- 2015/8 キューバ旅行記(9) 空路サンティアゴ・デ・クーバへ。やっぱり遅れた(笑) -



やっぱりあっさりとハバナから旅立たせてはもらえませんでした。でもまぁ許容範囲ですが。

さて宿へ戻りましょう。「少しでも安く」を狙い、すでに乗客の乗っているタクシーめがけ「乗りたいぞ主張」を存分に込めて手を上げますが全然止まってくれません。今から思うに、タクシードライバーからすれば旧市街地から外れたところにいる観光客を見れば「あ、こいつは旧市街地方面に行くんじゃないか」という想像が成り立つわけですが、逆の場合は「こいつ、どこに行くのか見当が付かないぞ」というわけでわざわざ止まってくれないのかなと。というわけで時間的制約もありますので‥




(前部座席に頭を突っ込んで折衝中のTakemaをおしんこどんが激写(笑))。

確か10CUC。2015夏現在、法外な料金を請求するタクシーに遭遇することはありませんでした。これがアジアのどこかの国の料金折衝とかだと無条件では信用できなかったりするんですよねぇ。あ、今はちゃんとメーター使ってるところも増えてきたのかな?(でも異常に上がるスピードが早い「スーパーメーター」だったりすることもあるだろうな)。



「この宿からあんな遠くまで歩いていったんだなぁ」(左上画像の奥の方にホセ・マルティ記念塔が見えてます)と感慨に耽ったりしながら(うそ)、シャワーを浴びてさっぱりした上で出発です。



そんなわけで宿経由(正しくはイバンさん経由)で予約してもらったタクシーで13:00ちょい前に宿を出発し空港へと向かいます。ハバナのホセ・マルティ国際空港はターミナルが3つあり、1=国内線、2=チャーター便、3=国際線となっていますが、このほかに「5=アエロ・カリビアン航空専用ターミナル」があるという情報もあり、その場合同航空会社でサンティアゴ・デ・クーバを目指す場合はターミナル1ではなく5利用となるようです(4は欠番なのか今後整備されるのか不明)。いずれにせよ出発前にターミナルを確かめておく必要があります。たぶん各ターミナルを結ぶ連絡バスなんてものは存在しないでしょうから。



3日前の深夜に通っているはずの、空港と市内を結ぶ道はハイウェイではないもののさすがに快適で穴ぼこもありません。でも信号が変わると左上画像のようにいきなり牧歌的な横断者が現れたりします(笑)。もっともサンティアゴ・デ・クーバから先、Takema&おしんこどんはとことん牧歌的な景色の中を移動することになるのですが(笑)。

ちなみに宿から空港までは20CUCでした。空港発の場合は30CUCでしたがそもそも空港発の場合は高めの料金となると聞いていましたし、帰国時のハバナから空港までは朝5時出発で予約して25CUCでした。2009年発行の「旅行人」誌には「ハバナ市内も最近インフレで云々」とありましたが、本に出ているCUC建ての諸料金は特に大きく上がっているわけでもありませんでした。

さて、われわれを下ろしたあとのタクシーさんなのですが(右上画像マウスオン)、直後に警官から質問を受けていました。道路標識によるとたぶん「一般車進入禁止」のような場所に入り込んだようなのですが、降りてきたのが明らかにバックパックを背負った旅行者ゆえ、「タクシーとしての営業許可を得ているかどうか」も問われていたのではないかと思います(タクシーの表示もなかったし、タクシーには似つかわしくない小さな車だしなぁ)。

でも、こちらに助け船を出されても困るのでそのままターミナルの建物に向かったわれわれなのでありました。冷たいようですが、変ないざこざに巻き込まれるリスクを冒すよりは「とにかくチェックイン」です(「タクシー以外の車にお金を払って外国人が乗るのは違法だ、ちょっと来い」ということになったら大変です。この国の方や細かな現実を知らない自分たちが日本的感覚で行動すべきではないと判断しました)。まぁ、チェックイン後に行ってみたらいなくなっていたので何とかなったのかと思うようにしました)。



チェックインの列に30分強並んだ上で、無事搭乗券をゲット(当然ですが予約してますしお金も払い込み済みだし。右上画像マウスオンでチケット画像に変わります)。でも国営のクバーナ航空に「いい噂」はほとんどないですから、これだけでも1つの関門を越えた気になるから不思議です。

そういえば海外旅行の初期は空港カウンターでチケットを手にしただけで「よっしゃー自分でも出来た!」と有頂天になっていたことを思い出します。あのころはまだ「旅行先の公衆電話で現地の航空会社オフィスに電話する=リコンファーム(予約というか乗る意志の再確認)とかが必須だったもんなぁ、しかも国内とはいえ長距離電話となると地域を統括する電話局オフィスにまで行かなければならなかったので大変だったことを思い出しました=その昔のタイ北部滞在中の話。あ、ネパール(1998年)でもリコンファームには苦労したよなぁ(その時の事情はこちら)。

出発の1時間20分くらい前にチェックインを終わらせましたし、とりあえず外でタバコを吸ってきたあとでちょっとクリスタル休憩(=ビール休憩)。ビールの名前がクリスタルなので勝手にネーミングしました。ただしおしんこどんはパイナップルジュース=左上画像マウスオン)。ちなみに葉巻で有名なキューバではありますが、建物内での喫煙が出来る場所はほとんどありません。自分は普段から外でしか吸ってませんし問題はないのですが。

そんなわけで15:30のフライト時刻を考え、15:00前に検査ゲートに並びました。この時間の国内線フライトはこの便だけなので「他の人も並んでる=時間的にまだ問題なく大丈夫」という感覚でした。でもね、ポケットの中身を財布から何から全部出してトレー上に載せた上でのX線検査、まさかの‥



要は「没収」です。でもさぁ、そんなこともあろうかとおしんこどんの機内持ち込み手荷物に入れてもらっていた予備ライター(ちなみにどちらも100円ライター)はX線をくぐり抜けても問題なし。X線検査機がザルだった(実は壊れていて中身を見られなかった、またはチェックする係員がいい加減だった=これは大いにありそう=ハバナ入国時にとっても感じたので)という可能性もありますが、個人的には



「今度」があるならば首から提げているパスポートケースに入れて通過してみたくなる気分でした。おしんこどんバッグはそこそこ物も入っていましたからライターを見落とす可能性もあったでしょうが、目に見えないだけでX線なら丸見えのパスケースでも同じように没収されるかどうか?いずれにせよ予備まで取られないでヨカッタ(笑)。

さてその先にある搭乗待合室はやたら横長な造りですが、裏側には売店もあり(喫煙室はなかったですが)、まぁそろそろ搭乗も始まるし、タバコはサンティアゴに着いてから吸えばいいわと最初は余裕でありました。

しかし、こちらが想定していた搭乗予定時刻(たぶん15:15ころかなと)はおろか、フライト定時刻(15:30)を過ぎても動きはありません。というかそういう時にはせめてアナウンスの1つくらいあってもいいと思うのですがそれもありません。でもそれがキューバのデフォルトなんだなぁと理解したのは、誰1人として空港職員に質問もせず皆さん神妙に座っていたからです。

時刻は16:00を回り、そして16:30を過ぎてもアナウンスの1つすらありません。これがキューバの忍耐なんだなぁ、定時であればそろそろサンティアゴ・デ・クーバに到着‥と思っていた瞬間、いきなり放送が流れ皆さんが立ち上がりました。スペイン語の案内内容はわかりませんが‥


(というか、いざとなると「機材不到着」により欠航という可能性もあるぞと思っていました)。



というわけです。搭乗口が開放され、案外立派なバス(たぶん中国 or 韓国製=皮肉じゃないです日本製じゃないだけ)で飛行機まで誘導‥って、たぶん駐機場まで直線では200mくらいしかなかったと思いますが(笑)。

機体はロシア製のアントノフ158。しかしどんな機体なんだろうとちょっとグーグル様のお力を借りてみたら何だかびっくらこいた次第です。それはつまり‥





航空業界の詳しいところはわかりませんが、とにかく旧東側世界が送りだした最新鋭機ということに間違いはなさそうです!(実際は元々のアントノフ148の大型化バージョンのようですが)。



ちなみにロシアのハバロフスク空港などでは「撮影禁止っ!」って言われたりしたわけですが(でもウラジオストックやカムチャッカでは何も言われなかったので、国の方針ではなく空港の方針なのでしょう)、ここキューバでは特に問題はないようです。



座席も綺麗だし問題なくリクライニングします。ましてや「着陸時に背もたれが倒れてくる」などどいう隠し芸などあるはずもありません(その昔ネパールの国内線に乗ったときに本当にありました。着陸時の急減速で、空いている席の背もたれが一斉に前にパタパタ倒れる光景はなかなか衝撃的かつ壮観でした(大笑))。

しかし!これはこの機体設計上のデフォルトなのでしょうか、エアコンの天井吹き出し口からはわらわらと白い霧が吹き出しています(右上画像)。前にもどこかで見たことがありましたがどこだったかなぁ?まぁある程度経ったら落ち着きましたが。

結局飛び立ったのは17:10ころ。定刻よりも1時間40分ほど遅れましたが、これで予定通りサンティアゴ・デ・クーバに到着できること確定ですからまぁ文句はありません。

飛び立ってどんどん東へ移動していくうちに(ハバナ-サンティアゴ・デ・クーバ間は約860km)途中から天気が悪くなり、雲の中を飛ぶようになりました。そして窓には雨粒が。うはぁ着いたら雨かなぁと思っていたら、どうやら積乱雲の核心部を通り過ぎた先あたりで着陸態勢となりました。



ご覧のとおりの小さな空港ですがヨーロッパからの国際線もしっかり飛んでおり、大型機を受け入れるべく滑走路長は4000mあります。でもターミナルビルはさすがに地方空港サイズ。



小さな空港ですし同時刻到着便などもありませんでしたから、ハバナのように「いつまでたっても荷物が出てこない」ということはなくスムーズでした。で、でたところでさっそく「TAXI?」と呼び止められましたので‥



宿周辺地図を見せた上で「ここなんだけれど‥」というと、「わかった、いいよ乗ってくれ」とのことでほぼロスタイムなし。うわ、新しい車だ!(びっくり。ほかに止まっていた車はクラシック系ばかりでした)。空港から市街地まではごく最近整備された片側2車線道路となっており快適そのもの。ドライバー氏に「実は明日からレンタカーを借りるので、あなたの運転を模範にするよ」と申し上げたところ笑ってました。でもハバナ編でも書きましたがある意味ホントなんですけれどね。



さて何とか暗くなる前の19:00頃に本日のカサ・パルティクラルに到着(前にも書きましたが日の出が遅いぶん日没も遅いので助かりました)。部屋は‥どうやら予約していたツインベッドの部屋を家族連れに貸しちゃったらしく、上画像のダブルベッド部屋でもいいか(値段はエージェントとのことがあるので変えられないけれど)ということでしたが、まぁエアコンも扇風機も冷蔵庫もあるのでOKということに。ここに連泊です。

で、ここまでタクシーで走ってきてわかったのですが、こちらのお宿はかなりの郊外(いわゆる新興住宅街)に位置しているようで、近隣にレストランなど期待できそうにありません。そこで夕食をお願いできないかと頼んでみると、「少し遅くなりますが、家族連れの夕食が終わったあと、21:00前くらいでもよろしければ‥」ということなのでもちろんOK。「チキンですがよろしいですか?」「もちろん!」。

そんなわけで2日分の夜の友(昼かも知れないけれど)のビールを8本いただき冷蔵庫に入れいつでも飲めるぞモードスタンバイOK。ちなみに後会計式で「飲んだ本数分だけ支払う」方式です。結果、もちろん8本分をお支払いしましたけれどね(笑)。



そんなわけでまずは最初の2本で乾杯!屋根付きのテラス席でちょこっとクラッカーとか蒟蒻畑ゼリー(実は結構好きなんです)などをおつまみに‥。あ、でも平屋の建物なのでやはり蚊が出ます。キューバ訪問時には虫除けスプレーやムヒなどをお忘れなきように。

部屋にTVはありませんしWiFiが飛んでいるわけでもないので、芋焼酎などを摂取しつつのんびりと日記を書いたりしているうちに「ディナーの準備、整いましたよ」と声をかけられ、いざディナーテーブルへ。なるほど、食事室&テーブルが1つしかないから同時に大人数がというわけにはいかないわけですね。



と、ここで「お飲み物は‥」と、まるでレストランに来たかのような制服制帽を着用したお兄さんに聞かれました。何があるか聞いてみると何と白ワインがあるそうでしたので、「じゃ、それで」とお願いすることに(さすがに種類は選べなかったと思います)。というわけで例のテイスティング儀式(左上画像)を経て‥乾杯!ちなみに味はそれなりでしたが、キューバで冷えたワインが飲めるとは思っていなかったので(しかもカサ・パルティクラルで)この時は嬉しかったです。観光バリバリのバラデロとかではごく普通のことでしょうが‥。

でもこのあと提供された料理は‥うん、お世辞抜きに美味しかった!



パンプキンのスープに始まり、照り焼きふうのチキンにごはんと野菜!そしてキューバだと結構デフォルト系らしいバナナの揚げ物と、最後には(ちょっと見てくれは悪いが)美味しいプディングまで!(中央&左上画像マウスオン)。この時はシェアではなく2人分をオーダーしたので結局ごはんとサラダは残してしまいましたが、いやぁ満足です。

結局ワイン(フルボトル)も飲みきれなかったので(すでにビール&Takemaは芋焼酎も飲んでいたので)部屋に持ち帰りました。なーに冷蔵庫があるし大丈夫っと。ちなみに冷蔵庫が部屋にない宿でもだいたいの場合共用冷蔵庫がどこかにあることが多く(湯治宿と同じですね)、もしそれがなくても宿の人に頼めば宿の冷蔵庫にしまっておいてもらえるはずです。

この日は疲れていたのか、Takema日記によると「22:45には寝てしまった」と記録されています。でも、たぶん「お腹いっぱいで眠くなった」という理由もあったんじゃないかなと(笑)。



明けて翌朝、われわれは7:30の朝食をオーダーしていましたがかの家族連れはもっと遅い時間のスタートだったようで、偶然ながら棲み分けが出来ていたようです(まぁ最後の方でお越しになりましたが。たしかオランダからの旅行者家族。それにしても「28日間の休暇」ってすごすぎる!)。

「朝食のスタートはフルーツから」というのは日本人たるわれわれからすると違和感がないでもないですが、すでに3日目ゆえ「これもありかな」と。でも日本に帰国後は元に戻っちゃいましたが(でも朝のフルーツはほぼ間違いなく摂取しています)。



また日本では最後に出てくることが定番のコーヒーも、ここキューバではほぼ最初のタイミングに出てきます。そしてこのコーヒーですが‥



中央画像を見ればカップの大きさはおわかりだと思いますが、ここに砂糖をそれだけ投入‥うーん自分には出来ないというかやりたくないなぁ(ちなみに自分はいわゆる「ブレンドに砂糖1杯とミルク」というお子ちゃま系の飲み方です。ちなみにおしんこどんは男らしくブラックです(あれ?)。

上画像に出てはいませんがもちろんパンもあり、いわゆる塗り物系も充実。いやぁ朝からたっぷりといただきました。

宿の若奥さんは英語が発音も含めて堪能で、現地情報の質問にはまったく問題ありません(というかTakemaのリスニング能力ではついていけなくて聞き返す場面も何度かあり)。しかし立地のせいなのか「あなたがたはうちに泊まる初めての日本人なんですよ」ということでした(何だか初物釣りみたいな感覚で嬉しかった)。ちなみにこちらです。

で、市内&周辺の見どころについて情報をいただきました。革命関係はもういいかなと思っていたのですが、「7月26日記念館」だけは行ってもいいかなと。そのあとは(ネタバレ防止のためここでは書きません)。

なお前夜のうちに、市内中心部に位置するレンタカー屋までのタクシーを予約していました。でもここまでの段階で「ハバナで両替したCUCの減りが思ったよりも早いぞ」と感じていたので、カデカ(外貨両替所)に立ち寄ってもらうことにしており、そのあたりの伝達も問題なし。確かカデカ経由で8CUCだったはずです。



約束の時間(9:00)にタクシーがやってきました。なぜか「TAXI」の表示板は室内ダッシュボードの上にありましたが間違いなくタクシー登録車でしょう。途中でキューバの救急車に追いつきましたが(右上画像マウスオン)、内部のがらんどうぶりからすると本当に「緊急搬送のみに特化し、医療行為はあくまで病院で」ということのようですね。

何だか仮設小屋のような建物の向かいで車を反転させたところでドライバーさんが「カデカ(両替所)ですよ」と声をかけてくれましたが、‥「え?ここ?」とちょっとびっくり。公式の施設なのでしょうが(ちゃんと警備員もいました)、観光客が多そうなエリアでもなさそうですし「なぜここに?」という感じ。

ちなみにここではJPY50,000を両替しました。到着時のハバナでJPY100,000を両替したはずなのになぜここで追加両替したかというと、ハバナを除けばキューバ国内で日本円を両替できるところはかなり限られているのです。外貨両替所のカデカ(CADECA)そのものは地方都市にも大体あるようですが、その多くは日本円両替不可。また「たぶんどこのカデカでも両替できる外貨」であるカナダドルは虎の子としてキープしておかなければなりません(カナダドルは羽田で両替済み)。ここサンティアゴ・デ・クーバのカデカは日本円OKという情報を得ていたので、ならば今のうちにというわけです。

というか2015/8現在のキューバの場合、


(つまり、弱い自国通貨国によくある「外貨でも支払える」という手法は通用しないということです)。

ちなみにアメリカによる経済制裁に対するキューバ側の逆制裁ということなのか、アメリカドルもどこでも両替できるとはいえ、両替時に10数%の手数料を取られてしまいますので念のため。

さてそんなわけで市内にあるレンタカー屋へと向かいます。うはー、緊張してきたぞぉ!左ハンドル右側通行、しかもいきなり交通量の多い市街地からスタートするわけですから!続きはWEB、いや違った次ページにて。

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