− 「Police!」の声にゴザを抱えて大脱走! −

さて、翌日のヤンゴン出発からバンコク(BKK)到着までは大したこともありません。朝飯がゴーカだというW-GHのメシを一人さびしく食べ(他に誰も食べていないんだからしょーがないですが)、例のインド系おじいちゃんの運転する白タクで空港まで。空港での手続きには時間を取られることもなくさっさと出国ゲートへ、んでもって喫煙室で時間になっても来やしないタイ航空機を待ちながら、ミャンマー空軍のモノとおぼしきジェット戦闘機を眺めつつぼんやり。遅れてきたBKK行き飛行機内ではまたも白ワインを飲み(またも複数回注文。フライト時間1時間なのに)、空港からはタクシーで(この国にはATMがあるから何も恐くない!)中央駅近くの中級ホテルへ(タイではカードも使えるからじぇったい無敵!)。ただそれだけ(笑)。チェックインしたのもまだ早い時間だったので、夕方になるまでフカフカのベッドでしばしお昼寝までしちゃいました(しあわせ〜)。

もともとミャンマー滞在中にトラブルがあることを考慮して、ミャンマー出国の同日にBKK発日本へのフライトは予約していなかったんです(最近このパターンが多いなぁ)。というわけで、支障なくBKKに帰ってきたこの日は特にすることもありません。バンコク市内観光というのも今さらナニですし、カオサンエリアには行こうとも思わないし。バンコクといえば行きたいのはあそこだけ@夜!というわけで日が暮れた頃近くの食堂に繰り出し、ビアシン飲みながら「その時」を待ちます。



ホァランポーン駅及びその周辺は改装がほぼ完成しこう見るときれい。しかし‥。

ところでこれから自分が行きたいのは「ソムタムござ屋台」。1990年、初めてバンコクに来た時お世話になって以来、バンコク宿泊時はいつもお出かけしています。とはいえ訪問する「お店」はいつも「イチゲンの客として」です。そう、「ござ上」だけあって、夜も少し更け始めた頃に天秤棒をかついだお姉さんやおばさんの手によってゲリラ的に開店するのがこの屋台群。お客は歩道に敷かれたござに座り、イサーン地方の地方料理ソムタムをつつきつつ、何やらあやしげな色付きの焼酎をキュッと流し込む、そんな場所。お店独自の灯りはなく遠くの街灯だけが頼りだったりするのです。

時が流れりゃ人も代わり、同じ「経営者」に会ったことはありません。ただ変わらないのは、ソムタムを作る時に鉢を叩く「トントントン」の音ばかりだったりするのです。場所はといえばホァランポーンバンコク中央駅前。ちなみに英語は一切通じずタイ語でしかコミュニケーション出来ませんが、わたしがしゃべれるタイ語のことばといえば両手でも余るほど(要はまったく駄目)。でも何だか楽しいんだなぁ。

とはいえ、前回訪問時には(この時だっけ?たぶんこの後も行っていると思うんだけれど)すでに駅前は再開発のまっただ中。工事現場の壁を背にしつつただでさえ狭くなった通路で営業せざるを得なくなっていたこのソムタム屋台でした。

さて今回はどうだろうということで、大体の屋台が開店したはずの21:00頃駅前に行ってみると‥

駅前の歩道@営業する上での一等地、はかつてよりも幅が狭まってしまい、そこにひしめくようにして天秤棒とゴザの列が続いています。それもそもそもの場所が狭くなっているので、入りきらない屋台ははたから見ても「そこはどう見ても通行人のじゃま!」というような場所で営業せざるを得なくなっていました(ちなみに路上営業はもともと違法なのではありますが)。

しかも営業開始時間から間もないこともあるのでしょうが、どの屋台にもお客が座っていません!こんなに迫害され、お客も少なくてこれから大丈夫なのかソムタム屋台!

というわけで、売り上げに貢献すべく(というか飲みに来たんだからあたりまえなんですが)、少し落ち着けそうな場所のお姉ちゃん屋台に腰を落ち着け、「えーっとね、ソムタムとねそのお酒、そう、その赤いお酒ね、お願いします。あ、チリは1個でいいや(前に2個入れた時は大当たりの辛いやつで5分間発声すらできなかったことあり)」などと、全部日本語で注文します。

今回のお姉ちゃんは片言の英語がわかるみたいだったのでいろいろ聞いてみると(あくまで断片的にですが)、やはり観光客が座ってくれることはほとんどなく(特に白人=ファランは皆無)、日本人もあなたが初めてのお客さんなんですよとのこと。ふーむ、最近は日本人もこういうところに「チャレンジ」しないのかなぁ。楽しいのに。

などと、それなりに話し始めてていた頃、どこかの同業者から発せられたたったひと言で、事態は急展開したのです。

その瞬間、全ての屋台が一気に色めき立ちいや違った慌てだし、ゴザを巻き取り天秤棒を担いで「民族大移動」を開始したのであります。とはいえ他の屋台はまだお客がいなかったこともあって撤退は容易です。しかしうちのところはお客が要領を得ない日本人だったこともあって撤退準備に手間取り(笑)、逃げるのはかなり後ろの方でした。

しかも、お姉ちゃんはTakemaが飲んでいたボトルとグラス、それに食べかけのソムタムを天秤に載せると、さっさと歩き始めます。ん?ということは‥

というわけで必死の逃避行が始まりました(笑)。もっとも逃避行といっても、駅前の信号を渡って反対側まで来てしまえば警察も追っては来ないらしいんですけれどね(うーむ)。というわけで運河の脇の広場まで来て再びゴザを広げ、営業再開です。おっと、ちゃんと動画もあるんですよ(微笑)。
(46)何だかドキュメンタリー系?

「夜のバンコク、ゴザを抱えて‥!」

何だか禁断の逃避行のように見えなくもないですが(そうか?)、最後の「オーケー♪」の声で一件落着です。

Wmv形式、692KB、26秒
さ、ここからはすっかり安全になったので(笑)、ゆっくり写真も撮らせていただきました!

というわけでうちの屋台のお姉ちゃん。時代は変わるものでここのお姉ちゃんまで茶髪になっとるとは!



一緒に逃げてきた隣屋台のお姉ちゃんも「暇なんでわたしも撮ってね♪」のリクエストにお応えして。



フラッシュをたかなかったのでこのへんしっかりブレてますがお許しを。

うちのお店のお姉ちゃん、一生懸命おつまみを作ってるなぁと思ったら‥「ピロリロリ〜♪」ん?携帯電話?ちなみに通話後に見せてもらったんですが、あたりまえながらタイ語表記で何も読めませんでした(笑)。それにしても、やっぱり時代はどんどん変わっているのですね、驚いた。



しかし、ウチの店はいい場所取ったけれどこちらはキツイなぁ‥。

さて、そんなこんなで妙に連帯感@一緒に逃げたから、を抱いてもらえたTakemaがこんな写真を撮っていると、いよいよ「ウチの店」にも「常連さん」がやってきました。建築関係の棟梁とその部下、計3名様ご来店!お姉ちゃんのお店、いきなり満員御礼です!(お隣のお姉ちゃんのところは開店休業状態なのに‥)。



棟梁(左手前)は、若くてもやっぱり風格あり!しかしお姉ちゃんはただ今電話中というのも時代の流れか。

こちらの棟梁は英語が話せたこともあり、彼を通訳としてお姉ちゃんを含め話は盛り上がります!棟梁いわく、「バンコクを訪れる観光客は多いけれど、このソムタム屋台で一人で飲んでるやつには出会ったことがないよ。ようこそバンコクへ!(握手)」

いやぁ嬉しかった!旅行をしていて何が嬉しいって、何よりもこういうのが一番嬉しいんですよね。

このあとは多少不自由な英語ながら(自分も棟梁も)、盛り上がる盛り上がる!棟梁の下で働くお二人もどんどん質問してくるし、「ああだこうだわっはっは!」と、この日のソムタム宴会はとことん楽しませて頂きました!気がつけば例のあやしげお酒の入ったボトル(メコンウィスキーの空き瓶を流用したもの)も、Takemaだけで1+3/4ボトル空いちゃいましたっけ。気がつけばすっかり午前様、すっかりいい気持ちになってすぐ近くのホテルに戻り「おやすみなさ〜い♪」。いやぁやっぱりいいなぁ(しみじみほのぼの)。

そして夜は明け当然のように朝となり、いよいよ日本に帰る朝となりました。飛行機は午後の便なので朝はのんびり。約15年前に初めて見て感動した「午前8:00、ホァランポーン駅国歌演奏の瞬間」、あの感動を再び!と思って行ってみたら、何だかずいぶん形式的になってしまっていてがっかりだったことも含め、やっぱり時代は変わるのね。というわけで、2004夏ミャンマー旅行、これにておしまいでございます。どっとわらい。
(47)これが最後の動画です

「味気なくなった中央駅午前8時」

駅の待合室そのものがピカピカになっちゃったしなぁ。ある種の猥雑さと国歌演奏時のギャップが新鮮だったんですが、こう形式ばるとさほど嬉しくないなぁ。待合客もやる気がなさそう‥。

Wmv形式、1430KB、51秒



最近はドンムアン空港駅向かいの食堂で最後の仕上げ。やっぱりシンハ、ビアチャンは駄目だ!

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