いよいよMag"m"aに乗るぞ!



アンコールトムでバイクを停めて記念撮影。みんなが振り向く優越感 !?


さて、翌日は朝からいよいよマグマライダーなのだ。ハンドルがほんの少し曲がっているので、前輪を股にはさんで補正しようと思ったのだが、気になるほどじゃなし、変に戻してオーナーに文句言われても面倒なのでそのままで発進。で、まずはガソリンスタンドに。

さて、カンボジアにしては(?)妙に立派なガソリンスタンド。でも、これまでに車窓から眺めていて不思議に思っていたのが、どこのスタンドでも前の方にある、ペットボトルの並べられた屋台のようなもの。「たぶん飲み物系の屋台が寄生してるんだろうなあ」と思っていたがさにあらず。実は、そのペットボトルの中に入っているのはガソリン。バイクの給油はいちいちポンプを使うのではなく、このペットボトルを使って行うわけですね。この写真、女の子の手のほうを見ると赤と緑のペットボトルが逆さまになっているのがわかると思いますが、ただ今給油の真っ最中。ゴボッゴボッという豪快な(?)音と共にガソリンがタンクの中に吸い込まれていきます。ただ一つ気になるのは、「入れ物はもともと飲料水系の容器だし、中身がガソリンとなると、容器のいろんな成分とかが溶け出たりしないのかなあ」ということ。まあ専用容器であるわけでもないし、たぶん溶けだしていることでしょう。エンジンに悪影響は…あるだろうなあ。

さて、いよいよ二人乗りの125ccマグマは軽快に走り出す。整備はかなりきちんと行われているようで、エンジン系は全く問題なし。ただしチェーンはもうそろそろ限界って感じで、希少車だけに交換も高くつくのかもしれないななどといらぬ心配をしながら走る。

アンコールワットを通り過ぎ、さわやかな風を体に受けながらバイクを走らせる。「これだよこれ!これをしにここまで来たんだよーっ!」と叫びながら走る。後ろに乗っているRen君(上の写真で女の子と一緒に写っているのが彼。バイクの仲介人兼結果的にガイドとなっていた)は「What??」と聞いてくるが、彼には「Excellent!」と答えただけで、しばらくの間「サイコー!」とか「こうでなくっちゃ!」などとわめき続けていた。

さて、これから向かうアンコールトム、左の写真でもおわかりの通り、巨大な人面がポイントの遺跡で、造営されたのはアンコールワットよりも少し前。この巨大な門の下をバイクでくぐり抜けていいというのだからなんともおおらかである。ツアー客を乗せたマイクロバスも何台か通過していくが、やはり自分の(?)バイクで走る喜びは何ものにもかえがたいものなのだ。

さて、そのアンコールトム遺跡(バイヨン)の画像については

      こちら
からどうぞ。

これまた重いので、ちょっとガマンして下さいな。

さて、このあたりにはいくつもの遺跡が歩いていける距離に散在しているので、その中でも近くに位置するピミアナカス寺院とやらに行くことに。遺跡のほとんどは見るだけでなく登ることも全く可能であるので、ここのてっぺんまで登ってみることにした。しかし、これらの遺跡はもともと宗教の象徴的な建築であるので、登りにくいことおびただしい。すなわちエラク急なのである。真正面からではその急斜度がわからないので、あえて斜めから撮ってみた。

 

その写真がこれ(左の写真)。この傾斜、登るのはまだしも降りるのには相当の緊張が必要だ。もっとも、さすがに僧侶や王が登ることを考えてか、四方のうち一つは多少ゆるめの傾斜で作られているので、そこを登ればまあ普通の人でも何とか(楽々という意味ではない)登ることができる。

さて、こういうマイナーな遺跡の頂上まで登りに来るガッツある人はよほど少ないと見えて(ツアーの人たちはこんなほうまでは来ない)、頂上ではしばし日ざしを浴びながらのんびりとする。ん?誰だか人の気配がするぞ。ヤバイか?と思ってうとうとした気分を引き締めて気配のほうを向くと、そこには地元の少女が。ははぁ、物売りだなと思って、意識するでもなく無視するでもなくそれなりの対応をしていると、彼女は物陰からじっとこちらの様子をうかがっている。こう書くとなんだか緊張感あふれる雰囲気だが、実際は「思いっきり物おじしているはにかみ屋の女の子に見られている」といった感じで、その時、ふとあの名作「二十四の瞳」を思い出してしまった(笑)。


全景はこんな感じである。決して大きく壮大な建造物というわけではないのだが、逆にそのこじんまりさに好感が持てた。なんだかんだでこの上には1時間以上いたなあ。

さて、Ren君との待ち合わせ場所に戻ってみると、彼はお友達と蹴鞠(?)の真っ最中。確かに、「バイク一日チャーター」とはいっても、丸一日ずっと乗り続けるということはないわけで、自分たち観光客の遺跡見物中は彼らにとっての休憩時間なのだ。

彼らが遊ぶ姿を見ながら、近くの屋台というかお店でセブンアップを飲む。何だか随分懐かしい味だ。と同時に、なんだかここがカンボジアの地ではなく、数十年前の日本のような気分にさせられたりもした。