(なお、こちらにも同じ場所に関する記述がありますので念のため)


ここSepilokは、Sandakan近郊にあるオランウータンの保護区だ。生活環境の変化によってテリトリーを追われたり、また闇の売買などから辛うじて保護された子供のオランウータンを中心に、動物園として「飼う」のではなく、自然に戻す=「生きる」ための訓練の場所として設けられているのがここであり、実際、Danum Valley周辺などにも、プログラムを終えて野に戻された個体がいくつか生息しているということだ。

ここのオランウータンは基本的に森の中で自由に生活しており、午前と午後の2回、プラットフォームと呼ばれる食事場で食べ物(バナナとミルク)が配られるのだが、ここに来るも来ないも(自分で餌を調達しているならば)自由である。そして、おそらくはプラットフォームに来なくなることこそが別の場所に帰させる上での一定の目安になるのだろう。観光客は自分の目でオランウータンを見たいがためにここにやってくるのだが(入場料:RM10)、保護する立場からは見られないほうが成功に近いのだから皮肉といえば皮肉な話だ。

 

いよっとばかりに片手を放してポーズをとったかと思えば、今度は手足を思いっきり伸ばしての
アクロバット。でも、保護された当初は木につかまれない個体もいるそうな。
このポーズとて訓練のたまものなのである。


 

と思ったら、木にしがみついていた一匹が「邪魔すんなよ」とばかりに怒ったらしい。
すぐ隣の木の上では「な〜にやってんだよお前ら」とばかりに
超然とした顔でくつろぐ別の個体。




あれ、超然じゃなくって、ただ眠かっただけなのか?のんびり大あくび。
結局彼(彼女?)はプラットフォームになかなか降りて来ず、
まさに高みの見物モードであったのだ。


 

さっきまで仲間割れしていた?お二人もすっかり仲直り、おお、それはまさに「ウッキーポーズ」!
全く別の木の上では、バナナの食事の後で木の葉をむさぼり食べるやつもいた。
彼もまた、自然に戻る次のステップに近づいたのだろうか。

そんなわけで、この後はSandakanからコタキナバルに戻りキナバル登山へ。何たって今回ボルネオ滞在期間は足かけ8日間しかないのだ。フリーで計画を立てたとはいえ、パックツアーもびっくりの強行軍なのだ。せめてどこかで1日くらい連泊したかったなあ(笑&後悔)。