神津島、式根島、新島、大島の温泉行脚

− その9 式根島温泉めぐり(3) 松が下雅の湯は万人向けの温泉施設+2湯 −



この整備状況からして、ガキお子様でも安心して適温湯を楽しめそうです。でも強塩泉なので泳ぐと目が痛くなるぞやめておけ(笑)。

さてそんなわけで続いては式根島の露天温泉きっての完璧整備「松が下雅の湯」であります。前にも書きましたがここの湯は地鉈温泉からの引き湯で、少しだけ高台にあることから24時間いつでも入浴することができます。もちろん脱衣場も完備で何らの問題もありません(ただし伊豆諸島内の混浴露天風呂は全て水着着用が義務づけられていますので念のため)。

まぁ「整備されすぎ感」はないでもないですが、先ほどの2湯が野趣あふれる系だったのでたまにはこういうのもいいでしょう。ただし上画像の足湯エリアはこの時期(3月末)かなりぬるくて、足だけでも浸けたいとは思えない湯温でした。源泉は74.4度と高温なのですが(これって地鉈温泉での測定でしょうか?)、この時期は足湯よりも全身浴の湯船側に湯の供給を集中させているようです。そりゃそうだ寒いもん(自己納得)。

ちなみに足付温泉でお会いした女性によると、地鉈温泉の源泉を共同湯とこことに配湯している関係で、最近は地鉈の湯そのもののパワーが落ちてきているのだとか。湯量だけの問題ではなく、成分そのものも何だか薄くなってきたような感じだということです。もともと自噴だった地鉈温泉の源泉を動力で揚湯すれば本来の湯のキャパシティを超えてしまうわけで、いろいろなところに問題が生じて来るというわけですね。願わくはさらに配湯先を作りませんように(to 新島村各位殿)。

で、肝心の全身浴露天風呂は2つありまして、源泉がドバドバと流し込まれている浴槽(左上画像マウスオン)の方が熱いです。時期が3月下旬で気温がそれほど高くないためということもあるでしょうが、湯の流し込み口の近くの体感で44度半ばというところでしょうか(ただしもっと近づけば一気に湯温が高まるので危険)。

右上の湯船は41度くらいだったでしょうか。こちらは長湯も十分にOKという感じで広いです。でもなぜか湯の供給が間歇泉的だったのが不思議。前のページでおしんこどんがポーズを取っていたのはこちらの湯船でした(右上画像もマウスオンするとおしんこどんバンザイ画像に変わります)。



このあたりがアツアツ源泉の近くでなかなかいいんですよ(でも油断するとアチチのチ)。



湯船ではしゃぐネタが尽きたので、ケロリン桶を手にしてちょいとポーズ(全然変わらないって?)。


「松が下雅の湯全体風景」
実はこれ、山海の湯に行く前にこの湯を通過したときに撮った映像なんですけれどね。

そんなわけで3湯目をクリアして服を着てしばしまったりしていたわれわれでありましたが、Takemaとしては「さらに干潮になった今こそ『あの湯の旬』になっているのではないか?」と、ちょこっと某所(というか漁港)に足を延ばしてみると‥。



足付漁港の船上げ場には、干潮時のみ湧き出る温泉があるんです。ちゃんと穴が開けられているところを見るとこの湧出を前提としてコンクリを張ったんですかね。



何だかけなげさを感じます。「君の瞳に乾杯っ!」って感じですかね(前にどこかで使ったネタだなぁ、今はなきこの野湯だったっけ)。



実はここに限らず別のすき間からもどんどん湧き出ていました。だからこの穴にかかる水圧が下がっちゃったのかも。

この場所は中途半端な干潮だと海の中だったりするんで、宿などで「その日の干潮タイム」を聞いた上で訪問することをお勧めします。波打ち際付近は濡れていると非常に滑りますが(ホントよ)、干潮になって乾くと一気に滑らなくなりますので、そういう安全上の意味でもお勧めです。そういえば拙サイト掲示板に書き込みを下さる某氏はここで子供用のビニールプールを広げていたなー(笑)。

「漁港の湯の全体風景」
口に含んでみると、こんな場所からの湧出であるにもかかわらず塩分はそれほど強くもなくマイルド。ご覧の通りの透明湯ですし、源泉の泉質を分析したらどんなものなんだろう?

そんなわけでこの界隈の湯は一通り回ってみたわけですが、実はさっき、とある海岸付近に立ち上る湯気を目撃してしまっていたわけです。遠目にも湯気が上がっているのが見えたということはかなりの高温湯が自噴しているのか?先人の記録にもそんな話は聞いたことがないからもしかして新湯の湧出とか?どうせそんなことはないだろうと思いつつも、もしかして入浴可能な湯だまりでもあろうものならすかさず入っちゃおうかな?というやる気だけは満々でした(笑)。

で、某所から海岸方面に下っていくと‥



そのこと自体は間違いのない事実でした。ただしこの湯は自噴の源泉ではありません。左上画像をよく見るとパイプから湯が流されているのが見えると思います(老眼等で「見えないぞ!」という方は左上画像にマウスオンして下さい=各世代への優しい心遣いでしょ)。で、そのマウスオン画像を見るとかなり結晶が付いてますね。これはなかなか成分の濃そうな湯でもあります。

そう、この配管から察するに、この湯は地鉈から松が下雅の湯への源泉送湯途中に設けられた余り湯排出口であると思われるのです。

この余り湯が流れる界隈には湯だまりがいくつもありますが、いかんせん源泉温度が高いですから「直湯は死を招く」と思われます。あえて適温をというのであれば満潮時の方がいいような気がします。でも干潮時にも「こっちの潮だまりに湯を導入すれば‥」と思われる場所がありました。その作業はたぶん可能でしょう。今回は時間の関係でやりませんでしたが(お腹も減ったし)、足付温泉のような藻の繁殖もないところに湯を引き入れて入るのも一興でしょうね。

「余り湯もこれだけあれば」
熱い湯だけに広い潮だまりを見つけて石で「徐々に加温」を目指すのが正解です。でも画像にはその肝心な「候補となる潮だまり」が写っていません。現地で探してね。

そんなわけで湯には浸かりませんでしたが、3湯完浴+2湯を手浴足浴でタンノーし、いったん宿へと戻ります。お腹も減っちゃったしね(この時点で先ほどの食堂が昼の休業タイムに入っていたことを知りました)。よってパンを買い込んでしばし休憩です。



広いロビーに開放的な2F洗面エリア。こちらのお宿は「民宿」なんだけれどスゴイ。大手が参入できない離島だからこういうふうにできるのかも。

さてしかしこれで終わりではありません。この島ではまだあと2湯+1が残っています。ちょっと休憩したあとは再び先ほどのエリアに向けて出発です!
[戻る] [次へ]