(あまり意味はありませんが上ロゴマウスオンで英語表記に変わります)

− 2013 カムチャッカ旅行記その18 目指せムトノフスキー地熱発電所&あこがれの源泉地帯!−



いきなり快晴になったらこんな絶景がっ!これは期待してもいいのかな?

さてこの日の朝のカムチャッカはまたしてもどんより曇り。どうやら天気の谷間にどっぷり入り込んだということなのでしょうか。

さてこの日はいよいよ野湯を目指します。ダチニエ温泉という名の湯には脱衣場すらないということで内心小躍りして喜ぶTakemaでありましたが、一般的にはやっぱりあった方がいいはずですからやっぱりどこかのネジが外れているのかも知れません(笑)。もちろん「どこでもお着替え」はしっかり持参しておりますからおしんこどんでも安心さ!

この日のクルマはトヨタハイエース。内外装ともかなり綺麗です。12ヶ月点検のシールを見ると、ふーん山形県の中古車屋さんが最後に登録していたみたい。で、車検シールを見てみると‥(左上画像マウスオン)、


(もちろん車両登録は抹消されているはずですからそのまま日本の公道を走れるわけじゃありませんが)

一瞬「ハイエースって日本で一番盗まれやすいクルマなんだよな?」とイヤな妄想が頭をよぎりましたが、最後の持ち主が中古車屋さんなのですからその線は薄そう?

ちなみにドライバーさんのセルゲイさんがこのシールについて説明してくれということなので詳しく説明いたしました。カムチャッカではシールなどはなく車検証だけが交付されるが(右上画像マウスオン)、その更新は1年ごとなのだとか。あ、でも日本でもタクシーとかは確か1年車検ですよね。

なおこの日は山歩きがあるということで登山ガイドのジマさん(男性)が最初から同行です。あとから聞いた話によると、この時同時進行で行われていた別の日本人ツアーのガイドさんとラブラブ関係にあるとかないとか云々。まぁどうでもいいことですが。

クルマはエリゾボ市内の手前で左折してダート路へ。「ははぁ、パラトゥンカ温泉をパスするショートカット路だな」と思いましたが、あらためて地図を見直してみてもたぶん間違いはないでしょう(後日パラトゥンカ温泉を訪問したときは最後まで舗装路だったので)。

しばし走ったところで突如休憩・横から小沢が流れてきていますが、ターニャさんいわく「この川の水には銀イオンが多く含まれている」ということでした。ちなみに周りの木々に布が結びつけられているのは「この地を訪問した記念に人々が結んでいるのです」ということだったと思いますが、民俗学的見地からすればもしかしてここって「宗教的聖地」になりつつあるってことじゃないですか?というか、この右上風景を見た瞬間にパっと思いついたのは何と東北のオシラ様信仰でありましたよ(笑)。

みなさん持参のペットボトルで水を汲んでおられたので、「ここはエキノコックスとかは大丈夫なのかなぁ」という考えに及ぶこともなくしっかり給水(苦笑)。これで発症すればあまりに運が悪い?

さてこのあたりのダートはまだマシだったのですが、ちょうど右上画像で登り坂の傾斜がぐんと増したあたりからは、遠目とは裏腹にかなりアヴァンギャルドで柿ピーバンピーな修行路になってきました!しかも近くに見えるはずのカムチャッカ富士=ヴィリュチンスキー山は裾野までガスに覆われているし‥残念。

こんな道中です。平原に出ると比較的マシ‥。

さてこの急坂エリアを越えると辺りは一気に開けて高原の趣となりました(右上画像マウスオン)。道路脇には濃いピンクのエゾツツジの群落があちこちに‥そして一気にガスが晴れて青空にっ!




(いやこの場合、普通は野湯じゃなくて「トレッキング」でしょ(苦笑))。

ちなみに上画像の、噴気を高々と上げている山はゴレリー山(1829m)で、日本からもこの山を目指すツアーがあります。行程的にはアバチャ山よりも楽らしいので、今後はこちらの登山も人気になりそうな感じです。なお聞いた話によるとアバチャ山同様こちらも「噴気だけで湯は出ていない」のだとか。そういう点だけはぬかりなく聞いています(笑)。しかし「小噴気を利用して現場で造成泉を造れないものか」というのがTakemaの新たな研究テーマなのです(=無理だって)。なお上画像にマウスオンすると拡大画像に変わります。それにしても立派きわまりない噴気だなぁ‥。

そんなわけでその気持ちよさを体現っ!とはいえいつものジャンプと「ポーっ!(おしんこどんの頭から噴気)」ですが。ただ、エゾツツジは綺麗だし、背は低いとはいえハクサンイチゲの亜種も咲いていました(両上画像マウスオン)。

さらに進んでいくと、今度はガスの向こうにムトノフスキー火山も見えてきました。ただしゴレリー山を除くこの周辺の山はどれもバリエーションルートなので本格装備(ビバーク装備を含む)がなければ立ち入ることすらできません。

で、さらに進んでいくと両サイドは雪渓ゆえ気温上昇に伴いガス発生による視界不良路が続きます。平坦路にもかかわらず正直言って路面状況はよくありません(路面がフラットに見えるのは、そういうフラットな場所で撮った画像以外はブレブレで使い物にならなかったからです)。

さてしかし、はるか彼方にもうもうと湯気を上げる人工施設発見!

そんなわけでムトノフスキー地熱発電所に到着です!豊富な地熱を利用したこの発電所はPカムチャッキーの必要電力の何割かを賄っているそうです。しかし8月に入っても周辺にはまだこれだけの雪があるわけで、それこそ冬場は「陸の孤島となりながら、同時に州都の命綱」になっているんでしょうね。

そんな場所にありながらも、この地熱発電所には結構日本の技術が導入されているようです。考えてみれば地熱の技術開発は「そういう国(火山国)でなければできない」わけですからそれも納得。以前行ったアイスランドでもクラプラの地熱発電所は三菱重工が云々ということだったし。なおこのムトノフスキー発電所も結構老朽施設をだましだまし使っているそうですから、そろそろ日本が新規更新工事に手を挙げてもいいんじゃないでしょうかね?

まぁそんなお話はともかくとしてわれわれは所期の目的地を目指すのであります。と、ふり返ればさっきまで見えていなかったカム富士のビリュチンスキー山がいつのまにか姿を見せておりました(左上画像)。でもこの角度からだとちょっと形が崩れているかな。

さ、トレッキングシューズに履き替えて山へと向かいましょう!



結構あちこちに雪渓があり、おしんこどんはストックを装備に加えたので安心です?



ウルップソウやチシマフウロほか日本にはない北の花も咲いておりました(右はカムチャッカオヤマノエンドウ?)。

しかし、この日の天気が悪かったら最悪ですよね。実は到着後ターニャさんに「今回の行程で雨が降ったら日程変更とかはあるんですか?」と聞いてみたら「それはわかりませんが‥(たぶんないというニュアンス)」でありました。ここの場合大雨だったら「行程中止です、でも代替案はありませんのでホテルで‥」ということになったんじゃないかなぁと思うのです(もちろん勝手な想像にすぎませんが)。というわけで、またいつものように‥

この旅行でも傘を差したのはゲーゼル渓谷での10分くらいでした(全11日間で)。もっともわれわれ夫婦の運気は向上してきているということか?そしてそれを証明できるのは2014Takemaオフキャンプだったりするわけです(大丈夫だって!=根拠なき自信)。

さて登山道?を歩いていくと、そこそこ古い木製ソリが放置されていました。でもボロボロというわけでもなく躯体はしっかりしていますからたぶん冬には現役で活動しているのでは?ちなみに山の奥地のように見えますがここはまだ発電所の敷地です。というのも‥

ポツンと放置されている源泉井をのぞき込むと‥うーんまだこの井戸は生きています!というか、この界隈の大地自体がバリバリに「活きて」いるのですから!

ひとしきり登ったあとは下っていきます。と、あそこにはもしかしてとてつもないパラダイスが?




(右上画像マウスオン)

しかもその周辺も軒並み熱湯パワー!ちなみにすぐ脇には雪融けの清冽な沢水が流れているんですが、水平高度の問題でこれもまた無理(というかそれができるなら先人の皆さんがやってますって)。



右上画像の冷たい水を何とか左上画像の湯に‥それができないからこそ皆さん苦労しているわけですよね(笑)。

あこがれの源泉地帯。ボッケにはまってさぁ大変にならぬよう歩道以外立ち入り禁止。

さてしかし登山ガイドのジマさんはこんな垂涎エリアをそのままスルーして先へと進みます。ということは本日の目的地「ダチニエ温泉」とはここじゃないのでしょうか?個人的にはここで1-2時間のフリータイムをいただければもうそれだけでかなーり満足なんですが(大笑)。あ、でもスコップ持ってきてないし(以下略)。

さてまだこのエリアは発電所のパイプが走っています。でも実は熱気を感じなかったパイプラインをくぐり抜け、平らに見えますが実は急な上りのダンプ路を登っていきます。そしてジマさんが車道をそれた‥その先には!
















というわけでこの続きは次ページにて。
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