今回、ここは見るだけでパスしました。

− 2009北海道ツーリング本編その24 木下小屋奥の湯、そして「山小屋峰」の湯 −

そんなこんなで木下小屋までやってきました。北海道ツーリングの最初期にはウトロキャンプ場に泊まりながら朝な夕なにすぐ近くの無料露天風呂に来ていたことを思い出します(右上の画像のここですね)。ここまでの道は全面舗装とはいえ、ここに来るまでに道路上でヒグマに出くわした知り合いもいたりするので油断は禁物です。今回目撃したのはエゾシカだけでしたが‥

ここ木下小屋は羅臼岳の登山ベースになっています。ずっと以前にTakemaが登った時にもこの小屋はあったはずですが(ふるーい記録はこちら)、この小屋の記憶は全くなかったのが不思議です。いずれにせよ野湯&ヒグマの出没状況を聞いてみなければなりません。ご主人に伺ってみると「ヒグマは最近このあたりには出ていないよ、その野湯は本当にただ川の脇に湯がちょろちょろ湧き出しているだけだけれど、それでいいの?」とのことでした。そして最後にご主人の一言。

うーむ、そうだとしたらちょっと悲しいのですが、ここまで来たのに行かない理由はありません!というわけで、言われたとおりのルートを登っていきます。トレースはあるようなないような?



途中までは水ホースがある関係で踏み分け道あり、でも堰堤から先は「?」です。

と、ここで後ろからハイペースで登ってくる1人の男性が。こちらはおしんこどんペースで登っていますから、堰堤を乗っ越した先で追いつかれました。聞けばこの方も「この上に温泉が湧いている」という情報をどこぞで知って登ってきてみたのだとか。それじゃ一緒に探しましょうというわけでまたしばらく登っていくと‥



沢沿いではありますが、ちゃんと本流とは区分されていて、沢からの流れ込みもほとんどないようです!で、まずは源泉の温度を測ってみると‥



「46.4度」。微妙に沢水を導入すれば案外適温にて楽しめそうですね。

というわけで喜び勇んで手作業で掘り始めたTakemaなのですが、先ほどの男性、わざわざ登ってこられた割にはこの野湯にあまり感動していない様子です。源泉に手は入れたと思いますが、あとは何だか遠巻きに見ています。別にお手伝いいただくほどの作業でもないのでそれは全然問題ないのですが‥。やがて「わたしは帰りますね」と言い残して沢を下りていってしまいました。

そうはいっても特に心当たるフシはないんですけれど‥。もしかして、下の無料露天湯みたいな「整備された湯」を想像して登ってきたのかも知れません。だとしたらこの湯はやっぱりちょっと‥かも。でも何だか「謎のセーネン氏」でありました。



でもさらに底ざらいは続くのであります。小石や木の葉や、すくう物はいくらでもありますんで。


「木下小屋奥の湯清掃中」

幸いなことに木の葉などの腐敗臭は全くなく、湯温的にもいい感じです。あとはもっと深くしたいところですが、一応公園内なので‥。

Wmv形式、442KMB、9秒(み、短い!)


そしてさらうこと約5分(すぐ終わりました)、まぁこんなもんでしょ系の作業終了です。幸いアブが少なかったので(いないわけではない)多少なりとも安心して入浴できます。おしんこどんは「(あまり快適そうじゃないので)わたしゃいいや」ということでした。最近の彼女は「ここは!」と自分が納得できる湯にしか入りませんね。



ちなみにかなり浅く見えますが、上流側=源泉側をそこそこ深く掘ったので腰湯は十分にOKでした。木の葉はかなり入念に取ったので、不純物も少なくて湯上がり時の身体拭きもそこそこ簡単で済みましたっけ。

服を着てからもう一度写真を撮ろうと見てみたら、赤色の析出物はどんどん沈殿し、表面は透明湯に戻りつつありました(右上画像)。お盆本番だし、数日中に温泉ファンが訪れる可能性は高そうな気がしますね(笑)。

そんなわけで再び山を下り木下小屋へ。ここでしっかり野湯の垢を落としてしまいましょう。幸いどなたも入っていないということで、貸し切りでタンノーすることに。しかーししかし!



こ、これは人類が生物学的に入れる温度ではないような?かけ湯?勘弁してください(笑)。



こちらの2つの湯船も手前はこの湯温です。ちなみに大切なことですが、「蛇口やホースから水は出ません」(笑)。

というわけで、一番奥の丸湯船@こちらも44度くらいはあったと思いますがわれわれには十分適温、にてくつろぐことといたしました。気がつけばおしんこどんにしたら「本日最初の外来入浴」だったのね(笑)。



おしんこどんの口に何か付いているように見えるのは、飛翔中の昆虫です(笑)。

木下小屋の湯をいただいたあとは、これまたずいぶん遅くなってしまいましたがそろそろ昼食を食べておかないと「おしんこどん急速パワーダウン」の憂き目を招いてしまいます。今日は別に海鮮抜きというような縛りはないんですが、Takemaが予行の計画を立てる時に一番手を抜くのは「お食事処リサーチ」だったりするので、全然アテがありません。

知床観光のメインゲートであるウトロまでやって来ましたが、どこの店にどんなウマイもんがあるのか、それは全く知らなかったりするのであります。今後の北海道うまいもんについては出発前によーへいさんあたりに聞いておくのがいいかも(笑)。

で、全く工夫もヒネリもくそもないんですがウトロの道の駅の食堂へ。

しかーししかし、これが馬鹿にできないじゃないですかウマイじゃないですか!自分は基本的に羅臼よりもウトロ派だったんですが、道の駅一つとってもやっぱり羅臼とウトロとでは洗練度というかそれは同時に「客慣れ度」というのかもしれませんが、全然違いますね。

でもこのあと「羅臼ならではの湯」をいただくことになったのですからやっぱり玄人好みの羅臼も捨てがたいよなぁ、うふふ。

ということで、ふたたび知床峠を越えて羅臼へと向かいます!



峠に向かうにつれて徐々にガスのお姿が‥何だぁ朝と変わってないのね。ということは‥



というわけで、これから相変わらずガスっている羅臼側に突っ込みます!

幸い朝方ほどガスの水分が濃くなかったせいでジャケットが濡れることはほとんどありませんでした。そんなわけで峰の湯に無事到着です。しかしこれでオシマイではありません、これから今日最後のミッションである「山小屋峰」の湯に浸かりに行きたいのであります。

時間的にチェックイン最盛期の17:00よりは早い時間でしたが、それでもフロントのお兄さんはそこそこ忙しそうでした。でもこの人に昨日「山小屋峰の温泉に云々」とお話ししてありましたので、ちょうどお客さんが途切れたタイミングで「あのぉ、例の山小屋の温泉に‥」と声をかけてみるとどこぞに内線電話。「大丈夫です。係の者が参りますので少々お待ち下さい」と、とっても丁寧な対応です。あとで知ったのですが、この方が宿の二代目さんだったのですね。

少し待っていると、「お待たせしました」と、少々年配の方が出てきました。車で案内するとのことでしたが、せっかくなのでこちらはバイクで行ってみることにしました。でも凸凹鉄板敷きの橋は変にタイヤを取られそうで、特に雨の日は恐そうですねー(笑)。

というわけでわれわれの本来の宿泊施設である「山小屋峰」に到着です。予約前にウェブで外観画像は見ていましたが、改めて目の前にしても瀟洒な建物で「山小屋とは何ともご謙遜を!」という感じです(いや、だからといって木下小屋を卑下しているわけではありませんのでお間違えなきように)。しかも事前に調べていたところ、

というコメントを見るに(ソースはこちら「北海道・源泉マニアの突撃入湯レポ」)、是非ともここの湯には浸かっておきたいと考えたのであります。

われわれを先導してくださった方はそのまま管理人室へ。「じゃ、わたしはここで高校野球を見てますから、お湯から上がったら声を掛けて下さいね」というお言葉とともに。ん?この人、ただ者じゃないぞ?と感じたのは言うまでもありませんでしたが、その事実はこのあと明かされるのであります。そんなわけでまずはお風呂へ。



うぉーお、この半露天湯、かなりヨロシイではありませんか!

「山小屋」という名前から来るイメージからはかなりかけ離れたスバラシイ湯小屋です。ちなみに男女別ですが女性側?は湯が抜かれておりました。源泉は無色透明、やや鉄っぽい味がしました。しかしそれにしても、こんなにいい湯宿なのに宿泊客が少ないっていうのはもったいない?いやいや、あまり詳しくは書けませんが、それにはいろんな事情があるようなのです。

湯上がりにお話を伺うと、われわれを案内して下さったのは「予想通り」峰の湯のオーナーさんでした(どこかの宿とそっくりのパターンですが、それがどこなのかについては書けません(笑))。で、ここの宿はそもそも「山小屋=宿」として作ったわけではないこと、そして建築上のご苦労、さらには峰の湯の財政状況等、「こんなイチゲン客にそんなお話しまでなさってよろしいんですか?」というところまでお話し下さいました(それに対するコメントとして「オーナーさん、先見の明がありましたね」とだけ言わせていただきます)。

そうこうしているうちに電話が鳴りました。ということはもしかして?「そう、あのフロントにいるのが息子だよ」。そ、そうだったのかぁー!(そこまでは読めませんでした)。何だかいきなりこちらの宿に親しんじゃってものすごく嬉しくなりましたわ。

ちなみにすぐ向かいには地図にも出ている「間歇泉」があるのですが、これについてもいろいろとご説明をいただきました。羅臼町役場、もうちょっと本腰を入れていいんじゃないんですか?と思えるほどに、オーナーさんが羅臼のことについて真剣にお考えになっていることがわかりました。

「このようなお考えを持っている方がおられる限り羅臼は大丈夫」。そう感じた「山小屋峰」訪問でありました。でも宿の部屋に戻ってからおしんこどんと話したのは‥

お盆真っ盛りの夕方にゆっくり高校野球を見られる方といえば「オーナーさん」以外にいませんし、息子さんから電話をもらってから、オーナーさんはすぐに帰り支度を始めましたからね(笑)。

そんなわけで、この日はこれでオシマイ。セイコーマートで買い出しをしてきて夕ごはん。おやすみなさーい。
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