ああ里の秋、いいですねぇ。

(2009年11月1日)

考えてみれば日帰りの温泉めぐりは春先以来じゃないですかね。今年はこれまで「泊まりがけのリッチな湯めぐり」が多かった気がします。だから秋口にはひと月以上「お出かけ一切なしで耐えねばならぬ経済事情」に直面したわけですが?(いや本当は「家庭の事情」でした)。

前日の天気予報で「明日は天気もよく気温も上がり、東京では夏日になるでしょう」とのスバラシイ託宣が出ていましたから、本当であればバイクでバビューンと行きたいところでもあるのですが、今夏の北海道ツーリングで「タンデムシートでの耐久3000kmツーリング」を完遂したおしんこどんに敬意を表し、やっぱり車で出かけることにしました。今日は一日で500km以上走りそうだからねぇ。

渋滞予測では「常磐道でも20kmくらい渋滞するかも」ということだったので、早出早帰りが重要なポイントとなりそうです。そんなわけで朝7:00にしゅっぱーつ!

そんなわけで9:30に福島南部の谷地鉱泉に到着です。この前の道は昨年アンモナイト館に行く途中に通ったことがあるんですが(詳しくはこちら)、この時はあまり気にせず通過してしまったわけですね。しかしその後「ここの湯はなかなかヨロシイ」という魅力的な情報を知り、そのうちに行かねばならん感でいっぱいになっていたというわけです。

というわけで静かな山里に位置する石川屋さんへ。こちらの宿の公式サイトによると「立ち寄り入浴は朝6:00から」とありましたので、時間的に何らの問題もありません。あ、宿の前に止められている迷彩塗装の四駆車両は宿の方のご趣味でしょうか(笑)。

ご主人が出てこられ、入浴料300円也*2を支払います。鉱泉のわかし湯ということで燃料代もかかるでしょうに、低料金で日帰り入浴客を受け入れておられるとは頭が下がります。しかしこのあと、さらに有難いサービス(後述)を受けちゃってすっかり大満足。この宿にはいずれ泊まりに来なきゃいけませんね。

さてまずはお湯をいただきましょう。

浴室のある建物自体は決して新しくはありませんが、浴室はリニューアルされていて清潔です。お湯は循環による加熱ではなく浴槽内に投入された源泉を直接加熱する方式で、湯温設定により時々追い炊きしているようです。なお源泉蛇口も設置されていますから源泉の直接投入ももちろんOKです。

というわけで源泉を注ぎながらいざ入浴。入った直後は特に何も感じなかったのですが、そのあとすぐにこの湯の本性をそれこそ「肌で感じた」のでありました。つまりそれは‥

ここ谷地鉱泉の近くには昨年(2008)泊まりで利用した久之浜鉱泉がありますが、あちらの湯もぬるスベで「はちみつの湯」と称しています。このあたりの地下深くでは似た感じの成分を含む湯脈があちらこちらにあるのでしょうね。というわけで本日最初の湯としてふさわしきお湯をじっくりとタンノーした次第でありました。

さておしんこどんが出てくるのを待とうと、庭にあったテーブルに腰掛けていたら、その脇ではネコ太郎(仮称)が朝ごはんの真っ最中でありました。

しかし、ご飯を食べ終わって去っていく太郎の足取りが変?後ろ足を引きずるようにして歩いて行きます。やがて茂みの向こうに消えていったのでまぁいいかと再び汗を拭いていると、その後すぐに「フンギャーフンギャー」という鳴き声が。何かと思って見てみると‥

「すみません、この子の足の裏側、どうなってますか?」と聞かれたので、Takemaによる入念な足裏チェック開始。でも大きな傷はなく、肉球の脇あたりに黒くなっている場所があったので、もしかしてぶつけたか何かで内出血でもしているのでしょうか?ちなみに抗生物質を投与済みなのでまぁ大事には至らないでしょうとのことで安心安心。

と、その直前には別の宿の人から、「お茶を入れますからどうぞ上がってくださいな」とのありがたいお言葉もいただいていたのでよく日のあたっている廊下沿いの椅子に座らせていただき(しかも玄関を回らず縁側からダイレクトに上がっちゃうというワガママぶりです)、濃いお茶をずずずーっといただきます。あー美味しい、あーのんびりさせてもらってありがたいと思ったところで、

いやはや、いつかはやって来るはずの「老人気分」をリアルに事前体験しちゃいましたわ(笑)。でも決して悪くはないぞ、むしろ気持ちいいぞということも理解しましたね(笑)。

さてそうこうしているうちにやや長湯だったおしんこどんもお風呂から出てきました。2人して「気持ちいいねーここのお湯」。で、このあとおしんこどんにもお茶がガラスポットの急須とともに振る舞われます。そしてそれだけではありません!



実はこのあと、「もう一枚どうぞ」とパウンドケーキの追加までいただいちゃいました。

うっひゃー至れりつくせりとはまさにこのことです。まだ温かいケーキを、日の当たる縁側で濃いお茶とともにいただく心地といったら‥まさに2人して老人のイメージ具現化しまくりという感じでありましたがもうそんなのどうでもいいや。朝一番から心も身体もポカポカになりました。



「今度来るときは泊まりで来ます」と固く心に誓ったのでありました。

と、一段上の駐車場まで戻って来たところで「あ゛‥」という気持ちが心に去来したTakemaでありました。それは‥

敷地内にあった樽なんですが、そこに注がれているのはただの山水じゃないように思われました。もしかしてあれが源泉なのか?と思って撮っておいた画像が上の2枚なんですが、その正体をお聞きするのをすっかり失念してしまったTakemaでありました(苦笑)。まぁいいでしょう、次回訪問時にお聞きすることにいたしましょう。

というわけで気分よく谷地鉱泉をあとにしたわれわれでありました。さて次はどこに行く?
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