− Page29 キリンとゾウに大接近できて大満足&Pretoriuskopでミニ宴会 −
いきなりしょっぱなからこれですからねー驚いた。
かくしてわれわれが到着したのはクルーガー国立公園最南端部の「Malelane Gate」。ちなみにこの公園、面積的にはイスラエルよりやや広くほぼ四国と同じ大きさだというのですから、全部をぐるりと回るのにはかなりの時間(とお金)がかかります。
橋の手前で簡単に宿泊予約の確認を受けた上で川を渡っていくわけですが、ここはまだ降車自由エリアということらしく(公園内では許可された場所(各キャンプおよびごく僅かな下車許可地=長い橋の上などを除き車から降りることは禁止されています)人々が橋の上を歩き回っています。何かいるのかなーと思って車から降り、橋の下をのぞき込んでみると‥
左上画像、砂だらけの中州の島をよーっく見ると、1頭がお昼寝しているのが見えるんですが‥よく見えない人はマウスオンして下さい。ここだけで3頭くつろいでいます。それを拡大したのが中央画像です(これもマウスオンで画像が変わります)。そして対岸には野良ウシ、じゃなくてヌーだかバッファローがこれまたくつろいでいたりしまして、うーむのっけからいきなり野生の王国じゃないですか!(ちなみにクロコダイルはこのほかにも水中にたくさんいました。この川の渡渉だけは絶対に勘弁してほしいぞ。後で知ったことでしたが、この川の名前は「Crocodile River」‥って、そのままだって(笑))。
そんなわけで最初から気分よくメインゲートへ。
ここがメインゲート。植え込みにはきれいな花が咲いていましたが何という花だろう?(右上マウスオンで拡大)。
レセプションでこの日の宿泊バウチャーを提示し、入場客用のフォーム(カウンターに置いてある)を記入して提出すると、さすが南ア、コンピューターでデータベースと照合してます。ついでに有料の「Visitor's Guide(R25)」を購入し、さーていよいよクルーガーに入るのであります。
公園内は舗装路50km/h、未舗装路40km/hの速度規制があって、これは大変よく守られています。でもブッシュが多くて遠望がきかず、道路すぐ脇の動物しか見られない感じです。うーんそう考えてみるとやっぱりナミビアのエトーシャ国立公園はすごかったなー、ずーっと先まで見渡せるところが多かったもんなー。
そんなわけで、いるのかいないのかわからないあたりをしばし。第一発見動物はインパラでしたが、最初は嬉しくて「おおっインパラだインパラだ!」とコーフンしておりました。しかし翌日になると「何だパラ族か(群れで行動してますからね)」と一瞥をくれるだけのありきたり動物に落ちぶれてしまうところがサファリの恐いところです。前にも書きましたが、昨日よりも今日、今日よりも明日の方が目が肥えてしまうので、どんどん見る目がシビアというかゼータクになってしまうんですよ。そういう意味で言えば、あまり長期間のサファリは日本人にはあまり向いていないのかも知れません(笑)。
「ふーんだ、どうせボクらはありきたり動物ですよ」とふてくされるパラ族の皆さん(うそ)。
しかし、ここで立て続けにキリン発見!しかも道路真横の超至近距離です。これは嬉しい!
道路の方が一段高い位置にあったので、キリンの首がわれわれの目線と近く見やすいっ!
木の葉をむしゃむしゃ食べているキリンも間近に!(マウスオンで拡大)。
木の小枝ごと葉をむしり取ってますが、口の中を切ったりしないんでしょうか?
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と、この動画を見ていて気づいたんですが、よく見ているとまるで象の鼻のように舌を巧みに使って枝をつかみ寄せたりしていますよね。ちなみにキリンはトゲのあるアカシアの木の葉が大好物ですが、何とそのトゲトゲ部分だって平気に食べてしまうそうなのです。キリンの口の中はさぞかし丈夫に出来ているのでしょう。またトゲ部分が内臓に刺さることもなく、そのまま糞として排泄されてしまうそうです。まさに「鋼鉄の胃袋」とでもいえばいいんでしょうか。
キリン見物を終えたあと、今日の宿まではまだ距離があるんですがせっかくなのでメインロードから分岐した先にある水場(Renosterpan)に寄り道してみることに。何かいるかなー?と思いつつ進んでいくと!いきなり!
とまぁ何とも懐かしいフレーズが頭に浮かんでしまったわけですが(この時じゃなくて今さっきね)、まずはいきなり道のすぐ脇に1頭おわしましてございます。ご飯の葉っぱをむしりとるように豪快に食べております。というわけでしばらく観察していたわけであります。が?
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上の動画の通り食事ゾウがこっちに近づいてきたので身の危険を感じ?すかさず場所を移動です。こちらは車とはいえ、ひとたびゾウがコーフンしようものならこんなぺなぺなの鋼板など何の役にも立ちませんからね。特に最近の車は「いかに薄く、いかに軽く」に力を入れていますから、ますますもってぷにゃっと潰されてしまうでしょう。ただしかのゾウは別にわれわれを威嚇したわけではないようですが(笑)。
かくして進んだ先は終点の水場です。何もいないかな?と思ったら茂みの奥からゾウが水を飲みに来ました。時間と距離から考えてさっきとは別の個体でしょうか。
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ところで、最初出会ったゾウとこの水場の間にシマウマが数頭草をはんでいたのですが、距離的にはかなり近い場所なのにこちらが何もしないことがわかっているのか特に逃げるそぶりもありません。そんなわけでしばらく観察していたら‥ん?背中の上に何かいる?
背中の上にちょこねんと座り、たてがみのあたりをしきりに突っついています。
お尻の方にはしっかりくつろぎモードのお仲間がたくさん。
この鳥は旅行中に持っていた本には出ていなかったので名前がわからなかったんですが、調べてみたら「Redbilled Oxpecker(和名:アカハシウシツツキ)」という鳥だそうでムクドリの仲間。生態はちょっと変わっていて、上の画像のように大型草食動物の身体にとりついて、草食獣の身体にとり付いているダニなどの寄生虫を食事にしているんだとか。そういう意味ではサバンナのアカスリ屋さんとでも言えるかも知れませんが(ちょっと違うか?)、ただし「まれに傷口のカサブタや肉などを食べる悪さをする」ということですから、「垢を擦りすぎて皮膚から血が出るまでこすっちゃったらその血をペロリとなめちゃった」ということもあるということでしょうか(ますます違う気もしますが)。
というわけでなかなか面白かった水場立ち寄りを終えて、そろそろ今日のキャンプ地Pretoriuskopへ急がなくちゃいけません(ちなみにキャンプというのは宿泊地の総称です。われわれはテントに泊まるわけではありません)。というのも、ここから宿までは約40kmあるんですが、その道中は未舗装のダート路ゆえ制限速度(しつこいようですがよく守られています)が40km/hですから、ここからはまだ1時間かかるわけなんで‥というか、月によって違いはありますが8月は18:00にキャンプのゲートが閉まっちゃうんです!確かこの水場発が16:00過ぎくらいでしたから計算的には間に合うんですが、でもねぇわたしもせっかちな日本人なんでビミョーに焦るわけですよ。
このように整備されたダートですが、それでも時速40kmはキープしながら走ります。というかこれまでの流れからしてたくさん動物がいたら見学でそれだけ遅くなるので、いない時は制限最高速度で走ろうと思っていたわけなんですね。時は夕方、動物たちの動きも活発になりそうな時間だったんですが結論としては‥
右上画像の「Yellowbilled Hornbill」(公園内にはたくさんいます)と、あとは「ずーっと向こうに」ゾウの群れが見えたくらいで何だかガックシ。考えてみればこの沿道には川や水場がほとんどなく、水のないところでは暮らせない動物たちはこのエリアを好まないのでしょう。そしてクルーガー滞在の後半戦、われわれはこのことをいやというほど思い知ることになるのです(笑)。
というわけでほとんどノンストップに近い状態で走ったため、Pretoriuskop到着は17:15でありました(焦りすぎだともいいます)。
ゲートを通り抜けてすぐの所にあるレセプション棟で手続きをして部屋の鍵を受け取ります。ここに限らず各キャンプ内はかなり広いので、エリアマップを頭に入れて行動しないと迷うかも知れません(チェックイン時に園内地図はくれます)。そんなわけで「えーっと、えーっと」と探していくと「おお、あったぞ」。
何と、1棟独立のコテージでありました。ちなみに08年8月現在園内の建物は建て替え工事が進んでいましたが、この建物はすでに建て替えられた新しいもので、ヒジョーにピカピカでありました。それはBraais(アフリカーンス語でBBQの意)の設備が新品同様だったことからもわかります(左上画像の丸いスペースがそれです)。
屋根付きのエントランス部分にはレンジも流しも据え付けられており(ただし鍋やフライパン等の調理器具はないので要持参)、反対側には大きい冷蔵庫もあったりするので要冷蔵品(ビールもね)を買ってきても全く問題なしです。ちなみに冷蔵庫の手前には大きな金網扉(カギを掛けられる)があるので不逞の輩に中身を持ち去られる危険もありません。
部屋の中も広く快適です(もちろんお湯のたっぷり出る快適シャワー付き)。こういう設備を見ているとクルーガー国立公園の予約が容易に取れないことも何となくわかる気がします。われわれももともと「パーク内キャンプに3泊」と思って計画を立てていたのですが、予約が取れず1泊はパーク外に宿泊せざるを得ませんでした。ちなみにパークに隣接する私営動物保護区の宿はもっともっとはるかにゴーカだそうです。でもそのぶんお値段も破格とか(汗笑)。
さて落ち着いた後は夕食です。キャンプ園内にはお土産屋兼ミニスーパーがあり、食材や調味料、そしてパンなどの主食やビール・ワインなどの「夜の友」も含めて全てはここで全て買うことができます。もちろんBraai用のお肉もたっぷりです。ただし当然値段が高めなのと(しょうがないですね)、早い時間に買っておかないと特にパンなどはどんどん売り切れてしまうのが注意点。だからやっぱりキャンプ地には早めに到着しておくか、または行動中に立ち寄ったキャンプでさっさと購入しておくのが正解です。また肉などもグループ用に大きいブロックで売られているため、われわれにはちょっと手を出しにくかったような気がします。ちなみに「焼肉のタレ」は売ってませんでした(当然)。
ここPretoriuskopキャンプはかなり大きなサイトであることもあり、われわれが立ち寄った18:00過ぎでさえパンなどもまだ十分残っていたのですが、朝食をパンにするのは当然として購入しても、夕食までも「パンとコーヒーとヨーグルトとオレンジ」だけというのはちょっとナニだなという気がします(日中ろくに運動しているわけでもないんですが)。
かといってレストラン(もちろんあります)は高いし、またあのワインのテイスティングをやるのも面倒だしなと思っていたら、何とその脇にTake Awayがあるではありませんか!いやーこれですよこれというわけでそちらへ移動。というわけでこの日の夕食は(2人分)、
R35.95 | |
R29.95 | |
R21.95 | |
R39.90 | |
R127.75 |
うーん当時のレートで1680円くらいでさすがに高いです。とはいってもビール代も含まれてますし、日本の山小屋だったら缶ビール2本だけで1000円かかっちゃうんだから、こういう場所の夕食としてはまぁ安いということで割り切るしかないですね。というか、ここまでにはもっと高い食事もあったんだから‥(笑)。
というわけでこれがわれわれの全夕食です(笑)。
しかしこうやって見ると大したことない量のように見えますが、少食のわれわれにはこれがまた多い多い!(それにしても普段の摂取量が少ないのに腹が出てくるのは‥どう考えても運動不足だなTakema)。結局サラダの大半とチップス半分くらいを残して終了。おしんこどんは寝てしまいました。
Takemaは残ったチップスをつまみに、まだ残っている芋焼酎をちびちびと。もうあたりは真っ暗なのですが、ここで隣のカップル?がBraaiを始めました。到着もわれわれより遅かったしね。で、肉が焼けたあたりでこちらにお誘いが。
というわけで焼酎持参でお隣コテージのテーブルに移動。聞けばお二人はカップルではなく兄弟で、南アフリカ人ながら男性(弟さん)はロンドン在住、女性(お姉さん)はチリのサンディエゴ在住なのだそうで、今回は里帰りを兼ねてここクルーガーに一緒に来たのだそうな。しかもSA(South Africa)でのホームタウンを聞いてみると話がそれ、「Now our father is staying in Antarctica」だって。おーいあなた方の親父さんは南極越冬隊じゃないのさ!なんという国際的な家族なんでしょ(笑)。
「これは南アのBraaiに欠かせないソーセージなんですよ」とトグロ状のまま焼いたものを切ってくれたのでいただきます。あー、そういえばNZワーホリの時は生ソーセージをボイルして焼いたやつが大好物だったよなぁとついつい懐かしくなってきます。しかしNZから帰ってきて1年近くたった時に受けた健康診断で、中性脂肪が200をはるかに越えていたことも思い出します。行く前は130そこそこで「中性脂肪低値」とコメント欄に書かれていたのに。ちなみに今はだいたい年齢並みですが。そういや最近体重+体脂肪計にも乗っていないなぁ。体脂肪値はどんなことに?
善は急げということで今乗ってきました(笑)。22.2でした。うーんとりあえず基準以内ですが、それより体重落とさなきゃなー(苦笑)。いかん、完全に話がそれましたね(おバカ)。
さてこの時自分は半袖ポロ=オーストラリアのワラビーズ(AUSナショナルチーム)ロゴ入りと、その上のフリースはカンタベリー(in New Zealandのロゴ入り)を着ていたんですが、このことがお二人のお笑い系怒りを買ったようで、この後はしばしSAラグビーチームがいかにすぐれているか、Takemaの着方がいかに許せないかをボケとツッコミ系でやり取りすることになりました。いわく、
「Takemaさん、あなたは私たち、いやSAのラグビーファンにケンカを売りながら旅行しているようなものですよ!こちらとしては許せないし、それに節操がない!何でAUSとNZ!(笑)。」(ま、これはある種正論ですね。でもそのままで)
「いやちょっと待ってよ、このフリースのメーカーの商標が【Canterbury of New Zealand】なんですよ、決してNZファンだけが好んで着るメーカーの服じゃないんですからね。それにちょっと長い旅行なんで服のローテーションもあるでしょ、ふたりが日本に来て毎日「浅草」とか「私はスケベです」とかの日本語ロゴの書かれたシャツばかり着続けることはできないでしょ、それとおんなじだって!それに日本の場合結構海外ブランドの製品が多いんだし。」(ちなみにこの直後日本語&英語ロゴシャツでやたら盛り上がりました)。
「でも、やっぱりSAに来たらそんなメーカーの服を着ちゃダメだよー。やっぱりSAに来たらSAメイドの服を買って着てほしいなぁ。ラグジャだってスプリングボックス(SAナショナルチーム名)とかさ。」(ふっふっふ、狙い通りですな)。
「うふふ、私もスプリングボックスの公式ユニフォームを見たことはあるんですけれどね、実はこの【Canterbury of New Zealand】社製なんですよねぬふふ。ついでにこのワラビーズ半袖ポロもそうなんですけれどね。」(ま、現地生産かも知れないけれど会社は同じだもんね!)
「え、そうなの?‥」(ふっふっふ、勝利!)
ま、このやり取りはあくまで和気あいあいの中で行われましたんでご安心をというか、こんな話をシラフ&真面目にしたらケンカ腰になっちゃうこと必定なんで、精一杯の英語力の中でいろいろと気を遣って話しましたけれどね。ただ、たぶん彼らお二人としたら「この人の英語力は大したことないからたぶんもっとソフトに表現したいのにできないんだろうなぁ」という前提でTakemaの言葉を受け取ってくれたんじゃないかとも思いますけれどね(真の意味で苦笑)。
持参した焼酎を振る舞いながらも度数の関係か(いやそれともニオイか?乙類の芋だし!)味見程度で終わった彼らも、ワインは飲む飲む!そしてTakemaもおすそ分けにあずかるあずかる!というかちょっと飲むやガンガン注がれて(少なくとも最後にはフルボトル3本開けてました)、かなーりいい気持ちになってきたところでいきなりフランス人の若い兄ちゃんが乱入!(あ、彼もしこたま飲まされてました)。
彼は何かの罰ゲームで「どっかのコテージで○○をしてくる(確か何か質問された気がする)」ということでここに来たみたいなんでしたが、リチャードくん(弟)が「ま、いいからワインどう?」と勧めたらいきなり座り込んでしばし「すみません、仲間も連れてきていいですか?」と彼。うわーこれからさらに増えるのか、もう22:00回ってるしそろそろ迷惑キャンパーになるぞという気もしてきたので、フランス人グループ(計3人、ちなみにやっぱり彼らの英語は聞き取りやすいわ)が合流してしばらくしたタイミングで「すんませんがもう眠くなっちゃったので寝ますわ」と退散(22:30)。彼らはそこそこ遅くまで話をしていたみたいですが、さすが日本のお盆にわかキャンパーとは違って大声を出すでもなくジェントルにやっていたみたいです。
さ、そんなわけで翌日は北上です。でも今考えてみればもっと南部にいたかったような?(笑)。
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