ちょっと強行?至仏山登山と県道水上片品線


「至仏山」っていう山は、山登らない人にはあんまりピンとこないと思いますが、いわゆる「尾瀬ヶ原」のすぐ西端にある標高2228mの立派な山です。もちろんロープウェーが架かっているわけでもないので、鳩待峠から往復するにしても4時間はかかります(普通の人が普通に歩いたらもっとかかると思う)。で、千葉に住むTakemaが日帰りで行って来るにはちと遠いはずなのですが、ぽっかりとあいた日曜日に、ついつい行ってきました。しかもバイクで。

TakemaのHPに立ち寄って下さる方はライダーの方も多いようなのですが、この山の登山口である鳩待峠に行くときは、日頃のうっぷんを晴らせた気分になれます(ちと大げさか(^_^))。それはどういうことか。実はこの峠に上がる舗装林道は「マイカー全面通行止め、タクシー及びバスのみ通行可能。ただしバイクは通行可能」なんです。「四輪はいいけれど二輪は通行禁止」という理不尽な道も多い中で、この道は何とライダー思いのことか。もっとも、道自体は特に何ということもないんですけれどね。それを知っていたTakemaは「いつかは行ってやる!」と思っていたわけです。関東のライダーの皆さん、是非鳩待峠へ。ここからは尾瀬ヶ原まで1時間もかからずに着くことが出来ますので、日帰りで尾瀬ヶ原に行くということ自体は決して無理な行程ではありません





    

さて、Takemaは尾瀬ヶ原には向かわず、至仏山へと向かうのでありました。峠から頂上までは標高差も600m以上あるので、行こうと思う人はそれなりに時間がかかるし体力も使うことは覚悟して下さい。特に日帰りで行こうという人は食べ物と水は必携(峠の売店で買えないことはないですが種類も量もごく少ないため、できれば水上や鎌田のコンビニ(戸倉にはコンビニがなかったみたい)で仕入れておいた方がいいでしょう。

さて、ここからは完全に山道です。1時間ほど登ったところにある(もっとかかるかも)オヤマ沢の田代(田代=湿原)付近で初めて姿を見せる尾瀬ヶ原と燧ヶ岳などは、自分がツーリングに来ていることを忘れてしまうほどにすてきです。もっとも、ここで登りタイムの半分くらいだし、ここからは稜線も細くなるので、なんか天気があやしくなってきたと感じたときには帰りましょ。
ここから小至仏山への道は昔は巻き道があった=楽だったのですが、今は稜線上の道以外通行禁止になってしまったので、展望はいいですが見られる花(高山植物)の数は少なくなってしまったような気がします。それでも今回は梅雨の晴れ間に行ったこともあって、花々は満開でした。標高のせいもあって、北アルプスの稜線などよりも早く花が咲きます。
なお、今回咲いていた花のリスト及び画像はこちらのページでご覧下さい。画像ばかりで重いけれどね(^_^;)。


小至仏の登り下りを終えると本峰へはあと一投足。そして辿り着いた頂上では、しっかり峠で買い込んでおいた「尾瀬ラガー」をプシュッ、ングング。梅雨の晴れ間ってのは何ともいいものです。で、利根側に一段下がった大きな一枚岩の上で昼寝(また黒くなった!)。至福のひととき。何だか自分にはこういうときがないと生きていけないんじゃないかって思ってしまいます(蛇足ですが、Takemaが今勤めてる職場の敷地内にはポプラ並木があるんです。で、少し風のある日なんかは、その葉々が風にそよぐ音を聞いているだけで「ああ、いいなあ」って思ってしまうんだからけっこう単純ですね。あ、あと野生のキジも出没するんだった(^_^)。でも、このネタは職場関係の人しかわからないな(^_^;))。
さて、下りは下りでまた山越えて帰るんだから一気にというわけにはいかない。でも、きちんと歩けば1時間半ちょいあれば帰れるでしょう(自分の「きちん」というのはかなり早いような気もしますが)。季節にもよりますが、今回行ったときは樹林の中のあちらこちらからウグイスやイワツバメたちの合唱を聞きながらののんびり散策でした。樹林自体はアオモリトドマツとブナの混交林。もうちょっと下ではブナ林になります。このあたりには植林の手が一切入ってないから、とっても気分がいいです(次に書く坤六峠の道もそうです)。
さて、鳩待峠に戻り、ここからバス or タクシーで麓まで降りる人々の列を尻目に(!)CB400SF-Rに火を入れ、一気に下山。いやあ、車の通れない道を行くってのは気分のいいもんだ。とはいってもすぐに沢まで降りてしまうんだけど。ここからはもと来た道を戻らずに坤六峠を越えて、湯ノ小屋経由で水上へ出ることにする。ここもいい道なんですよ。舗装林道がいつの間にか県道に昇格したみたいだけれど、雰囲気はもちろん前のまま。峠付近の雰囲気や、水上側の渓流沿いのあたりはとてもいい感じだな。通るバイクも案外少ないし。オン派のTakemaが「舗装林道十選」なんてのを選ぶとしたら、ここは間違いなくノミネートされるな。ただし、ハイシーズン(特に紅葉時)にここを四輪で通り抜けようとすると大変。大渋滞ですよ。すれ違いが出来ないところが多い(水上側の川沿い)からね。バイクなら問題ないけれど。
今回の行程

千葉−(外環−関越道経由)−沼田IC−戸倉−鳩待峠…(至仏山往復3.5時間)…鳩待峠−坤六峠−水上IC−帰京。6:40発、18:50着。バイク走行距離は460km。充実してたけれど疲れたあ(あたり前だ)。