− 広河原の湯(山形)編 その1 −

(2004年6月15日)

今週は平日(火曜日)にポツンと休みができました。しかも前日の天気予報は「明日はじぇったいに雨なんか降らないもんね、全国的にだもんね!」と、気象協会も珍しく言い切っちゃってるくらいの好天予報。となればバイクでお出かけの血が騒ぐのは理の当然ともいえるTakemaなのでありますが、今回はさにあらず。実はうちの四輪車@三菱RVR(平成5年式、走行123000km、ちなみに故障歴無し、もちろんタイヤ外れ歴なしの上出来車。ただしチープグレードのFFだけど)、今週を以て現役を引退することが決まっておりまして、ならば彼のラストランを野湯めぐりできっちり飾ってやろうじゃないのと考えていたわけですね。彼にとっては「老体にむち打ち」系の激しいラストランになってしまったようですが、その様子を野湯紹介と一緒にご覧下さいな(いつもながら長い前置き)。



この日の目的地は福島との県境エリアとはいえ一応山形県。千葉から日帰りするにはちょっと遠い距離(普通の感覚では「ものすごく遠い」というところでしょうが、最近距離感覚が麻痺してます。先々週は「富山日帰り」だったし(笑))なので、出発を早めて4:30発!ちなみに平日ゆえおしんこどんは同行できず、Takema一人での長距離日帰りとなったのでした。

外環〜東北道を、那須高原SAで休んだだけで白河ICまで一気にひた走り、ICを出てからは喜多方のセブンイレブンで飲み物と朝ご飯を買っただけ。結局大峠トンネルを越えて山形まで休憩一回は立派ですが、まぁ車ですしね。でも引退直前のご老体RVR1800ccにはちょっときつかったかも?(笑)。てなわけで県道の細道に入ると小さな峠越え‥空が高くて青い!ついでに飯豊の山々もくっきり!こりゃ期待できるぞぉ!(右上写真にマウスオンすると画像が変わります)。

しかし、試練はこのあと始まるのでありました(笑)。

目的地手前、舗装路終点まで上がって来ました。このまま林道に突入していくことまではわかっていたので(ちなみにどの野湯関係ウェブサイトもそうですが、現地までのはっきりとした行き方を明示しているサイトはほぼ皆無といっていいでしょう。だから私の場合も最終的には「勘どころが勝負」となるんです。野湯系MLとかに入れば少しは違うんでしょうけれど)、そのまままっすぐ続く林道に入っていきます。途中、山菜採り関係のおばさんに出会ったので「広河原の温泉はこの道でいいのですか」と尋ねますが、行ったことがないらしく「多分いいんだと思うけれどねぇ」とおっしゃいます。しかし‥

さてさて、とにかく林道を遡っていきます。しかし先に進めば進むほど、林道の状態はどんどん悪くなるばかり。落石を手作業でどけるのは当然のこと、林道全体が川になってえぐれていたり、マッドな上り坂で「こりゃ、途中で止まったらスタックする」としか思えないような場所もいくつかあります。車高は乗用車と変わらないご老体RVRにはかなり過酷なタスクだったのは当然で、もちろんガリガリの底擦り異音続出。ついでに路面上の石もトガリ系になっていき、「ここでパンクしたらどうすりゃいいのさ!」‥とはいっても履いているヨコハマタイヤを信用するしかありません。とはいっても、もう随分摩耗してたんですが(笑)。

多少Mud気味だとはいえ、こんな路面だけなら楽勝のはず。しかし運転席ドアのさらに前側には大人の頭よりも大きい落石あり(笑)。このあと山側の崩落砕石斜面(左側奥)に車を乗り上げて迂回しました。
しかし、行けども行けども温泉らしき場所は出てきません。確か最近、無人ながら温泉脇に建物ができたということを聞いていましたから、林道から離れた場所ではないはずだと思っていたのですが、もしかしたらそりゃ思いこみにすぎず、もしかしてアルプスの山小屋のように資材をヘリで荷揚げして?じゃ、林道からのアクセスは目立たない歩道から?‥不安は増すばかり。結局、林道入口から7.5km入ったところでやむなくギブアップしました。なぜって、そりゃ下の動画を見てもらえればおわかりいただけるはずでしょう。
まいど!動画ですぅ!(1)

「撤退を決意‥」

道はご覧の通りでどうしようもないのですが、ため息混じりで呟くTakemaのひとことはヤラセです(笑)。

Asf形式、210KB、10秒
この先は落石でどうしようもないというわけであえなく撤退を余儀なくされたわけですが、やむなく舗装路まで戻る途中、何と山仕事に入るオジサン方の車に遭遇!聞くと「この沢沿いの道じゃないよ、一つ隣の沢だ」とのこと。くっそぉ、入る前に民家で聞いとくんだった!(いつものことながら滅多にしない)。

しかし、舗装路まであと少しというところまで戻ったところで分岐を発見!よせばいいのに「こっちだろう!」と勝手に信じて進んでしまいました!路面もほどよく、こりゃ楽勝だろう、何で最初からこっちに進入しなかったのかなと3.5kmほど進んだところでふと我に返ります。

「ちょっと待て、順調だからといってこの道が正しいとは限らないぞ(冷静)」

そう、分岐は舗装路終点よりも下流にあるかもしれないのです。そう思ってしまうともう恐くて先には進めません。というか、先ほどのミスでかなり時間をロスしてしまい、気がつけばもうお昼を回っていました。またもルートミスをしでかしたら帰宅がぐっと遅くなってしまうこと請け合いですから、ここは「急がば回れに越したことはない」と考えたわけです。しかしなぁ、最初からそうしておけばヨカッタのになぁ(苦笑)。

というわけで再び舗装路終点の釣り堀まで戻り、正しいルートを尋ねます。どうやらさっき途中まで進んだ林道で間違いないようです。というわけで先ほどの林道に再度進入!こういう時は妙にオーバースピードになりがちなので、あえて先ほどよりも慎重に進みます。

舗装路終点から少し行ったところにある分岐点。ちなみに直進すると痛い目に遭います(笑)。んでもって、左の道をしばらく行くと‥表面に枯れ草等をまとった雪塊が。さすが飯豊の豪雪地帯ど真ん中、標高は1000mよりはるかに下なのに、6月中旬でもたっぷり。

というわけで舗装路終点から7.7km進んだところで林道は終点。いや、正しくは通行止めといった方がいいでしょう。雪塊(雪崩のデブリ)が道をふさいでいたのです。あちゃー、ここからは歩くしかないか?と思いながら上流を見ると‥はるか先の方に小屋らしきものが見えます。どうやら目的地まではここからせいぜい100m足らずのようです。よーしいよいよ来たぞぉ、広河原間欠泉!

ちなみに左上写真は上流側から下流をふり返ったもの(写真右の茶色いのが雪崩のデブリ)、そして右上写真は施設にかなり近づいてから撮ったものですので念のため。車を止めた場所はもっと下流でした。まぁ何はともあれ着いたぁ!となればあとは入浴のみ!

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