- 2017夏 キルギス旅行編 その27 ビシュケクに戻る途中にイシクアタ温泉へ-



キルギス滞在中最後の湯となるイシクアタ温泉。源泉投入口から離れるとややぬるめながらなかなか良い!



イシククル湖西端のバルイクチから首都ビシュケク方面へと向かい、いよいよこの旅行も終盤戦です。町外れにはユルタが立ち並ぶ一角があり、怒涛の看板群から考えて商店?おみやげ屋さん?

バルイクチ郊外の幹線道路には何やらチェックポイントがありました。とはいえゲートなどのガードはなく、何を確認するポイントなんでしょうかね、結局聞き忘れてしまったので設置目的は不明のままです。ザックさんは降りていきましたから免許証や車両登録書とかの確認なんでしょうか。



この道は中国からの「一帯一路」ルートになっており、片側二車線の立派な道です。制限速度は90km/hで、ザックさんしっかり法令遵守です(まぁあちこちにポリスが張ってますからねぇ)。

交通量はそれほど多くはありませんで実に快適。牧草を運ぶトレーラー、過積載じゃないのかな?(笑)。

ビシュケクまであと150kmほどのところまで来たところで何やらドライブインのような施設があったので止まってもらうことに。どんな感じなのか見てみたいじゃないですか。



看板の文字は珍しいことにアルファベットのみです。写真を撮っていたら一瞬「まさか?」とびっくりしました(右上画像マウスオン)。え、ええ、あの見慣れた温泉マークに何となく似ていたもので(苦笑)。



内部は看板の通りビュッフェ形式の食堂となっていました。まだお腹は空いていないので食べませんでしたが、結構賑わっておりました。地元ムスリムの方々向けゆえ当然豚肉料理はなかったはず。外に出てきてみると、のんびりしていたザックさんが手を振ってくれました。英語も通じませんが気さくな感じの方。そのザックさんとも明日でお別れなんですねぇ(ジャミラさんとは明後日まで)。



と!一瞬の隙を突いて旅客列車がバルイクチ方面へと駆け抜けていきました!うーん、せっかくだから乗ってみたかったなぁキルギスの鉄道。しかしあまりに情報が少なくて(あるのはだいたいネガティブなものばかり)計画時に外したんですが、こうやって実際に走っているのを見るとなぁ‥。

オルト・トコイスコエ貯水池を水源とするチュイ川沿いにどんどん下っていきます。しかしこのまま首都ビシュケクまで直帰するわけがないというのはページトップの画像からもおわかりですね(笑)。



それにしてもあちこちモニュメントだらけなのは民族性なのか旧ソビエトからの伝統的習慣なのか?(両上画像マウスオン)。



Police軍団はあちこちで「狩り」の真っ最中でございました。くわばらくわばら。ザックさんが法定速度厳守なのも当然。



途中の、たぶんチュイスコエという町では、右上画像のように茹でたて(蒸したて)のトウモロコシが売られていました。これは買って食べてみるべきだったな。いくつも露店が出ていたことから考えると「それぞれ味に自信あり」という地元特産でしょうし(トウモロコシ露店は今回ここでしか目にしませんでした)。あ、スイカやメロン(瓜)の露店はどこにでもありますよ(特にビシュケク周辺では)。イシククル湖周辺だとアプリコットかな。

あ、「やっぱりね」系の看板発見。




(ただしそれはある意味当然のことなのでそのことに問題はないと存じます)。

もっともキルギス人の多くの方々が東洋系の顔立ちであることもありますし(東部では特にそう)、中国人(ここでは「中国語を話す人」の意)の存在に気づくことはほぼありませんでした。ジャミラさんが言っていましたが、シルクロードの時代はともかく中ソ時代にお互いに没交渉であったことにも起因するのか、キルギス人は中国に対して「妙に特別な感情」(プラスの意味でもマイナスの意味でも)を抱いてはこなかったのだとか。

ただ今後中国側からの貿易アプローチは増大するはずであり、またビシュケク周辺の開発風景を見るに「ちょっとバブってる?」という印象を抱いたことも事実です。今後のキルギス政府の舵取りは重要だと思います。仲良くすること自体は実にいいんですけれど、それだけで終わらないのが国と国との関係ですから。

ところで右上画像ですが、何やら堤防のようなものが構築されています。川の向こうはカザフスタンであり、。川の流路が変わることによりこちらキルギス側の土地が浸食されることのないようにという目的で構築されたのでしょう。この川沿いのキルギス側に東西を結ぶ動脈の国道がある以上、土地をえぐられることは道路インフラ維持の上でも、そして「領土保全」の上でも重要な問題になってくるわけです。

ちなみに旧ソ連時代、各共和国の線引きが特に問題とならなかった時代に整備された道路や鉄道は、各国の独立後微妙な問題となっています。鉄道や道路が一部区間だけ隣国側を通っているからその国のビザが必要だとか‥(ほとんど難癖に近いと思うのですが正論で突っ込まれると)。この道路も実は一部カザフスタン側を通ってる?(右上画像マウスオン。黒い線が国境です。なおこの道を通る限りカザフスタンのイミグレ取り締まりはありません)。

【2018/2現在】

問題とされていたのはキルギス/ウズベキスタンとの国境付近を通過する鉄道が主だったようですが、日本パスポートの場合はウズベキスタンのビザが不要になり、この問題も解決されているようです。ただしビザを巡る状況は常に流動的なので事前に最新情報をご確認下さい。




カザフスタンの国境沿いを走る国道ですから(このあたりは往路においても通った区間ですが)、国道のすぐ脇にいきなりイミグレーションがあったりします(車窓からすかさず撮影)。ここからでも明日向かうアルマトイに行かれるんですね。でももう少しキルギスにいたい&etcでスルーです。

さて途中のトクマク?という町で(もう少しビシュケク寄りかな?)左折してキルギス最後の温泉へと向かいます。



線路を渡り、しばしローカルな道を進んでいきます。この牧草はほどよく水分が抜けてますね。



ただ、旅行者で「これほどキルギスの温泉を巡ろうとリクエストするお客はそういない」ということか(笑)、ザックさんも道がわからないようでこの右上の自転車少年ほかに聞いておりました。グーグルマップを見ている自分のほうが「そこを左かな?あ、直進しちゃった」といろいろ気を回してました。もっとも2015年のキューバでは3G電波も使えなかったのでGPSナビに頼り、結果として痛い目に遭ったんですけれどね(詳しくはこちら)。



再び山岳エリアに入ってきました。それにしても山の中腹あたり、何で斜面にぽつりぽつりとゴルフのグリーンみたいな濃い緑エリアがあるんでしょうかね。何だか不思議な光景です。そしてほとんど地元の人しか通らないであろうこの道沿いにもしっかりお魚さんのモニュメントがありました(右上画像マウスオン)。本当にモニュメント好きだなぁキルギス人の皆さん♪




(メインルートのはずなのに単線階段、しかも途中ステップが壊れてましたよ)。



長期滞在者用?の建物を通り抜け、さらに坂を上っていきます。冬はどんなことになっているんだろう?



ここにもありますねTИP(射的)。そして右上画像が温泉プールへの入口ゲート。山懐の温泉です。



地味な感じの受付と、そのお隣のショップは同一経営?お店の店員さんが顔を出す場所もないですから。





さてその前に水着に着替えねば‥しかし脱衣場は特に設置されていない様子。その代わりシャワー室がありましたのでそこで着替えればいいか。でもちょっと不親切かも。



着替える場として問題はないのですが、荷物を引っかける場がないのが難点。服を着るときは特にね。

さてしかし、着替えてしまったらもうこっちのものです。楽しもうではありませんか!(なおロッカーとかはありません。ここに限りませんがキルギスの温泉は基本的にそういうセキュリティ関係がユルユルなので、プールに財布等は持ち込まないように算段して下さい。わたしは全くその算段ができていなかったのでいつもプラスチックバッグに入れてプールサイドに置いてでしたが、やっぱり視線は常にそっちに向けて置かざるを得ず、どうも落ち着けませんでした=ジャミラさんに預けるのが間違いなく大吉だったはず)。

そんなわけで‥





プールは手前から奥に進むにつれてどんどん深くなっており、子どもたちは当然手前のエリアにいるわけで奥の方に進むにつれて人が少なくなります(当然)。それにしてもこの周辺の山々を見るに、日本であればどこにいる感じだろう、もう樹林帯じゃないから上高地ではないし、かといって涸沢ほど緑がないわけでもない。何となくの風景感覚としては‥


(ただし地形や標高的には全然違いますので念のため)

この温泉プール、源泉は豪快にというか勝手気ままにというか、ホースから打たせ湯方式で流し込まれています。間違っても循環とかいう面倒な方式は採用されておりません(当然)。で、源泉温度を計測してみると‥





そんなわけで「ほんじゃ打たせ湯トライアル」に進行してみたわけですが‥予想通り。熱いじゃないのさ!



ぐわーごめんなさい系の絵になっております。やっぱり熱いし(苦笑)。というわけで動画です。



ちなみにホントにかなり熱いにもかかわらず、この「打たせ湯」には地元の方々(男性が多いが女性も)がどんどん寄ってきて「打たれて」おりました。キルギスの皆さん、「熱い湯」には耐性があるようです。あ、そうかバーニャ(モンチョ)で熱いのには慣れてるってことなのかな?

さて、ここイシクアタの温泉プールを訪問するにあたっては2つほど「重要な注意」があります。その1つめは、



ということです。おしんこどんと自分が「じゃ、こっちのプールにも行ってみようか」というわけで進んでいき、いざTakemaが入ろうとしたらどよめきが。そのどよめき&女性しかいないことでそれと気づき「I'm sorry.」となりましたが、こりゃびっくりしましたわ。なお場内掲示はキリル文字だけで英語の表記などはゼロでしたし、ジャミラさんはプールの外で待っていましたので、この時は全く気づくことがなかったのです。

そしてその2の注意点はといえば、



なのであります。いや、プール施設内にもトイレはありますよ。しかしそのトイレがですね‥





いわゆる「ニーハオトイレ」です。ちなみにおしんこどんの目撃情報によると、女性が入っていったあとに男性が入ろうとしたら、近くの人が「今女性が入ってるよ」と声を掛け「同室」にならないように配慮していたということです。でもトイレ番がいるわけでもありませんからねぇ。お気をつけあれというか事前にご準備あれ。古くからの施設だとまだこういうトイレがあるようです。



なお泉質については記憶が定かではないのですが特に強い特徴はなく単純泉だったと思います。ここで汲んだ温泉水はそのまま飲み水となりましたし(飲泉許可とかそういう無粋なことは言いっこなしね)。

このあと再びシャワー室で着替えてプールをあとにします。駐車場近くにはいくつか食事のできる施設があるのですが、どこもアルコール飲料は置いていないということで軽く愕然(笑)。ま、地元の皆さん御用達の施設なのでやむを得ないことかなと。

あるお店では「串焼肉(シャシリクというようです)をサーブするまでに30分かかる」というのでパス。その隣のユルタ食堂では「10分でできる」というので迷わずこちらへ。



先客さんはおらずわれわれのみ。ユルタの中に荷物が置かれていましたが、これはおそらく従業員さんたちの布団とかだと思われます。ここで寝泊まりしながら営業しているのでしょう。



羊肉なのかと思っていましたが牛肉のようで炭火焼きです。ちなみにカメラを向けたらずいぶんと照れておられ、その様子を仲間から茶化されておりましたが、このあと自分がそちらのお2人にカメラを向けるとやはり照れて顔を背けてしまい、今度は茶化しの逆襲を受けておりました(右上画像マウスオン)。



さて焼けたシャシリクが出てきました。スライスした生のタマネギと一緒にサーブされています。ちなみに塩味と香辛料だけの味付けですがこれが何とも美味しかったし、また生タマネギとも合うんです。正直味についてはさほど期待していなかったんですがいい意味で裏切られました!シャシリク2本とチャイとで340ソム(1ソム=1.6円)。観光地価格ではあるのでしょうがかなーりよかったです。



さてこのあとはいよいよビシュケクへと戻ります。標高の高いここイシクアタは気温も高くはなく爽やかだったんですが、ビシュケクは今日も暑いんだろうなぁ。そしてその予想は全く外れることがなかったのです。



まだいいんですよ山あいエリアは。しかしこのあと標高を下げていくと‥




(ちなみに直前までセンサー部は車の外側に出していました)。

中央アジア、場所にもよりますが「夏は爽やかで気持ちいい」という思い込みは捨てまくって下さい。カザフスタンのアルマトイも暑かったしなぁ(まぁこの翌日に再び泊まるんですが)。

そんなわけでキルギス来訪初日にも泊まった「インターハウス ビシュケク」に到着したのは16:45ころ。そしてそこには「NH Tabi Company」のAさんが待っていました。いわく、



ということでした。いや、これはちょっとびっくり。確かに現地で馬(の手配)関係のトラブルがあったのは確かでしたし、そのことで一時むくれた(Takema)のも事実ですが(苦笑)、その一方で「結局はアクシデントなんだからしょうがない」と諦めたのも事実でしたので返金云々については考えてもいませんでした。ゆえにUS$現金入りの封筒を差し出されたときには「え?」という思いでした。

でもこのことで自分は「この会社に頼んでよかったなぁ」とあらためて思いましたよ。そもそも「キルギスの温泉にできるだけ入りたい」というリクエストに応えてくれるだけでもありがたかったですし(大笑)。英語でのネット情報検索に限りがあるキルギスの旅程を自分だけで立案するのには限界がありましたから、やはり現地旅行社(しかも問い合わせは日本語完全OK)の存在はありがたかったです。

唯一の難点はといえば「クレジットカード払いができず、旅行費用をキルギスの銀行にUS$建てで送金しなきゃならない」という点でしょうかね。外貨の海外送金ってほとんどの人は慣れていないと思うので‥。



このあとは冷房の効いた部屋でしばしくつろぎ(おしんこどんはご覧のようにパンダ化していました=パックね)、太陽が西に傾いた頃(直射日光を浴びなくて済むようになった19:00頃)夕ごはんへと出かけます。キルギス到着初日はずいぶんと遠くまで歩き回りましたが、実はすぐ近くにおすすめのジョージア料理のお店があるというのでそちらに行くことに。宿からほんの2-3分です。



初日は道路側から屋外席しか見えなかったので「暑いよ」ということでパスしたわけですが、よく考えたら屋台とかフードコートというわけでもなく奥にはちゃんとエアコンの効いた母屋がありました。もちろん母屋へ。そしてきっちり冷えたジョージア産のワインを注文(右上画像マウスオン)。オーナーさん?の女性は英語堪能で丁寧な接客。そして‥





まぁ戸建てのレストランですしワイン(980ソム)も飲んだし25%のサービスチャージも付いたんで料金は1851ソムと高かったですけれどね(苦笑)。でも「高いだけのことはあった」感じでしたよ。

帰り道にキオスクでアプリコットジュースとペプシ(合わせて50ソム)を購入し宿に戻りました。いよいよ明日はキルギスからカザフスタンへと移動。でも午前中はビシュケク市内の市場ほかをうろうろします。

[戻る] [次へ]