(2009年11月14日)

この秋は、まぁいろんな事情がありまして本当にお出かけが少ないのであります。日帰りも含めて9月はお出かけゼロ、10月には体育の日絡みの3連休に鳴子界隈に出かけましたがその1回だけ。そして11月に入り、文化の日にバイクで出かけたとはいえ日帰り、それも茨城とはいえ銚子の近くの神栖市界隈なのですから決して遠出ではありません。そしてこの週末も、秘かに遠出を画策していたにもかかわらず前夜に飲み会の予定が入って早出は不可能となってしまいました。

で、14日(土)は8時半にようやく起床。一応多少酒量をセーブしていたこともあり二日酔いではありませんでしたが、それでも何だかパワー不足は否めず遠出する元気が湧いてきません。お天気もイマイチなのでねぇ。というわけで、珍しく千葉の温泉にぶらりと行ってみることにしたのです。

「千葉の温泉」。全然ピンと来ないという人、正解です。温泉砂漠ともいえる千葉県にはいわゆる高温泉(源泉温度42度以上)がほとんどありません(ごく一部のスーパー銭湯系温泉をのぞく)。冷鉱泉や低温泉源泉を沸かして使っている関係で、かけ流しの湯使いをしている温泉の数も非常に限られます。そんなわけでTakemaの温泉興味が地元千葉県に向くことはほとんどないままでした。その結果、これまでの入湯記録を見てみると‥

という限りないアンバランス状態に陥っているのが現状です(笑)。そんなわけで、とりあえず目指すことにしたのは君津市南部にある七里川温泉。この君津市は木更津市の南にある市というイメージだけで捉えるととんでもなくて、実は太平洋まであと直線で10km以内というあたりまでぜーんぶ君津市なんですね。つまり「君津は山奥に行けば行くほど海に近くなる」わけで、何だか不思議な感じです。

というわけで出発したのは午前10時前。この日は強い南風と雨雲が行き来していて決してお出かけ日和ではありませんでした。そんなわけでいつもなら絶対渋滞しているはずの京葉道路下り線もほぼ順調、となれば館山道に入ればさらに順調、木更津JCTで分岐する圏央道に至ってはあれまー見事に貸切状態でありました。

で、そんなわけで七里川温泉です。千葉の内陸部には硫黄系冷鉱泉の湧出場所がいくつかあるようですが、ここではその湯を加熱かけ流しで使っているとのことで、ほほーこれはコレハと思ったわけであります。大型車通行不能の細い県道をどんどんと進んでいったわけであります(あとから来た人の話によると「大型車は無理だって書いてあるのに、大型の観光バスが入ってきて動けなくなっていた」とのことでした)。が!宿に到着してみてビックリ。

宿の前の駐車場はおろか、道路沿いにもたくさんの車、車、車。ナンバーも地元「袖ヶ浦」だけでなく関東近県のいろいろなナンバーがひしめき合っています。駐車場でさえこんなことになっているということは、湯船は言わずもがな。というわけであっさり断念やむなし。確かに週末は混むという噂でしたが、天気の悪い土曜日の午前中にもかかわらずこんな状態とは‥。ここに来るなら平日に限ると誓った次第です。

で、実は家を出る段階で七里川温泉以外の候補は考えていなかったんですね。ま、それなら温泉を抜きにして「勝浦の担々麺」という、ちょっと変わったラーメンを食べて見るべく方針転換。何だそりゃと思われる方は下でサーチしてから戻ってきて下さいな。
そんなわけで鴨川方面へと進んでいきます。ちなみに道路上には落ち葉や杉の小枝などが非常にたくさん落ちていて、今回は車で来たから問題はなかったものの、もしバイクで来ていたら、雨に濡れたこの路面では大往生してしまいそうな気がします。この前夜は強風が吹き荒れていたからその影響なのか、それともいつものことなのかはわかりませんが。

で、七里川温泉からしばらく進んだ先に、いきなり「温泉」の看板を見つけてビックリ!

「し、白岩温泉?」。不勉強ゆえTakemaの脳内データベースには全く記録されていない湯宿でありましてちょっとビックリ。しかも日帰り入浴が可能ということで(800円は千葉の温泉入浴では平均的かも知れません。高いけれどしょーがない)ふーむどうしようかと思っていたら、ご主人(若旦那)がちょうど「営業中」の看板を外に出しておられたので入浴の可否を訪ねます。すると「今日は天気が悪いので、入浴は露天風呂ではなく内湯に限られますがよろしいですか?」とのお返事が。いやそんな、もともと露天風呂を期待して来たわけでもないので即座に「御願いします!」。というわけでとにかく温泉にありつけました!

駐車場には車が6台くらい止まっていたのですが、どうやら温泉目当ての先客さんではなく、法事関係で会食をなさっている方々のようです。「お湯の準備をするのでちょっと待っていて下さい」と言われ、囲炉裏の切られたお座敷へ。美味しいお茶とお新香を出していただき(右上画像マウスオン)まずはゆっくり。何だか千葉の温泉宿とは思えないような落ち着いた感じがなかなか良いではありませんか!

建物の前には蛇口があるのですが、それぞれに「湧水」「いおう」の札が下げられています。いおう?ということはこちらの源泉も硫黄泉なんですね!というわけで待っている間にさっそく蛇口をひねってみると‥

そうこうしているうちに「お風呂の準備が出来ましたのでどうぞ」と声を掛けていただきました。見た限り内湯は1ヶ所だけで貸し切り方式なのかなという感じです。なおあらためてネット上の情報を見てみると、通常日帰り客は露天風呂のみ利用可能ということらしく、内湯に入れたのはある種ラッキーなのかも知れません。そういえばその露天風呂を見学だけさせてもらおうと思っていたのにうっかり失念したまま出発しちゃったことを今になって思い出しました(笑)。

ではではいざ千葉の硫黄泉に浸からせていただこうではありませんか!



おおー、何だかとってもいい感じですぞ♪

無色透明の湯がわれわれを待ち受けておりました。かけ湯をした上で入ってみると、加温段階で臭いが飛んでしまうのか硫黄臭はなく、お湯そのものにも大きな特徴は感じません。ただし循環濾過湯ではないようであやしい吸い込みはなし。ちなみにちょっとぬるいような気がするなと思ったところで、おしんこどんが「ぬるいときはどこかをどうこうしてくれって言ってたよね」。なるほど、これかぁ!

洗い場側にお湯の蛇口がありました!ここをひねると‥おお、窓の脇の岩場の上から熱い湯が流れ落ちて来るではありませんか!(右上画像では湯を控えめに出しているのでわかりにくいですが、実際は結構大量に流し込むことが出来ます)。ということは、ここ白岩温泉はわれわれが望んでいた「加温かけ流しモード」で楽しめる湯というわけですね!嬉しいっ!

そんなわけでかなり気持ちよく千葉の硫黄泉をタンノーした次第であります。ちなみにかなりのあたたまり湯なのか、浴後は20分たっても汗が引かず驚きましたわ。白岩温泉の湯をあなどってはいけません。ちなみにネットで調べたデータによると、2食付きの宿泊が6500円から出来るようでこれまた驚きです(安いっ!)。油断大敵の白岩温泉、いつか泊まりに来るのもいいなぁとしみじみ。

さて湯から上がると、先ほどの囲炉裏の間では次のお客さんと若旦那が、東北各地の温泉宿パンフレットを見ながらいろいろと談笑しておられました。われわれは一見の客なので、湯上がり用に出された湧水をごくごく飲みながら座っているだけだったのですが、そのお話の内容が「あまりにも興味深い」ものだったのでついつい話に乱入(笑)。

お客さんは市原市在住の方(お名前は伺いませんでした)で、Takema同様関東や東北の温泉を重点的に回られておられるのだとか。まさかここで大湯温泉や川中温泉のお話が出るとは思いませんでした(笑)。ただ、やはり市原からだと東北道などの高速道に乗るまでが遠いらしく「圏央道が早く開通してくれると嬉しいんですよね」とのこと。自民党の旧道路族が聞いたら泣いて喜びそうですが現在の民主党政権はどう考えているのやら?

ところで話が千葉の温泉に及び、「実は全然詳しくないんですよ」とTakemaが発すると、この方は何と!「千葉の温泉特集」が掲載された雑誌(しかも今月号)を「どうぞ」とTakemaに渡して下さるではありませんか!いやもちろん固辞すべきなのではありますが、結局‥いただいてしまいました(本当にありがとうございます!)。ちなみにTakemaも拙サイトのURLを書いたメモをお渡しし「もしよろしければご覧下さい」としっかり宣伝。若旦那さんもメモして下さったようなので、今頃見て下さっているかも知れません(笑)。

そうこうしている中でこの方が注文していたお蕎麦が美味しそうだったのでついついわれわれも注文。勝浦式担々麺はどうしたんだ(笑)。予想よりもやや柔らか目のお蕎麦でしたが美味しくいただきました。巻き寿司が付いていてこれは嬉しい!

そんなわけで出発です。駐車場の脇にいる温泉犬くんは全く吠えるでもなくすっかりくつろいでいました。こんな犬ならTakemaでも‥(実は基本的に犬が苦手)。

坂道をどんどん海に向けて下っていきます。もっともお腹も満ちてしまった今となってはもう海沿いに出ても担々麺のみならず海鮮系料理もどうでもよくなってしまいました。それではというわけで「もう1湯入って帰ろう」という結論に達します。おしんこどんは気持ちよさそうに寝ていますがまぁそれはいつものことなので問題なしね(笑)。

そんなわけで次にやってきたのは勝浦の「つるんつるん勝浦温泉」。ここも「地図にあるから」くらいの気持ちで立ち寄ったのですが、大広間から聞こえてくるカラオケの声にTakemaの中で何かがつながりました!それは‥

NHKの「ふだん着の温泉」かな?と思ったのですがどうやらそうではないみたいで、たぶん民放の旅番組ですかね。でもとにかく「和気あいあい系」の湯であることは間違いないようです。となれば「みなさん宴会場に集まっていてくれれば」と期待するばかりなのですが?ちなみに下の左右画像にマウスオンすると別画像に変わります。やる気満々ですね(笑)。



玄関に源泉表示あり。源泉は17.2度の含重曹食塩泉だそうです。



「つるんつるん」という表示が湯へのきたいを増幅させてくれます。

大広間にはそこそこ(約10人)の先客がおられましたがさて肝心の浴室には‥お1人だけ。というわけで防水デジカメをタオルと共に持ち込みまして、まずはお湯を体感したいと思います!すると‥

ちなみにTakemaは「つる」と「スベ」の表現を使いわけることが出来ませんが、ここの湯が「ぬる」系なのは確かで(何のこっちゃ)かなりいいお湯です。というわけで先客さんが上がった瞬間にパチリ。

次のお客さん(数名)が入ってくるまでの数十秒に撮った画像です。土曜の午後ということもあり、いいお湯にはお客さんが途切れませんね。ちなみに湯の色はそこそこ濃い褐色でいい感じ。アヤシイ穴は見つけられませんでしたし、この時は溜め湯モードでしたがちゃんと源泉投入の蛇口もあるようなので、ここも湯使いは悪くないようです。団体さんが入って来られたので浴室内の撮影はこれまで。なお、あとから増設されたと思われるサンルーム風の湯船にはお湯が入っていませんでした。

源泉は飲用許可も得ているようですが、浴室内ではなく通路のタンクに?いやよく見てみると貯湯タンクからではなく壁の向こうから直接源泉パイプが伸びてきています!これはいいなーというわけで注いでみると、さすがにいい感じの色ですね。味はややえぐみ有りですが結構するするっと飲めました。おかわりしましたし。

このあとは大多喜の道の駅まで来たところで妙にお腹が減って上記いのしし丼を食べた次第です。ここの道の駅はいろいろな意味でかなりヨロシイ感じですね。

ここからの帰り道はお腹いっぱいということもあってかなり眠かったぁ。でもやっぱり近いというのはイイですね。17:00前に帰って来てゆっくり出来ました。千葉の湯、山の中限定でまた行ってみようと思います。

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