− その16 ウランバートルの「秋葉原」その他 −



ここ、「ウランバートルの秋葉原」が命をつないでくれました(笑)。

「もっと行きたいところ」ですが、実は非常に現実的な問題が絡んでおりまして、要は「SDカードのデータをCDに落としてもらえるショップ」だったのですね(笑)。いやぁ話せば長いながら、昨日までの3日間であまりにも多くの(ムダ)画像を撮ってしまい、すでに新旧2台のデジカメで750MB相当の容量を使ってしまっていたのです(その大部分が動画であったことは想像に難くありません=というか、ご想像の通り)。

まずは宿から歩いていける距離にあるショッピングセンター(かなり大きそうだった)へと向かいます。それとおぼしき店に行き、ゾルさんを介していろいろと質問するのですがなかなか要領を得ません(要は「できない」)。このあとはネットカフェを訪問したりしましたが、やはりいい返事は返ってきません。

ところでわれわれが持参していたメディアはといえば、「SD=512*2+256+128+こまごま48=1456MB」&「SM=128*5+64*2=728MB」、合わせて約2.1GBだったわけです。ナミビアやパプアニューギニアではSMだけで十分間に合ったという悲しき経験則をもとに「ま、今回もこれでいいや」と思って調子に乗ったのが運の尽き、たった3日で全容量の約1/3を使い切ってしまったわけですね。

いや、ポータブルハードディスクだってもともと一応40GBのを持っているんです。ただねぇ、「今回は要らないでしょ!」と考えて持ってきていなかったわけなんです。おまけにその延長線の発想で、「カードリーダーもいらないっしょ」。よって、ハード側は一切持参していなかったわけですね。

しかし事態は風雲急を告げています(笑)。今はともかく、このまま旅を続けたら、いくら節制したとしても空き容量がかなりキビシくなることは目にみえています。だって、この旅はあと10日以上、今回訪問した南ゴビは最初の訪問地で、このあとさらにテレルジ、フブスグル、そしてハラホリン(カラコルム)と続くわけです。しかもまだまだデジタルカメラが普及していないモンゴルでは(この状況も、今後年を追う毎に変わるとは思いますが)、特に地方に行けば行くほどデジタル関係のデータ移動に関してはにっちもさっちもいかなくなるはず。ならば「この時点でメディアのデータを移し替えてまっさらにしたい」と考えたのは当然の帰結なのであります(強引なる正当化)。

で、地元民ながらコンピューターに関してそれほど詳しくない(と思われる)ゾルさんも知らなかった「オタッキーゾーン」を発見!それが上の画像のビルなんですね。というわけで建物の中に入ると、「おお、ここぞ秋葉原電気街!」という感じのミニ商店が立ち並んでおりました!

と思ったのも納得してほしいくらいです(強引)。店幅3m弱くらいのお店が軒を連ねているって、まさにあの世界でしょ?(中高生の頃私も入り浸りました。なのに電気系は弱いんですけれど(大笑))。

さぁてそんなお店を探しているうちにようやくあるお店の陳列棚に「(中国製)マルチカードリーダー」発見!SD&SMのスロットがあるのも確認できました。しかし悲しいかなこのお店はあくまで小売り専門店で、データをCDに落とすというようなサービスはしていないみたい。「こりゃあここでリーダーとCD-Rを買って、どこかで別料金で落としてもらうしかないかなぁ」と思いつつ見ていたら‥、どうやら隣のお店が「CD-R焼き付けサービス」をやっているみたいだって?



どうやらここが「約束の地」?(大したことないネタなのに、言葉だけは重いです)

というわけでゾルさんがここの店員さんにカードリーダー関係を聞いてみたところ、「うちにはリーダーがないんです」。しかしそのうち先ほどの「小売専門店」様、そのやりとりを見た上でこちらへとお越しになり(すぐ横のお店なんで)、

ということになりました。うわぁ、何たる太っ腹っ!ありがたいありがたい、本当にありがとうございますぅ!というわけでありがたくお借りし、いざデータ移動開始っ!って、やるのはわたしじゃなくてお店のお兄ちゃんなんですが、このお兄ちゃん、いやお兄さまはいかにも現代UBっ子らしい長髪で、何だかこういう場合は妙に信頼が置ける気がしたのはTakemaの気のせいでしょうかね。



「さ、それではやりましょう」的余裕の表情を見せるお兄さん、ありがとね。

そして作業は何の問題もなく進み、これまでに撮影した画像や動画は無事に2枚のCDに収まったのでありました。代金は6000Tg/1枚*2=12000Tg(約1200円/1円=0.1Tg)。なぁに、途中で空き容量がなくなってしまうことを考えれば安いものですわ。



というわけで、最後にみんなでぱしゃっとね。

さて「最大の懸案」さえ片付いてしまえばもう今日は特にすることもありません(また容量が厳しくなればここに来れば間違いないという安心感もありましたし)。町中の商店でモンゴルの地図を購入し、そのあとは国営デパートへ。「国営」ってところが何だか懐かしい響きですが、中は確かにごく普通のデパート。ま、雰囲気的には20年くらい前の日本のデパートに近いような気もしますが‥。

ちなみに紳士服売り場の一角では、ノースフェースやらマウンテンハードウェアなどのジャケットやパーカーなどがそれこそ「驚くばかりの破格値」で売られておりました。去年カナダに行った時に欲しかったけれどあまりの高さに恐れをなした「あの某商品」と同じものまで破格値!というわけで思わず勇気を出して防風ジャケットを購入してしまったわけですが、お値段はカナダの1/8くらいかな。US$38だったもんなぁ。いや、本物だとは思いますよ、ええ多分(意味深笑)。



まっさか国営デパートでコピー商品なんて売りませんよね、ええ多分(苦笑)。

さてこの国営デパート周辺ですが、実はスリが多いのでも有名な場所ゆえ、カメラなどを肩にぶら下げていたりすると危ないですよというアドバイスを受けておりました。よって、このあたりの画像はみな手のひらにおさまるミニカメラで撮っていたわけですが(だから画質は悪い)‥われわれの2歩くらい前を歩いていたゾルさんに、斜め前方から不自然に近づく男一人!あやしげな目をした兄ちゃん、すれ違いざまにゾルさんのズボンのポケットに入れていた携帯電話(ストラップがポケットの外に出ていた)を盗もうとして失敗!

Takemaの頭の中には一瞬にして、あの「ホーチミンの悪夢」がよみがえりました。うわぁ、やっぱり油断大敵雨あられだぁ。肩からかけたカメラなんか、ターゲットになったら絶対にキープできないだろうなぁ、ゾルさん、事前のナイスアドバイスありがとさんです。そして何よりも、何も取られなくて良かったねゾルさん!

ちなみに、ウランバートル市内には時折ストリートチルドレンとおぼしき子供たちが見受けられます。彼らはマンホールの中を生活拠点としていることから「マンホールチルドレン」とも呼ばれていますが、このあたりにはどうやらそれとおぼしき少年たちが何人か見られましたが、彼らの腕や顔にはそれこそ擦り傷やら裂傷をそのまま放置した痕などが数多く見られました。

社会主義経済からの移行に伴う経済的混乱や、雪害により遊牧生活をあきらめた人々の都市流入等により、そのしわ寄せは結局弱者である子供に向けられたということなのでしょうか。もしかしたらさっきのスリの兄ちゃんも、マンホールチルドレンあがりなのかもしれないなぁと思うと複雑な気持ちにさせられます。なお、マンホールチルドレンについて詳しく知るにはこちらのサイトをご参考に。

さてこのあとは「気を取り直して?」中心部の通りを歩いてみます。



日本の着物の看板もあったりするのですが、ん?右写真のお二人は何をやっているのでしょ?

そう、右上写真のお二人はいったい?ゾルさんに聞いてみると、座っているおじ(い)さんは通称「電話さん」。携帯電話がまだまだ高嶺の花であり、かつ公衆電話が普及していないモンゴルでは、このような「私設公衆電話」の需要があるというわけなのですね。この写真を撮ったのがUBでも目抜き通りにあたる場所だったこともあって、この「電話さん」、かなりの密度でお客さんを待っておりました。何だかほのぼの、でも、この商売もいつまで続けられるのやら‥。

このあとはちょっくらザハ(市場)を眺め、キャビアなども買いこみました。

庶民の台所であるザハ、こちらでの写真撮影はあまり好まれないということで、売り子さんを写した画像はなし。ついでにいえばザハもまたスリが多いということでしたが、売り子の目があるからか、はたまたお客そのものが少ない時間だったからか(スリにすれば混んでいる方が仕事もしやすいでしょうからね)、あやしい気配は微塵も感じることがありませんでした。それにしても、商品の数は多かったなぁ。でも高いのかもしれん。

さて、フラワーホテルまでは歩くと40分くらいということで歩くことにしました面倒くさがってタクシーにしました(軟弱)。タクシーはちゃんとメーター制で安心、ついでにいえば一部のタクシーには車内に日本語で書かれた市内地図(読み方付き)があったりするので何ともありがたいです。もっとも市内の位置関係をちゃんと頭に入れてから利用しないと、大回りされて高くつくかも知れません(笑)。まぁUB市内の区画は結構わかりやすいので杞憂かな。

ちなみにタクシーは日本と同じく路上でつかまえられます。初乗りは250Tgと安いのですが、メーターはかなり早いペースで上がるので何だかドキドキします(笑)。確か国営デパートの近くからホテルまで760Tgだったかな?いやちょっと待て約80円か、ドキドキするまでのこともなかった?(笑)。
なおおしんこどん日記によると「メーターが750Tgを指して停まり、Takemaが760Tgを出して『お釣りは』と聞いたら20Tg札が返ってきた」ということだそうです。全然覚えてなかったけれど、要は値切ったと同じことなのね。ま、どこかの国のように「アメ玉で返金」というわけじゃないだけよしとしなければ‥。
さてホテルに戻り、「いよいよ行きますこのホテルの真骨頂!」

日本からの到着日にも泊まり、そして本日も、さらにはこのあと日程的に何度も泊まる予定のここフラワーホテル。部屋の設備そのものは多少古び始めているにしても、他の追随を許さない(日本人にとっては)施設がそれを補って余りありというわけです。それは‥

そう、日本式のお風呂があるのがこのホテルの売りというわけなのですね。実は何度もこのホテルに泊まるうちにはモンゴル式の入浴法に多少戸惑うこともありましたが(たとえば「スリッパのまま浴室に入って身体を洗う」とか)、基本的には皆さん「日本式」の通りにお風呂を堪能して下さっているようで、日本人のTakemaとしてはとにかくゆっくりできましたわ。早い時間帯なら貸し切りだし。



ほらほら、湯温はまさに41℃ちょい、洗い場もまさに日本式でしょ。

さ、のんびり湯ったりした翌日からは、モンゴルの代名詞ともいえる「乗馬」にトライします!が、その前に寄り道っと。

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