−2014/3 ボルネオ編 その15 サバ州立鉄道(2) いけいけドンドンの列車旅でビューフォート到着 −



行け行け進めぇ♪線路の歪み何するものぞ!(笑)。

そんなわけで、北の大地のJR幹部が読んだら肝を冷やすのか心を癒やすのかわからないような書き出しでスタートです(何のこっちゃ)。


相変わらず線路の歪みを丹念に拾いながら(よく揺れながら)列車は進みます。先人の情報には「テノム−ビューフォートの路盤改良も行われた」とありましたが、左上画像を見てもらえればわかるとおり基本的に大した手が入ったようには見えません。

ただし同区間でも思い切り手が入れられている区間もあります。それは、テノムからしばらくするとパダス川沿いを走るようになるのですが、その区間が洪水で崩落し列車が川に落ちたということもあったようで、その箇所に限らず(どこだかはわかりませんが)川沿い区間に入ると路盤や川に面した側の補強にかなり手が入れられていたのは事実です(重機も多く見られました)。逆に、そういう危険がない区間については後回しになっているなという印象です。でも2004年のミャンマー国鉄@ダゴンマン号よりはマシだったかな(そもそもスピードが違うので単純比較は出来ませんが)。

でも、この岩を穿いた開業当時のそのままの雰囲気はマンダレーからティーボーへのローカル線にそっくりな気がします(=詳しくはこちら)。

ちなみに事前情報では「テノムからビューフォートの区間はまだ土砂崩れによる不通区間があり、その手前で列車から下り、とりあえず徒歩で移動可能な程度に復旧している線路上を移動した上、その先で待機している列車に乗り換える必要があります」という情報があり、「それはそれでかなり楽しみじゃないですか!」と期待していたのです(鉄系のねじれた嗜好かも)。しかし実際はすでに開通していたので‥うーむ残念(複雑笑)。



機関車は下り勾配ゆえエンジンを噴かすこともなく結構静かに下っていきます。



左上画像は新たにバラスト(砂利)を入れて整備された区間。しかし右上画像の新旧線路を見れば‥。



列車は川沿いを進んでいきます。確かに川が増水したらキビシイ感じの高さですね。



元気そうなおしんこどんの数m先には(左上画像マウスオン)。右上画像、鉄っちゃんにはある種たまらない乗車姿勢?







こんな風に走行中に足を出せる列車はもう日本にはないですからね(笑)。

さてしかし、川沿いのある区間で機関車が妙に警笛を鳴らしつつ徐行し始めました。最後部から見ていると‥





この付近はあちこちで手が入れられており、特に川沿いの法面がコンクリートで固められている場所が多かったです。実はテノム駅出発からしばらくは「この区間(テノム-ビューフォート)はいずれ廃止されちゃうんじゃないか?この保線状況だと‥」と思ったりもしていたのですが、さにあらず。どうやらサバ州政府は維持する気満々らしい!



より安全安心に向かっての作業やる気満々ですから!(でも何だか某企業の虚栄心はイタダケナイ)。

そんなわけで、このあたりの区間を撮影した動画を見ていただきましょう。川沿いを走る感じと新しい線路区間、そしてあらためての車内風景をお楽しみ下さい。




さて、列車が徐々にブレーキをかけ始め「間もなく次の駅なのかな?」と思っていたところでほかのお客さんが(例のバイク搬入の方も含めて)皆さんが一斉に荷物をまとめ始めました。そういや不通区間とは別にビューフォートの手前で1回乗り換えるっていう話もどこかで読んだような?というわけで間近におられた方に聞いてみると‥


というわけで急いでバックパックのフィックスを外して移動開始です。列車そのものは「同じホームに停車している列車に乗り換えるだけ」なのですが、左上画像を見ればわかるとおり同じ線路に上り下りそれぞれの列車が停車しているので「乗り換え列車に向かうお客がそれぞれ正反対方向に移動」というわけです。なおここの駅名は「Halogilat」。

でもね、ここからは快適姿勢で移動できる「客車」が倍増した関係で(1両から2両になった=機関車を入れて4両編成)、最後尾の「貨客車」の人口密度も減りました。





ちなみにバイク持ち込みの男性はわれわれと同じように乗り換え(&積み替え)ていましたから、たぶんエンジントラブルでの不動車状態なのかなと。テノムのバイク屋さんじゃ手に負えないということなのでしょう。


さてどんどん下ってくるにつれて川の流れも穏やかになってきました。ちなみにこの乗車で一番残念だったのが「テノム出発後最上流側の沿線画像を撮れなかった」ことなのです。上の動画はビューフォートまでの中下流がメインになっているんですが、上流側はもっと血湧き肉躍る流れに勢いがありました。

初めての場所においては誰しも最初は遠慮し、現場の状況を判断しつつ「これくらいはいいかな?」と徐々に行動が大胆になってくるものです。となれば(特に日本人的感覚からすれば)‥




という感じです(自分でもわかるようなわからないような)。


ちなみにローカル鉄道ゆえちゃんと「駅」があるのは当然です。ただし列車長に応じたホーム長などは一切不要、どうせ乗降客数は少ないんだからというわけで左上画像のような超ミニホームです。でも熱帯ゆえのスコールを考えてかしっかり屋根が設置されています。

ただ、とある区間で列車がブレーキをかけて止まったので「駅なのかな?」と思って前方をのぞいてみたら、駅施設もないようなのに男性が「よいしょっ」と乗り込んでいる姿が見えました。この列車、もしかしたら「沿線で手を上げればどこでも止まってくれる」システムなのかも知れません(ローカルバスかいっ!)。


さてそんなわけでビューフォート駅に到着です(遅れは約10分くらい)。結局利用することもなかった客車車両をのぞいてみるとこんな感じ、快適かも知れませんが「味も素っ気もない」ですね。ちなみに窓が何だか住居用のサッシみたいな感じですがこれでいいのか?(笑)。でも考えてみればミャンマーの夜行列車たるヤゴンマン号のエアコンは完全に家庭用だったことを思い返すとまぁこれもアリなのかなと。それにしても横開きの列車窓って珍しいよね。


ここで列車を乗り換えてKKまで向かう人はかなり多く、待合室の椅子はほぼ満席という盛況です(9:51着/11:01発)。売店も2つありマレー系と思われる食堂もあります。ただこの食堂なんですがお店の規模に比べてお客さんはちらほらレベル、果たしてペイできてるのかなぁ?だって、われわれが乗る列車が11:01に行っちゃったらもう数時間列車の発着はないんですよ?

でもまぁ、「今のところやっていけてるんだから」たぶん大丈夫なのでしょうね。そんなわけで次のページでは「数年にわたる運行休止までおこなって路盤ほかを整備した」というサバ鉄道の「本線」経由でKKへと戻ります。

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