−その1 霊泉寺温泉、沓掛温泉、田沢温泉駆け足行脚 −

(2009/5/31-6/1)

とある理由から休日出張に対する休み(月曜日)がもらえることになったので(お金よりも休みを選ぶTakema)、「こりゃ日曜泊まりでどこかへ行くしかないでしょー」。

ではどこに行くべきかと考え始めてすぐ、休日には酷いとしかいえないほど激しい渋滞に見舞われる中央道方面がすぐさまターゲットエリアとして挙がりました。では泊まりとなればどこの温泉に?うーん、有効期限があと1年くらいになった「秘湯を守る会スタンプ帳」が、今のところ7つまで来ているんですよね。ならばということで「秘湯の宿」縛りで考えてみたところ、おお!と思う宿がピックアップされたのであります。それは‥

というアイデアでありました。北アルプスは燕岳への登山口に位置する中房温泉ですが、いつも登山口として利用してばかりで「下山後の一浴」の経験は一度もなかったんですね。「ちゃんと」していない湯というのは、沢沿いに湧き出る源泉を利用した野湯のことなんですが(詳しくはこちら)、この湯を「これぞ中房温泉なり!」と豪語してはばからないでいられるほどTakemaの神経は図太くありません(ホントかなー)。

というわけで中房温泉に宿泊決定!安い部屋でもスタンプは押してもらえる旨を確認した上で数日前に予約完了。日曜日にいくつか湯めぐりした上で中房入りし、月曜日は‥ま、当日考えればいいさというところです。



さて日曜日は少しゆっくりと9時過ぎに出発しました。お天気はイマイチというか基本的に曇り時々小雨といった感じなので「しめしめ、こんな日は高速も空いてるだろうしラッキー♪」と思いましたが、往路として選んだ関越道は結構混んでました。これも1000円高速の影響ということでしょうか。

東部湯の丸ICで高速を降り、まず最初に向かったのはIC出口のすぐ前にある「スーパーコメリ」。地方のホームセンターは結構地元のニーズにこたえた品揃えをしているので立ち寄るのが楽しみなんですが、ここはそのコメリグループ店舗の中でも「メガ系」なので、立ち寄るのがちょっと楽しみだったりするんです。でも今回は特に大物は買いませんでしたが(笑)。

ふと時計を見てみたらもうお昼前。というわけで「12:00-13:00には食べない主義(混むから)」のTakemaは急いでお食事処を探します。おっと蕎麦屋の看板発見!というわけで県道81号からちょこっと入った場所にある蕎麦処「叶」へ。

県道からちょこっと支道を入っただけなのにこの深山幽谷侘び寂びみやび系の雰囲気は何なのさ?店内に入ってみたら一番客なのはいいとして(嬉しい)、まるで高級バーだかスナックのようなカウンター配置にぶったまげました。何だか面白いお蕎麦屋さんだぞー。ちなみに窓際には猫が2匹まったりしておりました(右上画像マウスオンで別画像に変わります。1匹は猫屋敷内で寝ておりますので見えているのは1匹のみ)。

こちらのお店の蕎麦は3種類あって、頼み方によっては2種または3種のお蕎麦をタンノーすることができます。Takemaは右上画像の更級(さらしな)単品でしたが(少食系男性なので)、おしんこどんは叶盛だったかな。かなりお腹いっぱいになったようでしたから。お値段が全体的に高めなのが気になりましたが、これも関東甲信越価格なのかなと。だからわたしは東北が大好きなんです(安くてうまい!高くてうまいのはあたりまえなので)。

食後は本日の第一湯として霊泉寺温泉共同浴場を目指します。ここの湯は風情を含めてかなりヨロシイという噂を聞いていましたので‥。

左上画像に指示されている駐車場に車を止めて、そのまま温泉街に歩いて行きました。と、その印象はといえば、

日曜の午後=泊まり&日帰り訪問客がほぼ帰った、ある種平日ともいえるタイミングでの訪問、しかも曇り時々雨という何とも言えないどよよん系のお天気の中で温泉街を歩いているのはわれわれ2人だけ。ここ霊泉寺温泉が「長野県の温泉街の中でも鄙び度が高い」という話は聞いていましたが、まさかここまでとは!と思わせられました(もちろんほめ言葉ですよ)。そんな思いを抱きながら歩くことしばしで共同湯へ到着です。ちなみに共同湯の向かいにある「なかや」さんにはいつか泊まってみたいなー(右上画像マウスオン)。



ちょっと古びた鉄筋コンクリ造り、2Fは公民館として使われているんでしょうか。ポストがいい味を出してますね。

入浴料200円也を管理人さん(常駐)に支払い、脱衣の上で浴室へ。横長の広い浴槽に結構な量の湯がかけ流されています。どうという特徴はない無色透明湯なのですが、湯ざわりのいいやさしいお湯です(うまく説明できなくてゴメンナサイ)。ちなみに先客さんが1人おられた&長湯の方だったので、浴室の画像はなしです。でもTakemaもトドになったりしておりました(笑)。何、「トドって何だ?」って?失礼ですがそのような方はこちらを読んだ上で出直し!(笑)。



というわけですりガラスの向こうにはめくるめき極上湯船が。この続きはそのうちあなたが体験体感して下さいな(笑)。

さてそんなわけで霊泉寺温泉をあとにして‥ここで大失敗。鹿教湯温泉はまぁいいかなと思ってパスしたのは最初の思惑通りだったのですが、その手前にあった大塩温泉、ここは是非立ち寄ろうと思っていたのにすっかりその存在を忘れちゃってました。ちょうど共同湯が開く14:00近くだったのに‥。ま、また来ることもあるでしょう(こっちの方には普段なかなか足が向かないんですけれどね)。

というわけで次に目指したのは沓掛温泉。共同湯である「小倉乃湯」には、ぬるめの湯が満たされているということでしたが‥。

集落内にはほとんど人の気配がないのに、この小倉乃湯周辺だけは何だか人の出入りが結構あります。日曜の昼過ぎだし、こりゃ貸切なんてのは夢のまた夢だろうなと思いつつ中に入ってみると靴箱にはそれこそ大量の靴がずらーっと並んでおりました。料金をお支払いして脱衣場に向かうと脱衣カゴもほぼ満杯、そして浴室内には、

浴槽は大小2つに別れていてそれぞれ源泉が違うということのようでしたが、奥の小浴槽にはもはや割り込むスペースすら残されていないようです。よって手前の単純硫黄泉浴槽をターゲットに定めました。しかしこちらも「無理を言って少し寄ってもらえば入れる」程度の空きスペースしかありません。よって「誰かが上がるのを待った方がよさそうだなぁ」と思いつつまずは掛け湯を始めたその瞬間、「それとて容易なことではない」ことに気づかされたのでありました。それは、

というわけで作戦変更。身体全体を流し終えたら「はいはいゴメンナサイよ強麺なさいよ失礼しますよ」と、入浴を強行(笑)。とりあえず浴槽内に一瞬の「動揺」をお願いした上で、まぁ何とか入浴そのものは何とかなりました。ふぅ。

お湯は‥先人の記録によれば33℃前後だとかいうことでしたが、確かに体感でもそんな感じです。奥の浴槽(単純泉)は源泉が39.5℃ということですから、なるほどそれであちらの方の密度がより高かったというわけですね。透明湯ですが浴槽内には白い湯の花が少々舞っています。

入浴2分経過。誰も出ない代わりに誰も入ってきません(入れません)。ついでにいえばほとんどの人が地元住民かと思われるのに、浴槽内の会話もほとんどありません(不思議)。ちなみにTakemaの目の前の人は白人さんでしたが、この人もまた違和感なく無言で入り続けています。

4分くらい経過。状況に変化はありません。皆さん無言の行を続けるばかりです。たまに二言三言の会話がなされますが、すぐにまた静寂の世界に戻ります(笑)。

6分くらい経過したところでこの「入浴荒行」から最初に離脱したのは何と最後に入ったTakemaでありました。奥の単純泉浴槽トライはもう完全にあきらめました。「お先です」と言って身体を拭いて脱衣場へ。そこで服を着終わって、再度浴室内を見てみると‥

いやー何ともいっぷう変わった入浴体験でありました。皆さん平均して何分くらい浸かっているんでしょうかね?

ちなみに建物の脇には足湯(無料)と洗濯場(有料)が並んでいました。共同湯の混雑とはうってかわって、こちらはしばらく誰も立ち寄った気配がありませんのでTakemaが独占的にタンノーしました。ちなみにおしんこどんは「睡魔王国の大王」に見そめられてしまったらしく、この間ずーっと車の中で爆睡していたようです(笑)。



右が足湯、左が洗濯場。洗濯場の湯口には飲泉用カップが備えてありましたので源泉100%は間違いなしです(右上画像マウスオン)。

さてこのあとは気を取り直して‥これまた混雑が予想される田沢温泉共同湯である有乳湯(うちゆ)を目指したのであります。が‥温泉街を上がって有乳湯の目の前まできたところでこれまた出入りするお客の多さにここでの入浴を断念。せっかく温泉宿があるんだからということで、すぐ下にある重厚な木造三階建てのますや旅館さんに目的地変更!これが大正解でして、本日3湯目にしてようやく誰もいない貸し切り湯をタンノーすることができたのであります。



そびえ立つ木造三階建てはいやがおうにも歴史を感じさせます。島崎藤村も逗留したのだとか。



お風呂に続く通路を歩くだけでも「時代」を感じさせてくれます。ちなみに映画「卓球温泉」(1998)のロケが行われた宿でもあります。

さてそんなわけで浴室へ。こちらの源泉は有乳湯と同じ源泉らしく、その素性正しき田沢の湯をゆっくりタンノーさせていただこうではありませんか!

浴室(男性)はそれほど広くはありませんが、浴室そのものがリニューアルされていて「こ、ここはどこの宿のお風呂?」と思われるくらいにきれいな感じでした。ただこのタイル張りは宿の雰囲気とはちょっと合わないかもしれませんね。湿気の絡みでしょうがないのかも知れませんが‥。

でもやっぱり硫黄臭漂うお湯は一級品!かけ流しのお湯がこんこんと流し込まれるさまは何とも落ち着けて‥いいですね!この宿には宿泊して「卓球」にいそしんでみたい気がします。そもそもこの地域は大きな観光地もなく「ちょっとしたエアポケット」的なエリアのように(関東人Takemaとしては)感じるのですが、だからこそ今に至るまで独特の風情が残されている気がします。今回は駆け足での通過でしたが、今度はこのエリアをメインに訪問してみたら面白いかなとも思います。

さ、時間もそろそろ夕方近くになってきました。暗くなる前に中房温泉まで上がらなきゃ。
[戻る] [次へ]