− Page28 (スワジランド出国) 早朝サファリのあとスワジ/南ア国境へ −
翌日は6:00起床。6:30にサファリ出発なのでそれまでに準備しなきゃというわけですが、顔を洗って服を着替えるくらいしかすることはないので余裕です。と、まだ暗い中ロッジの方が温かい紅茶とカップケーキを1個ずつ持ってきてくれました。細やかな心遣いに朝からほっと心も和みます。
が、ここで問題発生。さすがに夜明け時期はかなり冷え込んでいるので厚着必携なのですが、Takemaはうっかり風よけ用の雨具を車の中に置いてきてしまいました!フリースだけじゃ風スースーでやばいことになるな困ったなどうしようかなと思っていたら、何とおしんこどんがパーカーを二つ持参しているということで借りることに。もともと大きめなのでTakemaが着てもパツパツのキツキツというわけでもなく至極快適。あーよかった!
そんなわけで、今日も元気に行ってみましょー(皆さん厚着ですね)。
し、しかーし!この朝のサファリでも顔を見せてくれた野生動物はほんのわずか、バッファローとカバとインパラを見ただけで営業終了となってしまったのであります。運が悪いというのかもともと絶対数も多くはないということなのかはわかりませんが(たぶん後者?)、ここムカヤではサファリロッジのリゾート感覚を味わえたからまぁそれでよしということにしておきましょう。
動物園じゃないんだからこういうことだってありますわな。
ゲートを開けてロッジに戻ります。右上画像は最後部座席でバンザイのポーズを取るわれわれのシルエット。
戻ってくると、そのまま野外レストランで朝食となりました。お隣の席の中高年グループはオーストラリアからやってきたということでしたが(すかさず着ていたオーストラリアのラグビージャージを見せた)、中には足がお悪い方もおられるというのにそんなハンデを気にすることもなくこの地まで来てしまうとは、やはり白人のバイタリティを感じずにはおられません。Takemaが足を痛めたとしたら家から出ずに‥いや、ここぞとばかりに湯治に出かけるか(笑)。それも「湯治で世界一周の旅」とか(大笑)。
定番の朝食ではありますが大変美味しくいただきました。
ね、Takemaの表情もなんだか嬉しそうでしょ。
すぐ脇の広場ではズンドコ鳥が朝食の真っ最中。何を食べてるんでしょうね。かなり近づいても逃げません。
さて朝食後はいったん部屋に戻りますが、ユーガに森の朝のひとときを過ごす、というわけにはいかないのであります。駐車場に止めた車まで戻るサファリカーは9:00出発とのことで、それまでにお会計なども全部すませておかなければなりません。
あー、もうおしまいなのかと思うと名残惜しいですね。
オフィス内に掲げられたホワイトボードには、この日のランチ及びディナー客の実数が書かれていました。「Lunch=8」とありますから、8人が連泊ということであり、また「Dinner=18」ということは、差し引きすると今日新たに来るお客が10人であることがわかります。
そんなわけで荷物を荷物専用車に預けた上でサファリカーに乗り込みます。また来ることもあるのかなー、豪華じゃないけれどほのぼのした時間を過ごすことが出来ましたよ。
ではでは、さようなら!
20分少しで駐車場に到着、ここからはそれぞれ車に乗り込んでサファリカーのあとを追っていくことになるわけですが、荷物の積み卸し等々で少々時間がかかっている様子。ということで施設内をうろうろしていたら、ん?何だかかわいい鳴き声が聞こえて来るではありませんか。何だと思って見に行ってみると‥
一瞬、「もしかしてこのヒヨコは野生鳥類のヒナで、ここでは人工ふ化&繁殖を行っているのか?」というきわめて学術的な推測もしましたが、でもこれってどう見てもニワトリのヒヨコだよなー。何のために?といえばまぁ当然たまごとお肉のためなんでしょうが、なぜここで?と思ったときはたと気づきました。それは、
うーむ場所柄そういうこともあるかもしれんと思ったところで、「でも今はヒヨコだからいいとして、もっと大きくなったらここではこんなに育てられないだろうに?」という疑問も湧いてきました。結局よくわかりませんでしたがどういうことなんでしょうね?
いざ自分たちの車に乗り込んで出発すると、すぐのあたりで新しい動物発見!
ナミビアのDaan Viljoen Game Parkで1回見たきりのエランドが、1頭だけでうろうろしておりました(ナミビアでは複数頭で行動していましたが)。まだ若いのか身体そのものはあまり大きくありませんでしたが、角のねじれ具合と首下のたるみからしても間違いなさそうです。うわーこれは収穫でしたね。
そんなわけで一番外側のゲートを出たところで車列はばらばらに。というかわれわれの車はサファリカーのすぐ後ろだったので、今度は先頭を切って涸れかけた川を渡り、国道に出ました。さーてここからは一気に北部国境を目指すぞ!と、ここでここまでの動画ね。
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さてしかし、最初Manzine(マンジーニ)方面を目ざし、国道の分岐点であるHhelehhele(何と発音するのか不明。「ヘレヘレ」?「エレエレ」?)で右折したところまでは問題なかったんですが、分岐から7-8km行った先のMafutseniというところで左折するつもりが、分岐の看板を見つけられずそのままずんずんと直進してしまったわけですね。看板は‥見落としたんじゃなくて本当になかったような気がするんですが?
ま、仕方がないので東部のLukhulaまで直進し、そこで南北をつなぐ国道を経由してBorder Gateまで行くこととしました。
この国でも往来に人通りは少ないですね。あ、右上画像は路上の薪売り屋さんですが、多くの場所で人の姿を見つけることが出来ませんでした。かといって「無人販売」なるシステムが機能している国だとは思いませんから、やはり実は「この近くの木陰かどこかでひそかに待機していて、お客が来たらやおら登場」というパターンなのではないかと思われます。
さて、Takemaにとってスワジランド滞在中最大の「謎」がこの看板でした。女の人が「シー」とポーズしながら、「あなたにスワジランドのヒミツを見せてあげるわ、ちょっとだけね」と囁いて?います。800m先に何があるというのでしょう?もしかして「秘密の花園」系のいかがわしい‥いや、もしそうならこんなに大きな看板でどどーんと案内するというのも変な話だし、でもその一方で「シーッ!」というのは「うふふ、あなたと私のヒ・ミ・ツだからね、ほかのヒトに話しちゃだめよ♪」というような禁断の世界をホーフツとさせないわけでもないのであります(笑)。
Takemaは興味津々ながらも矢印の方向に右折することはなかったんですが‥観光客もそうそう通るわけではないだろうこの道の看板、うーむ何だかとーっても気になります。ご存じの方がおられたら是非ご一報を(笑)。案外行ってみてハンドクラフトショップか何かだったら、それはそれで「複雑な気持ち」にもなりそうですが(大笑)。
南北国道に出て左折し北上開始。と、ガソリンスタンドがあったのでここで給油といたしましたが、この時の「R9.55/リッター」というガソリン価格は、この旅行中で一番安かったんですな。南アフリカ共和国の経済圏に完全に組み込まれているはずなんですが‥そういえば、マンジー二方面に向かっている道で、ふとバックミラーに見えてきた路線バスが速いの何のって、すぐに「テールトゥノーズ」でしたがな(笑)。道を知らないTakemaですからすぐさま先に行ってもらいましたが、ちょっとしたら見えなくなっちゃいました。ミニバスじゃなくて普通の大型路線バスですよ、うーむスワジランド恐るべし。
話を戻して再び北上していくと、道の両側はものすごい高さのサトウキビ畑だらけとなってきました。
だってさ、道の両サイドがこんな感じなんですからね。
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ところで南アフリカのBushlandに向かう途中で見かけたんですが、たまーに道行く人が何だか皆さん「木の枝」のようなものを持っていたんですよね。行き交うトラフィックの多くはサトウキビを満載して製糖工場へ向かう大型トラック、でも積み込む際にはそんなに気を遣わずに「ま、こんなもんでしょ」と積んでいるだろうし、そもそも荷台の上にカバーを掛けているわけでもありませんでしたから、「あれはトラックから落ちたサトウキビの幹をしゃぶっているんだろうか。」と思っていたわけです。
ちなみにこの界隈の沿道には家は全く見られず、そして道路上には「ひしゃげた木の枝のような」サトウキビの幹がそこそこたくさん落ちているわけなのですよ。となれば‥
と妙に期待してしまうのは理の当然だったりするのであります(あのね厳密に言えば一応窃盗罪ですよね)。でもまぁたぶんお目こぼしというか見て見ぬふりというか、特にこの国の製糖業を握っているのは国営企業みたいですからカタいこといいっこなしでしょ?(勝手に決めつけてどうする)。
しかし、道路上に落ちているサトウキビを改めてよーく見ながら走ってみると、そのまずほとんどが「車(多車輪トラック)に踏まれてエキスを路面にまき散らしたあとのカス」なんですね。さすがに世の中甘い汁を吸おうとしてもそう簡単にはいかないという格言通りです。さてしかし、しばらく走っていくと「うふふ、ここはどうなのよ?」とまさに「甘い誘惑」を漂わせる場所があったのであります!
そこはラウンドアバウトのロータリーになっているのですが、まっすぐな道を高速で走ってくるトラックの事故防止のため、その手前にはかなり手前から路面に凹凸部が設置されています。ということは、
そう考えたTakemaは、「待ちぼうけー、ある日せっせと野良かせぎー、そこへウサギが跳んで出てー」をまさに地でいく待機行動に入ったのであります。ただしあの歌とちょっと違うのは、あの時のウサギがまさに「偶然失敗して転げてしまった」のとは違い、実はこのあたりの凹凸部付近には、古いのも新しいのも含めてかなり多くの「この場所で落下した痕跡」が残されていたのです。これは期待できるかも?
そして待つことしばし。期待通り凹凸の揺れでここを通るトラックの数台のうち1台は荷台トップの1本くらいを落としていくことがありました。しかしね、そんな時に限って後続のトラックが来ていたり(せっかくの新鮮サトウキビは目の前でタイヤに踏みつぶされます)、またはそうでなくても反対車線から一般車両が来ていたりしてなかなかどうにもなりません。ちなみに拾ったサトウキビであっても本当にお目こぼしになるのかはわかりませんし(どうせゴミになっちゃうだけなんですけれどねー)、しかも同じことを地元民がやるのはともかく見た目にも明らかな旅行者が同じことをやっていいのかどうかはわかりませんから、ここは慎重にも慎重を期すしかないのですね(「そこまでしてなぜくすねたいのか?」という質問にはお受けできませんが(大笑))。
しかし、何度かの挫折を越えて幸せな瞬間というかタイミングはいきなりやってきたのでありました。トラックが凹凸部で「落とした!」。右確認=OK、左確認=同じく車の姿なし。
そんなわけで、セコイ手順により何とか無傷の「新鮮この上ないサトウキビ幹」を手に入れたのであります(ちょっと細身でしたがゼータクはいいっこなし)!幸いなことにおしんこどん荷物の中にアーミーナイフがありましたので、まずは皮むきから始めましょう(なぜかTakemaではなくおしんこどんの持ち物というところにわれわれ夫婦の現実があったりしますが=アバウトなTakema)。
手に入れたのは細くて長いSugercane、それをおもむろに車の陰で(セコイ)削り始めます!
かぶりつきモード完成!そんなわけでお茶目にかぶりつくTakema44歳(苦笑)。
ちなみに甘いアマーイ核心部はこれです。おしんこどんもかぶりチューチューです。
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さてそんな厳しいミッションをクリアしたあとはいよいよ国境へ向かうのであります。しかしこの界隈には温暖な気候を利用してオレンジの果樹園もあるのですが、道路との境界には柵もないし、人もだーれもいませんし(それこそひそかに誰かが見張っていたのかも知れませんが)、でもねー、
ま、それはともかくとしてとにかく国境へ。スワジランド側のイミグレでは何の問題もなくスタンプポンでおしまいでした。で、車を移動させて今度は南アフリカ側のイミグレへ。ここでも相変わらず無言のままスタンプポン!あー簡単でいいわと思いながら車に戻り、トイレに行ったおしんこどんを待っていたら‥Takemaに忍び寄る影2つ(笑)。ボーダーポリスいわく、
あーあ、またですかぁ(大苦笑)。しかしそんなわれわれの横を同じ国境越えの客がずんずんずんとノーチェックで通過していったではありませんか!どうやらこのチェックそのものはピンポイントで行われているようで、われわれはその数少ないターゲットというか餌食になってしまったようなのです。別に挙動不審な行動を取っていたわけではないんだけれどなー(笑)。
ま、滅多に通らない東洋人だからただでさえ目立ってしまうわけで、向こうからすれば「ちょっと変わった奴らが来たぞ、そんじゃ一仕事すっか」というような感じだったのかも知れませんということにしておきましょう。
ちなみにここでのチェックは南ア/レソトのボーダーほど厳しくはありませんでした。あちらでは全ての中身を全部出して確認しながら質問されましたが、こちらはバックパックの中身を出していくうちに「OK」が出たりして、多少緩い感じです。なお国情が乱れている国などではこんな時に賄賂を要求されたりするようですが(わたしはまだ一度も体験していません)、さすがここは「アフリカの先進国」、そのような気配は微塵もありません。そういう点では安心です。
ところでチェックが終わりかけた頃、ポリスの1人がこんな質問をしてきました。
ど、ど、どきっ!(笑)。わたしは高給取りというわけではありませんが、こうしてアフリカまで遊びに来られるくらいの給料はもらっています(それに実家は2世帯住宅なので家賃負担もないし)。南アフリカの公務員の平均月収がいくらくらいなのかはわかりませんが、まず間違いなくそう高いものではないでしょう。というわけで「ここは日本人としては少なめに言った方がよさそうだ」という結論にすぐたどり着きました。そこで、
(ちなみに当時のレートは1R=13.1円)
と答えたところ、2人とも顔を見合わせていました。やはり‥。お仕事大変でしょうが、頑張って下さいね。
ちなみにさっき調べたところ、南アフリカの国民所得は一人あたりUS$5390/年。貧富の差が激しいので平均値を出してもあまり意味がないようにも思えますが、数年前には公務員が給料値上げのストライキをやったぐらいですから、賃金は決して高くはなさそうです。さらに南アフリカでは警察官の給料は地方公務員より2割低いのだとか。うーむ‥。
国境最後のゲート(車両の確認ゲート)では、係員の黒人女性に「何でこんな国(スワジランドのこと)に行ってたのよ!何にもないし意味ないわよ!」というようなことを早口でまくし立てられてびっくり。最初は「この人何で怒っているんだ?何か手続きに不備でもあったかな?」と不安になりました。が、何だかねぇ‥。この国が本当の意味での「先進国」になるまでにはまだしばらくかかりそうです。
とにかく国境を越えて再び南アフリカ共和国へ戻ってきました。ここから数十km行ったところに再びゲートがあります。が、そこは物々しさは全くなく、にこやかな笑顔の応対があったのであります。それはクルーガー国立公園の入口ゲート!いざ行かん!
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