− 奥会津周辺の掛け流し温泉めぐり(4) 湯倉温泉編 −

翌朝は朝風呂&朝ご飯でごきげん。8:30頃宿を出発したのですが、今日の目的地はまだ未定です。ま、日曜日の夜ともなればどこの宿も空いてるでしょうから午前中のうちに決めることにして、まずは「今はなき本家滝沢温泉」へと向かいます。

というのも、営業は停止したものの建物そのものは残っているのですから(それは以前から確認済み)、もしかしたらどこかに源泉がたらーりたらりと流れっぱなしになっているのではないかなぁ、という微妙な期待を持っていたからなのですが‥。で、元共同浴場の建物の裏側に回ってみると‥



ありゃぁ湯の成分がこびりついたまま乾ききってますわ。

周辺を見渡してみましたが源泉らしき湯の流出はどこにもなく、こりゃダメなのねとすごすご戻った次第です。あとで別の場所で聞いたところによると、ここ金山町のほとんどの温泉はボーリングによるものらしく、自然湧出しているのは1ヶ所だけなのだとか(今は老人福祉施設になっちゃってますが)。なるほど、動力を停めれば全く出てこなくなっちゃうわけですね、残念。
なお念のため補足するならば、いくつものダムが建設される以前、只見川の河原には自噴源泉がいくつも湧き出ていたようです。それらがダムに沈んだことによりあらためてボーリングして温泉を出したというのが正しいところでしょう。最近の例では、建設中の八ッ場ダム周辺にいくつも共同浴場が(国土交通省の手によって)作られています。これらも是非有名になる前に行きたいと思っているんですが‥。

それにしても、すぐ脇の旧旅館といい旧共同浴場といい、このまま朽ちていってしまうのかなぁと思うと何だかさびしい限りです。維持管理一つとっても大変なのはわかるんですが、これもまた時代の流れなのかなぁ‥。

さて、それはさておき先に進みましょう!再び松の湯さん&大塩温泉を通過して、とりあえず東へ向かいます!‥と、しばらく進んだところで「あ、しまった、西に向かって塩沢温泉を再訪し、前回のリベンジを果たすはずだったんだ」ということを思い出しましたが、もういいや面倒くさい(笑)。実は今回どこかの湯船の中で、地元の方から「塩沢温泉も、町(只見町)としては何とか観光資源として整備しようかと考えているフシがあるんですよ」というお話を伺いました。でも、あの奥地であの地形(平地はほとんどない)を考えれば、C/Pから考えてどう計算してもペイしないでしょうから、たぶん少なくともここ数年は大丈夫のはず。まぁまた次回リベンジということで。

というわけで只見川沿いを進んでいきますが、いやぁいつ通ってもこの国道は通行量が少なくて快適そのものです。柳津あたりまではホントに気持ちいい「田舎の道」が続くんですよね。ついでにこの日は朝方までの雨もやみ、川霧が一面に出ておりました。



いや、もっと上流ではもっと真っ白だったんですが、タイミングを間違えました。

さて、旧橋立温泉共同浴場(もはや跡形もなし)を通過して橋を渡り、湯倉温泉へ。ここにはもう10年以上前にバイクできたことがあったんですが、共同浴場の場所がわからずに断念した記憶があります。ついでに、その時はすぐ手前の宿も休業(臨時?)していたんだっけ。ずいぶん前の訪問ですからあたりの佇まいを見ても全然記憶になし、ならばやみくもに車で進むのではなく散歩がてら奥に行ってみようか作戦を取ることにいたしました。

一軒宿を通り抜けた先で、先ほど自分たちを追い抜いていったカブバイクのおじさんが荷物を解いていました。そのすぐ先には林の中に一軒の小屋が。もしかして?と思いつつ聞いてみると、やはりここが共同浴場のようです。たぶん自分は前回この建物を見つけられなかったんだろうなぁ。

こうやって見るとわかりやすいんですが、奥まった場所&杉林に囲まれていることもあり、かなり目立たない場所にあります。というかその方がいいんでしょうね。中は比較的広い休憩所と男女別脱衣所、ただし湯船は男女混浴です。
先ほどのおじさんのあとにTakemaもおしんこどんも入浴いたします。お湯は‥熱い!しばらく掛け湯をして身体を慣らさないと入れません。ちなみに源泉は湯船の奥側をとうとうと流れており、湯船に流れ込む量を石か何かで調節するだけとなっています。まぁ今回はこのおじさん自らホースの水を出して湯温を下げてくれたので良かったけれど、おじさんが頑固一徹ちゃぶ台返し系の人だったらわたしゃ入れなかったろうなぁ(おしんこどんは結構我慢強いので意地でも入ったと思いますが(笑))。

左写真、湯船右側に細い湯路が造られており、手前の分岐にて湯船に落ちることを拒否された源泉は「あーれ、せっかく地中深くから出てきたのにぃ!」と思う間もなく、右写真のように只見川向けて一気になだれ込みます。うーむ、何と贅沢な湯の使い方なんだろう!
聞けば、ここもやはりボーリングゆえ揚湯パイプが詰まってしまうのだとか。というわけで、3年に一度の割合でパイプ内に詰まった湯の成分をこそぎ落とす作業があるのだそうです。GWには木地山キャンプ場の行く末について考えてしまったこともありますから、こりゃぁ維持が大変だぁと思うのはすぐ気づく話です。

ちなみにここまで「おじさん」と記載してきたお方ですが、何と御年81歳だとか。うわぁいまだにバイクに乗って温泉へ来てる!(ま、この地域だからという発想は抜きにしましょ)。しかも朝の畑仕事を終えたあと、「一度来ると2時間はゆっくりしていくんだよ」「ここだけじゃなくて、町内の温泉を日替わり的に回っているんだよ」とのこと。

いやぁ変な話、今年の初めに逝ってしまったTakema父に聞かせたい話でもありますな。あ、あっちの世界にいる亡父ならすでにお見通しか(笑)。とにかく何とも羨ましい生活ぶりに親父ネタならずとも憧れてしまうのであります、はい。

さて、おじさんとの楽しき話のあと再び東へと向かい、会津川口駅を越えたすぐ先で「ん?これはもしかして?」系の光景に出くわしました。実は気づいたのはおしんこどんが先だったんですが、自分も「これってどこかで見たぞぉ!」的世界が道路のすぐ脇にあったわけなんですね。全国ニュースにも出た事故だったんですけれど、覚えてますか>ALL。



この2枚の画像でピーンとくる人はすごいです。



ん?鉄道線路@只見線 in 2005/6月?

地元の方は皆さん口を揃えて「この奥会津が全国ニュースになるとはねぇ‥」と、やたらマスコミを引き合いに出していらっしゃいました。‥さて、もうわかりましたか?わからない人のために、福島民友新聞の関連サイトへのリンクを紹介させていただきますね。

http://www.minyu.co.jp/photo/photo0506/photo3.html(あえて直接リンクはしていません。URLコピー&ペーストで呼びだして下さい。開けない場合はこちらのページで参照して下さい。なお、あくまで著作権は引用元に属します。)

さてこのあとは、先月パスした某野湯×2をあまり期待せずに再訪します。

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