− Page41 いよいよ「無事」ジンバブエから出発、ついでに2009/2現在のジンバブエドル現況レポ −



8月16日、ジンバブエから見る日の出であります。もっとも地平線のあたりはザンビアか。

昨日までの感じから日の出は6:30以降だろうと考え、6:40に屋上へと上がりましたがまだ太陽は出ていません。しかし、ビクトリアフォールズの方面を見てみると‥



出たー巨大滝壺から立ちのぼる水煙!ズームはしていますが、水煙が雲になってます。

そして6:45頃だったでしょうか、いよいよ日の出となったわけです。1日で一番涼しい時間ですが、とりあえず薄手のフリースを羽織っていれば何とか大丈夫。というわけで‥



水煙の雲と日の出を一緒に入れてみました。右上の画像は何だかクジラのブリーチングみたい。

そんなわけで日の出と水煙をバックに記念撮影です。次にジンバブエを訪問するであろうその時、この国は一体どのような変化を見せていてくれるのだろうかと、何だかよくわかりませんが複雑な気持ちです。でもこの景色は間違いなくこのままなんだろうな。

このあと朝食。S&Kさんたちがおられ、何でもこのあとヘリ遊覧飛行に行くのだそうで(飛び込みの申し込みがOKだったらしい)、でもまだピックアップの時間までには間があるということで、せっかくなので屋上へごあんなーい(笑)。このホテル、せっかくこんな見晴らしのいい場所があるのにどうしてもっとアピールしないんだろう?

今日はもうヨハネスに飛んで空港近くの宿に入るだけ、11:30に空港へのピックアップ車が来るまでは暇なのであります。荷物の整理をしてもまだ時間があるので街中をお散歩することにいたしました。

市内中心部にSPARがあるので、品揃えはどうかと思って入ってみたら、あれれ結構豊富じゃないのさ。SPARは海外資本のスーパーなので品物を上手く融通し合っているんでしょうか?

店内の商品には2つの値札が付けられておりました。右上画像で、下の黒字で書かれた値段はデノミ後の新ドル価格、そして上段が旧ドル価格なのですが、「1tって何だ?」と思われる方も多いと思われます。この辺の説明については別ページに説明してありますので、こちらをクリックしてください。新しいウィンドウが開きますので、読み終えたらそのウィンドウをクローズしてこのページに戻ってきてくださいませ。なお、以下の文章は上記ページをお読みになっていることを前提に記載してあります。まだ読まれていない方はご面倒でも目を通して下さいませ。

さて上記ページにも書いておりましたが、2008/8月現在では商品の購入に外貨の使用は(公式に)認められていなかったわけです。よって結局は何も買えなかった訳なんですが、2009年初頭からは外貨による支払いが公式に認可されています。というのも、実はわれわれが帰国して約半年の間にも新Z$の価値はこれまた加速度的に低落し、そのため何と、

しかもその桁が(またもや)半端じゃありません。以下、AFPBB News記事を引用します。なお太字や色字はTakemaが付加したものです。



【2月2日 AFP】

世界でも記録的なハイパーインフレーションが続くジンバブエの中央銀行は2日、1兆ジンバブエ・ドルが新1ジンバブエ・ドルになる
12桁のデノミネーション(通貨単位の切り下げ)を実施し、7種類の新札を発行した。

 ジンバブエ準備銀行(中央銀行)のギデオン・ゴノ(Gideon Gono)総裁は、疲弊した経済を建て直すため「中央銀行は通貨の12桁を切り下げた」と述べ、新ドルで1ドル、5ドル、10ドル、20ドル、50ドル、100ドル、500ドルの7種類を直ちに発行したと発表した。

 ゴノ総裁は「昨日までは兆単位のお金を持っていた資産家たちよ。悪いが、今日は好きな飲み物も買えないよ」とコメントした。
 
 デノミ直前まで流通していた紙幣の最高額は10兆ドル札だが、中央銀行は1月に、100兆ドル札の発行も予告していた。2月1日時点の為替相場は、1米ドルが約4兆ジンバブエ・ドルだった。
 
 ジンバブエ経済は08年7月に年率2億3100万%の物価上昇率を記録し、世界最悪水準を更新して以降、
歴史に残るハイパーインレーション下で崩壊の一途をたどってきた。また、同7月には10桁のデノミを実施している。

 政府は前週、商取引の際の外国通貨の使用を全面的に解禁した。(c)AFP


ええっとですね、ちょっと数字を整理しましょう(笑)。わたしらが旅行中の2008/8月に行われたデノミでは上記記事の通り10桁の切り下げが行われたわけで、それにより新旧Z$の通貨価値はこのようになっていたわけですね。

そして今回登場した新々Z$と新Z$との関係は次のようになっているわけです。

ということはですね、こういう計算が成り立つことになるわけです。それは‥

さーてこれを日本式命数法にあてはめると‥「百垓(がい)ドル」。「兆」の上の「京(けい)」なんか飛び越しています。ちなみにこのペースでいけばすぐにその上の(じょ)」とかの桁に進んでしまいそうな気がします。いや、実はもうすでに進んでしまっているのかも知れません(汗)。

ちなみに英語の単位でいくと、わたしもBillion(ビリオン)までは知っていましたが、初めてTrillion(トリリオン)を現実世界において目にした次第です。しかしそこにさらに12桁が加わると、Quadrillion、Quintillionという次の単位を一気に飛び越してSextillion(セクスティリオン)まで進んじゃうわけですね。つまりは「Ten sextillion Zimbabwe dollers」が正解というわけです(もう何が何だか)。

わかりやすく言いましょう。上の画像にあったシリアルフードを「仮に」2008年7月現在の最新通貨(上でいう「旧Z$」)で買おうとするならば、

でも実際のところこの計算をすることにあまり意味はありません。というのは、旧Z$の高額紙幣は当時「Special Agro Cheque(要は小切手)」として発行されており、別ページにも書いたようにあの紙幣の「使用有効期限」は2008年12月31日を以て終了しているからです(だったら最初から換算しなさんな)。

ま、いいかげんしつこく引っ張りすぎたのでここらで終わりにいたしましょ(笑)。しかしですね、上記記事のゴノ総裁、完全に人ごと的なコメントです。そりゃある種当然の話で、この国の政府高官(与党)はムガベ大統領も含めたーっぷり海外に個人資産や権益を保持しているのだということです。2009/2現在、あのツァンギライ野党党首は首相に就任し連立政権が誕生したようですが、その一方で大統領の息のかかる軍や警察の手により野党派陣営の重要人物の逮捕が続いているのだとか。あー、悲しいかな「ジンバブエの冬の時代」はもうしばらく続いてしまいそうな予感が‥。

ちなみにSPARからホテルまで戻ってくる間には、手に自作と思われる彫り物のゾウ等を手にしていた売り子(複数)がずっとつきまとっていました。それも最初は「US$5、安いよ!」と言っていたのが、そのうち「あんたの履いている靴と交換でどうだ」となり(さすがにそれはこっちも困っちゃうので願い下げましたが)、そのうちに「ボールペンと交換でどうだ」「何かと交換してくれないか」という段になり、こちらとしてもかなり思うところがありました。今考えれば「あれは買ってあげてもよかったかな」と‥。

しかし結局何も買わずにホテルに戻り(彼等はホテル敷地内には入れないので)、荷物を持ってチェックアウトです。おしんこどんが背負っている荷物はTakemaのもの、ん?Takemaの背中にあるのは?いや、今回の旅行ではおしんこどんメイン荷物はスーツケースなので、レセプションまでの階段通路でTakemaが持ってあげたんですよ。決して彼女に「難行苦行」を強いたわけではありません(笑)。

早めに戻ったおかげで空港行きトランポの時間変更(11:30から10:30過ぎへ)も問題ありませんでした。で、再びFさんが登場し、ちょっと情報伝達不足もありましたがいざVFA空港へと向かいます。S&Kさんたちも少し前に空港へ向かったようですから同じ飛行機なのかなと思ったんですが、何とまぁこれが大きな間違いというか天国と地獄というか(苦笑)。

往路にも見たこの検問ですが、ドライバーがお金を払っているようには見えなかったんですよね。免許証または何かの許可証をチェックしていたんだと思いますが、彼等の給料は‥南アフリカの国境でTakemaの月給を聞いてきて無言になった、あのボーダーポリスから比べてもまさに「雀の涙」になっているんでしょう。あー、そう考えると何だか切ないゾ。

さて、空港でのどんでん返しについては次のページで語ることにいたしましょう。いよいよこの旅行記も最終段階にさしかかりつつあります(笑)。
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