− その6 今年は秘密兵器持参でリベンジを試みた某野湯 −
ここは去年も訪問した野湯なのですが、いやぁたった1年でさらに道がかなり荒れていました!斜面の表面土壌ごと流されてしまっているような場所も多数あり、もともと斜面をトラバースしていく道ですから、このままではあとしばらくしたら到達困難になっちゃうのかも知れません。あと、ここは完全な私有地内ですから許可を得ることも必要だと思います(今回の入山は許可をもらいました)。道中、場所によっては「足を滑らすと斜面を100m以上障害物なく一気に落下」というところもありますから、簡単な気持ちで行くべきではないですね。
ちなみに所有者の方いわく、「こんなふうに斜面が崩壊しだしたのはここ5-6年前からで、その前はこんな山荒れは全然なかった」ということでした。山そのものが動いているのかも。
ちなみに、この倒木の右下斜面は一気に100m近く沢に切れ落ちています。
というわけで去年はなかった倒木帯をくぐり(何ヶ所かあります)、崩壊斜面を慎重にトラバースしながら進みます。ここも昔は多くの人々が往来した道だということですが、地形及び崩落の状況を考えると、もはや修繕しても自然に還るスピードの方が早そうな気がします。
しばらく歩くと、去年見つけた「誰からも見捨てられた源泉」再発見!ホントに偶然に、完全に勘違いして笹薮をこいでいたときに見つけた湯ですから、もちろんネット上にもここの記載を見たことはありません。去年よりも微妙にぬるくなっていたような気もしますが、たぶん湯を集めれば入浴可能でしょう。ちょっとどぶ臭いのが玉に瑕♪でも湯そのものの臭いじゃなくて湯だまりで腐った笹の葉関係の臭いですけれどね。もっとも今回はここが狙いじゃないというわけで先を進みます。というか、ここを狙いにする日はいつになるんだろう?
さらに先を進みます。実に綺麗な花が咲いておりました。名前がわかる人教えてね。
目指す源泉はここからあと少し。小広くなった場所の一番奥にあります。ただし穴を掘ってよさそうな場所でもないし(私有地内、しかも急斜面の真横)、そもそもお湯そのものが熱すぎてそのままでは入れません。また、流れ出た湯はその1m横から一気にナメ滝状になって本流に流れ落ちちゃってますから、下流で何かをするのも無理。ついでにいえばうめる水を取りに行くのも相当苦労しそうです。というわけで去年は手湯足湯だけで断念したわけですが‥今年はバッチリ対策を施してきました!(正しくは、「施してきたはず」でした)。以下、入浴に至る過程を画像と共にご覧下さい!
こちらが源泉です。47-48度弱くらい、無色透明の源泉が元気よく出ています。さてどうする?
ん?しゃがみ込んだTakemaが何かを口にくわえこみました。
もうおわかりですね。子供用のビニールプールです。この日のために準備してきたのさ(笑)。
だいぶふくらんできましたねぇ。直径約70cmくらいのミニサイズプールです。
ほぼふくらまし終えた後、いよいよ温泉の投入です。しかしそのままでは届かないので‥
何と、これまたわざわざ持参した雨どいでお湯を引き入れるという念の入れよう!
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というわけで念願の「入浴」を果たしリベンジ完了っ!といえば聞こえはいいんですが、実は上の画像だけからでは伝わってこない裏話があります。上写真のビニールプールをよく見て下さい。空気を入れるチューブが最上部の縁周りにしかないことがおわかりいただけるでしょうか。実はこの構造が曲者だったのです。このビニールプール、サイズ的にも深さ的にもちょうどよい案配で、これを見つけたときはかなり嬉しかったんです。しかも空気を入れる場所が少なくていいということは現地での準備時間節約にもつながるし、いやぁいい買い物した!というのが購入時の偽らざる感想でした。
野湯に使うのは今回が初めてでしたが、組み立て方法などはあってないようなものですからすぐに形を整えることもできました。そしていざお湯の投入開始!
1/3くらいまではとても順調でした(上の方の写真はその頃に撮ったものです)。しかし、半分くらいまでたまってきた頃から突如の異変が始まりました!プールの縁部分があちこちたわみ始め、手で支えておらず下がった部分からお湯がざざーっと流れ出す事態が頻発!
「何だよこれ、これじゃプールとしての機能を果たさないじゃん!そもそも中に湯を入れられないんじゃ、子供用プールとしても失格だなこりゃ。箱にはちゃんと『水を入れれば自立します』って大書してあるのに。何だぁとんだ不良製品買っちゃったなこりゃ‥」と悔しく思った次の瞬間、はたと気づきました!
Takemaが言いたいこと、ご理解いただけたでしょうか?原因はビニールという素材の特性にあるというわけなのです。厚手のビニールをたとえば夏の炎天下、車の中に入れて置いたままにすると、かなりくにゃくにゃに柔らかくなりますよね。一方、寒いところではかなりバリバリに固くなりますよね。
このプールはあくまでプール用に設計されたものであって、熱いお湯を注いで使用することは想定されていないのです(そりゃそうですね)。それでも、側面全体が空気を入れるチューブであったとしたら柔らかくなることによる変形をかなり防げたとは思うんですが、ふくらます手間を惜しんだことにより、結果としてこいつは「野湯では使えないプール」であったというわけなのです。
さらに問題は、そのままでは熱すぎて入れないので湯もみという振動を与えなければならないことにありました。こぼれないように結構苦労して湯もみしましたよ(笑)。結局、プール内を1/3くらいの湯量にし、撮影時は縁を持ち上げた状態にしてそのままできるだけ動かないようにして撮ったのが上の写真&動画だったのでありました(笑)。
悔しいので、来年までにもっと別のプールを買いこんで‥いや、実はもう目星は付けてあるんです、組み立て数秒でプール替わりになるある業務用製品を(笑)。こうしてわが家にもどんどん余計なモノが増えていく‥(大笑)。
最後に、この湯の周辺風景をご覧いただいて終わりにしましょ。なお、この場所については諸般の事情によりお問い合わせいただいてもお教えできません。あしからずご了承下さい(直接会って話す場合はその限りにあらずですけれど)。
来たぞぉいつもの動画!(7) |
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さてお次は、この一年でその状況をすっかり変えてしまった「かつては幻だったあの野湯」の現況に迫ります!