- 2011年末NZその22 マウントクック界隈をお散歩 -
さて翌日はタイトルの通りトゥワイゼルからマウントクック周辺お散歩(同じ宿に連泊)の予定なのですが、外は朝からしとしと雨が降ってます(天気予報大当たり)。まぁそんなこともあろうというわけでこの日は午前中ゴロゴロのんびりということにいたしました。
部屋のベランダから庭の木をよく見ると‥あれま、ナナカマドだったのね。
朝ご飯も遅めの時間に食べに行きました。トマトジュースがあってよかった。ついでにベジマイトとマーマイトがあったので1枚のパンに塗り分けて久々にお味の確認。うーん、やっぱり無理に食べなくてもいいなぁ(特にマーマイトはどうも合わないんですよわたしには)。
で、このあとは、明後日の飛行機のインターネットチェックインを終わらせて、PDF化したボーディングパスファイルをレセプションにメール添付、受け取りに行きます。と、行ってみたらお宿の小ネコがカウンターで遊んでおりました。
小ネコは全世界共通で愛らしいのでありますよ。
そんなわけで、なぜかやたらに混んでいたスタンドでペトロール満タン、いざプカキ湖畔をマウントクックへ!
しかし午後一番くらいの中途半端な時間だったからか国道に車の姿はほとんどなし。うほほーい、快調に進んでいきます。幸いなことに出発時点でやんだ雨は再び降り出すこともなく、展望はともかくお散歩には何の支障もありませんでした。というか、どうやらもともとマウントクック村では降っていなかったみたい?
さていよいよ村の入口まで来たところで、車はいきなりメインロードを外れてダートに進入。まずはTasman GlacierのLookoutに行ってみようという魂胆です。
雲がかかっていて山の展望は望めないので、ならば眼下に氷河を眺めようというわけなのです。
駐車場にはそこそこの車が止まっていましたがとりあえず駐車スペースを確保。すぐ脇にはかなりきれいなシェルターが建てられていまして、内部は掃除が行き届いていて快適です。ただしここでの宿泊は出来ないので、マウントクックで安く止まりたい人は素直にキャンプ場を利用しましょうね。ただし海外から自分のテントを持ち込む場合は入国時にかなり厳しいチェックがあり、汚れ具合によっては持ち込めないこともあるので注意が必要です。
ちなみにわたしが以前日本から持ち込んだ際は、事前に念入りに本体やペグを洗い、そしてさらに床面防水液塗布、フライにはあらためて防水スプレーをかけておきました。その上で、入国時の検疫カードの「あなたはテントなどを持っていますか?」の欄にチェックを入れるとともにそのすぐ脇に「Washed」と書き込んでおいたら、係員氏は「Washed?ならば土等は付着していませんね?」と口頭で念を押された上で現物確認をされずに持ち込みOKとなりました。ただしこれも係員氏の判断にもよるはずですし、内規が変わり「テントは全てバッグから出して目視により確認する」ということになっている可能性だってあります。偽りの申告をするのはもちろん不可ですが、いずれにせよテント持ち込みの際には万全の準備が必要です(一番安心なのは未使用品を持ち込むことです)。
さて、タスマングレイシャーを眺めるには丘の上まで登る必要があります。えっちらおっちら、あれぇこんなにこの丘って高かったっけ?いや、でも高さが変わることはないだろうからこりゃ体力が衰えたってことなんだな、これが老い、これが年月を経るということなんだと実感しつつ(実際はそこまでのナニではありませんでしたが)ようやく頂上部へ。しかしそこで目にした光景は、われわれの予想を完全に超えるものだったのです!
驚きまくりました。そこで、ワーホリ時代に撮影した画像を見ながら「1989年との違い」を検証していきましょう(何だか学術的でしょ=自画自賛)。そんなわけで久々に当時の画像をスキャンしてみました。
そんなわけで1989年当時のタスマン氷河末端部です。この位置からの俯瞰画像はたぶんネット上にもまずほとんどないものと思われます。撮影位置はタスマンバレーとフッカーバレーを分けるMt.Wakefieldの中腹なのですが、なぜここからの画像がほとんどないかといえば「そもそもここまで登ってくる道そのものが存在しない」からです(笑)。ワーホリ当時は勢い余ってこんなところにまで登ってきていたわけですね。
で、確かにタスマン氷河の末端部分には氷河湖が見えています。しかしそれは今回の画像のように広大な湖というより、中央部には天橋立チックな土砂の堆積、そしてその周辺には「ああ松島や松島や」系の小島があったりして、とりあえず湖というよりは「大きい水たまり」という感じでありました。
あまりにもわかりやすい画像内書き込みがありますからLookoutの場所についてはまぁおわかりでしょう。ちなみにそのLookoutからは通常まさに上記の矢印の角度を眺めることになるわけです。晴れていればこの画像のさらに左側にMt.Cookの勇姿を眺められるわけですし、そうでなくともこのLookoutから上画像に見えている氷河湖方面は地形的にも見えにくく、たぶんチラリとしか見えていなかったはずです。だからLookoutからの「氷河湖の記憶」はTakemaにもありませんでした。
しかし今回の氷河湖の拡大、その拡大規模をあえてアバウトながら表現してみるならば‥
上画像左側の下向き矢印の右側奥には(ややこしいな)、色的にはややくすんで見えますが「氷河」が見えているはずです。その界隈の地形を凝視した上で次の画像をご覧下さい。
右側の山の斜面を基準にして考えてみると、明らかに氷河の「白い部分」が後退しているのがわかると思います。そして特に左上画像をよく見ると(マウスオンで拡大)氷河湖との境目部分には「土砂の乗った氷」が見えています。つまり1989当時にはこのような「見た目は土砂の堆積、ただしその下には一面の氷」で覆われていたエリアが、23年近くたった今は「すべて溶けて大きな氷河湖となってしまった」というわけなのです。
地球温暖化が本当に温室効果ガスによるものなのか、真の意味で検証されているわけではありませんしそもそも完全なる検証は不可能でしょう。しかし目の前に広がっていたのは「一つの現実」です。上記の可能性がゼロではない以上、温暖化抑止に取り組む個々の努力は不可欠なのだと思います。ネパールなどでは氷河湖の決壊により下流の村が危機的な被害を受ける可能性も指摘されていますよね。
おしんこどんも中途半端な服の足上げから、上着を脱いでTシャツ姿でY字バランスでその必要性を訴えます(でもあまり足が上がってない?)。
そんなわけで丘を下り‥ん?「Jettyこちら」という標識に従い、今度は「氷河湖の水に触れるべく」右の道を進んでいきます。Lookoutへの道と違ってだーれも歩いていませんでした。
氷河湖まで降りてきてみると、そこにはプカキ湖と同じ色の白濁した水がありました。そして小さな浮き桟橋と無人の船も。ここからズームしてみると対岸側にある氷河の溶け残りも浮いていましたが(右上画像マウスオン)、残念こちら側には全然ありませんでした(氷を口にしてみたかったんですが)。
Takemaは左上画像撮影後に「手湯」(いや明らかに湯じゃないけど)を楽しみましたが、おしんこどんはやっぱり「足湯」を楽しまなければ気が済まないみたいです(しつこいけれど湯じゃないって)。そんなわけで‥
ホントにとっても楽しそうですね(笑)。と、このあとすぐに何やらボート軍団がやってきました。
実は、このようにとてつもなく広くなった氷河湖を遊覧するツアーをマウントクックの「アルパインガイド」社が主催しているようなのであります。うーむ全然知らなかったぞ。ちなみにお客さんの大半は台湾か中国の方々でしたが、ツアーに含まれているんでしょうからなかなか斬新。ただし雨が降っていたら悲惨この上ない忍耐修行を余儀なくされるものと思われます。
さてこのあとはこのようなダート路を戻ってキャンプサイトへ。ここでもビックリだったのは、このサイトへ向かう道はかつて「NZでも有数の大荒れダート」だったのが、いつの間にか「すれ違い可能ポイントを各所に持つ舗装路」に生まれかわっていたことです(画像はないんですが)。ここはとにかくひどい道だったものなぁ。ちなみに短い区間なのにすれ違い可能ポイントがやたらに多いのは、かつて大荒れポイントを避けるために車が脇を通ったことにより道幅が広がってしまった多くの場所をそのまま全部舗装しちゃったからだと思われます(笑)。
そんなわけで今度はフッカーバレー方面へと向かうわけですが、かつてここでテントを張っていた頃に比べれば園地内の整備状況は雲泥の差で、右上画像のような立派な小屋もあり(確認はしませんでしたがさすがに宿泊はできないと思う=すぐ奥がキャンプ場だし)、この時の駐車車両の数はかつての10倍を超えていたと思います。
新婚旅行時にはフッカーバレーの氷河湖まで足を延ばした気がしますが、さすがにお天気もイマイチだし時間的にもそれほどの余裕があるわけではないので、この日は「第一吊り橋まで」という思いで歩き出したわけです。
で、そこまでの整備された歩道を歩いているうちになぜか会話の内容は全く脈絡なく‥
という結論に達したのであります(無意味なる必然)。そんなわけで思いついた通りいろいろジャンプしながら吊り橋を目指したわけであります。
左上画像は今までの亜種で失敗(苦笑)。右上の横向きジャンプは悪くないですが、少し前に休刊した雑誌「旅行人」のキャラクターに似ている気も(笑)。
と、おしんこどんが新たなる基本スタイル「カンフージャンプ」を開眼!いや、この前夜のTV映画がジャッキーチェンものだったのでね(笑)。
そうこうしているうちに第一吊り橋へと到着です。ここからはミューラー氷河方面からの氷河湖が見えていますが、Mt.Seftonからの懸垂氷河は氷河ならぬ雪渓を含めてもやはり後退しているように思えます。新旧の画像をご覧下さい。
こちらは新婚旅行時(2000/3)の画像。特にTakemaのアタマの高さの氷河の残り具合を目に焼き付けた上で次の画像をどうぞ。
こちらが2012年の画像です。アングルの違いはやむを得ないところではありますが‥
2000年のTakemaの頭の高さが2012年の雲の底部になっています。2000年の画像が初秋(3月)、今回の画像が初夏(12月)であることを考えると、確かに下画像では雪渓も残ってはいますが何だか氷に元気がないのと、さらには下画像の一番左側には滝のような水の流れが2筋見えています。晴れている2000年画像にはそのような流れは見えません。
このマウントクック氷河帯は「温帯に位置する氷河」というのがひとつの特徴でもあるのですが、その肝心な氷河は少しずつその規模を縮小しているのが実情なのかも知れません。ふぅ。
そんなわけでTakemaも「頑張れマウントクック界隈氷河!」の思いを込めて横っ飛びジャンプの祈りを捧げました(うそつけ)。
あ、おしんこどんはもっと足を上げてジャンプしていたというのはここだけの公開的ヒミツです(笑)。
さてそんなわけでこのあとはビジターセンターに寄り道して帰ろうと思ったわけですが‥遠くから見ていてわかっていたとはいえ‥
「ここは新潟の湯沢界隈かい?」という印象を強く抱きましたし、その印象は決してプラスイメージではありません。「あーあ、勢いに任せて取り返しのつかないことをやっちゃったねぇ」という印象です。その一方で何度も何度も宿泊し、時には(一度ならず)キッチンだけ使わせてもらった(新婚旅行時に雑談ながらに謝罪)ユースホステルは、当時のままの姿で営業を続けていて思いきり好感でありました。
このあとはトゥワイゼルまで帰るだけなのですが、途中で「プカキ湖に降りられる脇道」を発見し、せっかくなので下りてみることにしました。で、下りた先には‥うわぁ!
ちなみにビジターセンターの展示で読んだ記憶によると、この界隈にはポッサムのみならずある種のネズミがいるのだけれど、彼らはペスト菌の保菌可能性のある個体なんだそうな。今Wikiってみたら、保菌動物に直接噛まれない限りは大丈夫‥いや、こうも書いてあったぞ。
ということは、「ノミ」を「サンドフライ」に置き換えてみればそのまま危険性があてはまるわけですよね(笑=笑っている場合ではないかもしれませんが)。もっともマウントクック界隈にはほとんどサンドフライがおらず(皆無ではありませんが)、そのような危険を過度に考える必要はないのかも知れません。そんな楽観により(笑)、そのまま湖岸へと向かったわれわれです(ただしどんなトラップなのかが不明なのでわだちや動物の足跡をたどりました。あ、そういえば90年代のカンボジア西部で同じような歩き方をしたぞ<あの時はもっと緊張して歩いた)。
岸辺まで来てしまえば間違いなくトラップもないはずなので「鹿Takema&横ジャンプ!」(笑)。
やはりこの界隈のプカキ湖も色合いは独特です。そんなわけでおしんこどんのカンフージャンプっ!(あまり意味なし芳一ですが)。
さてそんなわけでトゥワイゼルまで戻ってきたのはすでに19:00を回っていましたが、宿にいったん荷物を置いてまた性懲りもなく?Takeawayへ。さすがに今度は別のものを頼みましたよ(笑)。
混んでいたこともあって15分くらい待ったでしょうか(そうでもないように見えますが実際のところ10数人待ってました)、そんなわけでハンバーガーと春巻を手にしてホテルの部屋へと戻りました。さーて夕ご飯夕ご飯♪
(いかに少食夫婦なのかがおわかりいただけるかと思います)
さてNZ滞在も残すところあと2日!最後に目指すは当然のごとくBanks Peninsulaなのでありますが‥いろいろありましたよハイ。