− その11 平田内&臼別も準貸し切りでタンノーっ! −



うーむ、天気はやっぱりイマイチ。でも雨は上がりました。

見市の湯に気をよくしつつ日本海側へ出て北上です。この辺りに詳しい方であれば、このあとの「メジャー系の湯×2」の目星はだいたい付いちゃうんじゃないでしょうかね。そう、この次に目指すは言わずと知れた「平田内温泉熊の湯」です。

何がメジャーって、管理人不在の無料混浴湯なのに、国道に「熊の湯あちら→」とデカデカ看板が出ていたりするわけです。ということは当然その案内板を見て「なんだあれ何なんだ?とりあえず行ってみようか!」と予備知識なしに訪れる観光客も多かろうと予測されるわけですし、もちろん観光ガイドなどにも出てますしね。そして折悪しくこの日は何と日曜日!というわけであまり期待せずの訪問となりました。人々がたむろしていたら入らずに帰ろうかと。し、しかし?

温泉へと向かう道沿いにあるキャンプ場には結構なキャンパーの姿が見えました。おまけにすぐ脇には国民宿舎、ここにも結構な数の車が止まっておりましたっけ。でも、いざどん詰まりの駐車場に着いてみると‥ん?結構な台数が止められる広さの中に先客らしき車はたった1台だけ?歩いてくる人が多いとは決して思えないし(宿からは遠い)、これはもしかしてモシカスル??

というわけで喜び勇んで&あとからどんどん車が上がってこないとも限らないので早足で(せ、せこっ!)いざ進んでいくと、右下に脱衣小屋発見!先客は‥見えないぞ、もしやもしやおろしあ国酔夢譚 by 井上靖?というわけで、思いがけずやったー貸し切りだ!



むふふのふのフで貸し切り入浴です!

しかしこれには悲しき裏話がありまして‥。実はこの「貸し切りモード」を理解した直後、まずはおしんこどんに入湯を勧めました。今なら湯浴み着もいらないはずだしということで。しかし、Takemaはとんでもないチェックミスを犯していたのであります。それは「事前の湯温チェック」。この湯船に流し込まれる源泉(常時一定量がというのではなく、間欠的にどどどっと流れてきていた)は相当熱く、そのため加水のためのホースが脇にあったのですが、その加水もせずに「ささ、入りなさい!」はないですよねー。大やけど必至だって(笑)。

よっておしんこどんは全身入浴はおろか足湯もままならぬ状態で格闘し、あげくの果てに「わたしはもういいや」発言という憂き目を見ることになったのでありました。

もっとも、そのあと服を着終わってすぐの頃に「次のお客さん」が来たわけですから、タイミングとして決して悪くはなかったわけですよね。そうこうしている間にもずっと加水されていた湯船はいつもまにか「あーれ適温!」すまぬおしんこどん(笑)。ちなみに次のお客さん(男性二人)は道南在住の方々でした。でもここに来たのは初めてなんだそうで、ま、そういうものなんでしょうね。滅多に来られない客だからこそどうしてもがっついて訪問しようとするわけですから。



駐車場に戻ってきてみたら、おしんこどんは最近習いだしたバレエの特訓中でした(笑)。

さて戦い終わって日は暮れ‥るまでにはまだまだたっぷり時間があります!というかまだバリバリ午前ですし。国道に出る手前に「アワビ直売!」の看板が出ていたので、この辺りは養殖をしているはずだしということで足をのばしてみました。

陸上でアワビの養殖というのも違和感がないでもないですが、その技術が既に確立されているのですから素晴らしい!このエリアの宿では夕食にアワビが出る or アワビの踊り焼きなども格安で食べられるというので有名ですが(でも結局食べずに終わってしまったTakemaの選択大後悔)、出来ればバフンウニなんかも何とかならないものなのでしょうか?

駄想はともかくとして話を現実に戻せば、実は受付とおぼしき入口で声を掛けてもどなたもお出ましにならなかったんです。日曜日だったからかなぁ?もしうまくしてうまくすれば多少なりとも見学させてもらえないかなぁとも思ったんですが(たぶん雑菌混入の危険排除のため不可だったでしょうが)、ま、しょうがないです。



屋外にある左上施設を見ながら「わが家の屋上露天風呂」を夢見ました(笑)。その後は再び日本海へ!天気は‥相変わらずイマイチです。

「夕食にはデフォルトでアワビが出る」ということで今回かなり真剣に宿泊を検討した貝取澗の国民宿舎を通過。そういやTakemaがNZのワーホリでスチュワート島に行ったとき、トランピング中に「今日の夕飯はアワビ4個」(「3/19」以降の記述をご覧下さい)などというげに恐ろしき食生活をしていたこともありましたっけ。しかしよく考えてみればあれから「アワビ丸ごとぱくり」なんてのはないなぁ。やはりあれが「わが人生におけるアワビ最大食いまくり週間」だったのかもしれません。あれから18年も経つし、実は記憶によれば20個/day食べたような気もするのだから(笑)。

まあ今となってはかの地でももうそんな暴挙?は許されないでしょう。何だかたっぷりノスタルジックになりつつもわが旅は次の湯を目指すのであります。

で、お次はこれまた予想の通り「あの湯」です!

「湯とぴあ臼別」。江戸時代の旅行家菅江真澄も訪れた峡谷のいで湯だとかいうことです。で、ふと今になって気になったのが菅江真澄という人物。確かはるか昔、受験勉強をしていた頃教科書か何かに出てきた記憶があるぞ。とはいえ何をやった人なのかについては全然覚えていない‥というわけでちょこっと調べてみると、いやはや、愛知の武家に生まれ、本草学(今でいう薬学)関連の仕事をしながら東日本各地を旅行して紀行文その他多くの記録を残し、晩年には秋田藩の食客みたいな扱いで彼の地に住み着いてしまうという、何ともはやうらやましい人生を送られた方のようなのですね。

旅行についてはどうやらスポンサーがいて、その紀行文を売り出していたとかいう説もあるようですから、今でいう半フリーの旅行作家であり、かつ多くの知識に加えてもともとの本草学的知識、さらには旅行を通して知り得た様々な知識や経験(世が世だけにこれは貴重だったはず)をもとにして江戸の世を生きた人のような感じです。うーん、自分も何とかかくありたいけれど肝心の中身がないな(笑)。

ま、話を元に戻して、国道からダートを走ることしばしにして到着。かなり広い駐車場は「これって、混むときはこんなに車が来るということか?」と恐れおののいてしまいますが、何と到着時にはただ1台の車も止まっていませんでした。よしよし!というわけで協力金をボックスに入れたあたりで次のグループ(おじさん数名)が到着。おっとというわけで急いで着替えて内部の写真を撮ったというわけです。

お湯はやはり食塩泉ベースのようです。湯船にはかなり熱い源泉が流し込まれていて、鮮度もばっちり。施設もきちんと手入れというか清掃がなされていて、これが無人管理というのですからすばらしいぞせたな町!いや、管理人を置くほど人が来ないからなのかも知れませんが。

さて臼別をあとにして再び国道を北上しますが、そろそろお腹が減ってきたぞ。このあたりには大きな集落がありませんから食べるところを探すにも一苦労‥と思ったら、ジンギスカン屋さんがあるようなのですぐさま立ち寄ってみました!

どうやらここはサフォーク牧場の直営店のようで、敷地内からは羊の姿を見ることが出来ます。直営だから冷凍物でない生ジンギスカンを食べられるというのが売りのようです。お店に入っていくと、やはりお昼時ということで既に満席。で、「こちらにどうぞ」と通されたのはなんと‥

客車を改造した「第二客室」。こちらはわれわれが最初のお客だったようで貸し切りでした。車内は綺麗にリフォームされており、しかもTVも見放題で何だか幸せ。というわけでお昼ごはんをおいしくタンノーしたTakema&おしんこどんだったのでありました。



いいねーおしんこどんは昼から生ビール!Takemaは‥手前のアイスコーヒーなんですなこれが。

さて、お腹も満足したあとはさらに次の湯を目指します!
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