本の誇る世界の逸品セブンスターをスパァっ。こりゃええぞええぞ、あ〜来て良かった、よっしゃもう一回もぐってくるか、こりゃ自分も山男のみならず「海の男Takema」を襲名してやってもいいな、などと不敵な思いに心を躍らせていたわけですね。

そして再度の入水。でも、しばらくして何だか気分が悪くなってきた。「うっこりゃいかんかもしれん」と早々に浜に上がるが気持ち悪さは取れず。どうやら初チャレンジでコーフンしたあげく過呼吸みたいな感じになってしまったらしい。う〜気持ち悪いなどと思いつつちょっとだけお酒飲んだらさらに気持ち悪さが倍加した(自爆)。多少ましになってきたところで「そーいえばおしんこどんは…」と思ってあたりの海を見渡すがそれらしき姿はない。さては海流にでも流されたかっ!‥と、しばらく心配していたら、かなりの沖合にて楽しそうにばしゃばしゃやっているのが見えた。あ〜良かった。

雨期ゆえ雲の多い夕方ではあったが、それでも夕焼けは何とか苦し紛れ系に見えた。さぁ、このあとはいよいよ11年ぶりのキナバル登山じゃ。懐かしいのぅ。というようなノスタルジーにひたるどころではなかったのであった。どうぞお次をご覧下さいな。あ、その前にSepilokのオランウータン写真集があった。というわけでとにかく次見てね。